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右の「性物剖析図」は、温・冷・寒・熱・明・暗・乾・潤など、空間に広がる性質を排反事象に分けた図です。 図の中心には語が配置されておらず、「天気」(天空に広がるもの)、「地気」(地上に広がるもの)、「象」(水を含まぬもの)、 「質」(水を含むもの)に分けられています。 景 ・・・ 太陽の光圏 天気< 「天気」は、宇宙空間における無形の存在。 影 ・・・ 宇宙の暗闇 燥 ・・・ 大気・空気・乾燥 地気< 「地気」は、地上における無形の存在。 湿 ・・・ 湿り・潤い 日 ・・・ 空の太陽 象< 「象」は、水を含まない存在。宇宙の「日」、地上の火。 火 ・・・ 地上の火 月 ・・・ 夜空の月 質< 「質」は、水を含む存在。宇宙の「月」、地上の「水」。 水 ・・・ 水・水流・水圏 景 ・・・ 太陽の光圏 天陽< 「天陽」は、宇宙空間における陽の存在。 日 ・・・ 空の太陽 影 ・・・ 宇宙の暗闇 天陰< 「天陰」は、宇宙空間における陰の存在。 月 ・・・ 夜空の月 水 ・・・ 水・水流・水圏 地陰< 「地陰」は、地上における陰の存在。 湿 ・・・ 湿り・潤い 火 ・・・ 地上の火 地陽< 「地陽」は、地上における陽の存在。 燥 ・・・ 大気・空気・乾燥 地球環境を構成するにはこれだけの要素があるということです。現代文明以前に作られた思想ですが、そうであるからこそ考察に値するものがあります。 左の「同反比図」は、とうぜん「性物反比図」という意味です。上半分が「天」の象限で、下半分が「地」の象限です。その上で、「反」の関係にあるものを黒い線で、「比」の関係にあるものを白い直線で結んでいます。こうすることで、大規模構造と小規模構造の関係を明らかにしようとしているのがこの図です。 「反」は、磁石のS極とN極のように排反性によって互いを排除し合う関係です。「比」は同類の者同士の関係ですから、類推可能です。末木剛博氏はその論文「「玄語」の論理-その1-」で、「要は集合と集合との問には反観を用い、個物と性質との関係に関しては推観を用いる」と考察していますが、この考察を正しいものと考えます。『玄語』を「推」で検索すれば妥当する文はいくらでも出てきます。 第一象限の「日」から見ていきます。「日」の排反事象は「影」です。「日」は太陽のことであり、「影」は宇宙の暗黒です。1時のあたりに「景」がありますが、これは光圏のことです。「景」の排反事象として「月」がありますが、これは光を反射させるものだからでしょう。第二象限には「影」があり、「水」と「比」(比偶)の関係にあるものとされています。両者は、光を吸収し、遠くに行けば、あるいは深いところにいけば暗黒になるという性質において共通しています。 その「水」は「燥」(大気・乾燥)と排反事象になり、その「燥」は太陽である「日」と類推可能な関係になりますので、白線で結ばれています。 「月」は「湿」(うるおい。図の文字は異体字)と類推可能な関係とされています。これは月の引力が潮汐を起こし、満月の夜にサンゴの産卵が起きるような繋がりから関係づけられていると思います。また、梅園は「09029: 諸辰の景中に在する者は、皆な水を体するなり」と書いており、月のような衛星は必ず水を持つと確信していました。たしかに、月の深部には氷があるそうです。地球も、太陽がなければ氷の惑星になり、生物が生存できる環境ではなくなります。「火」と「水」を宇宙規模に拡張したものが「日」と「影」です。逆に言えば、「日」と「影」を地球規模に縮小したものが「火」と「水」です。 |