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この図は「人」つまり環世界主体を中心に描かれています。下の「体」(図では正字の「體」)は、生物の多様な形態すべてを意味しています。
決して人間の体のことではありません。蟻やムカデのような「体」もあれば、ミミズやカタツムリのような「体」もあります。
魚や鳥もそれぞれの「体」を持っています。それらすべてが「体」なのです。 これまでの梅園研究では、ユクスキュルの環世界論との関係など、誰も考えていませんでした。ひたすら弁証法になぞらえた解釈ばかりが まかり通っていました。戦後日本では、イデオロギーが学問を押し倒していたのです。 左の「意為図」の中央の「人」も環世界主体のことです。天地には天地の道徳があり、環世界主体には環世界主体の道徳があります。 梅園は、以下のように書いています。 01303: 徳なる者は〉其の有する所なり〉 01304: 道なる者は》其の行する所なり》 01305: 天徳は自然〉而して其の道や成る〉(自然は「ジゼン」と読む。自ずから然る、の意。) 01306: 神徳は使然》而して其の道や為す》(使然は「シゼン」と読む。然ら使める、の意。) 01307: 故に馬なる者は〉遠くに行くを有す者なり〉 01308: 牛なる者は〉重きを負うを有す者なり〉 01309: 馬なる者は》遠きに行くを行う者なり》 01310: 牛なる者は》重きを負うを行う者なり》 01311: 乃ち牛馬の道徳なり。 同様に、太陽は昼夜を換え、季節を巡らせるのがその「道徳」であり、月は、闇夜を照らすのがその「道徳」です。 これを人間のモラルの意味に取っていたのがこれまでも梅園研究でした。 |