校 異





 「燥」が「煦」に訂正されている。これは梅園の書き損じであろう。それより
重要なことは、陰と陽(図ではこざとへんのない字)が、左右反対であることで
ある。これには訂正が為されていないが、黄鶴と梅園晩年の高弟である矢野弘が
付箋の中で間違いを指摘していて、写本、版下本などでは訂正されている。  

 そもそも『玄語』の図は左陰右陽が原則であって、この図もそのように描いて
いる。ただ、文字の書き込みの時に間違えたのである。長い年月描き続けた文字
や図は書き癖がついていて、意識しなくとも間違えなくなるものである。これは
老齢の故の思考の混乱であろうか。                    

 岩波版では、P588, 図番114である。                   


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