08856: 持中にては。其の気は柔にして燥なり〉 08857: 其の質はKにして湿なり》故に 08858: 持中は則ち水燥 政を為す。 08859: 寒熱明暗は。其の極を殺して。其の微を致す。 08860: BCは天地に合す。 08861: 造化は乾潤滋煦に於て成す。蓋し 08862: 天圏は則ち運の枝頭に華す》 08863: 地圏は則ち転の根頭に幹す》 08864: 地勢高下は山壑の章を成す〉 08865: 象形聚散は星漢の文を成す〉 08866: J圏に於ては乃ち地を為す〉 08867: 天文は》日弧は日に繋し》月弧は月に繋す》 08868: 地章は》水は低処に融し》火は高処に発す》 08869: J圏に於ては乃ち天を為す》 08870: 本天は則ち精虚にして。麁実の処に隠没す。 08871: 日なる者は火を発して自ら処す〉 08872: 月なる者は露を含して相い従す〉 08873: 水なる者は湿を醸して自ら処す》 08874: 火なる者は星を吐して相い立す》 08875: 月規なる者は小なり〉 08876: 日規なる者は大なり〉 08877: 駕して以て運転す〉而して 08878: 星漢なる者は大規にして〉能く静虚の影に居す〉 08879: 水球なる者は小なり》 08880: 燥球なる者は大なり》 08881: 乗して以て止住す》而して 08882: 土石なる者は小球にして》能く動虚の天に居す》而して 08883: 星漢なる者は変動の物なり〉 08884: 土石なる者は実静の物なり》 08885: 星漢は変動の物を以て〉静虚の景に居す〉故に其の脈絡を一にす〉 08886: 月辰は各Aの物を以て》変動の日に頼す》故に其の脈絡を別にす》是を以て 08887: 影曜は率従の分無し〉 08888: 景曜は率従の別を為す》 08889: 地なる者は山壑の方位に定す〉 08890: 運なる者は枢機の活動に変す》 08891: 地質は聚結して〉其の表に物を置す〉 08892: 天気は散敷して》其の中に物を容す》故に 08893: 彼の星漢の文は〉 08894: 猶お此の山壑の章のごとし》 08895: 彼の日月の繋規は〉 08896: 猶お此の水燥の依球のごとし》 08897: 各おの依ること有りて然り。 08898: 天の日月を比するは〉 08899: 猶お地の水火を比するがごとし》 08900: 地の水燥を反するは〉 08901: 猶お天の日影を反するがごとし》 08902: 日影は昼夜冬夏を為す〉而して月の功は微なり〉 08903: 水燥は乾潤滋煦を為す》而して火の功は微なり》 08904: 日月星漢は。天を周し地を周す。 08905: 衆辰は日機軸の中に在す。以て其の所属と為す。是に於て 08906: 影曜と日と昜徳を同じくす〉 08907: 景曜と月とA徳を同じくす》 08908: 日と火と其の物を同じくす〉而して地に於ては則ち火は微を為す〉 08909: 水と月と其の物を同じくす》而して天に於ては則ち月は微を為す》 08910: 月なる者は暗象なり〉 08911: 暗は日の為に転せられ。晦朔弦望を為す。 08912: 而して衆辰は皆な暗象なり。景中に同居す。小なる者は見難し。 08913: 或いは日に傍して繞る。 08914: 或いは歳填に傍して繞る。 08915: 僅かに鏡力を假りて之を見る。 08916: 顕なる者は填を為す。歳を為す。※惑を為す。太白を為す。 08917: 辰は則ち日に近し。日に近きに因りて其の旋を急にす。夫れ 08918: 転する者は地気を達して上す〉 08919: 運する者は天気を以て 降す》是を以て 08920: 昜華の開きて地に近き者は。 08921: 運転の脈理を其の標に帰す。地なる者は実質の根を託する処なり。 08922: 是を以て華は枝頭に発す。故に日圏は極昜の地を為す。 08923: 昜は舒暢の力を尽くすを得る。 08924: 舒暢の昜余と。地解の燥と和す。 08925: 鬱発は火を為す。火井熱池なる者は其の常なり。 08926: 時として山を裂き火を出す。 08927: 天に入りては霹靂流隕を為す。 08928: 燥の火は。猶お水の氷のごときなり。夫れ 08929: 水なる者は気より来するを以て〉而して其の質は密〉 08930: 燥は 質より往するを以て》而して其の気は粗》 08931: 結する者は重にして密なり〉結して密なりと雖も〉而も 08932: 地の堅凝にして不動なるがごときこと能わざれば〉則ち 08933: 勢は水ならざること能わず〉 08934: 解する者は軽にして散なり》 08935: 軽にして散すと雖も》而も 08936: 天の精融にして不濁なるがごときこと能わざれば》則ち 08937: 勢は燥ならざること能わず》 08938: 天を占むる者は〉昜物A気なり〉 08939: 地を占むる者は》A物昜気なり》 08940: 水燥の地は〉則ち湿火を微と為す〉而して 08941: 湿は則ち水の散なり〉 08942: 火は則ち燥の発なり〉故に 08943: 地に於ては則ち火を客と為す〉 08944: 地ならざる者は則ち天なり〉 08945: 水ならざる者は則ち燥なり〉 08946: 水燥は相い拒む。性の反するを以てなり。 08947: 天地を合して之を言えば則ち 08948: 天散の中にては火は之に麗す〉 08949: 地結の上にては水は之に布す》 08950: 日と影と歳を為す〉 08951: 水と燥と運を為す》 08952: 天に於ては則ち水を客と為す〉 08953: 地に於ては則ち火を客と為す》故に 08954: 火なる者は虚体の昜気よりして〉発して象を見すなり〉 08955: 湿なる者は実体のA質よりして》解して体を失すなり》故に 08956: 水は燥に偶す〉 08957: 火は湿に対す》蓋し 08958: 火なる者は燥中に体を有す。以て水外の解体に偶す。 08959: 比すれば則ち能く水に対す。 08960: 再び剖析する所に比すれば。則ち燥の火は猶お水の氷のごとし。 08961: 燥は昜にして解す〉 08962: 水はAにして結す》 08963: 水は結体を以て潤す〉 08964: 火は解体を以て乾す》 08965: 燥は〉其の気 温なり〉甚しければ則ち熱して火を為す〉 08966: 水は》其の気 冷なり》甚しければ則ち寒して氷を為す》 08967: 地火の体は微なり。未だ能く水と並立して。 08968: 解結の用を専らにすること能わず。然りと雖も。 08969: 体体は相い比して。能く体を結し体を解すれば。則ち 08970: 気質の端は此に見す。是を以て 08971: 火なる者は質の気に之くなり〉故に象は明にして気は暗なり〉故に 08972: 水なる者は気の質に之くなり》故に体は清にして気は濁なり》 08973: 水は質密を以て〉而して能く粗解に入る〉 08974: 火は気粗を以て》而して能く堅密に入る》 08975: 水は苔を生し蟲を化す〉無をして有に之かしむ〉 08976: 火は水を涸し木を食む》有をして無に之かしむ》是を以て 08977: 水は高きより卑きに就く〉 08978: 火は地を出でて天に帰す》 08979: 水なる者は気の動して結するなり〉 08980: 火なる者は質の動して解するなり》故に 08981: 結して質を成する者は〉先ず水に始る〉 08982: 解して質を失する者は》皆な火に由る》 08983: 水は能く収す〉故に塵垢を洗う可し〉是を以て 08984: 能く其の内を見して外を照さず〉 08985: 漬せば則ち物色をして深からしむ〉 08986: 滌げば則ち物質をして白からしむ〉 08987: 火は能く散す》故に実体を化す可し》 08988: 能く外を照して内を見ず》 08989: 燥けば則ち物色をして浅からしむ〉 08990: 焼けば則ち物質をして黒からしむ》 08991: 水は質に就きて住すれば則ち青し〉 08992: 火は質に就きて住すれば則ち赤し》 08993: 水は日に値えば則ち明なり〉 (値えば=あえば) 08994: 影に値えば則ち暗なり〉 08995: 火は日に値えば則ち暗なり》 08996: 影に値えば則ち明なり》 08997: 水の体や実なり〉其の気や収なり〉 08998: 収して質を成すれば則ち凝す〉故に融して流るる者は〉気の動なり〉 08999: 火の体や虚なり》其の気や散なり》 09000: 散して虚すれば則ち竭く》故に動して住する者は質の持なり》故に 09001: 烟なる者は湿の燥中に居すること能わず〉火を兼して散するなり〉 09002: 雲なる者は燥の湿中に処すること能わず》水を帯して上するなり》 09003: 日影の処は》則ち月景を微と為す》而して 09004: 影は則ち昜の散なり》 09005: 月は則ちAの結なり》故に天に於ては則ち月を客と為す》 09006: 景湿なる者は〉気の体より生するなり〉 09007: 月火なる者は》体の気より生するなり》 09008: 日影水燥の用は〉天地に雄にして〉 09009: 月景湿火の用は〉天地に雌なり〉故に 09010: 水は燥を措きて火に対す〉 09011: 日は影を措きて月に対す》対の比なる者なり。是を以て 09012: 日月は明暗を異にすと雖も〉 09013: 水火は明暗を異にすと雖も》共に是れ有体の物なり。是を以て 09014: 水火と日月と。湿燥と景影と。天地虚実は相い隔すと雖も。 09015: 体を反して性を同じくすなり。 09016: 水は能く収す〉故に 火気をして冷に〉火象をして暗ならしむこと能わず〉 09017: 火は能く発す》故に亦た水気をして熱に》水質をして照ならしむこと能わず》 09018: 一収一発はA昜の道なり。 09019: 日は暗中に在す〉而して 暗寒を受けず〉 09020: 猶お炬を暗中に秉りて〉而して暗寒の自ら遠ざかるがごときなり〉 09021: 月は景中に居す》而して能く明瑩を受く》 09022: 猶お水の火辺に在して》而して其の光耀を受くるがごときなり》 09023: 鏡は炬の明を受けて。一辺を照す。 09024: 傍観の人は。鏡と炬とを並べ観て。以て同物と為す。 09025: 是れ見る所に由りて誤るなり。故に。 09026: 月なる者は蝕を正とす〉 09027: 日なる者は蝕を蔽とす》蓋し 09028: 月は水を体すれば〉則ち 09029: 諸辰の景中に在する者は〉皆な水を体するなり〉 09030: 日は火を体すれば》則ち 09031: 衆星の影中に在する者は》皆な火を体するなり》然りと雖も 09032: 月は地の水の実するが如くんば〉則ち滴りて地に帰さん〉 (滴りて=したたりて) 09033: 日は地の火の麁なるが如くんば》則ち降りて之に著さん》 09034: 日は無質のAを食す》 09035: 月は虚体の天に浮す》 09036: 火は則ち質を食す〉地を離して燃すること能わず〉 09037: 水は則ち地に依す》虚に在して居すること能わず》然り而して 09038: 月の天に在するは〉諸を日の象に比すれば〉則ち質なり〉 09039: 地質より之を観れば〉則ち気は精にして体は虚にして〉象に幾し〉 (幾し=ちかし) 09040: 火の地に在するは》諸を水の質に比すれば》則ち象なり》 09041: 天象より之を観れば》則ち気は麁にして体は実にして》質に幾し》是を以て。 09042: 月質は亦た象中の質なり〉 09043: 火象は亦た質中の象なり》夫れ。 09044: 月なる者は〉明中の物なり〉天に在して地に近し〉 09045: 日に近きを以て〉而して其の体暗し〉 09046: 天に在るを以て》而して其の気光る》 09047: 火なる者は》暗中の物なり》地に発して天に之く》 09048: 天に之くを以て》而して其の体光る》 09049: 地を発すを以て》而して其の気暗し》是を以て。 09050: 水は能く地に充す〉 09051: 火は天に充する能わず》 09052: 日は能く昼を為す〉 09053: 月は夜を為す能わず》 09054: 水なる者はAを結す〉 09055: 燥なる者は昜を解す》 09056: 水は常に万物を湿す〉 09057: 燥は常に万物を照す》 09058: 日なる者は聚昜なり〉 09059: 影なる者は散Aなり》 09060: 日は天下をして昼ならしむ〉 09061: 影は天下をして夜ならしむ》蓋し 09062: 気体の交は。其の道同じからず。 09063: 体は相い交す〉之を接と為す〉 09064: 気は相い交す》之を交と為す》 09065: 体接は混せず〉 09066: 気交は分せず》故に 09067: 地日は体を隔す〉 09068: 天影は気を混す》 09069: 燥なる者は〉地に居すの気なり〉持中の天を為す〉 09070: 転なる者は》天に在すの気なり》転中の天を為す》而して 09071: 転の天なる者は〉清なり〉精なり〉 09072: 持の天なる者は》濁なり》麁なり》故に 09073: 月は乾燥の象に在すと雖も〉而も天中に質を為し〉性を地中の水に比す〉 09074: 火は潤湿の質に居すと雖も》亦た地中に象を為し》性を天中の日に比す》而して 09075: 月は暗体を以て光り〉 09076: 火は光体を以て暗なる者は》各おの其の藩囲を出でざればなり。 09077: 地は 自ら照すこと能わず〉一半の光を日に受けて〉昼を為す〉 09078: 月も亦た自ら照すこと能わず》一半の光を日に受けて》明を為す》 09079: 其の光を受けざるの処は。地に於て夜と謂う〉 09080: 月に於て魄と謂う》 09081: 日の地を照すこと一周は〉之を一日と謂う〉 09082: 日の月を照すこと一周は》之を一月と謂う》 09083: 雌なりと雖も而も敵を為す。 09084: 燥と水と持中に充して〉生化解結の用を為す〉 09085: 火の燥に在するは〉猶お氷の水に在するがごとし〉 09086: 影と日と転中に充して》寒暑昼夜の用を為す》 09087: 月の影に於けるは》猶お日の景に於けるがごとし》是を以て。 09088: 燥も亦た火なり〉解するを以て火より精なり〉 09089: 火も亦た燥なり〉発するを以て燥より麁なり〉 09090: 水も亦た湿なり》結するを以て湿より実なり》 09091: 湿も亦た水なり》解するを以て水より虚なり》故に 09092: 燥は常に充つ〉火は時に発す〉 09093: 湿は時に動く》水は常に有す》 09094: 燥は常に燥く〉火は時に焼く〉 09095: 湿は時に冷ゆ》水は常に湿す》 09096: 物を燥して其の跡無し〉故に燥は火より精なり〉 09097: 物を湿して体を見せず》故に湿は水より虚なり》是を以て。 09098: 影の日に於けるは〉月より切なり〉 09099: 燥の水に於けるは》火より切なり》故に 09100: 水は一檐と雖も〉猶お化育を助く〉 09101: 火は則ち大なりと雖も》而も物を育む能わず》 09102: 故に曰く。生化解結は。水燥に非ざれば則ち成せざるなり。 09103: 正偶は反す〉 09104: 傍偶は比す》 09105: 日影水燥は〉偶の正なり〉 09106: 日月水火は》偶の傍なり》 09107: 質を有質の中に於て解して〉而して天に散する者は〉火なり〉 09108: 質を無質の中に於て結して》而して地に聚する者は》水なり》 09109: 火を以て物を※す〉熱は囲んでAを散すること能わず〉潤は其の中に生す〉 (※す=わいす) 09110: 玉を以て火を取る》影は囲んで昜を出すること能わず》火は中に於て起る》 09111: 分する者は二なり〉 09112: 統する者は一なり》 09113: 水は火を待ちて質を結す〉 09114: 火は水を待ちて気を起す》 09115: 水は火を見して質を散す〉 09116: 火は水を見して象を斂す》 09117: 水の未だ質を結せず〉火の未だ象を発せざるを観る〉 09118: 水の既に質を散す》 火の既に象を斂するを観る》 09119: 其の未だ始めて二を有せざるをを知る。 09120: 今夫れ假に月をして除かしむとも〉而も昼夜寒暑は則ち有らん〉 09121: 今夫れ假に火をして除かしむとも》而も山水雲雨は則ち有らん》故に 09122: 影と日と〉 09123: 水と燥と》 09124: 気物を反す〉而して 09125: A昜を対す》 09126: 以て生化を為す。 09127: 物なる者は立す〉 09128: 神なる者は活す》故に 09129: 性物は活して通す〉 09130: 体物は立して塞す》 09131: 活通の中は其の活通を以て〉而して日影は常に其の処を移す〉 09132: 其の立塞を以て》而して水燥は常に其の処を占す》夫れ 09133: 天地なる者は。虚実は居を同す〉 09134: 動止は界を分す》 09135: 居を同する者は何ぞ〉天は能く地に在す〉地は能く天に居す〉 09136: 界を分する者は何ぞ》転は能く天に居す》持は能く地に在す》 09137: 輪転の到らざる処〉之を内と謂う〉 09138: 輻持の及ばざる処》之を外と謂う》 09139: 外は則ち日影整斉して〉地を周し天を周す〉 09140: 内は則ち水燥錯雑して》天に之き地に之く》 09141: 整斉の期は歳を為す〉 09142: 錯雑の変は運を為す》蓋し 09143: 地は上下表裏を有す〉天は之に居す〉 09144: 天は東西南北を有す》地は之を奉す》故に 09145: 両端はGHに従す〉 09146: 中線は運転に依す》 09147: 両端は日に遠し〉 09148: 中線は日に近し》蓋し 09149: 物は必ず一体にして二用を具す。 09150: 中分は南北して》 而して春秋冬夏は代るがわる行す》 09151: 日は面背を分して》而して昏暁昼夜は迭いに成す》経緯の異なり。 09152: 日影は明暗寒熱を以て政を為す。而して 09153: 水燥なる者は日影の反物なり。 09154: 明暗寒熱を以て。清濁温冷を為す。清濁は本と天地の色なり。 09155: 天地の清濁は。日影より大なり。 09156: 水燥の清濁は。日影より小なり。是を以て 09157: 水質は清なること天の如くなれども〉天の透徹に及ばず〉 09158: 燥気は濁なること地の如くなれども》地の隔遮に若かず》是に於いて 09159: 濁中水燥の清濁なる者は〉淡にして素なり〉 09160: 清中日影の明暗なる者は》濃にして色なり》 09161: 水は解して湿を為す〉 09162: 燥は発して火を為す》 09163: 燥中は火を有す〉猶お 09164: 水中は氷を有すがごとし》皆な其の極なり。