「中外」というファイル名は自筆稿本にはあるが、梅園全集・写本939ともに削除されている。 05558: 物なる者は中を得て立す〉 05559: 外を得て居す》是を以て 05560: 機は止を中に得ざれば〉則ち動す可からず〉 05561: 体は居を外に得ざれば》則ち実す可からず》 05562: 天地は物を同せず〉故に各おの其の位を立す〉 05563: 象質は動を同せず》故に各おの其の方を行す》是を以て 05564: 位は静を以て立す〉 05565: 方は動を以て見す》 05566: 中はF然の処を維す〉実する有りて気を給す〉 05567: 外は眇焉の点を抱す》剛を以て物を保す》 05568: 物は則ち之を給の気に於て資す〉 05569: 気は則ち之を保の物に於て養す》 05570: 資給養保は。此の間に居す〉 05571: 此の間に行す》故に 05572: 物立は中外に由る〉 05573: 事行は向背を為す》故に 05574: 気象なる者は〉時の物〉動して其の居に常せず〉是を以て方を用す〉 05575: 気質なる者は》処の物》止して其の居を変ぜず》是を以て位に体す》故に 05576: 行する者は気なり〉路は乃ち其の方〉隠然たりと雖も〉而も 05577: 行する者は由らざるを得ず〉 05578: 居する者は物なり》宅は乃ち其の位》邃然たりと雖も》而も 05579: 居する者立せざるを得ず》此の故に 05580: 機なる者は見気〉動止の麁跡は総て 動に入る〉 05581: 体なる者は露物》虚実の麁体は同じく静を為す〉是を以て 05582: 方位は。処を物に定す。而して事を物に於て立す。 05583: 物は外を得て居す〉中を得て立す〉 05584: 気は外を得て行す》中を得て止す》 05585: 居者は移す〉 05586: 行者は復す〉 05587: 止すれば定す》 05588: 立すれば静す》夫れ 05589: 処は物を容す〉 05590: 物は処に居す》 05591: 処は方位を容す〉 05592: 物は方位に成す》而して 05593: 物に大小有り。小処は小方位を成す。 05594: 素にして塊なり〉 05595: 文にしてLなり》 05596: 物形の態然り。 05597: 体を塞する者は〉正円正直なり〉 05598: 質は内に在り〉 05599: 気は外に在り〉 05600: 下は内に合す〉 05601: 上は外に合す〉 05602: 体を通する者は》斜円斜直なり》 05603: 南北は相い背く》 05604: 東西は相い面す》 05605: 日影の照蔽する所〉 05606: 両極の隠見する所》 05607: 必ず地の半を分す。人は地の半に倚りて。 05608: 以て輿地を平望す。 05609: 日の出入に従いて〉而して東西成す〉 05610: 極の隠見に由りて》而して南北分す》 05611: 縄は上下を生す〉 05612: 身は中辺を定す》 05613: 規矩を衡従す。東西南北を定す。是れ人の地面の條理に従いて。而して 05614: 方位を定する者なり。人は又其の形に就きて方位を分す。則ち 05615: 前後左右。本末内外。以て紀す。此を以て彼に比す。 05616: 天に合する所の上下内外は〉我に於て本末内外を分す〉 05617: 地に於て有する所の東西南北は》我に於て前後左右を為す》 05618: 小物は小天地を成す》 05619: 小大は同じく天地を有す〉 05620: 小大は各おの方位を具す》 05621: 衡従横竪の條理は。上下内外の位〉 05622: 東西南北の方》之を四紀と謂う。 05623: 上下は中外を合す〉 05624: 表裏は内外を合す》 05625: 衡従は東西南北を統す。 05626: 小物は資して本末内外の位〉 05627: 前後左右の方を為す》 05628: 蓋し中外の位。物反して巓趺す。是を以て。 05629: 動植は資する有り。又其の本末を反す。 05630: 動は本と上に在り〉 (本と=もと) 05631: 植は本と下に在り》 05632: 外は則ち表皮〉 05633: 内は則ち裏肉〉 05634: 前後左右。動は身の面背手足に於て分す〉 05635: 植は葉の面背中辺に於て見す》 05636: 彼此を以て類を異にす。而して其の様を異にす。 05637: 気の異なるを以て。而して理形方位は同じからざるなり。故に 05638: 日月星辰の其の行を経緯すると〉 05639: 雲雷水火の其の行を浮沈すると》 05640: 山壑の拗突と〉 05641: 水潮の流遡とは》 05642: 理に随いて変化す。 05643: 天地は已に成器を得。已に其の物を全す。 05644: 成器はBCす。物は其の中に生す。 05645: 動植は形を塊Lに於て分す〉 05646: 理を邪曲に於て為す》 05647: 植は地に著きて竪立す〉 05648: 動は地を離れて横行す》 05649: 動植の並立は。塊Lに随う。次第に其の文を開す。 05650: 金石も亦た植なり〉其形を塊然とす〉而して 05651: 艸木は則ちL然として文を開す〉 05652: 介甲は亦た動なり》其形を塊然とす》而して 05653: 禽獣は則ちL然として文を開す》故に 05654: 金石は纔に内外を有す。 05655: 未だ本末を得ず。艸木鳥獣にして。漸く本末を有す。而して 05656: 艸木は〉本を下にし末を上にす〉 05657: 鳥獣は》本を上にし末を下にす》 05658: 植なる者は質物〉養を下より資す〉 05659: 動なる者は天物》養を上より受す》 05660: 動に首尾と曰う〉 05661: 植に根幹と曰う》 05662: 首尾根幹と雖も。上下は同じからず。而して 05663: 艸木は〉精華を末に発す〉 05664: 鳥獣は》精華を上に在す》則ち 05665: 終に一本末に帰す。 05666: 亦た各おの其の分に随う。各おの其の方位を具す。 05667: 内外なる者は皮肉の分なり〉 05668: 本末なる者は首尾の位なり》 05669: 人の前後左右を有すは〉猶お 05670: 天の東西南北を有すがごとし》而して 05671: 頂の前後より。並び下りて※に至るを中界と為す。 05672: 人の此の界を有すは〉 猶お 05673: 天の中線を有すがごとし》 05674: 人は地上に在す。半天地を以て全天地と為す。 05675: 円体を観て。而して平体と為す。其の見界に従いて。四方を定む。 05676: 是れ以て能く見界の條理を正すと雖も。而も直円の真を遺す。 05677: 身に中界有りて左右を分すは〉 05678: 地に中線有りて南北を分すに同じ。》 05679: 南北は則ち同様なり〉 05680: 彼れ寒ければ則ち此れ熱し〉 05681: 彼れ動すれば則ち此れ止す〉 05682: 左右は則ち同形なり》 05683: 左持すれば則ち右転す》 05684: 右行すれば則ち左止す》 05685: 南北は迭互の序を有す〉 05686: 左右は迭互の用を有す》 05687: 天行は東より進み〉 而して東退せず》 05688: 人行は前に向いて進み》而して却歩すること能わず》是を以て 05689: 左右は南北に応ず〉 05690: 前後は東西に応ず》而して 05691: 南北は則ち其の用を均しくす〉 05692: 左右は則ち利鈍なる者有り。蓋し 05693: 我れは半天地を以て。全天地と為す。 05694: 又た中線を分して各おの処を分す。故に 05695: 北人は身を西線の北に於て偏にして〉偏北を其の正地と為す〉 05696: 南人は身を西線の南に於て偏にして》偏南を其の正地と為す》然れば則ち 05697: 北人左右の利鈍は。 05698: 南人の反を為すか。 05699: 或いは佗に反する者有りて我れ未だ識らざるか。 05700: 姑く存して他日を待たん。故に 05701: 人は方を得て行せざれば則ち躓く〉 05702: 位を得て立せざれば則ち顛る》 05703: 天は則ち方位と立行と一なり〉故に 05704: 其の位を有して則ち立す〉 05705: 其の方を有して則ち行す》 05706: 人は則ち方位と立行と別なり》故に 05707: 能者は其の位を安んじ》其の道に由る》 05708: 不能者は則ち顛躓に至る》是を以て 05709: 人位は則ち安危を有す〉 05710: 人道は則ち淑慝を有す》 05711: 内に情欲意智を畜うるに由る。是を以て 05712: 人生は天の自然に及ばず。 05713: 人情は天則を得て之に法らんと欲す。 05714: 是れ之を人義と謂う。若し能く之に法れば。則ち 05715: 徳を以て其の位に居る〉 05716: 道を以て其の方に由る》