05096: 物は期に物す》蓋し 05097: 宇宙は精没を以てす〉 05098: 天地は麁露を以てす》 05099: 天は動止の機を畜す〉 05100: 地は虚実の体を有す》 05101: 天は虚と雖も而も動を以て其の体を剛にす。 05102: 何ぞ地の実を以て其の体を堅にするに異ならん。故に 05103: 麁露の天地は。堅ならざれば則ち剛なり。故に 05104: 地の物を立する〉 05105: 天の物を浮する》 05106: 堅剛は同じく一なり。 05107: 剛処は〉日影の象 之を占む〉 05108: 堅処は》水燥の物 之を占む》是に於て 05109: 象質は天地を隔して居す〉 05110: 歳運は転持を分して行す》 05111: 象と質と各おの其の気を得て配す。 05112: 気象は時節を紀するの物を為す〉 05113: 気質は生化を為するの物を為す》故に 05114: 虚動は〉経具なり〉 05115: 実静は》緯具なり》 05116: 実静は天地を成す〉而して 05117: 虚動は転持を成す》 05118: 転中は〉則ち万象運転す〉期は往復循環に在り〉 05119: 持中は》則ち万質相換す》期は生化鱗比に在り》故に 05120: 転物は常に一体を持す〉 05121: 持物は毎に其の体を換す》 05122: 大物は小物を容す〉 05123: 有窮は無窮に居す》 05124: 小物なる者は有窮なり〉体体 相い換す〉引きて之を無窮に致す〉 05125: 大物なる者は無窮なり》其の体を常に持す》生化は一体なり》 05126: 生化一体なる者は〉生化すと雖も〉而も其の痕を露せず〉故に無窮と曰う〉 05127: 体体相い換す者は》亦た無窮を致すと雖も》 05128: 前体を以て後体とするに非ず》生化の痕は顕なり》故に有窮と曰う》 05129: 前体は後体と一なれば〉則ち生化は其の中に行す〉而して其の物は無窮の若し〉 05130: 前体は後体と別なれば》則ち彼は化し此は生す》 而して其の物は有窮の若し》 05131: 無窮なる者は〉終まりて始まる〉 05132: 有窮なる者は》始まりて終わる》 05133: 其の道は同じからざると雖も。而も生化の通に於ては。則ち一なり。 05134: 人なる者は。麁物なり。小体なり。 05135: 身は画する所有り〉 05136: 生は尽きる所有り》 05137: 尽きる有るの生を以て〉 05138: 画する所の身を有す》是を以て。 05139: 其の智は囿する所有り。 05140: 麁小を以て精大を推し。大物を窒す〉 05141: 長期に眩す》而して 05142: 万物は大物と居す〉 05143: 衆期は長期に従す》 05144: 地は〉塊焉たる一円物〉 05145: 下は能く上を為す〉西は能く東を為す〉 05146: 時は気を以て通す〉 05147: 処は体を以て塞す》 05148: 塞中〉天は動し地は静す〉 05149: 通中》事は移し物は住す》 05150: 住する者は止に定す〉 05151: 移する者は行に通す》 05152: 中なる者は〉止の主〉物は之に居す〉位は之に立す〉 05153: 今なる者は》移の主》事は此に行す》物は此に換す》 05154: 事は此に行す》 05155: 物は此に換す》 05156: 中は〉立して移さず〉 05157: 今は》移して居さず》 05158: 立する者は〉中外に位有り〉 05159: 移する者は》来去に方無し》 05160: 気質はF中に物す〉 05161: 気象は袞中に跡す》 05162: 気質は物ならざれば〉則ち焉んぞ処を露するを得ん〉 05163: 気象は跡ならざれば》則ち焉んぞ時を紀するを得ん》 05164: 気は西し象は東す〉動を以て時の紀を成す〉 05165: 天は外し地は中す〉静を以て処の位を立す》 05166: FFの立は〉中 破る可からず〉而して外は辺無し〉 05167: 体は一なりと雖も〉而も一面一背の二用を有す〉 05168: 袞袞の移は》今 剖す可からず》而して時は界無し》 05169: 行は一なりと雖も》而も一往一来の二跡を有す》 05170: 円中は一心を点して〉外は際涯無し〉 05171: 直中は一頃を見して》外は前後を隠す》 05172: 中なるや〉南に中す〉 05173: 北に中す〉 05174: 西に中す〉 05175: 東に中す〉 05176: 無際涯に中して〉 而して能く移動する者を維す〉 05177: 今なるや》前に今す》 05178: 後に今す》 05179: 去を積みて後を厚くせず〉 05180: 来を奪いて前を薄くせず》而して能く静立する者を移す》 05181: 時は悠焉たる一直気》前を転じて後を為す》 05182: 生を収して化を為す》 05183: [彼の車輪を観るに。 05184: 一辺は水を載し〉仰ぎて来たる〉 05185: 一辺は水を潟し〉俯して往く》 05186: 車輪なる者は〉有体の往来なり〉猶お且つ端を見ず〉] 05187: [彼の水車を観るに。 05188: 輪の一辺は水を載し〉仰ぎて来たる〉 05189: 一辺は水を潟し〉俯して往く》 05190: 水車の輪なる者は有体の往来なり〉猶お且つ端を見ず〉] 05191: 前後なる者は》無象の往来なり》 05192: 孰れか逆えて其の首を見ん〉 05193: 孰れか将って其の尾を見ん》蓋し 05194: 時なる者は〉往来を以て 前後を為す者なり〉 05195: 期なる者は》生化に由りて始終を為す者なり》 05196: 時は往来を有す〉物は当して前後を分す〉 05197: 期は始終を有す》時は移して新故を成す》是を以て 05198: 天地は前後を有す〉 05199: 万物は新故を有す》 05200: 人は始終新旧の質を以て。駸駸たる者を追う。 05201: 是に於て将迎の間。智の画する所有り。 05202: 以て疑を天地に為す。今を以て故を観れば。則ち鴻濛たり。 05203: [後を以て今を観れば。亦た胡ぞ然らざらんや。] 05204: [後を以て今を観れば。則ち今は胡ぞ鴻濛たらんや。] 05205: 既往将来は〉典籍の伝うる所〉事跡の推す所を除く〉而して智の至らざる所なり〉 05206: 四方上下は》見聞の及ぶ所》 思慮の至る所を除く》而して智の至らざる所なり〉 05207: 塞する所に於て。而して強いて之を通ぜんと欲す。故に 05208: 其の知る所は愈いよ広くして〉而して知らざる所は愈いよ遠し〉 05209: 其の知る所は愈いよ※にして》而して其の知る所は愈いよ※し》 05210: 混混たる者をして粲粲たらしめんと欲す〉 05211: 粲粲たる者をして混混たらしめんと欲す》 05212: 理を誣うるに非ざれば。則ち自ずから蔽なり。 05213: 過ぐれば 則ち後なり〉 05214: 及ばざれば則ち前なり》 05215: 天は此の間に往来す。 05216: 物は此の間に生化す》 05217: 知運感応の為す所〉 05218: 当遇会違の成す所》 05219: 人に於ては。則ち治乱興廃。酬醋黜陟。皆な此に於てす。 05220: 我は此に生化す。自ずから此に起滅す。 05221: 無際の有際を容れ〉有窮の無窮に通ずるを知らず》 05222: 此の無窮を有窮に於て窮めんとするは。難し。