114.乾潤滋煦図(かんじゅんじくず) 自筆の誤記を改む

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 「乾潤滋煦」は、乾き・潤い・滋養となる水・暖かさという意味ですが、これらがないと生物が育ちません。 天空は乾燥していて太陽が輝き、地上は水をたたえて潤い、大気は暖かさと寒さを和らげ、澄んだ水は生物を育みます。
たったこれだけのことなのですが、これらの条件が揃わないと地球の生命圏はずいぶん異なったものになります。

 この図で重要なことは、梅園が意図的に、「侌」と「昜」を入れ替えて描いていた点です。黄鶴の校訂を手伝った矢野弘 (梅園の最後の弟子で、黄鶴の娘婿)も、「コノ図、左右侌昜ヲ誤ツ」と付箋に書いています。

 詳しいことは、校異を見ていただければお分かりになりますが、これは、真理値表が創られる前の真理値の表現でした。
梅園は、あるところで「組みて落ちるところは同じき所」と書いています。つまり、誰もがそうだそうだと納得したときは、 皆が間違えた時という意味です。イスラエル議会は、議員全員が賛成したら議長が否決します。不並立の真理値表では、すべてが 正しい時は間違いという値を返します。

 梅園は、すべての図を「左陰右陽」で描いていますが、それは論理ではなく規則です。この「乾潤滋煦図」は、 梅園が生涯の最後に描いた図です。それ故に、真理値表がなかった時代の真理の表現として敢えて逆に描いたのです。


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