凡    例



1. 本資料は、三浦梅園資料館から出版された「総ルビ訓読版玄語(上下)」の図版をアドビ・イ
  ラストレーターによって描き改めたものである。使用した資料は、岩波日本思想体系68三浦梅園
  の巻末の玄語図と辛島詢士編『玄語図全影』である。

2. 描き改めた理由は、

   (1) 岩波日本思想体系68の「玄語図」が梅園自筆のものではなく、梅園の長子三浦黄鶴(こ
     うかく)の訂正をそのまま採用した他筆本であり、図の校異がきわめて大まかにしか示さ
     れていないため、そのままでは、研究に支障をきたす恐れがあること。
    (2) 『玄語図全影』の出版部数がわずか300部で手に入りづらいこと、また、そのもとと
      なった複写が昭和44年と古く、細部に白ヌケなどがあってはなはだ読み取りづらいこと
     による。

3. 作成にあたっては、原則として、図中の語の訂正はすべて無視し、訂正前の書き入れを採用した。
  理由は、訂正の中に梅園自身のもの以外に、長子三浦黄鶴のものと思われるものがかなりあり、両
  者を判別することが困難であることによる。従って、この図集においては、一度は梅園自身が確定
  した図版が再現されている。

4. ただし、明らかに誤記であると思われるものについては、これを訂正した。同じく、図の中に文
  字を書き入れる際、位置を間違えたために、移動の指示("右へ" "左へ" など)をしているものに
  ついては、その指示が明確に正しければその指示に従い、指示する語を抹消した。指示が不明瞭な
  場合や、指示に従うと図の基本的な配置(陰陽天地の配置)が混乱するような場合は従わなかった。
	
5. 訂正のあるもの、また、移動の指示のあるもの、また、明らかな誤記を訂正した図については、
  図の当該ページに「校異あり」と記して校異を示した。他の校異のないものには「校異なし」と記
  した。校異(たんに注とすべきとも思うが、岩波版と照らし合わせれば校異となる)は、自筆の朱
  の書き入れを再現するようにした。ただし、細部までの再現ができているかどうかは、手元資料が
  不正確であるので、自筆稿本を観てみないと分からない。

6. 本図版の構成は、「総ルビ訓読版玄語(上下)」と同じく、

    第一巻  本宗      浄書本
    第二巻  天冊活部    安永本
    第三巻  天冊立部    安永本
    第四冊  地冊没部    浄書本
    第五冊  地冊露部    浄書本
    第六冊  小冊人部    安永本
    第七冊  小冊物部    安永本
    第八冊  例旨      安永本

 である。

7. 訂正の文字はすべて朱としたが、自筆稿本の書き込みは、朱の場合もあり、墨の場合もあり、ひ
  とつの図の中に朱の訂正と墨の訂正が混在している場合もある。朱と墨の使い分けに何らかの意図
  があるのかどうかは分からない。このサイトでは、明瞭を期して、訂正はすべて朱とした。このサ
  イトの『玄語』データベースが目的としているのは、訂正前の『玄語』の再現(各冊の構成は黄鶴
  編集に従っている)であるから、図中の訂正の文字の色分けにまでは拘泥していない。ただし、例
  外として「天地図」の図名の校異のみ、訂正を墨とした。                  

7の訂正。 自筆稿本における朱筆の訂正は全て梅園自身によるものである。梅園の書き癖から確認でき
      る。墨による訂正はおおむね黄鶴によるものであると判断して良い。


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