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「為物剖析図」(いぶつぼうせきず)と「成物剖析図」(せいぶつぼうせきず)を解説します。それぞれ「為すものを排反性の原理によって
分類した図」「成るものを排反性の原理によって分類した図」という意味になります。 排反性の原理は「反」を私が現代的に言い換えたものですが、身近なもので言えば、磁石がそうですし、表と裏や明るさと暗さがそうです。世界が正反対のものの組み合わせから出来ていることを示した最初の思想は、易(えき)の陰陽図です。梅園の思想も、陰陽論の延長上にあります。 地球環境を構成する素材は「気」「物」「性」「体」の四つだと言うことを明示しているのが「為物剖析図」です。 これらによって生み出されるものが「成物剖析図」(せいぶつぼうせきず)に書かれています。 その「成物剖析図」(せいぶつぼうせきず)から推測すると、「為物剖析図」は地上の気象現象を起こすもととなるものを 書き留めていることになります。 第一象限は(気☓性)=性気となっています。無形のものである「気」は、発出するか収束するかであると書かれています。 発出するときは、いわばその準備段階として内圧を高める段階があります。内にこもって発出の準備をするわけです。機が熟せば発現します。 ですから「成物剖析図」の同じところを見ると春と夏に成っています。「発」に対応する語が「熱」に成っています。 同じように「為物剖析図」の「収」を見ますと「達」と「収」になっており、「為物剖析図」は「秋」と「冬」になっています。秋は実りの季節です。 そのことを「達」と書いたのでしょう。「晋は双山の一農夫なり」と言っていた梅園は、現代人より遥かに季節の変化の機微を感じていたと思われます。「冬」は「収」つまり生命の活動が収束する事によって生まれるものです。気温は下がり、樹木は紅葉して葉を落とし、 春を迎えるために種となって土の中で春の訪れを待ちます。 「為物」の第二象限以下は、文ではなく論理式風に書きます。 第二象限 (気☓体)→体気 体気(散/結) {散(融/解)}/{結(凝/結)} 第三象限 (体☓物)→体物 体物(虚/実) {実(堅/重)}/{虚(軽/軟)} 第四象限 (体☓物)→性物 性物(清/濁) {清(通/明)}/{濁(暗/隔)} 同じく「成物」は、 第二象限 (天☓陰)→精 精(乾/潤) {乾(燥/火)}/{潤(氷/水)} 第三象限 (地☓陰)→根 根(堅/軟) {堅(山/谷)}/{軟(風/恬)} 第四象限 (地☓陽)→英 英(明/暗) {明(昼/望)}/{暗(朔/夜)} なんだか混乱しますので、外周の語だけ説明します。「為物」の「散」には「解」(ほどける)と「融」(溶ける)があります。 それに対応する「成物」には、「燥」(乾燥)と「火」があります。乾燥すると、物は水分を失い、崩れやすく成り、最後には砂のようになります。 火は、いろいろなものを燃やして炎に変えてしまいます。紙でも木でも布でも同じ炎になります。 「凝」は氷になります。「結」は水になります。「堅」は「谷」になります。谷は堅いから流水で崩れないのです。重さは山を生みます。 軽ければ空中に舞い上がってしまいます。「虚」は軽さと軟らかさに分かれます。 軽さは風になり、軟らかさは無風状態(恬)を生むと梅園は考えたようです。「明」には、昼と満月(望月)があります。 「暗」には、夜と月の暗い面(朔)があります。 以上を概観しますと、梅園が地球環境の構成要素のことしか考えていなかったことが分かります。 |