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図名の「輭」は「軟」と同じ意味の字です。右の図の「螽」は、いなごやキリギリスを意味する字です。次に「羽類」
「甲類」と書かれています。甲類は、蝥(務に虫)と書かれていますが、これはネキリムシのことです。「螽」は、最初に出た
文字と同じですが、どの虫を指しているのかわかりません。「羽類」の下位には、「竪部」と「横部」に分かれています。図では
「堅部」となっていますが、「竪部」が正解です。文字が滲んでいて「堅」のようにみえたのですが、「横-竪」で対になります
から「竪部」でしょう。その下は、「蛾隊」「蚊隊」「蝿隊」「蜂隊」と分かれています。 その下は「蟷隊」「螽隊」「豉隊」「蝥隊」と分かれていますが、現在の分類におけるどの虫に当たるのかわかりません。 左端の「豸」は、這う虫のことです。「ち」もしくは「たい」と読みます。「虫豸」は「ちゅうち」と読みます。その中に、 足を持たない「倮類」(裸類)と足を持つ「脚類」に分けられています。それらが更に分けられています。おそらく「倮類」は ミミズやヒルなどでしょうし、「脚類」はムカデ・ヤスデ・蜘蛛などのことでしょうが、現在の分類法でのどの虫に当たるのか、 詳しいことはわかりません。昆虫の研究を専門にしている人と一緒に調べると面白いかもしれません。 左は苔類と菌類の分類です。右の「苔」(こけ)は「寓類」と「菌類」に分けられています。梅園はほとんどを国東半島のほぼ 中央部の安岐の里に住んでおり、月に一度、杵築の港に出向く程度でしたから、生物を観察するには不向きな環境でした。これら を現代の生物の分類と突き合わせて考えるのは興味深いことです。 |