06704: 天なる者は以て散す〉而して諸象は布列す〉 06705: 地なる者は以て結す》而して諸質は附聚す》 06706: 布列する者は自ら成す〉 故に其の形は直円なり〉 06707: 其の行は平側なり〉 06708: 附聚する者は倚りて成す》故に其の形は塊Lなり》 06709: 其の行は邪曲なり》 06710: 人物は境を天覆地載の中に於て開す〉 06711: 風俯恬立に於て遊す〉 06712: 海拗山立の場に遊す》而して堅生は塊然として体を閉す〉 06713: K生はL然として体を開す》 06714: 開閉は生を別にす〉邪曲は変を尽くす》 06715: 一形は正斜を分す。 06716: 正なれば則ち直円は規矩を含む〉 06717: 斜なれば則ち塊Lは邪曲を兼ぬ》 06718: 正斜は錯綜し。万形は変を極む。是を以て 06719: 植は竪立の正を得ず〉以て邪の態を尽くす〉 06720: 動は円転の正を得ず》以て曲の態を尽くす》然り而して 06721: 天物の邪曲は〉行に多にして形に微なり〉 06722: 地物の邪曲は》塊Lと相い配す》夫れ 06723: 万の形は。天に居す者の塊然たる〉 06724: 地に居す者のL然たる》何を以てか其れ然らん。 06725: 天に在る者は〉散中に象を聚すること〉猶お水を噴して許多の円滴を得るがごとし〉 06726: 斜と雖も而も諸象は塊を為す〉 06727: 地に依す者は》結中に体を凝すること》猶お壁を砕きて小大の缺片を得るがごとし》 06728: 成と雖も而もLを極む》 06729: 天に在る者は〉塊然として円を為す〉而して 06730: 明なる者は高し〉一列に平布す〉 06731: 暗なる者は卑し〉參差に重畳す〉 06732: 地に在る者は》L然として変を為す》而して 06733: 植なる者は地に著す》平布して位を守す》 06734: 動なる者は天に居す》位序して変し易し》是に於て 06735: 地上の万形は。 06736: 峙を為す。陥を為す。扁を為す。頗を為す。橢を為す。稜を為す。 06737: 方を為す。角を為す。邪を為す。曲を為す。以て著す。以て依す。 06738: 以て纏す。以て蔓す。以て倒す。以て正す。以て長す。以て短す。 06739: 体行の間は。其の変 尽きざる所莫し。 06740: 正円は平を用せず〉規は能く平を為す〉 06741: 正直は竪を用せず》矩は能く竪を立す》 06742: 平円ならず之を曲と謂う〉 06743: 竪直ならず之を邪と謂う》 06744: 地なる者は。体を以て輹と為す。故に 06745: 地は横俯す〉 06746: 気は竪立す》 06747: 地は拗して水の平布を容す〉 06748: 突して燥の混円に居す》 06749: 艸木は邪にして立す〉 06750: 鳥獣は曲にして俯す》然り而して 06751: 星辰の行は〉転に在りて宛転す〉 06752: 渾天の形は》地を裏んで直円す》 06753: 円なれば則ち地に在る者は皆な天に在る〉 06754: 天に在る者は皆な地に在る》是に於て 06755: 運転環守〉GH発収は〉天地の動機を見す〉 06756: 中外上下〉東西南北は〉天地の静位を立す〉 06757: 天地転持》水火山海は》以て物の 体を成す》 06758: 直円規矩》横竪塊Lは》以て天地の形を成す》 06759: 風雲水火土石の若き。体を有すと雖も。而も 06760: 未だ定形を持せず。是を以て 06761: 分すれば則ち斜斜錯綜す〉 06762: 合すれば則ち直円混成す》唯だ 06763: 天は則ち行 理に合う〉 06764: 人は則ち行 理に待つ》 06765: 人と物と。同じく情欲意智を具す。而して 06766: 思惟分弁の智は。人を最と為す。是に於て 06767: 唯だ人は天地を知るに足る。 06768: 唯だ人は天地を行すに足る。 06769: 直円規矩に資すると雖も。L然の身を以て。邪曲の行に依す。 06770: 天地は正邪を有す。故に人物は正邪に資する。 06771: 天地 正を有せずんば〉則ち物は焉んぞ正を有せん〉 06772: 天地 邪を有せずんば》則ち物は焉んぞ邪を有せん》 06773: 動は必ず方を有す。人は得て之を道とす。 06774: 天地は規矩を有す。人は得て之を則とす。故に 06775: 円は規を為す〉 06776: 直は矩を為す》 06777: 円の機や動〉 06778: 直の機や止》 06779: 円の力や転〉 06780: 直の力や持》 06781: 円の体や統〉 06782: 直の体や分》 06783: 円の用や混〉 06784: 直の用や粲》 06785: 円の化やN〉 06786: 直の化や徹》 06787: 円の才や容〉 06788: 直の才や入なり》是を以て 06789: 静にして円なる者は湛〉 06790: 静にして直なる者は※》 06791: 動にして円なる者は安〉 06792: 動にして直なる者は正》 06793: 思にして円なる者は靄〉 06794: 思にして直なる者は敢》 06795: 交にして円なる者は愛〉 06796: 交にして直なる者は敬》 06797: 望にして円なる者は温〉 06798: 望にして直なる者は荘》 06799: 辞にして円なる者は婉〉 06800: 辞にして直なる者は切》是を以て 06801: 則を有す。理を有す。紀を有す。章を有す。 06802: 位序粲然たる者は。直の事なり。詰る可からず。捉う可からず。 06803: 動にして愈いよ変す。出にして愈いよ窮まらず。 06804: 之を措きて其の処を知る無し。 06805: 之を置きて其の跡を見せず。 06806: 変化混然たる者は。円の事なり。是の故に 06807: 直の至は〉天も之に違うこと能わず〉 06808: 円の至は》神も之を窺うこと能わず》 06809: 夫の円行直止を観るに。 06810: 円は規を為す〉 06811: 直は矩を為す》 06812: 行止の規矩に中るは〉聖人の事なり〉 06813: 円ならざれば則ち曲なり》 06814: 直ならざれば則ち邪なり》 06815: 邪曲は則ち小人の事なり》是を以て 06816: 智は円ならざれば〉則ち事物に通せず〉幽明を弁ぜず〉 06817: 物は我を隔て〉是非に惑う〉行は直ならざれば〉則ち 06818: 外飾り内疚し〉此に縮し彼に躓す〉 06819: 智は直ならざれば〉則ち姦邪放僻は之を謀る〉 06820: 行は円ならざれば》則ち従容として物に役せられざるを得ず》 06821: 粲立は痕を著す〉 06822: 混成は跡を没す》 06823: 混にして能く通し。活にして能く神し。窮まらずして変す。痕無くして化す。 06824: 混たらざれば則ち通ぜず。通ぜざれば神ならず。神ならざれば変せず。 06825: 変せざれば化せず。化せざれば物を成せず。 06826: 物を成せざれば奚れの事物か之れ有らん。 (奚れ=いずれ)