黄鶴版検索用読み下し版


  1:   玄語目次
  2:
  3:   本宗
  4: 
  5:    侌昜         図
  6: 
  7:    天地         図
  8: 
  9: 玄 語
  10: 
  11:  日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
  12:  本宗
  13:     侌昜
  14: 物は性を有す〉性は物を具す〉性は物と混成す〉而して罅縫無し〉故に其の一や全なり〉
  15: 性は体に偶す》物は気に偶す》物は性と粲立す》而して條理有り》故に其の二や偏なり》
  16: 性は物に性す〉
  17: 物は性に物す》故に
  18: 一即一一〉
  19: 一一即一》    (全集・写本とも「一一則一」とあるが採用しない。その理由。)
  20: 気は天を成す〉
  21: 物は地を成す》
  22: 性は一を具す〉
  23: 体は一を闕す》
  24: 具一闕二〉剖して経を為す〉
  25: 一気一物》対して緯を為す》
  26:  分すれば則ち 二は粲立す〉
  27:  合すれば則ち 一は混成す》
  28:  一は徒らに一なれば則ち分合せず〉
  29:  二は徒らに二なれば則ち剖対せず》
  30:  一二は徒らならず。
  31:  立すれば則ち各なり〉
  32:  成すれば則ち全なり》是を以て
  33:  剖を以て一を分す〉
  34:  対を以て二を合す》
  35:  剖すれば則ち経なり〉
  36:  対すれば則ち緯なり》
  37:  之を経し之を緯す。條理自ずから分す。錦を以て之を言うに。
  38:  為物は経緯朱緑〉
  39:  成物は鸞鳳華卉》
  40:  其の神は則ち巧婦の意匠なり。是を以て錦は必ず一経一緯。
  41:  神は用し物は成す。是に於て
  42:  一緯の経と分せざる無し〉
  43:  一経の緯と合せざる無し》
  44:  合すれば則ち龍起鸞舞す。
  45:  龍起鸞舞すと雖も。而も
  46:  分すれば則ち経は自ずから経と比す〉
  47:        緯は自ずから緯と比す》
  48:  是を以て一匹の錦。
  49:  性は表裏の二体を具す。
  50:  巧婦は神を運す。
  51:  蚕糸は物を立す。
  52:  人巧知らず。
  53:  天造の薀に至る。
  54:  蓋し大物の気物を為す。
  55:  経緯以て通塞す〉
  56:  精麁以て没露す》
  57:  経通は時を為す〉而して神は事を此に用す〉
  58:  緯塞は処を成す》而して物は物を此に体す》
  59:  是を以て一匹の錦。
  60:  経緯は物す〉
  61:  紡績は事す》
  62:  龍をして斯に起たしめ鸞をして斯に舞わしむ》
  63:  表の燦爛を弄す〉而して
  64:  裏の隠幽を窺う》
  65:  経緯は相い反す。
  66:  類類は相い比す。
  67:  以て対待の道を察す。
  68:  全錦一匹。
  69:  表裏両面。
  70:  以て剖析の所を察す。是を以て
  71:  錦は則ち本一〉故に全なり〉       (本=もと)
  72:  表裏は則ち二》故に偏なり》
  73:  全なれば則ち表裏混成し〉罅縫を没す〉
  74:  偏なれば則ち表裏粲立し》條理を見す》是に於て
  75:  一匹の錦。條理整然。
  76:  鸞羽龍鱗。巧婦苟くもせざるなり。
  77:  爰に龍起鸞舞を経緯に繹ねば。
  78:  則ち髣髴に龍を起こし鸞を舞わさん。
  79: 二の一に於ける。亦た
  80: 一の一に於けるなり。
  81: 是か非か。元気の玄。明を開し幽を閉す。
  82:  混は則ち一にして而して粲は則ち二か。
  83:  粲に対すれば則ち混も亦た粲と並立す〉並立すと雖も〉而も
  84:  混は則ち粲中に没して〉能く一を全す〉
  85:  混は有すれば則ち粲も亦た混成を為す》混成すと雖も》而も
  86:  粲は則ち混中に露して》能く二を偏にす》故に
  87:  全は亦た偏に対して〉而して二は能く一に合す〉是に於て
  88:  二の一に於けるも。亦た
  89:  一の一に於けるなり。故に
  90:  一にして二に伍す。勢は一一を成す。
  91:  痕を著せば則ち隻を見すなり。故に
  92:  性は一を具すと雖も。
  93:  体の一を闕すと並立す。
  94:  並立は則ち痕を著す。一と自ずから間有り。間有りと雖も。
  95:  性は能く一を具す〉故に其の才は能く融し能く通す〉
  96:  体は能く一を闕す》故に其の用は能く分し能く隔す》
  97: 性は已に物に性す〉何ぞ亦た体有る〉具闕にして後〉剖析尽きず〉
  98: 物は已に性に物す》何ぞ亦た気有る》精麁にして後》対待変を尽くす》
  99: 配すれば則ち性体の気物に並するを観る〉
 100: 合すれば則ち性体の気物に入するを観る》是に於て
 101: 二闕は反して〉
 102: 一具に合す》分合共に一にして。 而して
 103: 一は則ち昜〉
 104: 一は則ち侌》
 105: 一一の各名を得るなり。
 106: 闕は能く物に体す〉而して其の二を立す〉
 107: 具は能く物に性す》而して其の一を活す》
 108: 剖して散す〉
 109: 対して合す》
 110: 具性は侌昜に走す〉
 111: 闕体は天地を立す》
 112: 侌昜INUN〉神は其の天を活す〉
 113: 天地没露》物は其の地を立す》
 114: 立する者は神の鬱浡に活す〉
 115: 活する者は物の混淪に立す》故に
 116: 其の一を混成して〉全偏に統散し〉一二の経を用す〉
 117: 其の二を粲立して》剖対反比し》 一一の緯を体す》故に
 118: 之に遡れば〉則ち條理に従う〉而して偏偏は全に帰す〉
 119: 之を望めば》則ち対待を反す〉而して偶偶は皆な合す》
 120: 一を以て居を同す〉
 121: 二を以て道を異す》
 122: 分を以て気を均す〉
 123: 合を以て物を反す》
 124:  本は一にして。而して一気一物相い分す〉
 125:            一性一体相い合す》
 126:  試みに筆を援きて一画を下すに。
 127:  纔かに一点を露せば。則ち上下既に立す。
 128:  上露せば則ち下成る。表成り裏従う。
 129:  表裏は上下の中に居す。
 130:  上下は表裏の中に居す。
 131:  上下表裏は混成す。而して一画其の中に立す。
 132:  是れ居は同し道は異し。 
 133:    気は均し物は反する所以なり。
 134:  物は反するを以て〉而して露没は自ずから異す〉
 135:  気は均するを以て》而して対に軒輊無し》
 136:  且つ小を以て之を言うに。人 両岸に立ちて各相い望めば。
 137:  其の近遠隠見を為すは〉則ち各おの相い同じきなり〉
 138:  其の近遠隠見する所は》則ち互いに相い異なるなり》是を以て
 139:  物の没露〉
 140:  気の隠見》
 141:  其の道を異にすと雖も〉而も
 142:  其の居を同にす》故に
 143:  物の没する所は〉乃ち
 144:  気の見する所なり〉
 145:  気の隠する所は》乃ち
 146:  物の露する所なり》
 147:  侌昜は物に非ず。而して能く物に体す。故に
 148:  物は没露すれば〉則ち
 149:  気は隠見す》二の態なり。故に
 150:  気物は物を為せば則ち没露す〉
 151:  侌昜は物を為せば則ち隠見す》
 152:  気は精にして没す〉
 153:  物は麁にして露す》
 154:  麁なれば則ち 気も亦た見す〉
 155:  精なれば則ち 物も亦た没す》故に
 156:  麁なれば則ち性体を見して華液を為す〉
 157:  精なれば則ち天地を没して天神を為す》
 158:  気は物を得て而して侌昜は粲立す〉
 159:  物は気を以て而して天地は混成す》
 160:  天地の混成するを以て〉而して侌に具する者は〉必ず昜に具す〉
 161:  侌昜の粲立するを以て》而して侌に具する者は》必ず昜に反す》
 162:  侌昜は具を同するを以て〉其の居を異にすること能わず〉
 163:  侌昜は具を反するを以て》其の道を同にすること能わず》
 164:  粲立すれば則ち一一平分す〉
 165:  混成すれば則ち一一相融す》
 166:  平分すれば則ち彼此の発は同ならず〉
 167:  相融すれば則ち彼此の有は異ならず》是を以て
 168:  地は結に成し〉
 169:  天は散に成ると雖も》而も
 170:  地は結に専らならば〉則ち長じて天を尽くさん〉
 171:  天は散に専らならば》則ち消して地を尽くさん》
 172:  散結は苟くも徒らなれば。則ち
 173:  上は散を継ぐ者無し〉
 174:  下は結を置く地無し》
 175:  之を桔槹に移すに。
 176:  止すれば則ち持にして直なり〉無意以て動の用を具す〉
 177:  動すれば則ち転にして円なり》自ずから静の復を竢つ》
 178:  之を碓に移すに。
 179:  前を抑うれば則ち後昂り〉天昂は人の抑うるに従う〉
 180:  前を揚ぐれば則ち後低り》人揚は天の低ぐるに期す》故に
 181:  進むを貪れば則ち忽ち退く〉
 182:  退くを欲せば則ち冥に進む》
 183:  此れに長ずれば則ち彼に消す〉
 184:  東を傾むくれば則ち西が欹つ》
 185: 混成すれば則ち一の有に非ざる無し〉
 186: 粲立すれば則ち二の開に非ざる無し》
 187: 一有し二隠す〉
 188: 二開し一移す》
 189: 剖するや分して二に之く〉
 190: 対するや合して一に帰す》
 191: 対すれば則ち侌昜以てINUNす〉
 192: 剖すれば則ち天地以て給資す》
 193: INUNに非ざれば〉則ち侌昜を為すこと能わず〉
 194: 給資に非ざれば》則ち天地を為すこと能わず》是に於て
 195: 立する者は気物を露す〉
 196: 活する者は本神を痕す》
 197: 気は天なり〉之を活する者は神気なり〉
 198: 物は地なり》之を立する者は本気なり》
 199: 性体は気物に和し〉本根精英 以て一を成す〉
 200: 本根精英 既に立すれば〉神は用を保営運為に於て為す〉
 201: 性体は気物を隠し》本神天神 以て二を成す》
 202: 本神天神 既に活すれば》天は用を造化天命に於て成す》
 203: 是に於て一は一一を散す。而して
 204: 万有は没露す〉
 205: 万機は動止す》
 206: 万機は態を異にするも〉唯だ鬱浡たり〉
 207: 万有は体を変にするも》唯だ混淪たり》
 208: 混淪を立する者は〉廼ち本気なり〉本根精英は〉神に於て身す〉
 209: 鬱浡を活する者は》廼ち神気なり》保営運為は》物に於て神す》
 210: 之を為する者は神なり〉
 211: 是れ成する者は天なり》故に
 212: 性体気物は〉為具なり〉
 213: 侌昜天地は》成具なり》
 214: 剖析尽きず〉 成する者も亦た為す〉
 215: 対待相い合す》為する者も亦た成す》蓋し
 216: 一の立する所〉其の物を幹立し〉其の神を活運す〉廼ち本と神となり〉
 217: 二の活する所》一以て之を為し》一以て成すなり》乃ち天と神となり》
 218: 一有し二居す〉
 219: 一活し一立す》
 220: 性体は気物を貫す〉
 221: 気物は性体を割す》
 222: 有せずんば胡か居さん〉                 (胡=いずれ)
 223: 活せずんば孰か立せん》                 (孰=いずれ)
 224: 二を有するを以て〉而して一移し二に居す〉
 225: 一の移するを以て》而して二 各一を全す》 是に於て
 226: 侌猶お昜の如し〉
 227: 小猶お大の如し》
 228: 猶如は遞いに反す。其の変は無窮なり。
 229:  気は本を為す。
 230:  物は根を為す。
 231:  体は精を為す。
 232:  性は英を為す。
 233:  若し気物体性の本根精英を為すに非ずんば。
 234:  則ち豈に相い依って一を成せんや。
 235:  人なるは麁物。麁に通じて精に泥す。故に但だ
 236:  植の 本根精英を有するを見て。而して
 237:  動亦た本根精英を具するを見ず。但だ
 238:  動植の本根精英を有するを見て。
 239:  諸を大物に資するを識らず。
 240:  気物性体を以て成せざる者無ければ。則ち往くとして
 241:  本根精英を具せざる者無し。
 242:  至大は小を遺さず〉
 243:  至精は麁を外にせず》
 244:  一の徳なり。
 245:  人の渺たる麁小の智を以て。
 246:  精没する者を探らんと欲するも。難し。
 247:  然りと雖も精麁は混一して。
 248:  没露は居を同す。何ぞ天地に外れん。
 249:  故に合して一 成す。
 250:  男女感じて而して子 其の中に成る所以なり。
 251:  條理は男女に於て立す。
 252:  罅縫は所生に於て没す。
 253:  分して各おの立す。
 254:  衆くの兄弟の体を一父母に分かつ所以なり。
 255:  衆くの兄弟にして散ず〉
 256:  一父母にして統す》是の故に
 257:  物  立し〉神  活する者は〉此の天地を成す所なり〉
 258:  性体 合し》気物 分する者は》此の天地を為す者なり》
 259:  成は則ち為に於て成し〉
 260:  為は則ち成に於て為すと雖も》
 261:  而も為成は自ずから別なり。而して
 262:  為は成に先だち成は為に後るるに非ず。
 263:  故に天地に観ること有らんと欲する者は須らく條理に繹ねて。
 264:  以て混成に居すべきなり。
 265: 流れに沿うて下れば〉則ち一昜二侌なり〉
 266: 岸を隔てて望めば》 則ち一昜一侌なり》故に
 267: 剖すれば則ち分分分分〉零に至り砕に至る〉末は猶お本のごとし〉
 268: 対すれば則ち合合合合》二に帰し一に帰す》本は猶お末のごとし》
 269: 反して隻を執る〉往く所に従いて而して反反は対立す〉
 270: 比して偶を伴う》往く所に従いて而して類類は相並す》
 271: 性の具するを以て〉気は能く之を有す〉
 272: 才の能するを以て》物は能く之を行す》
 273: 以て徳の有を観る。
 274: 有すれば則ち物として宅せざる靡し〉
 275: 往すれば則ち事として路せざる靡し》
 276: 行すれば則ち微として為せざる靡し〉
 277: 有すれば則ち一として成せざる靡し》是を以て
 278: 鬱浡は能く活す〉
 279: 混淪は能く立す》
 280: 性は剖し体は偶す〉
 281: 気は有し物は開す》而して
 282: 一は万有を含す。而して
 283: 動植は其の中に物す〉
 284: 本神は其の中に気す》
 285: 植は以て物に資す〉而して能く本に厚し〉
 286: 動は以て神に資す》而して能く神に厚し》
 287: 分して隻を為すと雖も〉亦た能く合して一を成せば〉則ち
 288: 物に資する者も亦た其の神を有す〉
 289: 神に資する者も亦た其の本を有す》
 290: 故に成すれば則ち各は執る有りと雖も。而も
 291: 眇忽は亦た能く大物と勢を張る。
 292: 勢を張れば則ち天地と分立す〉
 293: 給資すれば則ち天地と混一す》
 294: 才は活して而して性は侌昜を見す〉
 295: 体は立して而して物は天地を露す》
 296: INUNなる者は神の運なり〉
 297: 没露なる者は物の立なり》
 298: 本根精英の物〉
 299: 保営運為の活》
 300: 活は成し物は成す〉乃ち二なり〉
 301: 活を成し物を成す》二に非ず》故に
 302: 有有り無無し〉是を以て
 303: 没露は皆な有す〉
 304: 隻隻は相い闕す》是を以て
 305: 反合は全を成す》
 306:  有せずして無なり〉   (「無」は「條理の言」ではない。)
 307:  具せずして闕なり》
 308:  闕する者は其の具を具せずして闕す〉
 309:  具する者は亦た其の闕を具して具す〉
 310:  無なる者は》其の有 有らずして無し》
 311:  有なる者は》無無きを以て而して有る》
 312:  闕なる者は唯だ没なり〉
 313:  無は則ち直ちに無なり》
 314:  有するを以て而して其の徳を一にす〉
 315:  具するを以て而して其の道を二にす》是を以て
 316:  其の無き所は則ち無し〉
 317:  其の闕す所は則ち闕す》是を以て
 318:  有中は無無し〉
 319:  具中は具闕す》
 320:  有なる者は〉有中に有り〉無を有せば則ち有中 に非ず〉
 321:  具する者は》闕中に具す》闕を闕けば則ち其の具に非ず》故に
 322:  無は有に非ず。有して闕すは則ち具中に在り。故に
 323:  闕闕相い得れば則ち全〉闕は有中に在るを以てなり〉
 324:  有は無を以て並立せず》有は能く有を有すればなり》
 325:  蓋し気は精没麁露の態を有す。
 326:  露して有有り〉
 327:  没して無有り》
 328:  無なる者は無にして後無なり〉
 329:  如し無にして有るは》則ち有の没なり》
 330:  同声にして異主。
 331:  之を闕と謂いて可なり。
 332:  混成は相い食すと雖も。
 333:  之を相いと謂えば。則ち已に吐す。故に
 334:  没する者は遂に露せず。
 335:  無なる者は遂に有せず。
 336: 條理の見するは則ち一の分なり〉
 337: 罅縫の没するは則ち二の合なり》
 338: 反を以て而して彼此没露す〉
 339: 比を以て而して彼此偕に有す》故に
 340: 麁中相い吐せば〉則ち天は虚にして気〉地は実にして物なり〉
 341: 相い食せば》則ち虚体も物を実し》実体も気を虚す》唯だ
 342: 其の没は物の天を為す〉
 343: 其の露は気の地を為す》
 344: 罅縫を没す〉
 345: 條理を見す》
 346: 剖析〉之に沿えば則ち散す〉之に遡れば則ち統す〉
 347: 対待》之を分せば則ち反す》之を合せば則ち一す》
 348: 剖析は親疏を生す〉
 349: 対待は反比を成す》
 350: 親疏は祖を同すれば〉   之を資する者は一〉
 351: 児孫の愈いよ衆ければ》則ち之を給する者は滋し》
 352: 親親は相い偶すれば〉則ち其の反する者は合す〉
 353: 疏疏は相い向すれば》則ち其の比する者は依す》
 354: 大は小に之けば〉則ち小は大に資す〉故に大の具する所〉小亦た之を具す〉
 355: 類類は比すれば》則ち彼此は依す》 故に此の乏しき所》彼に仰ぐ有り》夫れ
 356: 気物元と性体を有す〉    (元と=もと)
 357: 性体終に気物と剖す》
 358: 四にして二。
 359: 二にして一。
 360: 一元の気。鬱浡の神を活す〉 (全集は「是を以て一元の気。」とある。)
 361: 混淪の物を立す》
 362: 混淪は処を全す〉本神は一を成す〉
 363: 鬱浡》は時を分す》天神は二を成す》
 364: 気は能く神を用す〉而して宇宙は能く容し〉転持は能く動す〉
 365: 神は能く物に体す》而して天地は能く立し》水火は能く著す》
 366: 物は能く神を活す〉而して本神能く活し〉造化能く通す〉
 367: 天は能く物を成す》而して本神能く一し》事物能く雑す》
 368: 神は本神を以て而して神す〉
 369: 物は天地を以て而して体す》
 370: 体体は隔して而して物す〉
 371: 神神は交して而して事す》
 372: 物は條理整斉の中に立す〉
 373: 事は変化錯雑の間に行す》
 374: 宙通宇塞〉転動持止〉天散地結〉華火液水〉物以て成す〉
 375: 神活本立》神為天成》物定事変》造来化往》神以て為す》
 376: 事物の間〉鬼神は感応す〉
 377: 造化の中》天命は当遇す》
 378: 活中〉神変不測〉其の妙を観る〉
 379: 立中》天常不揜》其の誠を観る》是に於て
 380: 物は性中に居す〉
 381: 性は物中に遊す》
 382: 
 383:  一不上図
 384:  一一相食混成図一合 一一闕体
 385:            相食具性
 386:  気物相食混成図一合 一一侌昜
 387:            気物天地
 388:  一一相吐粲立図
 389:  気物相吐粲立図
 390:  分合図一合
 391:  剖対反比図一合
 392:  一一精麁図   一一侌昜分合混粲偶一一之中
 393:          精麁天地隠見没露偶精麁之中
 394:  経緯剖対図
 395:  一二精麁図
 396:  一二食吐図
 397:  一一対待図
 398:  神物活立図
 399:  天神天地図
 400:  神物剖析図 
 401:          天神乃天冊ニ所説
 402:          天地乃地冊ニ所説
 403:  事物図一合
 404:          合本根精英而一成物
 405:          合大小侌昜而二為事
 406:  天数図
 407:  人数図
 408: 
 409:   天地
 410: 神は為成に活す〉
 411: 物は気物に立す》
 412: 為成は則ち天神〉
 413: 気物は則ち天地》
 414: 天神は則ち鬱浡の活〉以て其の天を窺う〉
 415: 天地は則ち混淪の立》以て其の地を観る》
 416: 性は一一を剖す〉
 417: 物は精麁を開す》
 418: 一一は分合混粲を成す〉
 419: 精麁は没露隠見を成す》是に於てか。
 420: 気は能く精没す〉
 421: 物は能く麁露す》
 422: 精没は則ち神の体〉
 423: 麁露は則ち物の体》
 424: 麁露すと雖も亦た没露す〉
 425: 精没すと雖も亦た隠見す》
 426: 神にして見す〉
 427: 物にして露す》
 428: 見する者は没を以て其の地を為す〉
 429: 露する者は隠を以て其の天を為す》
 430: 神はもと気にして。而して
 431: 気は天なり〉
 432: 物は地なり》
 433: 神物は共に物にして。而して
 434: 天は其の宅路を為せば。則ち天また地。而して
 435: 地は其の開す所の戸〉
 436:     閉す所の室を并せ食せば》則ち終に万有を食して尽くす。
 437: 尽くるに臨んで漠然たる者を勾す。勾し得て之を観れば。
 438: 旧に仍りて気にして天なり。仍りて天境に入る。
 439: 結を解し聚を散ずれば。則ち唯だ藐藐たり。気を観て而して物を観ず。
 440: 以て天て地を食し尽くすを観る。是に於て彼此各おの隻を為す。
 441: 隻は互いに隻を吐す〉
 442: 隻は互いに隻を食す》
 443: 遂に天の混成を観〉
 444:   地の混成を観》以て一に混成するを観るなり。故に
 445: 万有は皆な麁。精は麁中に居す。
 446: 食すれば則ち気ならざるなく〉物ならざるなし〉
 447: 吐すれば則ち物は気ならず》 気は物ならず》
 448:  気は一一を開して。精没麁露す。
 449:  人の覆載に在るや。麁を以て而して麁に居す。
 450:  麁に慣れて而して精に慣れず。
 451:  麁を獲て而して精に遺す。
 452:  分すれば則ち天は能く地を容す〉
 453:        地は能く天に居す〉
 454:        天は地より大〉
 455:        地は天より小〉是を以て
 456:  地ならざるの処は乃ち天〉
 457:  天ならざるの処は乃ち地〉
 458:  合すれば則ち天亦た地に居す》
 459:        地亦た天に居す》
 460:        天は地より大ならず》
 461:        地は天より小ならず》是を以て
 462:  地ならざる所莫し》
 463:  天ならざる所莫し》
 464: 一にして二〉
 465: 二にして一》
 466: 通隔の間。端倪す可からず。
 467: 鬱浡は行すれば則ち路を開す〉
 468: 混淪は居すれば則ち宅を有す》
 469: 宅路は麁中に没す。
 470: 精は天機を見す〉
 471: 麁は性体を露す》
 472: 天は没すと雖も〉而も袞袞の通。
 473:           坱坱の塞。宇宙を成す〉
 474: 機は既に動止の転持を見す〉
 475: 形は能く直円の形理を成す〉是に於て
 476: 動静の天地を没成す〉
 477: 体は能く気物の天地を立す〉
 478: 性は能く華液の侌昜を活す》是に於て
 479: 体性の天地を露成す》蓋し
 480: 清を以て濁を望めば。
 481: 気は清にして散す〉
 482: 物は濁にして結す》
 483: 火は発して懸る〉
 484: 水は収して湛う》
 485: 火は発すと雖も〉而も終古升せざるは〉覆する者有るに由る〉
 486: 水は収すと雖も》而も終古沈せざるは》載する者有るに由る》故に
 487: 通塞散結して。
 488: 幽玄の界に入る。
 489: 上覆下載の際。
 490: 日月星辰は懸す〉
 491: 山嶽河海は列す》
 492: 昼夜冬夏以て成す〉
 493: 東西南北以て紀す》
 494: 文章燦爛。
 495: 万彙鬱郁。
 496: 神は遊す〉
 497: 物は居す》是に於て
 498: 天は気なり〉本を成す〉
 499: 地は物なり》根を成す》
 500: 地 其の気を見するは〉 性なり〉英を成す〉
 501: 天 其の物を形にするは》体なり》精を成す》
 502: 覆載は以て混成す。
 503: 機は動す〉静を以て実を置す〉
 504: 体は実す》虚に由り機を発す》
 505: 虚にして其の色を物にす〉
 506: 実にして其の性を質にす》
 507: 天地は華液の偶を得。是に於て
 508: 精中は通塞す〉
 509: 麁中は転持す〉
 510: 以て其の天地を体を没するに於て成す〉
 511: 実中は散結す》
 512: 虚中は発収す》
 513: 以て其の天地を物を露するに於て成す》
 514: 経は通して時し〉来者を生し〉
 515:         往者を化す〉神遊の路を為すや〉此の天を宙と為す〉
 516: 緯は塞して処し》乗者を載し》
 517:         居者を容す》物立の地を為すや》此の地を宇と為す》
 518: 宇は能く物を容す〉
 519: 宙は能く神を通す〉則ち
 520: 宇宙は隠没し〉能く神物を容す〉
 521: 物は能く宇に居す》
 522: 神は能く宙に通す》則ち
 523: 神物は見露し》能く宇宙に居す》是に於て
 524: 隠没は物を吐して而して地を為す〉
 525: 見露は気を吐して而して天を為す》
 526: 神物は活立せざる靡し〉
 527: 経緯は通塞せざる靡し》
 528: 巧婦は機杼を執りて。斯の貝錦を織る。
 529: 燦爛たる文章。龍飛鳳翔。
 530: 鬱浡は機を含す〉
 531: 混淪は体を立す》
 532: 天は定し神は変す〉
 533: 天は動し地は止す》蓋し
 534:  混然の一。性は一一の体を具す。
 535:  其の体は則ち一気一物〉
 536:  其の態は則ち精没麁露》
 537:  相い比し相い反す〉
 538:  相い食し相い吐す》
 539:  粲立して條理を有す〉
 540:  混成して罅縫を没す》故に
 541:  坱坱は処を敷く〉而して物は此に居す〉而して
 542:  物の此に居すや〉中を得て之に乗す〉
 543:          外を得て之に居す〉
 544:  中や則ち 其の微は内無し〉天地を載して而して重とせず〉
 545:  外や則ち 其の広は際無し〉天地を容して而して大とせず〉
 546:  袞袞は時を引く》而して期は此に従う》而して
 547:  期の此に従うや》今を得て之を見す》
 548:          端を得て之を没す》
 549:  今や則ち其の間 倏忽》事物を露して而して遺さず》
 550:  端や則ち其の長 攸遠》事物を蔵して而して示す無し》
 551:  神は亦た此の途に行す〉
 552:  天は亦た此の宅に居す》
 553:  夫れ性は体を開す。而して一侌一昜。
 554:  昜は則ち其の体を虚し〉其の気を発す〉神機は活動す〉
 555:  侌は則ち其の体を実し》其の気を収す》物体は定立す》
 556:  天地は此を以て分す〉
 557:  水火は此を以て成す》是を以て
 558:  宅を成して有するの物は静〉静なる者は没す〉
 559:  散結する者は〉以て虚実の体を露す〉
 560:  路を為して機に由る者は動》動なる者は見す》
 561:  発収する者は》以て色性の気を見す》是に於て
 562:  静なる者は虚実す〉
 563:  動なる者は往来す》故に
 564:  中は止を有して而して能く維す〉諸動は游移すと雖も〉
 565:  而も守する所有り〉以て 地を定め天を定む〉
 566:  止の在す所は〉乃ち地〉
 567:  動の行す所は〉乃ち天〉
 568:  今は見を有して而して能く走す》諸静は凝立すと雖も》而も
 569:  率する所有り》而して時を変し物を変す》
 570:  体の成す所は》乃ち天》
 571:  為の変す所は》乃ち神》
 572: 宇宙は気なり〉
 573: 天地は物なり》
 574: 気は剖し天は機す〉
 575: 物は分し性は体す》
 576: 天機は已に分す〉而して宇宙転持は相い成す〉
 577: 性体は已に分す》而して天地水火は並び立す》是に於て
 578: 虚実の天地〉
 579: 水火の侌昜》
 580: 時処の宇宙〉
 581: 動止の転持》
 582: 偶偶相い合して。一大天地を成す。
 583: 気は宇宙を開す〉而して転持を容す〉
 584: 隠然の天は〉立する所の位〉
 585:       行する所の方を設す〉
 586: 気を運すの理〉
 587: 物を成すの形を立す〉
 588: 物は天地を開す》而して水火を見す》
 589: 粲然の地は》容する所の虚》
 590:       居する所の実を露す》
 591: 縕する所の華》
 592: 絪する所の液を見す》
 593: 其の合するや。宇宙は隠す〉而して虚実の体を露す〉
 594:        転持は没す》而して華液の性を見す》
 595: 動する者は神にして変す〉
 596: 止する者は天にして定す〉是の故に
 597: 地は止にして定す〉而して其の地は磅※を以て界を為さず〉
 598: 天は動にして変す》而して其の天は穹窿を以て界を為さず》故に
 599: 坱坱は常静〉転動は其の中に遊す〉
 600: 運転は守有り〉
 601: 升降は中有り〉
 602: 袞袞は常走》静止は其の中に居す》
 603: 回復は期を悛す》
 604: 游動は態を変す》是に於て
 605: 動は変すと雖も〉而も静を得て而して紀有り〉
 606: 天は定し地は定す〉
 607: 静は定すと雖も》而も動を得て而して能く活す》
 608: 気は変し物は換す》是を以て
 609: 天は物に変す〉而して期に定す〉
 610: 地は物に定す》而して期に変す》
 611: 天神の天地に於て為成する所なり。
 612: 天地は軽虚以て没し〉
 613: 重実以て露す》
 614:  質を以て気を言えば〉質は実なり〉気は虚なり〉
 615:  気を以て質を言えば》気は精なり》質は麁なり》
 616:  気に精なる者は〉質に虚す〉
 617:  気に麁なる者は》質に実す》是を以て
 618:  気は層層を出でて而して漸みて精す〉
 619:  質は重重に入りて而して愈いよ実す》
 620:  之を火は体の虚を以て而して出でて升り〉
 621:    水は質の密を以て而して降りて入るに徴す》
 622:  気は闃として声臭の窺う可き無し〉而して
 623:  地をして能く其の中に在らしむれば〉則ち精なり〉虚なり〉
 624:  質は密にして罅隙の指す可き無し》而して
 625:  気をして能く其の中に在らしむれば》則ち麁なり》実なり》
 626:  天は能く地に在す〉
 627:  地は能く天に居す》
 628:  麁ならざれば〉則ち精は其の間に在すること能わず〉
 629:  虚ならざれば》則ち実は其の中に居すること能わず》
 630:  精は麁中に通す〉
 631:  実は虚中に塞す》
 632:  気象は天中の物を為す〉
 633:  気質は持中の物を為す》
 634:  天象は猶お地質のごとし〉精たらんとするを以て而して実すること能わず〉
 635:  地気は猶お天気のごとし》実せんとするを以て 而して精たること能わず》
 636:  無質は〉有質の気なり〉
 637:  有質は》無質の質なり》故に
 638:  塵埃は気の為めに揚げらると雖も〉而も質を有せば則ち終に降る〉
 639:  雲煙は気を以て而して升ると雖も》而も質を結べば則ち必ず降る》
 640:  升する者は動す〉
 641:  降する者は静なり》
 642:  動なる者は気にして使然たり〉
 643:  静なる者は質にして自然たり》故に
 644:  質なる者は地の体〉外出を拒す〉而して之を内に保す〉
 645:  気なる者は天の体》内入を拒す》而して之を外に送す》故に
 646:  煙火雲霧〉気に勝る者は疾く升す〉
 647:  土石雨雪》質に勝る者は先に降す》
 648:  持を推し転を察するに。
 649:  象は猶お質のごとし〉東は猶お下のごとし〉
 650:  転は猶お持のごとし》西は猶お上のごとし》
 651: 天神は》変動 以て活す》
 652:     定常 以て成す》是を以て
 653: 坱坱の中〉物体は〉濁実重凝して下結す〉
 654: 物気は〉清虚軽融して上散す〉故に
 655: 地体は沈結す〉
 656: 愈いよ密に愈いよ堅なり〉
 657: 堅密は中に依れば〉則ち粗輭は精に之きて天を成す〉
 658: 袞袞の間》神性は》運転吸呼して斯率す》
 659:      物期は》循環鱗比して退逝す》故に
 660: 天気は転動す》
 661: 愈いよ疾に愈いよ剛なり》
 662: 疾剛は表を保せば》則ち運緩は静に之きて地を成す》
 663: 転は袞袞を紀す〉
 664: 地は坱坱を紀す》是を以て
 665: 転は物を拒して容せざるの内〉
 666: 地は物を載して沈せざるの間》
 667: 景影は処を布して〉星辰は上に環す〉
 668: 水燥は物を容して》動植は下に立す》
 669: 循環鱗比。期は競いて時を追う。
 670:  天気は動〉
 671:  地体は静》
 672:  動は能く象を率して転す〉
 673:  静は能く質を容して持す》
 674:  地は端を天に於て寓す〉
 675:  天は中を地に於て寄す》
 676:  天は中を守す〉故に動して※せず〉
 677:  地は端を奉す》故に静して躍せず》故に
 678:  地は静と雖も〉而も気は其の中に活す〉
 679:  天は動と雖も》而も位は其の中を守す》
 680:  地は天を載す〉
 681:  天は地を覆す》
 682:  其の間は。乃ち日月星辰は行す。
 683:         山嶽河海は列す。
 684:         推遷転持は成す。
 685:         風雨雷霆は旋す。
 686:         水火艸木は生化す。
 687:         毛羽鱗介は出没す。故に
 688:  其の象を目して。其の機を臆せば。則ち天は亦た度る可きなり。
 689:  其の物を摩して。其の体を踏めば。則ち地は亦た知る可きなり。
 690:  夫れ黒白の棊子。勝敗相い成る者は。
 691:  諸を局に託すればなり。
 692:  今 気体は何に物し〉                 (気体=気と体)
 693:  天神は何に事す》
 694:  人の天地に於けるや。亦た其の幕席のみ。
 695:  堂に囿せらる者は幕席の由来する所を知らず。
 696:          幕席の由来する所を知らざれば。則ち
 697:  幕席を知らざるなり。故に
 698:  天地に囿せらる者は。則ち天地を知る能わざるなり。
 699: 天神は宙通の間に運す〉
 700: 天地は宇塞の中に居す》
 701: 天地を除きて而して其の容者の坱坱を観る〉
 702: 坱坱に充てて而して其の混淪の立を観る〉
 703:  粲立を以て之を観れば〉気は気なり〉
 704:             物は物なり〉
 705:  混成を以て之を観れば》物は亦た気なり》
 706:             気は亦た物なり》是を以て
 707:  気は体を露せずと雖も。物を容して之を居く。故に
 708:  燥は燥の処を天に仮りて〉水と相い拒す〉
 709:  転は転の処を天に仮りて》持と相い拒す》故に
 710:  容者は其の処を施せずんば〉則ち 
 711:  居者は其の宅を得ず〉
 712:  居者は其の宅を得るは》則ち
 713:  容者は其の処を施すればなり》然り而して
 714:  容者は坱坱たれば〉則ち
 715:  居者は無垠なり》
 716:  居者は容者より小ならず〉
 717:  容者は居者より大ならず》
 718:  気は物に之けば〉則ち気ならざる所莫し〉
 719:  体は天に之けば》則ち物ならざる所莫し》
 720: 歳時を除きて而して其の率者の袞袞を観る〉
 721: 袞袞に従いて而して其の絡繹の不尽を観る》
 722:  直往は標本を見ず〉
 723:  円転は首尾を得ず》果たして端緒有らば。則ち
 724:  始に前なる所〉終に後なる所を以て〉将に何をか置かんとす〉
 725:  内に内なる所》外に外なる所を以て》将に如何んか観んとす》故に
 726:  我れ南なれば則ち北は辺を為す〉
 727:  我れ北なれば則ち南は辺を為す》
 728:  世世相い望めば〉則ち既往を今に於て観る〉
 729:  時時相い継げば》則ち将来を今に於て観る》
 730:  時は始終を得る可し〉
 731:  処は其れ際涯を有す》
 732:  往せば則ち従いて之を送す〉
 733:  来せば則ち逆いて之を迎す》
 734:  高ければ則ち登りて之を望む〉
 735:  深ければ則ち入りて此を度る》
 736:  竊竊として宇宙を疑う者の為なり。
 737: 此に融して而して天の洋洋を観る〉
 738: 此に活して而して神の浡浡を観る》
 739: 天は散し地は結す〉
 740: 気は動し物は止す》
 741: 没者は虚す〉
 742: 露者は実す〉
 743: 見者は濁す》
 744: 隠者は清す》
 745: 之の間。清虚止散する者は精なり〉
 746:  有痕は則ち麁〉
 747:  無痕は則ち精》
 748:  有痕以て無痕を推せば。則ち無痕も痕を成す。而して
 749:  精も亦た麁なり。故に
 750:  露を以て没を索れば〉則ち没も亦た露す〉
 751:  実を以て虚を推せば》則ち虚も亦た実す》
 752:  精の極は精を失す〉而して精の麁なる者は〉麁と相居す〉
 753:  虚の極は虚を失す》而して虚の実なる者は》実と粲立す》
 754:  清濁動静。
 755:  聚散解結。往く所皆な然り。故に
 756:  動実濁結〉
 757:  静虚清散》
 758:  麁なる者は各各露す〉
 759:  精なる者は尽く没す》然りと雖も
 760:  散は虚に混せず。
 761:  清は静に混せず。
 762:  静は動の為に推さる〉
 763:  虚は実の為に推さる》
 764:  以て相融せず。終に粲立を為す。
 765:  粲立は混成を隔にす〉
 766:  混成は粲立に別にす》是を以て
 767:  一一並び見して。而して精も亦た露す。
 768:  一なり難き者は〉乃ち二の粲立なり〉
 769:  二なり難き者は》乃ち一の混成なり》
 770: 濁実動結は》麁なり》
 771: 精は麁中に隠す〉
 772: 麁は精中に居す》
 773: 坱坱は中を得る〉而して天地は虚実を以て之に居す〉
 774: 袞袞は今を得る》而して象質は歳運を以て之に行す》
 775: 神は物と反すと雖も。而も能く合一す。故に
 776: 其の性は融して此に通ず〉
 777: 其の道は為して此に成す》故に
 778: 天地は位を開して〉而して
 779: 水火は物を分す》
 780: 天は虚なり〉虚中は虚を以て見る可きの形を成す〉
 781: 或いは象と曰い〉或いは火と曰い〉或いは昜と曰う〉今 新たに命じて華と曰う〉
 782:       実外は実を以て弄す可きの体を成す》
 783: 或いは質と曰い》或いは水と曰い》或いは侌と曰う》今 新たに命じて液と曰う》
 784: 宜しく其の対を玩んで。
 785:    其の物を初にすべし。
 786: 声を以て其の主に眩せられざらんことを要す。
 787:  象質と曰い。水火と曰い。侌昜と曰う。
 788:  既に専主有れば。華液の新名。以て汎称す可し。
 789:  水火の本名は。地に著わる者を以て主と為す。故に
 790:  日を以て火の宗と為す。
 791:  其の実に獲て。而して其の名に失す。
 792:  象なる者は其の体を虚にして。見る可き者有るの名なり。
 793:  質なる者は其の体を実にして。把る可き者有るの名なり。
 794:  而して水は猶お気類にして。
 795:  定質を成さず。則ち
 796:  質の専主に非ず。
 797:  故に天地に合して之を謂へば。
 798:  水は地上に在り〉
 799:  日は天中に在り》然れば則ち
 800:  天火は影を得て偶す〉
 801:  地水は燥を得て偶す》
 802:  火の水と地上に於て偶する。固より疏偶なり。
 803:  水火は天地に於て望んで。而して後 親偶を為す。
 804:  然れども名を親偶に於て正せば。則ち天日地火。還って其の主を失す
 805:  侌昜はもと一一の体なり。
 806:  今 大物は天地を露し〉
 807:  一気は侌昜を見す》
 808:  本づく所に推して。以て華液を言う。
 809:  華液は自ずから其の偶を有す。
 810:  偶の素に就きて〉気象気質を曰う〉
 811:  其の成に就きて》日影水燥を曰う》故に
 812:  之を天地に通じて之を観るに。
 813:  日は昜にして吸すれば〉則ち露 天間に結ぶ〉之を命じて月と曰う〉
 814:  水は侌にして排すれば》則ち星 地際に生ず》之を命じて火と曰う》
 815:  天地は本一物〉故に華液は侌昜を為す〉    (本=もと)
 816:  天地は既に境を分す》故に
 817:  華は気象の日影に偶し》
 818:  液は気質の水燥に偶す》
 819:  人目は素より麁なり。物を視て気を視ず。
 820:  見るに従いて其の疏偶を獲る。
 821:  天に日月と曰う。地に水火と曰う。故に
 822:  世人は未だ日に対するを以て地水便ち是れ月と曰わざると雖も。
 823:  水に対して宜しく天日便ち是れ火と曰うべし。
 824:  華液は則ち天地に合するの水火なり。
 825:  声に依りて聴を誤るは。
 826:  未だ其の主を知る者と為さざるなり。
 827: 是れ一大全物を以て言う者なり。
 828: 其の剖析する所を観れば。則ち両圏相い容す。
 829: 転する所の圏は〉即ち地圏なり〉
 830: 運する所の圏は》即ち天圏なり》
 831: 転圏は則ち天地と巓趺を合す〉
 832: 運圏は則ち天地と巓趺を反す》
 833: 運転環守は理を同せず。
 834: 地趺は〉乃ち天巓なり〉
 835: 天趺は》乃ち地巓なり》
 836: 運転は節を有す。以て日月の弧を繋す。
 837: 弦弧は既に設す。地は転弦の中に居す〉
 838:         日は日弧の中に繋す》
 839: 物体は天地に於て結す〉
 840: 性気は侌昜に於て発す》
 841: 性体相い下らず。節は以て枝を出す。
 842: 同胞孿胎は。天地一球〉
 843:       華液連環なり》
 844: 華圏は円を天地に於て分す〉
 845: 液圏は円を天地に於て合す》
 846: 合すと雖も天地自ずから天地の一球。
 847:      華液自ずから華液の二圏。
 848: 天地一球は路宅を合す〉
 849: 華液隻圏は歳運を交す》蓋し
 850: 天地の大分。没中は宇宙転持を有す〉
 851:       露中は天地華液を有す》
 852: 宇宙は通塞を為す。而して宙は宇中に通すれば。則ち
 853: 宇は※たり混たり 一を混成す。
 854: 宇中にては。天地の体〉
 855:       転持の機》二円相い合して。宇に居し宙に行す。
 856: 華液両圏。液圏は則ち天地に合す。
 857: 液は天地に洽せば。則ち日影は自ずから規矩を出だす。
 858: 以て中外を成す。己れ其の天に居し。影を以て其の地と為し。
 859: 抗然として天地と弦弧の勢を張る。
 860: 運転は巓趺を反す。其の円は合す。
 861: 日影は圏を分す。巓趺は運転と同せざるなり。蓋し
 862: 物の成。形体色気を以て全なり。是を以て
 863: 形体得ざれば。則ち物は成する能わず。
 864: 色気得ざれば。則ち物は没露する能わず。而して
 865: 色気の成る所。華液に於て濃を為す。
 866: 華は日影を開す〉
 867: 液は水燥を開す》以て虚動実静の中に充す。
 868: 我れ已に地を履み天を載く。是に於てか順逆は我れに定まる。
 869: 地の磅※は土石を結んで拗突を為す。
 870: 以て散虚の天に居る。
 871: 拗処は水占む〉
 872: 突処は燥占む》
 873: 天文は上に懸る〉
 874: 地章は下に捧ぐ》
 875: 発収の際〉寒熱 明暗 温涼 行す〉
 876: 水燥の間》原野 山嶽 河海 成す》
 877: 俯立の諸質は地上に依りて立す〉
 878: 重並の諸曜は運巓を奉じて環す》
 879: 地は弦中に移せず〉
 880: 日は弧中に住せず》
 881: 転趺は〉其の止を実す〉
 882: 運巓は》其の動を虚す》
 883: 一常一変。安んぞ東線一たび転輪に合し。
 884:           一たび守極に横たわらざるを知らんや。故に
 885: 転趺の中は即ち地なり。       (これはおそらく黄鶴の書き込み)
 886: 地上一層は〉廼ち水の処なり〉
 887: 水上一層は〉廼ち燥の処なり〉
 888: 運巓の下頭は廼ち日なり。      (これもおそらく黄鶴の書き込み)
 889: 日表一層は》廼ち景なり》
 890: 景表一層は》廼ち影なり》
 891: 色界は日を盛とす〉景影は処を為す〉
 892: 而して星辰は其の下に羅る。是に於て巓小趺広なるを覚ゆ〉
 893: 体界は水を主とす》水陸は処を為す》而して
 894: 動植は其の上に立つ。是に於て趺狭天大なるを覚ゆ》
 895: 天は清なり〉故に星辰は乾燥軽明を含む〉
 896: 地は濁なり》故に動植は潤湿重暗を含む》
 897: 万物の遊する所は天にして日影なり〉
 898:  至大は容せざる所無し〉
 899:  至小は載せざる所無し》
 900:  容せざる所無ければ〉則ち物は其の内に沈す〉
 901:  載せざる所無ければ》則ち気は其の外に浮す》
 902:  沙を淘して金を取る〉重き者は必ず沈む〉
 903:  物を漬して粃を去る》軽き者は必ず浮く》故に
 904:  気象は転中に浮す〉
 905:  気質は持中に沈す》夫れ
 906:  天は無象にして虚なり〉
 907:  地は有質にして実なり》
 908:  無象は浮せば〉則ち有象亦た従いて浮す〉
 909:  諸質は沈せば》則ち本質更に   沈す》故に
 910:  無象は更に有象より浮す〉
 911:  本質は更に諸質より沈す》故に
 912:  天は象を有するに麁なり〉
 913:    象を失するに精なり〉
 914:  地は質を有するに実なり》
 915:    質を失するに虚なり》蓋し夫れ
 916:  天は精大なり〉而して
 917:  日は麁小なり〉
 918:  麁小は以て精大に居す〉
 919:  月表一層〉日は之を環す〉
 920:  日表一層〉影は之を容す〉
 921:  地は堅重なり》而して
 922:  水は輭軽なり》
 923:  輭軽は以て堅重を抱く》
 924:  地上一層》水は之を環す》
 925:  水上一層》燥は之を環す》
 926:  燥影は天の一円中に在る。而して天は坱坱の中に居す。
 927:  辰は景を以て其の処と為す〉其の物は侌にして而して能く光を仮る〉
 928:  星は影を以て其の処と為す》其の物は昜にして而して能く光を発す》而して
 929:  日は黄道を行く。
 930:  星は横極に管す。
 931: 地にして水燥なり》
 932:  日影なる者は〉天中万物の散する所〉其の物は乾燥光明〉軽にして浮き鋪く〉
 933:  水燥なる者は》地中万物の聚する所》其の物は潤湿黯濁》重にして下に就く》
 934:  動植の二は。水陸同じく有り。
 935:  水には則ち魚龍藻樹なり〉
 936:  陸には則ち禽獣艸木なり》
 937: 運転の圏は。巓趺を反す。動植亦た此に資す。
 938: 植は地を本とす〉
 939: 動は天を本とす〉故に
 940: 日影に繋す者は〉象質の分有りと雖も〉而も総て天の象に帰す〉
 941: 其の体を虚にす〉其の物を色にす〉聚散の跡を示さずして〉以て其の物を常にす〉
 942: 循環は已まず〉以て東西す〉
 943: 水燥に居す者は》天地の分有りと雖も》而も総て地の物に帰す》
 944: 其の体を実にす》其の物を液にす》常に解結の跡を露して》以て其の物を変にす》
 945: 鱗比は断たず》以て升降す》是に於て
 946: 天地は能く立す〉
 947: 天神は能く活す》
 948: 天にして日影〉気を得て東西す〉
 949: 地にして水燥》気を得て升降す》以て大物を全す。
 950: 其の一は已に分す。
 951: 昜は縕し侌は絪す。
 952: 大は給し小は資す。而して大は能く小を剖す。
 953: 剖して零砕に至りて〉末は猶お本のごとし〉
 954: 合して諸を一に帰す》本は猶お末のごとし》是に於て
 955: 物は各おのINUN給資す。亦た散小の天地を含む。
 956: 日影の星辰に於ける。
 957: 水燥の動植に於けるより。
 958: 以て散じ以て変じ。窮極する所莫し。是に於て
 959: 蔦は生を木杪に寄せ。蛆は体を肉中に化すと雖も。
 960: 亦た末は猶お本のごとし。是を以て
 961: 精を没し麁を露す〉
 962: 時を経し処に居す》
 963: 神本は物を成す〉
 964: 生化は通を為す》
 965: 大に資し以て成す〉
 966: 各に依し以て立す》
 967: 天に在る者は〉乾燥清明なり〉
 968: 地に在る者は》潤湿黯濁なり》
 969: 天地の有する所〉我は 廼ち之を具す〉
 970: 我の 具する所》天地は廼ち之に応す》
 971:  小に成る者は大に資す〉
 972:  地に成る者は天に応す》
 973:  天は  運転環守の方 定す〉而して
 974:  地も亦た中線両極の位 定す〉
 975:  天は  呼吸升降の地を更す》而して
 976:  地も亦た発収粛舒の気 変ず》
 977:  地体は一円塊〉其の用は一一を更す》
 978:  天は則ち 日は照し 影は蔽し〉 日は煦し 影は粛す〉
 979:  地は則ち 照を昼にし蔽を夜にす》春は煦し 秋は粛す》
 980:  天気は清浄なり〉
 981:  物体は濁穢なり》
 982:  万物は成壊し。火は発し水は収するの中に遊す。故に
 983:  気は粛すれば則ち天は清し水は涸す〉霜雪は凝閉し〉植は枯し動は蟄す〉
 984:  気は煦すれば則ち天は濁し湿は動す》雨露は蒸騰し》植は栄し動は出す》
 985:  物の煦粛に応すなり〉
 986:  日は照せば〉則ち天は明に彩は見す〉
 987:  植にして花咲く〉
 988:  動にして神旺す〉
 989:  影は蔽せば》則ち天は暗に彩は没す》
 990:  植にして花合す》
 991:  動にして神蔵す》
 992:  物の照蔽に応すなり》
 993:  天動は東西す〉
 994:  地動は升降す》
 995:  天動は循環す〉
 996:  地動は鱗比す》
 997:  天象は則ち 日月は東西に運転す〉
 998:  地象は則ち 水火は上下に升降す》
 999:  地昜は蒸騰して侌液を噴けば〉則ち雲を発して升り〉雨を結んで降る〉
 1000:  天侌は粛凝して地昜を収めば》則ち電を閃して出で》雷を発して撃つ》
 1001:  天は〉動にして変すの体なり〉而して
 1002:  其の行は則ち整斉す〉攸遠にして天は転し象は運す〉
 1003:                 日は交し月は食す〉
 1004:                 昼夜は度を定す〉
 1005:                 冬夏は気を序す〉
 1006:  地は》静にして定すの体なり》而して
 1007:  其の行は則ち錯綜す》倏忽にして風は起り雨は至る》
 1008:                 霖旱は常ならず》
 1009:                 侌晴は定め無し》是れ則ち
 1010:  天は定す〉
 1011:  神は変す》
 1012:  歳は天に成す〉
 1013:  運は神に為す》是れ即ち反比の態なり。
 1014:  地は一水土塊。天の守軸に資して〉南北を為す〉
 1015:         天の中線に資して》東西を為す》
 1016:  天は景影の処を開す〉
 1017:  地は水燥の場を開す》自ずから剖して相い偶するに至りては。則ち
 1018:  水の高き者は雨を為す〉
 1019:  卑き者は水を為す〉
 1020:  土の突する者は陸を為す》
 1021:  陥する者は壑を為す》
 1022:  燥は山を領す〉
 1023:  水は壑を領す》
 1024:  山は水中に居して島嶼と為る〉
 1025:  水は陸中に居して江湖と為る》
 1026:  人の取りて以て居す者は山。水に対して陸と呼ぶ。
 1027:  土の山を為す者は大壌二つにして。而して其の散は数を知らざるなり。
 1028:  神は活し物は立す。生を以て経と為す〉
 1029:        身を以て緯と為す》
 1030:        粛して冬と為る〉
 1031:        舒して夏と為る》
 1032:        神旺は我が昼を為す〉
 1033:        気睡は我が夜を為す》
 1034:  我れ亦た任督中界を分かつ。而して
 1035:  左右前後は。東西南北に応する有り。
 1036:  如し数えて之を尽くさんと欲せば。則ち
 1037:  大物を数え尽くして乃ち始めて尽くさん。
 1038: 物は麁を以て露すと雖も。而も唯だ一 混として万有を含む。
 1039:  天地の物を露するや。地は塊焉として中立す。
 1040:            天は藐焉として外居す。
 1041:  混淪たる一球は。実に天神の体にして。而して一は此を以て成す。
 1042:  一の成する所は。即ち
 1043:  二の合する所なり。
 1044:  物は虚実を以て而して没露す〉
 1045:  気は清濁を以て而して隠見す》
 1046:  分れて勢を張るなり。夫れ
 1047:  処は〉坱然として物を容す者なり〉
 1048:  中は不偏に於て定す〉
 1049:  外は無垠に於て成す〉
 1050:  物は》塊焉として処に居す者なり》
 1051:  無内の中に乗す》
 1052:  無外の外に充す》故に
 1053:  物は虚を以て天体と為す〉
 1054:    実を以て地体と為す〉
 1055:  気は転を以て天機と為す》
 1056:    持を以て地機と為す》
 1057:  理は以て気を布す》
 1058:  形は以て体を成す》
 1059:  内は諸を中に託す〉
 1060:  外は諸を処に寄す〉
 1061:  火は天に華す〉
 1062:  水は地に液す》
 1063:  坱坱に宅す〉
 1064:  袞袞に路す》
 1065:  天地は〉物にして体を露す〉
 1066:  水火は》性にして体を見す》
 1067:  天地は〉至大の物〉形位 没し〉機体 露す〉
 1068:  水火は》至著の物》性気 隠し》象質 見す》故に
 1069:  形体は物を天地に於て露し〉
 1070:  象質は性を侌昜に於て見す》
 1071:  形体は能く物に合す〉
 1072:  象質は能く物を分す》是を以て
 1073:  実体は結を得て而して堅なり〉
 1074:  虚気は動を得て而して剛なり》
 1075:  剛は麁を容れず〉
 1076:  堅は清を停めず》
 1077:  転持は処を分す〉而して
 1078:  天地は位を定す〉
 1079:  清濁は気を布き》而して
 1080:  象質は処を得る》是を以て
 1081:  散するや〉処と其の気を合す〉
 1082:  結するや》物と其の性を成す》
 1083:  気物性体。相い得て全す。是を以て
 1084:  質実は結を収す〉
 1085:  堅重は地を為す〉
 1086:  虚象は聚発す》
 1087:  柔軽は象を為す》是に於て
 1088:  正偶は相い反す〉
 1089:  斜偶は相い比す》
 1090:  一反一比。文章を織るが如し。
 1091:  我れの居す所は。則ち水燥の偶する所なり。
 1092:  煦嘘滋液。以てINUNを認む。
 1093:  象の天に懸る者は。則ち日月なり。
 1094:  日は本(もと)明体〉影と明暗を地上に於て更す〉
 1095:  月は本(もと)暗体》日と明暗を天中に於て更す》
 1096:  日は燥と性を同じくす〉故に燥は地の南北に従いて粛舒す〉
 1097:  月は水と性を同じくす》故に水は月の晦望に従いて消長す》
 1098:  日月は上に旋転す〉
 1099:  水陸は下に羅列す》是に於て
 1100:  日月周回して〉而して朔望冬夏は歳を為す〉
 1101:  水燥交錯して》而して雲雷雨雪は運を為す》
 1102:  神は其の中に鬱浡として。INUN摩盪す。
 1103:  其の本根精英を具す。万の動植を成す。
 1104:  人は動中の一物。之を大に資す。以て己れの天地を成す。
 1105:  已に其の天地を成す。而して其の境を開けば。則ち
 1106:  佗の天地万物を并せて。我と対す。故に
 1107:  物を分して人物と曰う〉
 1108:  気を分して天人と曰う》
 1109:  天地より之を観れば。則ち一は大物を開して。境に露没有り。
 1110:              我は小中に立して。境に人物有り。
 1111: 
 1112:  天容地居図一合
 1113:  各麁居各精図一合
 1114:  天象地質図一合
 1115:  没露隠見図一合
 1116:  転持図
 1116- 宇宙  体精未上図焉
 1117:  運転合圏図一合
 1118:        上為天圏
 1119:        下為運圏
 1120:  日地分圏図一合
 1121:        水燥與天地合図
 1122:        日影與天地分図
 1123:  覆載図
 1124:      天地散結于虚実中外之中
 1125:      覆載俯仰于天地上下之中
 1126:  四界図
 1127: 
 1128:     語         活     部
 1129: 
 1130:  玄語目次
 1131:   天冊 活部天神
 1132:    道徳 有徳走勢成之     図
 1133:    天神 居宅上路成之     図
 1134:    事物 物没気露成之     図
 1135:    天命 体隠性見成之     図
 1136: 
 1137:  玄 語
 1138:      日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
 1139:   天冊 活部天神
 1140:   道徳      徳
 1141: 一は二を有す〉故に芒※の間〉喪うが如し〉而して
 1142: 能く浡浡として万開を有する者は〉徳なり〉
 1143: 二は一を開す》故に鬱浡の中》得る有り》 而して
 1144: 能く歴歴として一有を開する者は》道なり》故に。
 1145: 徳なる者は〉天なり〉一の有なり〉貌跡は自ら成す〉
 1146: 道なる者は》神なり》二の開なり》機状を為さ使む》
 1147: 一を剖し二を対す〉経の態なり〉
 1148: 一分し一合す》緯の態なり》
 1149: 徳に非ざれば〉則ち万開を混有して〉罅縫を没すること能わず〉
 1150: 道に非ざれば》則ち一有を粲開して》條理を見すること能わず》故に。
 1151: 徳なる者は〉万緯の得て宅を為す所〉
 1152: 道なる者は》万経之所由而為路》是以。
 1153: 分して分す〉融せざる所莫し〉一のNなり〉
 1154: 合して合す》通ぜざる所莫し》二の貫なり》蓋し。
 1155: 性体なる者は〉気物に託する者なり〉
 1156: 気物なる者は》性体を有する者なり》
 1157: 性体なる者は〉生活し体立す〉
 1158: 気物なる者は》気没し物露す》夫れ。
 1159: 活立は本一なり〉一なれば則ち交接を須いずして〉己に於て足る〉故に
 1160: 精は奉し力は立す〉
 1161: 霊は知し神は感す〉
 1162: 体を本根精英に於て一にす〉
 1163: 用をINUN給資に於て運す〉
 1164: 剖対は已に二なり》二なれば則ち交接を用いて》 佗に依る有り》 故に
 1165: 徳は有し勢は走す》
 1166: 居は容し路は通す》
 1167: 状を交隔通融に於て為す》
 1168: 貌を自使常変に於て成す》
 1169: INUN給資〉造化は茲に行す〉
 1170: 自使常変》天命は茲に成す》
 1171: 天は一を有す〉故に
 1172: 本神は本と天徳の一を立するなり〉
 1173: 神は二を開す》故に
 1174: 天神は本と神道の二を開するなり》故に
 1175: 本は物を幹す〉
 1176: 神は活を運す》而して
 1177: 天は之を成す〉
 1178: 神は之を為す》
 1179: 神は徒らなる能わず〉本は体を物に於て立す〉
 1180: 物は死する能わず》 神は性を気に於て活す》
 1181: 惟だ徳は以て之を有す〉
 1182: 惟だ道は以て之を開す》是を以て。
 1183: 徳は有し道は成す〉道徳の一なる所なり〉
 1184: 宅は容し路は通す》道徳の二なる所なり》
 1185: 道なる者は神なり〉是を以て〉
 1186: 本神に非ざれば〉則ち二を混成して活立する能わず〉
 1187: 活立せざれば〉則ち物を神にする能わず〉
 1188: 徳なる者は》天なり》是を以て。
 1189: 天神に非ざれば》則ち一を粲立して剖対する能わず》
 1190: 剖対せざれば》則ち物を事にする能わず》
 1191: 剖するや條理を示す〉
 1192: 対するや反比を并す》
 1193: 剖対は已まず》
 1194: 万路は無窮〉
 1195: 混合は已まず》
 1196: 一有は混然たり》
 1197: 故に本神は。
 1198: 大物に於ては〉則ち大物を活立す〉
 1199: 散小に於ては》則ち散小を活立す》
 1200: 精なる者は〉有して遺さず〉
 1201: 麁なる者は》融して一なり》
 1202: 一の徳は〉有して遺さず〉故に其の道や〉開して已まず〉
 1203: 二の徳は》融して一なり》故に其の道や》通して貫す》
 1204: 諸を一有に資して〉 剖析は万露す〉
 1205: 諸を一活立に資して》万生は万活立す》
 1206: 各物各性体〉
 1207: 各神は相い発接す》
 1208: 親なる者は反反混合して〉  相い得て一を成す〉
 1209: 疏なる者は相い持し相い隔し》並立して一に居す》然りと雖も。
 1210: 之を條理に得て。其の帰する所に帰し。
 1211: 比類して相い合すれば。
 1212: 疏も猶お親のごときなり。
 1213: 居は物を有す〉
 1214: 行は事を有す》故に
 1215: 之を緯に置けば〉則ちINUNの用は〉感応向背す〉而して鬼神を見す〉
 1216: 之を経に置けば》則ち栄養の活は》往来生化す》而して造化を示す》
 1217: 宅なる者は〉処を成す〉神は物を得て而して居す〉
 1218: 路なる者は》時を成す》物は神を得て而して遊す》
 1219: 既已に之に居せば〉則ち其の有に非ざる者靡し〉
 1220: 既已に之に行せば》則ち其の道に非ざる者靡し》是に於て。
 1221: 有開は徳を為す〉
 1222: 為成は動を為す》
 1223: 有なる者の貌は〉則ち自然〉其の状は則ち跡を成す〉
 1224: 開する者の貌は》則ち若く使む》其の状は則ち機為》
 1225: 徳に就きて天と曰う〉
 1226: 道に就きて神と曰う》
 1227: 天は亦た道を具す〉
 1228: 神は亦た徳を具す》故に
 1229: 有開は則ち天神の徳〉
 1230: 為成は則ち天神の道》
 1231: 故に。天神は。則ち道徳の主名なり。
 1232: 分して各おの道徳を具す。
 1233: 侌昜の尽きざる所以なり。
 1234:  合すれば則ち混然たり〉
 1235:  分すれば則ち粲然たり》
 1236:  其の自を観んと欲すれば〉 則ち須らく其の故を観〉 其の理を繹ぬべし〉
 1237:  其の使を知らんと欲すれば》則ち須らく其の勢を察し》其の力を審にすべし》
 1238:  理なる者は昭昭〉
 1239:  故なる者は冥冥》
 1240:  勢は以て能く走す〉
 1241:  力は以て能く持す》
 1242:  是を以て事物は。
 1243:  理を挑げて之を※せば〉
 1244:  毫厘逃るる所無し〉
 1245:  而して其の故を繹ぬれば》
 1246:  則ち其の跡を冥没す》
 1247:  神は以て己の分と為さず。
 1248:  況んや人の聡明をや。
 1249:  若し自然を以て本然と為さば〉則ち孰か之を然ら使めん〉   (「孰」=いずれ)
 1250:  若し使然を以て本然と為さば》則ち奚んぞ自然を容れん》   (「奚」=いずくんぞ)
 1251:  使なる者は〉神の貌なり〉
 1252:  自なる者は》天の貌なり》
 1253: 有すれば則ち之を外にする者有らず〉
 1254: 有の有を知りて〉而して無の無を知る〉
 1255: 行すれば則ち之を遺にする者有らず》
 1256: 行の行を知りて》而して活の活を知る》
 1257:  天地は活物〉故に死なず〉
 1258:  天地は有物》故に無ならず》
 1259:  有は則ち無に偶して有なり。是の故に。
 1260:  有なる者は則ち有り〉
 1261:  無なる者は則ち無し》
 1262:  夫れ才に能不能有り。
 1263:  以て相い偶す。是の故に。
 1264:  有なる者は則ち無なる能わず〉
 1265:  無なる者は則ち有なる能わず》是を以て。
 1266:  具中は〉則ち闕 亦た之を具す〉
 1267:  能中は》則ち不能亦た之を能す》
 1268:  全の全たる所以なり。
 1269:  而して其の散して万物を為すに至りては。則ち
 1270:  性は物に随いて〉而して一具一闕なり〉
 1271:  才は運に随いて》而して一能一拙なり》是を以て。
 1272:  天に具する者は〉地に闕なり〉
 1273:  昜に能する者は》侌に拙なり》是を以て。
 1274:  翅を具すれば則ち手に闕なり〉
 1275:  飛に能なれば則ち潜に拙なり》
 1276:  諸を小に試みるに。亦た大と同じ。故に
 1277: 天は融し神は通す。
 1278: 其の剖する者よりして言うなり。
 1279: 噫 有の宅。
 1280: 芒※喪うが如しと雖も。
 1281: 昭昭の理を以て之を示す〉
 1282: 冥冥の故を以て之を没す》
 1283: 明を以て其の戸を開せば〉則ち
 1284: 幽を以て其の室を閉す》
 1285: 神の得て窺わざる所なり。
 1286: 人豈に敢て之を視んや。
 1287:  之を囲碁に言わんに。
 1288:  未だ対して局を奩に依らざるの中。
 1289:  高下勝敗。千万変化は。其の宅に有す。
 1290:  已に諸を宅に有すと雖も。然れども神は運し機は動す。
 1291:  而して後高下勝敗。千万変化。始めて其に途に露す。
 1292:  是を以て。物成せば則ち各其の道徳を具す。
 1293:  道徳を已に具せば。
 1294:  則ち各其の宅を有し。其の道を行す。故に
 1295:  為は〉則ち各其の戸を開し〉而して其の途に上る〉
 1296:  成は》則ち各其の宅に帰し》而して其の室を閉す》
 1297: 道なる者は経通す〉此に走らざる能わず〉
 1298: 宅なる者は緯塞す》此に容れざる能わず》故に
 1299: 往せば則ち来者に当す〉
 1300: 来せば則ち往者に遇す》
 1301: 彼の天徳を観て〉
 1302: 此の天命に甘んず》
 1303:  徳なる者は〉其の有する所〉
 1304:  道なる者は》其の行する所》
 1305:  天徳は自然〉而して其の道や成〉
 1306:  神徳は使然》而して其の道や為》故に
 1307:  馬なる者は〉遠くに行くを有す者〉
 1308:  牛なる者は〉重きを負うを有す者〉
 1309:  馬なる者は》遠きに行くを行う者》
 1310:  牛なる者は》重きを負うを行う者》
 1311:  乃ち牛馬の道徳なり。是の故に。
 1312:  神本は〉則ち然るに幹運す〉
 1313:  天神は》則ち然るに為成す》
 1314:  牛に走る〉
 1315:  馬に走る》
 1316:  牛に持す〉
 1317:  馬に持す》牛馬の勢力なり〉
 1318:  牛なる所 馬なる所〉以て牛し以て馬す》牛馬の故理なり》
 1319:  没中は牛馬を有す〉而して牛馬は露中に出す》此を以て之を推すに。
 1320:  天地の有する所は〉則ち
 1321:  万物も有する有り》蓋し
 1322:  神物の成す所は。則ち
 1323:  徳性の為す所なり。
 1324:  性なる者は〉物を一にする者なり〉
 1325:  物なる者は》体を二にする者なり》
 1326:  之を二にする者は〉  有して開す〉
 1327:  之を一にする者は》則ち具して能す》
 1328:  性才道徳の以て分るる所なり。
 1329:  居者は宅す〉故に之を徳と謂う〉
 1330:  行者は路す》故に之を道と謂う》
 1331:  徳は諸を事に行せば則ち道〉
 1332:  道は諸を物に有せば則ち徳》是を以て。
 1333:  車は〉 旋転未だ旋転せざるの中に有せば〉
 1334:  則ち機触れ勢走る〉
 1335:  以て其の旋転の事を其の物に於て行す〉
 1336:  桔槹は》低昂を未だ低昂せざるの中に有せば》
 1337:  則ち機触れ勢走る》
 1338:  以て其の低昂の事を其の物に行せば》
 1339:  車と桔槹とは。人造なり。
 1340:  旋転低昂は》人造に非ざるなり。
 1341:  旋転低昂を有し〉以て
 1342:  旋転低昂を行うは》則ち其の器の道徳なり。
 1343:  旋転低昂具し〉
 1344:  旋転低昂発するは》規矩の性才なり。
 1345:  具するに由りて之を有す〉
 1346:  発するに由りて之を行す》
 1347:  具を有し発を有するは則ち徳〉
 1348:  之を具し之を発するは則ち神》
 1349:  分すと雖も而も混成す。
 1350:  声音に就きて之を言うに。
 1351:  発すれば 則ち声は有外に行わる〉
 1352:  発せざれば則ち声は闃中に有す》是を以て。
 1353:  一声は音韻を未発に具す〉
 1354:  [而して後発する者は声中に能く音韻を具す》] (梅園全集を示す。)
 1355:  [故に発後に音韻は声中に開く》]       (杵築写本を示す。)
 1356: 蓋し理は其の一を一一にし。剖析は無窮なり。故に
 1357: 為成の具は相いINUNす。
 1358: 万物此の如く擾擾たり。万物此の如く擾擾たれば。
 1359: 則ち道徳も亦た之と従う。是を以て。
 1360: 精は没し麁は露す〉天地此の如し〉
 1361:  天気は動す〉
 1362:  地質は止す》
 1363:  動は能く象を率して転す〉
 1364:  止は能く物を載して持す》
 1365:  地は端を天に於て寓す〉
 1366:  天は中を地に於て寄す》
 1367:  天は中を守す〉故に動して静す〉
 1368:  地は端を奉す》故に止して動す》
 1369:  徒動は則ち円無し〉
 1370:  徒静は則ち直無し》故に。
 1371:  地は止すと雖も〉而も雲雨は則ち止中に動す〉
 1372:  天は動すと雖も》而も諸象は則ち動中に止す》
 1373:  勢は天をして円転せしむ〉而して猶お地の中に違わず〉
 1374:  力は地をして直持せしむ》而して猶お天の端に差わず》
 1375:  地は外に向いて天を載す〉
 1376:  天は中に向いて地を裹む》
 1377:  其の中間や。
 1378:  日月星辰の行する所。
 1379:  山壑河海の列する所。
 1380:  推遷転持の成する所。
 1381:  風雨雷霆の旋する所。
 1382:  水火艸木の生化する所。
 1383:  羽毛鱗介の出没する所なり。
 1384:  其の之を貫する者に至りては。則ち
 1385:  大小有無も。之を形にする能わず。
 1386:  智慮思索も。之に至る能わず。
 1387:  孰れか能く之を容れん。
 1388:  孰れか能く之に居らん。
 1389:  天は〉其の象を目にし〉其の機を臆し〉以て之を度る〉
 1390:  地は》其の質を摩にし》其の体を踏み》以て之を知る》
 1391:  度れば則ち得て逃れずと雖も〉 而も
 1392:  之を窮むること能わず〉
 1393:  知れば則ち以て数う可しと雖も》而も
 1394:  其の物を為すを知るに病む》
 1395:  夫れ黒白の棊子。勝敗相い成る者は。諸を局に託すればなり。今
 1396:  気物は何の中に物す〉
 1397:  天神は何の中に事す》
 1398:  空と曰い無と曰う〉
 1399:  局を舍てて棊を譚するなり〉
 1400:  妄に非ずして何ぞや〉
 1401:  実と曰い有と曰う》
 1402:  気物を除きて物を索るなり》
 1403:  偽に非ずして何ぞや》
 1404:  人の天地を観るや。
 1405:  其れ猶お幕と席とを観るがごときか。
 1406:  幕席に囿せらる者は。堂を知らざるなり。
 1407:  天地に囿せらる者は。天地の以て然る所を知らず。
 1408:  天地の以て然る所を知らざれば。則ち天地を知らざるなり。
 1409:  偽妄に駕して以て往く。
 1410:  弁は千人を屈すと雖も。通に於ては則ち未だなり。
 1411: 清濁隠見》象質此の如し》
 1412:  日影なる者は虚体にして。
 1413:  明暗を以て物を露す。
 1414:  明は定象有り〉無体の天に託す〉
 1415:  暗は定象無し》有質の地に依す》
 1416:  日なる者は昜象なり〉
 1417:  影なる者は侌気なり》是に於て
 1418:  物の暗中に在る者は〉
 1419:  象にして光〉
 1420:  物の明中に在る者は》
 1421:  質にして影》故に
 1422:  天象は能く明なり〉
 1423:  地質は能く暗なり》
 1424:  如し明をして尽くす可からしめば〉則ち暗即絶えん〉
 1425:  若し暗をして絶える可からしめば》則ち明即尽きん》
 1426:  蓋し明暗の相い追うなり。
 1427:  明は則ち秋毫を折す〉
 1428:  暗は則ち江山を蔵す》
 1429:  明暗なる者は〉天地の気なり〉
 1430:  睡覚なる者は》物の明暗に従うなり》
 1431:  唯だ諸動は意を具す。故に
 1432:  色を通ずるの竅を目に開す。故に
 1433:  明暗の気なる者は〉
 1434:  睡覚の応する所〉
 1435:  見不見なる者は》
 1436:  色を通ずるの竅にして》明暗に忤わざるなり》
 1437:  夫れ室の明に於ける〉
 1438:  明の如し外より至れば〉則ち其の暗は奚んか去らん〉
 1439:  暗は旧しく已に充たば〉則ち明は何に由りて入らん〉
 1440:  表の影に於ける》已に其の有する所なれば》
 1441:  則ち日の為に横斜せられず》
 1442:  若し其の有する所に非ずんば》
 1443:  則ち奚に自りて来たらんや》
 1444:  明暗なる者は。麁なり。
 1445:  而も猶お其の跡を窺い難し。是の故に
 1446:  転すれば則ち転す。
 1447:  持すれば則ち持す。
 1448:  明なれば則ち明なり。
 1449:  暗なれば則ち暗なり。
 1450:  精は麁と隔せず。没して其の間に露す。
 1451: 若く以て絡繹として往来す〉
 1452:  経一〉緯一》
 1453:  処は坱然として塞せば〉則ち万物は擾擾として〉聚散解結す〉
 1454:  時は袞然として通せば》則ち万期は憧憧として》往来生化す》
 1455: 若く以て倏忽として聚散す》
 1456:  聚者は必ず聚す〉
 1457:  散者は必ず散す》
 1458:  聚者は必ずしも聚せず〉
 1459:  散者は必ずしも散せず》
 1460:  以て常なるに非ず〉
 1461:  以て変なるに非ず》
 1462:  以て自なるに非ず〉
 1463:  以て使なるに非ず》
 1464:  聚す可く〉散す可き者は〉乃ち機なり〉
 1465:  以て聚せざる能わず》以て散せざる能わざる者は》乃ち勢なり》
 1466:  聚散を為す者は〉神の入機なり〉
 1467:  聚散を成す者は》天の収跡なり》
 1468:  入機と収跡とは。
 1469:  精と雖も猶お測る可きなり。唯だ
 1470:  聚すれば則ち聚す〉
 1471:  散すれば則ち散す》
 1472:  孰れか得て端倪せん。
 1473: 若く布置整斉す〉
 1474: 若く更互錯綜す》
 1475: 若く懸けて之を列す〉
 1476: 若く陳べて之を羅す》
 1477: 之に沿い之に泝る》
 1478: 唯だ其れ然り。然れば則ち然らざる莫し。
 1479: 然らざる莫ければ。則ち然るに遺す莫し。唯だ
 1480: 其の室を幽に閉す〉
 1481: 其の戸を明に開す》
 1482: 其の故に泝り難し〉
 1483: 其の理に沿い易し》
 1484: 戸を開きて理に沿えば〉
 1485: 居者は以て路に上る。
 1486: 路は其の勢に走り〉
 1487: 宅は其の力に維す》
 1488: 往者は後に向かう〉
 1489: 来者は前に向かう》
 1490: 開閉は異なると雖も〉而も幽明は居を同にす〉
 1491: 往来は反すると雖も》而も当遇は会を一にす》
 1492: 居を同にすと雖も〉而も幽は則ち明の開す所に非ず〉
 1493: 会を一にすと雖も》而も来は則ち往の鬼に異なる》
 1494: 徳は理故を有す〉
 1495: 麁は資すれば則ち通塞〉
 1496: 宅は幽明を有す》
 1497: 麁は資すれば則ち明暗》是を以て。
 1498: 一なる者は一を一一にすと雖も。而も
 1499: 混は亦た粲と。明中に並立す。
 1500: 明なれば則ち幽ならず〉
 1501: 幽なれば則ち明ならず》是を以て。
 1502: 幽明なる者は。徳の室戸なり。
 1503: 暗は蔽す能わず〉
 1504: 明は照す能わず》
 1505: 其の中に入る能わず〉
 1506: 其の外に出る能わず》
 1507: 能く之を一にす〉
 1508: 徳の有するや〉終に
 1509: 能く然るを貌にす》
 1510: 一の貌なり》
 1511: 一の有する所〉
 1512: 神も違う能わず〉
 1513: 二の行する所》
 1514: 天も拒む能わず》
 1515:  天なる者は虚なり〉
 1516:  地なる者は実なり〉
 1517:  地は天を食す〉而して
 1518:  天は亦た実す〉而して後
 1519:  其の虚する者は稍く精なり〉
 1520:  天なる者は動す》
 1521:  地なる者は止す》
 1522:  天は地を食す》而して
 1523:  地は亦た動す》而して後
 1524:  其の静なる者は稍く精し》蓋し
 1525:  形の正斜〉
 1526:  色の清濁》
 1527:  麁の対する所。
 1528:  精は遂に痕を没するに至る。
 1529:  精は遂に痕を没するに至ると雖も。
 1530:  而も猶お且つ麁と並び対す。是を以て。
 1531:  其の謂う所の精も亦た明中に粲立して。
 1532:  遂に麁を為すなり。是を以て。
 1533:  幽なれば則ち精は入る能わず。
 1534:  入る能わずと雖も。
 1535:  而も神は之をして明と粲立す。故に
 1536:  一天一神。物は反し力は均す。
 1537: 此に走らざる能わざる者は〉勢なり〉
 1538: 能く此に維持する者は〉  力なり〉是を以て。
 1539: 其の理は沿う可し〉
 1540: 其の故は泝り難し》
 1541: 泝り難くして而も冥焉の故は遁れず〉
 1542: 沿う可くして而も照然の理は見る可し》故に
 1543: 昭昭は見る可しと雖も〉而も
 1544: 冥冥見る可からず〉
 1545: 冥冥見る可からずと雖も》
 1546: 而も亦た太だ昭昭焉たり》蓋し
 1547: 故なる者は其の然する所〉     (検索キー「なり」)
 1548: 理なる者は其の以て然るなり》
 1549:  蓋し一一の分合。
 1550:  体用は則ち能く隠す〉
 1551:  天地は則ち能く露す》
 1552:  宙は通し宇は塞す〉而して
 1553:  天は容し物は居す〉
 1554:  居する者も亦た容す〉而して
 1555:  大は遂に小に之く〉
 1556:  小は則ち大に資す〉
 1557:  大は則ち小に給す〉
 1558:  本は幹し神は運す》而して
 1559:  天は体し神は用す》
 1560:  用する者も亦た体す》而して
 1561:  為は遂に作に之く》是に於て。
 1562:  大物は小物を散す〉
 1563:  無意は有意を散す》
 1564:  有意は人を為す〉
 1565:  無意は天を為す》
 1566:  大物は天を為す〉
 1567:  小物は物を為す》
 1568:  人なる者は各物中の一物〉
 1569:  意なる者は各神中の一神》
 1570:  人は眇たる此の神物を有す。
 1571:  勢を彼の神物に張る。
 1572:  故に天なる者は為して思わず。
 1573:  分ちて計えず。
 1574:  之を計え之を思う〉人の能なり〉
 1575:  計えて尽くさず》思うて失する有るは》人の拙なり》是の故に。
 1576:  故なる者は其の然る所なり〉
 1577:  理なる者は其の以て然るなり〉
 1578:  以て然すれば則ち昭昭〉
 1579:  暗の蔽す所に非ず〉
 1580:  然する所は 則ち冥冥》
 1581:  明の照す所に非ず》
 1582:  冥冥の中は〉既にする所有り〉
 1583:  昭昭の中は》以て当る有り》
 1584:  然る所の者は冥焉〉
 1585:  以て然る者は昭焉〉是れ廼ち〉
 1586:  故は未発に在り〉
 1587:  理は已発に在り〉
 1588:  已発なる者は跡》
 1589:  当に然るべき者は理》是れ廼ち》
 1590:  故は已発に在り》
 1591:  理は未発に在り》是を以て。
 1592:  理は昭昭と雖も〉而も
 1593:  然る所に溯れば則ち冥〉
 1594:  故は冥冥と雖も》而も
 1595:  当に然るべきに推せば則ち昭》
 1596:  故は冥を以て体と為す〉
 1597:  跡は必ず随いて没す〉
 1598:  理は昭を以て体を為す》
 1599:  機は必ず随いて顕わる》
 1600:  徳は。是の自然の天を有す〉
 1601:     彼の使然の神を用す》
 1602: 為なる者は則ち素〉
 1603: 成なる者は則ち文》
 1604: 気物性体は為具を為す〉
 1605: 侌昜天地は成具を為す》
 1606:  成具は則ち全を成す〉未全は則ち各おの其の天地を有す〉故に
 1607:  成具は亦た小物なり〉
 1608:  小物は則ち大に資す》資すれば則ち小も亦た全なり》故に
 1609:  成具は則ち其の天地を対有す》
 1610:  小物は則ち其の天地を並有す》
 1611:  全物と勢を張る》故に
 1612:  一一の道は。
 1613:  分して各おの勢を張る。各おの勢を張ると雖も。
 1614:  而も彼此は相い反す。彼此は相い反すれば。
 1615:  則ち一の有する所〉
 1616:  乃ち一 之を亡う》是を以て。
 1617:  体なる者は〉気に由りて能く之に体す〉而して体なり〉
 1618:  用なる者は》体に由りて能く之を用す》而して用なり》
 1619:  物は体し神は用す。
 1620:  全の成る所なり。是を以て
 1621:  火は焔焔を体にす〉而して燔灼を用す〉
 1622:  水は溶溶を体にす》而して滋潤を用す》
 1623:  火は焔焔の灼を露す〉而して溶溶の潤を没す〉
 1624:  水は溶溶の潤を露す》而しての焔焔灼を没す》
 1625: 地は一大全物。
 1626: 全は偏を分す〉
 1627: 大は小に之く》
 1628: 小は能く大に居す〉
 1629: 偏は能く全を成す》
 1630:  物は則ち神の物なり。
 1631:  神は則ち物の神なり》故に
 1632:  天は則ち物を没す。
 1633:  袞袞たり〉
 1634:  坱坱たり》
 1635:  経通は時を為す〉
 1636:  緯塞は処を為す》
 1637:  処なる者は〉物を容する者なり〉中は定して物は位す〉
 1638:  時なる者は》神を運する者なり》今は見して神は游す》
 1639:  天なる者は精なり〉
 1640:  宙は以て自ずから通す〉
 1641:  宇は以て自ずから塞す〉
 1642:  物なる者は麁なり》
 1643:  神は斯の中に活す》
 1644:  物は斯の中に立す》故に
 1645:  宙は袞袞として引きて経す〉神は得て之を路にす〉
 1646:  宇は坱坱として容して緯す》物は得て之を宅にす》
 1647:  徳は能く之を含す〉
 1648:  道は能く之を開す》故に。
 1649:  物は自ずから大小長短を有す。
 1650:  長大は能く天地を成す〉
 1651:  短小は能く天地を為す》
 1652:  長大は全物の中に居す〉
 1653:  短小は長大の中に散す》
 1654:  成す者は全に帰す〉
 1655:  散す者は瑣を為す》
 1656:  全は以て瑣を統す。其の帰するや一。
 1657:  全物は〉大に遺さず〉長に出でず〉
 1658:  小物は》皆な大に居し》長に従う》
 1659:  万物は我と同す。
 1660:  運転する所の気象を通中に経歴して〉以て歳日を期す〉
 1661:  彼此する所の気質を塞中に交接して》以て天地に成す》
 1662:  其の意を神に於て資す〉
 1663:  其の身を物に於て資す》
 1664:  宇は神を容す〉
 1665:  宙は物を率す》
 1666:  宙は神に路す〉
 1667:  宇は物に宅す》
 1668:  性は神を活す〉
 1669:  物は体を立す》
 1670:  神は宙に行す〉
 1671:  物は宇に居す》夫れ
 1672:  性なる者は〉精にして神を見す〉
 1673:  体なる者は》麁にして物を露す》
 1674:  物は神に体す〉
 1675:  神は物に用す》故に
 1676:  宙は以て宇を運す〉
 1677:  宇は以て宙を維す》
 1678:  本は以て神を護す〉
 1679:  神は以て本を活す》
 1680:  天は融して神は通す〉
 1681:  天は運して地は立す》
 1682:  唯だ其の混焉〉体として性ならざる莫く〉性として体ならざるは莫し〉
 1683:  唯だ其の粲然》気は能く物を没す》物は能く気を隠く》是を以て。
 1684:  物は坱坱の宇に塞す〉
 1685:  神は袞袞の宙に通す》
 1686:  剖析の至る所〉散して已まず〉
 1687:  混一の成す所》統して垠無し》
 1688:  統ぶれば則ち各散は帰一す〉
 1689:  剖すれば則ち一物は瑣砕す》
 1690:  性は隠して体は露す〉
 1691:  体は没して才は見す》是を以て
 1692:  一一の各一一を有すは。
 1693:  一の一一を有すに同じ。
 1694:  有すれば則ち之を発す〉一の二なる以所なり〉
 1695:  一は以て統す〉
 1696:  二は以て散す〉
 1697:  発すれば則ち之を有す》二の一なる以所なり》
 1698:  散は以て偏す》
 1699:  統は以て全す》
 1700:  資に依り一に帰する所以なり》是を以て。
 1701:  麁なれば則ち物は露す〉
 1702:  精なれば則ち跡は没す》
 1703:  立すれば則ち粲は條理を有す〉
 1704:  成すれば則ち混は罅縫を没す》故に
 1705: 成具は全物に成す。
 1706:  為成の分は如何。
 1707:  緯に於ては則ち天地〉気物性体〉為具を為す〉
 1708:  天は覆し地は載す〉而して
 1709:  日月景影は〉
 1710:  袞袞に従いて循環すれば〉則ち昼夜成り〉冬夏成る〉
 1711:  水燥土石は〉
 1712:  坱坱に居りて布列すれば〉則ち雲雨成り〉山海成る〉
 1713:  経に於ては則ち天神》活立幹運》為具を為す》
 1714:  神は為し天は成す》而して
 1715:  往来解結は》袞袞に従いて競走すれば》則ち循環 成し》鱗比 成す》
 1716:  感応当遇は》坱坱に居して相い交せば》則ち事物 成し》天命 成す》
 1717:  成せざれば則ち為せず〉
 1718:  為せざれば則ち成せず》
 1719:  姑く小物に就きて之を言うに。
 1720:  松柏桧杉は〉屋の為具なり〉
 1721:  而して屋の成するは則ち榱題柱桷なり〉
 1722:  気液骨肉は》人の為具なり》
 1723:  而して人の成するは則ち耳目手脚なり》是を以て。
 1724:  其の為する者は即ち其の成する者と雖も〉
 1725:    成する者は即ち其の為する者に非ず》是を以て。
 1726:  通塞没露〉宇宙天地を成す〉
 1727:  清濁乾潤》日影水燥を成す》
 1728:  而して後 日影水燥。転に従いて持に居す。而して交錯すれば。則ち
 1729:  成する者も為する有りて。而して又為中に成有り。是を以て。
 1730:  日月景影は〉東西に転を会す〉而して
 1731:  順逆の行を為すれば〉気象は地持に転す〉而して
 1732:  面背遠近すれば〉則ち昼夜冬夏は〉地上に成す〉
 1733:  水火湿燥は》升降を地に依る》而して
 1734:  発収の気を為すれば》気質は地持に運す》而して
 1735:  聚散升降すれば》則ち雨暘雷雪は》持中に成す》
 1736:  而して土石は虚動に居し。水と燥とを載す。
 1737:  水土は地を為す〉
 1738:  燥気は天を成す》
 1739:  水は土を抱けば〉則ち島嶼を成す〉
 1740:  土は水を抱けば》則ち江湖を成す》
 1741:  高くして山嶽を成す〉
 1742:  深くして潭渦を成す》
 1743:  既已に其の物を成せば。
 1744:  彼の為す者と。終に別有るなり。
 1745: 侌昜は対偶す〉
 1746: 大小は容居す》
 1747: 侌昜は相対すと雖も〉
 1748: 大小は容居すと雖も》
 1749: 既已に各を為せば。則ち彼此の間。
 1750: 隔せざる者は相い融す〉
 1751: 隔を為す者は相い通す》
 1752: 融するを以てして天なり〉
 1753: 通するを以てして神なり》融すれば則ち終に一なり〉
 1754: 二を有するを以て然り〉 通する者は 猶お二なり》
 1755: 体の隔するを以て然り》故に。
 1756: 対偶に於ては〉則ち昜縕侌絪す〉
 1757: 容居に於ては》則ち大給小資す》
 1758: 其の隔する所〉事物は交接し〉鬼神は感応す〉
 1759: 其の通する所》生化は往来し》天命は当遇す》
 1760:  夫れ万物の用は。
 1761:  大に資し各に依す〉
 1762:  偶を反し類を比す〉
 1763:  大に資するを以て〉而して天に応せざる莫し〉
 1764:  各に依するを以て〉而して事に通せざる莫し〉
 1765:  反するを以て》而して偶に有らざる莫し》
 1766:  比するを以て》而して類に有らざる莫し》蓋し
 1767:  大物は一体にして〉
 1768:  各体は相い隔す〉
 1769:  大気は一用にして》
 1770:  各気は相い依す》
 1771:  体は各を為すに由りて〉而して
 1772:  物物は相い隔す〉
 1773:  用は反を為すに由りて》而して
 1774:  気気は相い通す》
 1775:  一資一応は〉
 1776:  大小の間なり〉
 1777:  一交一接は》
 1778:  彼此の道なり》
 1779:  接する者は〉体の往来なり〉
 1780:  交する者は》気の往来なり》
 1781:  大小は各おの天地を有す〉故に其の勢は各に張る〉
 1782:  各各は互いに天地を有す》故に其の用は体に依る》故に
 1783:  天は則ち天にして天の天地体用を具す〉
 1784:  地は則ち地にして地の天地体用を有す》
 1785:  著にして日月水火なり〉
 1786:  小にして艸木禽獣なり》
 1787:  其の事は同じ。此の故に。
 1788:  天地日影の体を立し〉而して
 1789:  転持照蔽の用を有す〉
 1790:  東西上下の位を成す》而して
 1791:  昼夜冬夏の跡を定す》
 1792:  彼此の以て相い依りて成る所は然るなり。故に
 1793:  万物の各神物を具するは。
 1794:  大物のINUNに由る。蓋し
 1795:  大物なる者は体にして〉而して
 1796:  INUNなる者は用なり》
 1797:  体を隔てて神物を有す。而して
 1798:  用を並立の間に於て通ぜんと欲す。是に於てか。
 1799:  気は交し体は接す〉
 1800:  艸木の雨露寒暄に於ける〉
 1801:  鳥獣の飲啄営窟に於ける》
 1802:  皆な通隔の事なり。
 1803:  用なる者は〉経中に行し〉機に為し〉跡に定す〉
 1804:  体なる者は》緯中に居し》天は之を容し》物は之に居す》
 1805:  隔物通気〉彼此同じからざるなり〉
 1806:  緯に居し経に行す》小大亦た一なり》是の故に。
 1807:  其の体は立し用は行すなり。
 1808:  神は往来に為す〉
 1809:  天は当遇に成す》
 1810:  往せば則ち来者に当す〉
 1811:  来せば則ち往者に遇す》
 1812:  物は往来に通す〉
 1813:  之を生化と謂う〉
 1814:  事は当遇に定す》
 1815:  之を天命と謂う》
 1816: 終に此に走らざるを得ず〉
 1817: 終に此に維せざるを得ず》然り而して
 1818: 以て能く冥冥なり〉
 1819: 以て能く昭昭なり》
 1820:  以て然る者は昭なり〉
 1821:  然る所の者は冥なり》
 1822:  然る所の者は故なり〉
 1823:  以て然る者は理なり》是に於て。
 1824:  已に然る者も亦た故と曰う〉
 1825:  当に然る者も亦た理と曰う》
 1826:  人は。当然なる者を観て〉未だ以て然るの條理を知らず〉
 1827:     已に然る者を察し》未だ然する所の故を考えず》
 1828:  故を統べ理を統ぶ。見すれば則ち未已は交互す。
 1829:  今の理を譚する者は。則ち理を以て気に易う。
 1830:  気は没する可からず。故に理気の説有り。
 1831:  理なる者は〉天なり〉事物の以て 然るなり〉
 1832:  気なる者は》神なり》事物の然るを為すなり》故に。
 1833:  転して当に円なるべく〉持して当に直なるべきは〉則ち理なり〉
 1834:  転して円を為し》   持して直を為すは》   則ち気なり》
 1835:  理気は豈に條理の正対ならんや。
 1836:  況んや其の理とする所の者は。
 1837:  未だ條理の故を得ず。
 1838:  理非の理に局するをや。
 1839:  竟に死底の理を以て〉
 1840:    活底の気に抗す》
 1841:  是に於てか。気は活し理は死す。
 1842:  理は気を生ぜず〉
 1843:  気は則ち理を有す》
 1844:  気の到る所〉
 1845:  理有らざる無く〉
 1846:  理の在る所》
 1847:  気必ずしも随わず》
 1848:  理を譚する者は〉将に之を以て事物を尽くさんとす〉
 1849:  理を排する者は》将に之を除きて事物を説かんとす》
 1850:  偕に未だ理を得ざる者なり。
 1851:  理なる者は〉一一の條理を示すなり〉
 1852:  故なる者は》混成の罅縫を没すなり》
 1853:  罅縫を没すれば〉則ち冥冥示さず〉
 1854:  條理を立すれば》則ち昭昭能く燭す》故に
 1855:  條理に由りて。以て事物の以て然する所を照せば。
 1856:  事物は逃るるに地無し。
 1857:  然りと雖も。理も亦た故の偶。
 1858:  照なる者は〉暗を得て照らすを得る〉
 1859:  暗なる者は》明を待ちて暗きを得る》故に
 1860:  理は冥冥の地を得て〉而して昭昭を施す〉
 1861:  故は昭昭の物を得て》而して冥冥を布す》是を以て。
 1862:  気は事物の然るを為す〉
 1863:  理は事物の然るを照らす》蓋し
 1864:  理なる者は〉能く照らす者なり〉
 1865:  気なる者は》能く為す者なり》是を以て。
 1866:  人造は則ち理先んず〉
 1867:  天造は則ち気先んず》
 1868:  譬えば舟車を造るが如し。
 1869:  舟に先んじて舟の理を照らし〉之を以て此を造る〉
 1870:  果して載泛の用を為す〉
 1871:  車に先んじて車の理を照らす》之を以て此を造る》
 1872:  果して転持の用を為す》
 1873:  軽虚は〉理 当に載せて泛かぶべし〉
 1874:  然れども載せて泛ぶることを為す者は〉気なり〉
 1875:  直円は》理 当に転して持す》
 1876:  然れども転して持することを為す者は》気なり》是れ
 1877:  人造の理を先んじ〉
 1878:  天造の気を先んずる所なり》
 1879:  軽虚の載泛する所〉
 1880:  直円の転持する所》
 1881:  已に其の故を有するなり。
 1882:  当に載泛を軽虚に於て照らす〉
 1883:  当に転持を直円に於て照らす》是の故に。
 1884:  載泛転持に勝る者は〉其の力なり〉
 1885:  載泛転持に走る者は》其の勢なり》
 1886:  当然の理は〉已に然するの故に由りて論ず可し〉
 1887:  已然の故は》然るを為すの気に由りて観る可し》是の故に。
 1888:  露する者は昭灼なり〉
 1889:  没する者は溟※なり》
 1890:  理を以て知る可からず。
 1891:  数を以て推す可からず。
 1892:  象を以て状す可からず。
 1893:  神を以て測る可からず。蓋し。
 1894:  天なる者は能く定す〉
 1895:  地なる者は能く変す》
 1896:  故に天に於ては〉則ち
 1897:  日月の道〉
 1898:  運転の行〉
 1899:  勢は理に随うなり〉
 1900:  地に於ては》則ち
 1901:  寒熱の運》
 1902:  風日の行》
 1903:  勢理各おの行す》是の故に。
 1904:  理は〉則ち子 当に孝なるべく〉   臣 当に忠なるべし〉
 1905:  気は》則ち子 未だ必ずしも孝ならず》臣 未だ必ずしも忠ならず》故に
 1906:  勢の走るに至りては。則ち
 1907:  理の当然なる者を圧す。
 1908:  当然なる者は。其の然らざるを得ざる者を如何ともする能わず。故に
 1909:  勢は理に会すれば〉則ち事物は和順す〉
 1910:  勢は理に忤わず》 則ち事物は乖戻す》是を以て。
 1911:  勢は理の上に伸び易し〉
 1912:  理は勢の下に屈し難し》故に
 1913:  理を知りて勢を知らざれば〉必ずや誣る〉
 1914:  勢を知りて理を知らざれば》必ずや眩む》
 1915:  或るひと曰く照らす者は智なり。理に非ず。
 1916:  是れ未だ尽くさざるなり。夫れ
 1917:  理なる者は。分れて條理を有す。故に
 1918:  昭昭は以て照らす。
 1919: [理の在る所を知りて。而して
 1920:  之に循う者は智なり。之を譬うるに
 1921:  理は猶お燭なり〉
 1922:  智は猶お目なり》
 1923:  燭照して目視るを得るなり。]
 1924: [然れば〉則ち照らす者は〉燭なり〉目以て之を見る〉
 1925:  照らす者は理なり》智は以て之を知る》]
 1926:  故に燭を秉りて行く者は〉顛倒の患無し〉是れ
 1927:  理の晦ます可からざる所以なり〉
 1928:  燭を失いて顛倒すと雖も》而も
 1929:  尚お※※として已む可からざる者は》勢なり》故に
 1930:  天地を假りて以て之を牽けども。而も
 1931:  勢は則ち停む可からざるなり。是を以て。
 1932:  勢の走る所を知りて〉  以て事に処す可し〉
 1933:  理の在る所を知りて》而も以て物を暁る可し》
 1934:  円転は首尾を見ず〉
 1935:  直推は標本を獲ず》
 1936:  没と露と。孰れか其の一を執らん。
 1937:  已然なる者は〉則ち顧みて之を視る〉
 1938:  当然なる者は》則ち望みて之を推す》
 1939:  今 一理を冥※無朕の前に懸けて。
 1940:  尽く事物を此に繋ぐ。
 1941:  是れ固より天地は廃す可からざる者と雖も。
 1942:  亦た偏重の任を擔うこと能わず。
 1943:  故は理を含む〉
 1944:  理は故に由る》
 1945:  其の覆載する所を観て〉而して覆載を推す〉
 1946:  其の往来する所を観て》而して往来を推す》
 1947: 
 1948: 
 1949:  一神一物図一合
 1950:  神物剖析図
 1951:  天神本神図一合
 1952:  本神天神剖析図一合
 1953:  道徳混成図
 1954:  道徳図一合
 1955:  天神道徳図
 1956: 
 1957:   天神
 1958: 精麁状貌。有に遺す所莫し。
 1959: 有に遺す所莫くして。而して精麁状貌。開せざる所莫し。
 1960: 開すれば則ち一有は 之を含す〉
 1961: 有すれば則ち二は能く之を発す》
 1962: 開するに由りて〉居者の宅を有し〉行者の路を有すを見る〉
 1963: 有するに由りて》宅の居者を有し》路の行者を有すを見る》
 1964: 神なる者は〉活して能く為す〉
 1965: 物なる者は》立して能く成す》
 1966: 二は一に有せられ〉
 1967: 一は二に居す》是に於て。
 1968: 経は没し緯は露す〉
 1969: 物は体し気は用す》
 1970: 剖析は二に之けば〉則ち
 1971: 物は各に気は反す〉
 1972: 活立は相い用すれば》則ち
 1973: 気は交し体は接す》是に於て。
 1974: 為す者は状を見す〉
 1975: 成す者は貌を露す》
 1976:  神為は則ち事〉其の然ら使むるに当たりて状を見す〉
 1977:  状は見して而して其の然ら使むる者見る可し〉
 1978:  蓋し其の状は〉
 1979:  機を以て発す〉
 1980:  跡を以て収す〉
 1981:  天成は則ち物》其の自ずから然るに由りて貌を露す》
 1982:  貌は露して而して其の自然なる者 察す可し〉
 1983:  蓋し其の貌は》
 1984:  戸を開きて明》
 1985:  室を塞して幽》
 1986:  機なる者は〉活の柄なり〉
 1987:  変を以て往す〉
 1988:  則を以て立す〉
 1989:  変なれば則ち定規の測る所に非ず〉
 1990:  識らざる者は〉尚お規規として有意を以て説く〉
 1991:  成なる者は》立の体なり》
 1992:  然を以て立す》
 1993:  自を以て住す》
 1994:  然なれば則ち神為の運する所に非ず》
 1995:  識らざる者は》祇だ芒芒として有体を見て説く》故に。
 1996:  機なる者は〉発して已まず〉
 1997:        変して住せず〉但だ
 1998:  其の天なる者は意無し〉
 1999:  其の人なる者は意有り〉
 2000:  有意は無意の天を観て〉
 2001:  動輒すれば禍福災祥を以て之を擾る〉
 2002:  跡なる者は》収して已まず》
 2003:        定して換せず》但だ
 2004:  其の神なる者は為す有り》
 2005:  其の天なる者は成す有り》
 2006:  有為は無為の天を観て》
 2007:  動輒すれば意知技巧を以て成を窺う》
 2008:  状は貌を以て往す〉
 2009:  貌は状を以て立す》故に
 2010:  状は使然に為す〉
 2011:  貌は自然に成す》
 2012:  自と使とにして〉而して状は貌に分す〉
 2013:  自使は然に合し》而して状は貌に合す》
 2014:  祇だ然に得て貌を見す》
 2015:  然に失して自使に堕す》
 2016:  如何ぞ其の然とするは。則ち
 2017:  之を混に於て然とすれば〉則ち其の混を貌とす〉
 2018:  之を粲に於て然とすれば》則ち其の粲を貌とす》故に
 2019:  然なる者は。如なり。若なり。此の如きなり。
 2020:  有意は窺窬して〉意を其の正貌に容る〉
 2021:  有意は窺窬して》意を其の正状に容る》
 2022:  之を天命に失う〉
 2023:  之を天物に誤つ》蓋し
 2024: 大物の成は。一神一物なり。
 2025: 物は天地を開す〉
 2026: 神は天神を開す》
 2027: 天地なる者は〉地物にして天気なり〉
 2028: 天神なる者は》神物にして天気なり》
 2029: 地は〉物なり〉故に天の為に容せらる〉
 2030: 神は》物なり》故に天の為に有せらる》故に
 2031: 天地は〉則ち気を没し物を露し〉性を隠し体を見す〉
 2032: 天神は》則ち気を露し物を没す》体を隠し性を見す》故に
 2033: 天地は〉其の物を結す〉而して其の気を散す〉
 2034: 天神は》其の物を貌す》而して其の事を状す》
 2035: 活せずして為せずんば〉孰れか気の神を認めん〉
 2036: 立せずして成せずんば》孰れか物の天を認めん》
 2037: 為成なる者は〉神の行する所なり〉
 2038: 戸室なる者は》神の居する所なり》
 2039: 自なる者は天の貌なり〉
 2040: 使なる者は神の態なり》
 2041: 天は先ならず〉
 2042: 神は後ならず》
 2043: 天命の状〉
 2044: 天物の貌》
 2045: 若し自なれば則ち使を如何にせん〉
 2046: 若し使なれば則ち自を如何にせん》
 2047: 此に走し〉
 2048: 此に維す》
 2049: 理は沿う可し〉
 2050: 故は泝り難し》
 2051: 一は居す〉
 2052: 一は行す》
 2053: 其の有は幽なり〉而して       (通常は「幽にして」)
 2054: 其の発は明なり》是に於て。
 2055: 事物の状貌は乃ち此の如し。
 2056: 道は〉則ち其の路に上して〉而して其の宅に帰す〉
 2057: 徳は》則ち其の室を閉して》而して其の戸を開す》
 2058: 其の戸を開きて〉而して其の途に上す〉則ち
 2059: 万有は畢く露す〉
 2060: 万態は尽く見す〉
 2061: 其の宅に帰して》而して其の室を閉す》則ち
 2062: 一有は寂焉〉》鬱浡は痕を没す》是の故に。
 2063: 行すれば則ち露す〉
 2064: 止すれば則ち宅す》
 2065: 帰すれば〉則ち宅に止せざる莫し〉
 2066: 行すれば》則ち路に上せざる莫し》
 2067: 行する者は止すれば〉則ち路は即ち宅なり〉
 2068: 居する者は行すれば》則ち宅は即ち路なり》
 2069: 道は二に由りて而して其の路を為す〉
 2070: 徳は一を以て 而して其の宅を為す》
 2071: 一は以て混成す〉
 2072: 二は以て粲立す》
 2073: 一なる者は〉粲立の居する所なり〉
 2074: 二なる者は》混成の行する所なり》
 2075: 居に止す〉
 2076: 行に動す》  居すれば則ち其の宅なり〉
 2077: 其の室を閉し〉
 2078: 其の戸を開す〉行すれば則ち其の路なり》
 2079: 其の機を為す》
 2080: 其の跡を成す》
 2081: 道は〉其の戸を開して而して行すれば〉則ち斯の路に上す〉
 2082: 徳は》其の宅に帰して而して止すれば》則ち其の室を閉す》
 2083:  宅路に就きて之を言えば〉則ち麁露の物なり〉
 2084:  道徳に就きて之を言えば》則ち精没の気なり》故に
 2085:  行する者は従う者を率す〉而して従う者に緩急有り〉
 2086:  容する者は居す者を得る》而して居す者に広狭有り》是に於て。
 2087:  従う者は絡繹として〉先後会違す〉
 2088:  居す者は參差として》大小錯雑す》故に
 2089:  為する者は機発す〉
 2090:  成する者は跡収す》
 2091:  発する者は〉変して窮まらず〉
 2092:  収する者は》定して揜わず》
 2093:  不窮は妙を為す〉
 2094:  不揜は誠を為す》
 2095:  不窮不揜。
 2096:  以て事物を鼓舞す〉
 2097:  以て事物を検束す》
 2098:  不窮の変〉有意は之を得る能わず〉而して以て測る可からざると為すなり〉
 2099:  不揜の定》有為は之を得る能わず》而して以て揜う可からざると為すなり》是を以て。
 2100: 一の立する所〉物は其の宅に居す〉
 2101: 二の活する所》事は其の路に上す》
 2102: 路上に就きて之を分つに。
 2103: 地は以て此に宅す〉
 2104: 天は以て此に路す》
 2105: 気象は天に行す〉
 2106: 気質は地に居す》
 2107: 天は行すれば則ち地は必ず居す〉
 2108: 地は居すれば則ち天は必ず行す》故に
 2109: 鳥は水に潜まず〉
 2110: 魚は天に翔けず》
 2111: 之を人造に移して言うに。
 2112: 舟は推す可からず〉
 2113: 車は浮く可からず》
 2114: 是を以て。天地は一全物。
 2115: 室は閉し戸は開す〉
 2116: 路は通し宅は容す》
 2117: 天は自然に成し〉
 2118: 神は若く為せしめて》
 2119: 神為は態を変し〉
 2120: 天成は態を常す》
 2121: 為を以て而して成す〉
 2122: 成を以て而して為す》
 2123: 為すれば則ち以て居し以て行す〉
 2124: 成すれば則ち宅なり路なり》蓋し。
 2125: 理は其の一を一一にして。剖析は無窮。故に
 2126: 為成の二具は相いINUNす。万物は此の如く擾擾たり。故に天地は一大円物なり。
 2127: 天は日月を懸して〉而して昼夜朔望を代う〉
 2128: 地は水火を運して〉而して雲雷雨雪を施す〉
 2129: 侌昜の天に文章を成すや〉
 2130: 天は方位を定めて》而して東西南北を分つ》
 2131: 地は山水を定めて》而して湖海島嶼を為す》
 2132: 気物の文章を地に成すや》
 2133: 天地は乗載す〉
 2134: 侌昜はINUNす》
 2135: 動植は擾擾として。種を無数に分ち。人は其の中に在る。
 2136: 物に資して以て身を為す〉
 2137: 神に資して以て意を為す》
 2138: 終に有意の神を以て。
 2139: 以て万物に勝る。能く万物を使令す。是に於て。
 2140: 我れ已に此の天地を有す。
 2141: 規矩の方位に資し〉而して東西南北を定む〉
 2142: 分至の歳時を観て》而して子午卯酉を準す》
 2143: 山に梯し海に航し〉方域の尽くす所を探り〉
 2144: 主に声し声に字して》経歴の久近を紀す》
 2145: 声を以て主を被い〉
 2146: 意を以て物を索む》
 2147: 声主は会違す〉
 2148: 意物は錯綜す》
 2149: 意匠の経営は〉則ち同じきこと能わずと雖も〉而も
 2150: 実測の所験は》則ち異なる可からず》
 2151: 陸は曼然として水に居す〉
 2152: 水は邃乎として海を為す》
 2153: 海は〉中線の南に渺瀰とす〉
 2154: 壌は》中線の北に洪曠とす》
 2155: 大壌は両堆し。
 2156: 一堆は北に竪す〉
 2157: 一堆は中に横す》
 2158: 川谷は陸に撩乱す〉
 2159: 島嶼は水に擁簇す》
 2160: 南瞑は最も洪渺たり。其の中に壌有り。
 2161: 探索は猶お審を闕く。
 2162: 日月東西は。呼吸に従いて南北す。
 2163: 南北の極は〉一歳に昼夜を更にす〉
 2164: 中線の地は》一歳に冬夏を再にす》
 2165: 東西は運転す〉以て昼夜を成す〉
 2166: 南北は呼吸す》以て冬夏を成す》
 2167: 中線の下は熱勝る〉
 2168: 両極の下は寒勝る》
 2169: 其の間は。則ち南北両帯。春夏秋冬を互にす。
 2170: 而して寒熱温涼を交行す。
 2171: 地球は一塊。半面を見せば。則ち半面を隠す。
 2172: 故に昼夜は一半。冬夏は並行す。
 2173: 人は眇小の地に立して。半面の天地を見る。而して
 2174: 持中升降の間に居して。
 2175: 東西の運転を察せず。
 2176: 円を観て平と為し〉
 2177: 直を観て方と為す》故に
 2178: 未だ実測を審らかにせざれば。則ち
 2179: 條理繹ぬ可からざるなり。
 2180:  宙は経し宇は緯す。
 2181:  天地と万物と。
 2182:  皆な其の容率の間に在り。
 2183:  而して神と物とは。
 2184:  神は活して宙に路す〉
 2185:  物は立して宇に宅す》
 2186:  物は。気物なり。
 2187:  気なれば則ち侌昜なり〉物を性に成す〉而して機を活して経に行す〉
 2188:  物なれば則ち天地なり》物を体に成す》而して物を立して緯に居す》是を以て。
 2189:  天地は宇宙より巨なり〉
 2190:  象質は天地より著なり》
 2191:  象質は機を神にす〉而して歳運を上下に行す〉
 2192:  気物は体を立して》而して天地を内外に為す》是に於て。
 2193:  元気は経緯を分す。而して経緯は物を分す。
 2194:  気物は天地を成す〉
 2195:  侌昜は象質を露す》
 2196:  天地は剖対す〉
 2197:  侌昜はINUNす》
 2198:  万物は以て其の間に化す》
 2199:  万物は万に非ず。惟だ動植有り。動植は。
 2200:  居を水陸に分す〉
 2201:  類を剛柔に剖す》
 2202:  剖析は尽きず。則ち万の尽くす所に非ざるなり。夫れ
 2203:  天地侌昜なる者は。其の已に成す者なり。而して
 2204:  動植に於ては。則ち為具なり。蓋し
 2205:  天地侌昜の成は。一気一物の為す所に成す。
 2206:  其の体は〉則ち天虚地実〉転剛持柔なり〉
 2207:  其の形は》則ち地直天円》転規守矩なり》
 2208:  体は則ち形に成す〉
 2209:  物は則ち位に立す》是に於て。
 2210:  明暗寒熱は〉時を其の上に刻す〉而して
 2211:  発収呼吸は》気を其の下に運す》
 2212:  水燥湿火は〉物を持中に布す〉而して
 2213:  雲雷雨雪は》其の間に変化す》
 2214:  天は清虚にして動す〉
 2215:  地は麁実にして止す》
 2216:  水は地を環す〉燥は水を環す〉水燥は地と円を合す〉而して地質の天地を開す〉
 2217:  日は転を循す》影は日を循す》日影は転と規を分す》而して天象の天地を開す》
 2218:  天地は混淪し〉坱坱は洪荒を極む〉
 2219:  象質はINUNし》袞袞は攸久を為す》
 2220:  体は虚実を為す〉
 2221:  性は散結を為す》
 2222:  散する者は〉虚に帰して天に之く〉
 2223:  結する者は》実に従いて中に帰す》故に
 2224:  弥いよ結んで弥いよ実し〉弥いよ実して弥いよ重す〉
 2225:  沈下して動かず〉嶷然として其の中に立す〉
 2226:  弥いよ散して弥いよ虚し》弥いよ虚して弥いよ軽す》
 2227:  浮升して停まらず》精は以て其の外を成す》
 2228:  結する者は猶お下る所有れば〉則ち中より重なるは莫し〉
 2229:  散する者は猶お上る所有れば》則ち外より軽なるは莫し》
 2230:  虚実は清濁と相い得て。而して物は皆な見露す。
 2231:  色は象質を著にし〉而して水火は照蔽通隔す〉
 2232:  体は気物に成して》而して天地は虚実剛柔す》
 2233:  地壌は一円塊を中央に点して。
 2234:  気を浮かべ象を載す。夫れ
 2235:  地なる者は堅密〉
 2236:  壌なる者は粗輭》
 2237:  突する者は山を成す〉
 2238:  拗する者は壑を成す》
 2239:  下は則ち地〉
 2240:  上は則ち天》
 2241:  水は解中に結す〉而して拗中の天に居す〉
 2242:  鹹は則ち海を為す〉
 2243:  淡は則ち水を為す〉
 2244:  土は結中に解す》而して突処の天に居す》
 2245:  平なれば則ち原を為す》
 2246:  高なれば則ち山を成す》
 2247:  山原を合して陸と曰う〉
 2248:  淡鹹を并せて水と曰う》
 2249:  陸は曼然として燥に居る〉
 2250:  壑は邃乎として水を積む》
 2251:  山は突起して燥に入る〉
 2252:  本は合して末は分る〉
 2253:  水は拗陥して壑に充つ》
 2254:  本は分れて末は合す》
 2255:  陸は水中に在りて〉呼んで 島嶼と為す〉
 2256:  水は陸中に在りて》名づけて湖押と曰う》蓋し
 2257:  日月の照蔽を更にする所。
 2258:  地は受けて冬夏昼夜の文を成すは。
 2259:  地の天に和するなり。然りと雖も。
 2260:  地の持中に居す。
 2261:  持を以て天と為す》
 2262:  天中に風恬有り〉
 2263:  地を以て地と為す》
 2264:  地中に山水有り》是に於て。
 2265:  風恬山水は。持中に天地を開く。而して動植は此に居す。
 2266:  壌なる者は粗実〉
 2267:  水なる者は密実》
 2268:  実なる者は》則ち能く気を発す〉
 2269:  天なる者は精虚》
 2270:  燥なる者は麁虚》
 2271:  虚なる者は則ち能く物を拒む》是に於て。
 2272:  天なる者は精清〉
 2273:  燥なる者は麁濁〉
 2274:  地は麁濁を以て之を発す〉
 2275:  天は精清を以て之を拒す〉
 2276:  其の発の拒に会して結ぶや〉
 2277:  天を化して雨と為す〉
 2278:  地を化して水と為す〉
 2279:  拒を被れば則ち卑きに之かざるを得ず〉水の行なり〉
 2280:  天なる者は侌を畜う》
 2281:  地なる者は昜を畜う》
 2282:  地は昜を畜うるを以て之を発す》
 2283:  天は侌を畜うるを以て之を鬱す〉
 2284:  其の鬱の発に会して解くるや》
 2285:  天に於て燥と為る》
 2286:  地に於て潮と為る》
 2287:  鬱すれば則ち高きに発せざるを得ず》 燥の行なり》
 2288:  天は軽にして無際に浮す〉
 2289:  地は重にして有極に沈す》夫れ
 2290:  物は。天地なる者は大〉万物を得て之を容す〉
 2291:     万物なる者は小》大物を得て之に居す》
 2292:  大物なる者は〉自ずから立し自ずから行す〉
 2293:  小物なる者は》立に依り行に依る》
 2294:  軽重は相い動けば〉則ち
 2295:  軽なる者は浮す〉
 2296:  重なる者は沈す〉
 2297:  大小は相い居せば》則ち
 2298:  大なる者は容す》
 2299:  小なる者は居す》此の故に。
 2300:  天にして星辰〉
 2301:  地にして雲雨〉小物の性成りて〉共に虚中に居す〉
 2302:  地にして土石》
 2303:  天にして動植》小物の体成りて》共に実中に居す》而して
 2304:  星辰は精に由る〉土石は実に由る〉共に其の体を久しくする者なり〉
 2305:  雲雨は麁に由る》動植は虚に由る》共に其の体を換うる者なり》
 2306:  天は緯具を設け〉諸を坱坱に塞す〉
 2307:  以て夫の経具は》諸を袞袞に通する者に合す》
 2308:  侌昜は相い得る〉
 2309:  天地は正に全し》是を以て。
 2310:  天は。緯中に物を成す〉
 2311:     経中に跡を成す》
 2312:  其の道を観る〉而して
 2313:  其の徳に至る》
 2314:  出すれば則ち戸を開す〉
 2315:  帰すれば則ち室を閉す》
 2316:  不揜の誠を奉す〉
 2317:  不明の室を仰ぐ》
 2318:  神は。経中に気を活す〉
 2319:     通中に機を発す》
 2320:  其の機を観る〉而して
 2321:  其の路に依る》
 2322:  往すれば則ち成す〉
 2323:  来すれば則ち変す》
 2324:  不測の妙を仰ぐ〉
 2325:  鬱浡の途に伴う》是の故に。
 2326: 其の為するや〉機に活す〉変に神す〉
 2327: 其の成するや》跡に認む》常に定す》故に
 2328: 気は活して物は立す。
 2329: 気は神にして物は天なり〉
 2330: 機は神にして跡は天なり》
 2331: 跡は成し物は成す〉共に貌なり〉
 2332: 機を発し跡を成す》共に状なり》
 2333: 事なる者は〉神の経通の間に為する者なり〉機を発し跡を収す〉以て其の形を状にす〉
 2334: 物なる者は》体の緯塞の中に成する者なり》気は活し物は立し》以て其の物を貌にす》
 2335: 其の戸を開すれば〉則ち千状万貌は〉
 2336: 畢く其の路に上り〉流れに順いて往く〉
 2337: 来する者に会すれば〉則ち常定の天を成す〉
 2338: 其の室を閉すれば》則ち為成没露は》
 2339: 同じく其の宅に居す》機に触れて発す》
 2340: 有する者を開すれば》則ち変換の神を為す》
 2341: 
 2342:  神物為成図
 2343:  天地為成図一合
 2344:  天地象質成之図
 2345:  歳運天地成之図
 2346: 
 2347:    事物
 2348: 一者は無痕なり〉
 2349: 剖析は著痕なり》
 2350: 痕は著して而して物は露す〉
 2351: 物は露して而して貌は成す》
 2352: 貌の成するは則ち天地の成功なり。
 2353: 蓋し其の痕を著し物を露す。
 2354: 以て此の如き者を有す〉
 2355: 以て此の如き者を立す》
 2356: 此の如き者は。必ず隻立せず。
 2357: 必ず其の反を得て偶す。故に。
 2358: 露中は〉則ち
 2359: 気は没し物は露す〉
 2360: 性は隠し体は見す〉
 2361: 没中は》則ち
 2362: 物は没し気は露す》
 2363: 性は見し体は隠す》蓋し
 2364: 道は一一を開す。
 2365: 侌昜は対立す。
 2366: 対立は相い隔すれば〉則ち
 2367: 一は移りて二に居す〉
 2368: 二は交して相い合すれば》則ち
 2369: 二は融して一を成す》故に。
 2370: 一にして二を有すれば〉則ち
 2371: 全中に偏を有す〉
 2372: 一中に隻を雙ぶれば》則ち
 2373: 一は能く二に移す》故に
 2374: 箇箇は。能く隻中に自ずから偶す〉
 2375:       偏中は自ずから全す》是に於て。
 2376: 一毫を挙げて〉而して天地に遺す無し〉
 2377: 天地を挙げて》而して一隻に観る有り》夫れ
 2378: 剖対なる者は。経緯なり。
 2379: 剖すれば則ち対す〉
 2380: 分すれば則ち合す》
 2381: 彼此は相い織らざるを獲ざるなり。
 2382: 既已に彼此は相い織り。
 2383: 正傍は更互す。
 2384: 親疏有り〉
 2385: 客主有り》
 2386: 相い継ぐ有り〉
 2387: 相い並ぶ有り》
 2388: 箇箇は継ぎて並ぶ〉
 2389: 気気は交錯す》
 2390: 竟に其の気を露す〉
 2391: 其の性を見す》蓋し
 2392: 物は各体を剖す。而して各物は各気を有す。
 2393: 体は折すれば則ち気は分す。気は分して而して物は小なり。
 2394: 之を派に分す〉
 2395: 之を源に同す》故に
 2396: 物は。之を地の幹立に資す〉而して幹持は並立す〉
 2397:    之を天の活為に資す》而して活運は相交す》
 2398: 分すれば則ち隔す〉隔すれば則ち並立す〉
 2399: 合すれば則ち通す》通すれば則ち相交す》是に於て。
 2400: 体体は相接す〉
 2401: 気気は相交す》
 2402: 体体の並立するは〉迺ち物なり〉
 2403: 気気の相交するは》廼ち事なり》
 2404: 物は惟だ此の如し〉是れ之を貌と謂う〉
 2405: 気は能く才を運す》是れ之を状と謂う》
 2406: 物は能く其の体を露す〉而して其の貌を没す〉
 2407: 気は能く其の性を隠す》而して其の状を見す》是に於て。
 2408: 物は條理整斉の中に立す〉
 2409: 事は各体紛雑の間に行す》
 2410: 條理整斉する者は〉天成の定貌〉
 2411: 各体紛雑する者は》神為の変状》
 2412: 神は機を以て変す〉人は其の変を測ること能わず〉
 2413: 其の主を賛して〉以て神と為す〉
 2414: 其の態に名して〉以て妙と為す〉
 2415: 天は跡を以て定す》人は其の定を揜うこと能わず》
 2416: 其の主を賛して》以て天と為す》
 2417: 其の跡に名して》以て誠と為す》
 2418: 機変の神為は〉感応に就て〉而して其の性を認む〉
 2419: 跡定の天成は》当遇を観て》而して其の体を認む》
 2420:  経なる者は〉神の遊する所なり〉而して
 2421:  緯なる者は》天の成する所なり》
 2422:  若し之を経緯の中に剖析すれば。則ち
 2423:  緯中。其の天は。物〉本気を以て立す〉而して易らず〉
 2424:          神》神気を以て活す》而して定らず》
 2425:  経中。神機は変して測られず〉
 2426:     天跡は定して揜われず》
 2427: 各物各形〉
 2428: 各気各態》
 2429: 各気は各おの其の態を定す〉
 2430: 各活は各おの其の機を変す》
 2431: 為成は機を変す〉
 2432: 天神は態を定す》
 2433: 事物は〉其の天地なり〉
 2434: 機態は》其の天神なり》
 2435: 変とは何ぞ〉天は常中に変す〉
 2436:       神は成中に為す〉
 2437: 定とは何ぞ》天は変中に常す》
 2438:       神は為中に成す》是を以て。
 2439: 天は能く物を立し〉物は能く天に於て体す〉
 2440: 天を物を立するを以て〉而して
 2441: 天態は能く常す〉
 2442: 物態は能く定す〉
 2443: 神は能く気を活す》気は能く神に於て用す》
 2444: 神を以て気を活す》而して
 2445: 神態は能く変す》
 2446: 物態は能く換す》
 2447:  天は成を以て其の道と為す〉
 2448:  神は為を以て其の道と為す》
 2449:  物なる者は〉天成なり〉
 2450:  神なる者は》神為なり》是を以て。
 2451:  中は止し外は静す〉而して地は定し天は定す〉故に
 2452:  天は能く其の天を常にす〉
 2453:  地は能く其の地を常にす〉
 2454:  機は活し運は発す》而して神は変し物は換す》蓋し
 2455:  其の常なる者も亦た変す〉
 2456:  変すと雖も〉而も
 2457:  始す者は則ち終して能く始す〉
 2458:  起す者は則ち滅して又た起す〉
 2459:  変して常中を出でず〉
 2460:  其の変なる者は亦た定す》
 2461:  定すと雖も》而も
 2462:  逝く者は再び返らず》
 2463:  化す者は復た蘇せず》是を以て。
 2464:  各活は天中に運動すれば〉則ち其の態は変すと雖も〉而も常中に居す〉
 2465:  各体は神中に幹立すれば》則ち其の態は定すと雖も》而も変中に行す》
 2466: 之を小に言いて。以て之を大に徴す。蓋し
 2467: 身の身を為す。惟だ我の一身のみ。
 2468: 親子は愛を以て交す〉
 2469: 男女は感を以て交す》
 2470: 喜に於て笑う〉
 2471: 憂に於て泣く》
 2472: 酒には則ち酔う〉
 2473: 舟には則ち注す》
 2474: 餌には則ち能く肥ゆ〉
 2475: 毒には則ち能く死す》
 2476: 其の交する所は異なれば。則ち其の応する所は変す。
 2477: 故に天地は正反。散を以て結に偶す。而して
 2478: 日地は正比〉熱を以て寒に偶す〉
 2479: 日水は傍比》潤を以て乾に偶す》
 2480: 日影は上に於て反す〉明暗は偶する有り〉
 2481: 水燥は下に於て反す》滋煦は偶する有り》
 2482: 交接の感応に従いて。而して
 2483: 性の見する所は同じからず。
 2484: 又た之を声味に言うに。
 2485: 鐘鼓の懸は〉桴梃は同じく一物にして〉而して
 2486: 洪繊は則ち其の叩に従う〉
 2487: ※鼎の設は》水火は同じく一性にして》而して
 2488: 苦甘は則ち其の和に従う》故に
 2489: 其の性は異なるに非ざれども。而も物に当りて状を見す。
 2490: 交する所に従いて。而して変化は同じからざるなり。是れ
 2491: 所謂 各物各形〉
 2492:    各気各態の》事物の條理整斉の中に於て紛擾錯雑する所以なり。
 2493:  山に艸木土石有り〉
 2494:  人に飢寒疾病有り〉
 2495:  相い得て温飽薬毒有り〉
 2496:  物に声色臭味有り》
 2497:  人に耳目鼻舌有り》
 2498:  相い得て視聴聞味有り》
 2499:  INUN感応し。変化千万す。是を以て。
 2500:  其の己れを以て物に会す。
 2501:  父に子に。
 2502:  君に臣に。
 2503:  或いは雨に或いは日に。
 2504:  或いは夷に或いは険に。
 2505:  会してINUN感応す。
 2506:  会異にして才運は別なり。
 2507:  各各境を分かつ。
 2508:  天地を為す者と異なる所以なり。是の故に。
 2509:  陸物は水に死す〉
 2510:  水物は陸に死す》
 2511:  鉄は〉物を斫るに剛なり〉而して塩に接するに柔なり〉
 2512:  水は》口に入るに柔なり》而して火を滅するに剛なり》是を以て。
 2513: 本と是れ一元の気。
 2514: 一気は其の性を活す〉
 2515: 大物は其の体を立す》
 2516: 気物は剖析す〉
 2517: 体用は交接す》
 2518: 露する者は没す〉
 2519: 没する者は露す》
 2520: 物は各おの其の気物を有すれば。
 2521: 則ち態は其の物に従いて異なり。
 2522: 異なると雖も而も常と変とを外にせず。
 2523: 常なる者は〉天の態なり〉
 2524: 変なる者は》神の態なり》
 2525: 機を活し能く変す〉
 2526: 物の態は能く定す》
 2527: 物なる者は体なり。
 2528: 気は其の体を用す。
 2529: 各体は相い隔つ〉
 2530: 各気は相い交す》
 2531: 体体に接と曰う〉
 2532: 気気に交と曰う》
 2533:  各体は相い隔し〉自佗は客主を分す〉
 2534:  各性は相い交し》剛柔は雌雄を分す》
 2535:  体は相い隔するを以て〉而して接して交せず〉故に
 2536:  金石は相い入らず〉
 2537:  水火は能く相い滅す〉
 2538:  気は相い通するを以て》而して交して隔せず》故に
 2539:  機形は能く相い容す》
 2540:  声色は互いに相い居す》
 2541:  之を人言に移すに。
 2542:  手の器を執る〉
 2543:  足の地を踏む〉
 2544:  飲食の内に入る〉
 2545:  衣服の外を被う〉
 2546:  共に体の接なり〉
 2547:  憂喜の心を発す》
 2548:  愛憎の情を感ず》
 2549:  声音の耳に於る》
 2550:  文彩に目に於る》
 2551:  皆な気の交なり》
 2552:  気物の交接。
 2553:  其の定度有る者は〉則ち
 2554:  寒熱の冬夏を為す〉
 2555:  明暗の昼夜を為す〉
 2556:  誠に違う所莫し〉
 2557:  其の定期無き者は》則ち
 2558:  突然として雷起り風生じ》
 2559:  倏乎として山崩れ海涌く》
 2560:  変に認むる所莫し》
 2561:  勢の走する所〉主は以て客を転ず〉
 2562:  機の変する所》雌は以て雄に勝る》
 2563: 動すれば〉則ち往来運転す〉
 2564: 止すれば》則ち居止環守す》
 2565: 日月は転を会すれば〉則ち順逆交蝕の事有り〉
 2566: 水陸は象を会すれば》則ち凝融開閉の事有り》故に。
 2567: 体は物の貌を成す〉
 2568: 用は事の状を為す》
 2569: 事状は神 之を用す〉
 2570: 物貌は天 之に体す》
 2571: 為するに天神有り〉
 2572: 成するに気物有り》
 2573: 物は〉則ち成して而して其の体は変せず〉
 2574: 気は》則ち成して而して其の跡は定す》
 2575: 体に天地の成体有り〉
 2576: 跡に天命の成跡有り》蓋し
 2577: 為するに神物有り。
 2578: 物は交して而して其の事は変す〉
 2579: 神は通して而して其の事は換す》
 2580: 換に造化の通気有り〉
 2581: 変に鬼神の活態有り》
 2582: 天地は物を坱坱にして塞するの中に成す〉
 2583: 造化は事を袞袞として通するの中に為す》
 2584: 鬼神は気物交接の変化を尽す〉
 2585: 天命は往来当遇の成功を遂ぐ》
 2586: 気物性体は。天物気機を以て為せば。則ち
 2587: 天地は物に成す〉
 2588: 歳運は気に成す》
 2589: 通塞は事を用す〉
 2590: 宇宙は物に体す〉
 2591: 動止は事を用す》
 2592: 転持は物に体す》
 2593: 往く所皆な然るなり。
 2594: 一気一物は。廼ち天地侌昜。
 2595: 其の活は廼ち神〉
 2596: 其の立は廼ち物》
 2597: 之を有するは廼ち天なり〉
 2598: 之を発するは廼ち神なり》
 2599: 有するを以て而して物は体を立す〉
 2600: 発するを以て而して気は用を活す》
 2601: 体は立して而して物は露す〉
 2602: 用は為して而して事は露す》
 2603: 一は剖して而して各は立す。
 2604: 各の立するを以て而して隔す〉
 2605: 一の剖するを以て而して通す》
 2606: 天地は相い隔す〉
 2607: 造化は相い通す》
 2608: 動植は相い隔す〉
 2609: 生育は有い依す》
 2610:  隔を以て之を観れば〉則ち火は発して而して物を尽す〉
 2611:              水は収して而して物を生す〉
 2612:  通を以て之を観れば》則ち火は水を以て而して立す》
 2613:              水は火に由て而して存す》是を以て。
 2614:  通は〉則ち天地万物〉我と隔せず〉
 2615:  隔は》則ち耳目鼻舌》各おの其の用を隔す》故に。
 2616: 天地万物の並立するや〉皆な其の隔するを以てなり〉
 2617: 天地万物の給資するや》皆な其の通するを以てなり》蓋し。
 2618: 天なる者は〉定常の宅〉故に事は定す〉
 2619: 地なる者は》変化の藪》故に事は変す》
 2620: 定常は則ち数を以て之を推す〉
 2621: 変化は則ち其の機は不測なり》
 2622: 会違し親疏す〉
 2623: 順逆し成敗す》
 2624: 大物は給を有す〉
 2625: 小物は資を有す》
 2626: 資する者は〉天地に遺さず〉
 2627: 給する者は》小に尽くさず》
 2628: 植は〉則ち冷止無意〉堅剛竪立の生なり〉
 2629: 動は》則ち温動有意》柔輭横動の生なり》
 2630: 一一を平分す〉
 2631: 予奪は相反す》而して我は則ち有意の境に遊す。
 2632: 温動の体〉
 2633: 神霊の用》
 2634: 為技は以て能く万物に伸ぶ。
 2635: 上下内外。前後左右。応酬最も広し。
 2636: 天行に暦す〉
 2637: 人事に史す》
 2638: 守すれば〉則ち城郭宮室〉衣服飲食〉法度戒厳なり〉
 2639: 禦すれば》則ち干戈兵革》祈禳鍼薬》関門藩鎮なり》
 2640: 悪めば〉則ち賊害殺奪なり〉
 2641: 愛せば》則ち予活施誉なり》
 2642: 海に航し山に桟す〉
 2643: 土を墾し海に煮る》
 2644: 其の事は。則ち数の尽くす所に非ず。
 2645: 天有れば〉則ち天命有り〉
 2646: 神有れば〉則ち感応有り〉
 2647: 意匠は終に天人酬醋の事有り〉
 2648: 物有れば》則ち通隔有り》
 2649: 事有れば》則ち開閉有り》
 2650: 意匠は能く信否奉覆の事有り》
 2651: 定常の宅〉誠は其の中に旺す〉
 2652: 変化の薮》神は其の中に旺す》
 2653:  各各剖析して。條理井然たり。
 2654:  彼此交接して。運為変錯たり。
 2655:  剖析は体性を條理に於て成す〉
 2656:  交接は事物を変錯に於て成す》
 2657:  藁は本と艸中の一種。
 2658:  塩は亦た水中の一味。
 2659:  水鼠は水蟲。
 2660:  蛞蝓は陸蟲。
 2661:  條理は自ら其の分有り。而して
 2662:  水鼠は藁を見れば則ち流る〉
 2663:  蛞蝓は塩を見れば則ち爛る》
 2664:  各性は感応し。雌雄は相い分す。夫れ
 2665:  物は立し神は運し。事は会違を有す。
 2666:  今姑く之を日に言うに。
 2667:  月と会違するに当りては〉則ち明晦を事と為す〉
 2668:  水物は其の事に随いて〉以て盛衰を為す〉
 2669:  地と会違するに当りては》則ち照蔽を事と為す》
 2670:  陸物は其の事に随いて》以て動息を為す》
 2671:  氷は以て此に※す〉
 2672:  水は以て此に涸す》
 2673:  膏は以て此に融す〉
 2674:  肉は以て此に壊す》
 2675:  彼此錯雑し。千万変状す。是を以て。
 2676:  人は遇する所の夷険順逆に随いて。
 2677:  INUN以て喜怒憂楽。千万之変状を出だす。是に於て。
 2678:  酬醋黜陟の間。
 2679:  殺活与奪の事有り。
 2680:  雨に遇いて〉而して後其の事は雨に接するに千万なり〉
 2681:  風に遇いて》而して後其の事は風に交するに千万なり》是を以て。
 2682:  物は條理を以て立す〉
 2683:  事は運為を以て変す》
 2684:  事を以て物を観れば〉運為変錯は〉條理整斉の中に在り〉
 2685:  物を以て事を観れば》條理整斉は》運為変錯の中に在り》是を以て。
 2686:  條理整斉の中〉亦た自ずから天地有り〉
 2687:  運為変錯の中》亦た自ずから天地有り》
 2688: 一徳は彼此を融す〉
 2689: 二徳は彼此を通す》是に於て。
 2690: 為は則ち一気の業なり〉
 2691: 成は則ち大物の功なり》
 2692: 業立ち功成りて。状貌没露す。
 2693:  一分〉
 2694:  一合》
 2695:  合せざれば則ち分せず〉
 2696:  分せざれば則ち合せず》
 2697:  侌に非ざれば則ち昜に合する能わず〉而して侌は則ち昜と反す〉
 2698:  地に非ざれば則ち天に合する能わず》而して地は則ち天と反す》
 2699:  合する者は則ち一なり〉
 2700:  分する者は則ち二なり》
 2701:  分すれば則ち彼此は相い反す〉
 2702:  二なれば則ち彼此は相い隔す》
 2703:  蓋し一大全物の中。
 2704:  成具は〉則ち並び立して天地を成す〉
 2705:  万物は》則ち並び成して天地を立す》是を以て。
 2706:  成具は〉一有を分して〉彼此を対す〉
 2707:  万物は》一有に資して》彼此を対す》
 2708:  剖析の道は。一は一一を剖す。一は能く二を移す。
 2709:  一は能く二を移すれば。則ち末猶お本のごとし。
 2710:  末猶お本のごときを以て。剖析は尽きる所を見ず。是を以て。
 2711:  体は析して彼此は分す。
 2712:  彼此の体は隔す〉
 2713:  彼此の気は反す》
 2714:  反を以て而して合す〉
 2715:  隔を以て而して通す》
 2716:  彼此は相い立す。
 2717:  各おの其の気を活す。是の故に。
 2718:  一中に並立する者は。各おの其の気物を活立す。
 2719:  偶を得て相い合す〉
 2720:  與を得て相い伴す》
 2721:  紛紛擾擾。其の間に居行すれば。則ち一の交接せざる無し。
 2722:  接するに客主有り〉
 2723:  交するに雌雄有り》
 2724:  此に客なる者は〉彼に主たり〉
 2725:  此に雄なる者は》彼に雌たり》
 2726:  本は彼此の体を立す〉
 2727:  神は交接の用を活す》
 2728:  其の体は則ち物〉
 2729:  其の用は則ち事》
 2730:  各体は各才を運す。
 2731:  與と偶と。同じく相い交接す。是れ之を事物と謂う。
 2732:  條理は。経緯なり。交接は以て之を織る。
 2733:  其の物の体を立して〉
 2734:  事の跡を収する者は》
 2735:  経緯は相い織りて。
 2736:  ※猊※鸞。
 2737:  華卉烟霞。以て錦文を成すなり。是を以て
 2738:  物は各自に其体を立す。
 2739:  其の用を行すれば。則ち
 2740:  立する者は相い群す。
 2741:  行する者は相い交す。
 2742:  剖析して〉而して各気各物〉井然として整斉たり〉
 2743:  交接して》而して各事各物》雑然として為文たり》
 2744:  各物は各おの体性す〉
 2745:  各才は相い 発接す》是に於て。
 2746:  米麹の才は酒を醸す〉
 2747:  金石の才は火を生す》
 2748:  水は寒に遇いて〉而して氷雪を結ぶ〉
 2749:  燥は熱を鬱して》而して雷霆を激す》
 2750:  山島湖澤は〉水土相い接するよりして成す〉
 2751:  雲煙雨露は》水燥相い交するよりして起す》
 2752:  交接すれば。則ち隔通反合。
 2753:  感応は以てINUNす。
 2754:  動植の成具の中に成す所以にして。而して
 2755:  其の雑糅は。條理の結する所以なり。
 2756:  INUN之態。時通は塞する者を率す〉
 2757:       処塞は通する者を容す》
 2758:  地質は止して而して天気を転す〉
 2759:  天気は転して而して地質を持す》
 2760:  火は地の侌澤を吸す〉
 2761:  水は天の昜華を吸す》
 2762:  牡は能く牝に給す〉
 2763:  子は能く母に資す》
 2764:  物の偶を得て而して其の用を行するなり。
 2765:  金にして人に遇う〉水火の煉淬を歴て〉而して木を斫り石を穿つ〉
 2766:  麻にして人に遇う》績※の事を歴て》 而して人に衣し魚に網す》
 2767:  物の與を得て而して其の用を為すなり》
 2768:  其の性の類する者は相い親しむ〉狗は人門を守り〉鶏は鶩卵を伏す〉
 2769:    性の反する者は相い畏るる》蛞蝓は蛇に伏し》礬石は鼠を殺す》是の故に。
 2770:  日月星辰なる者は〉物の天に立するなり〉
 2771:  各体各行〉循環は期を為し〉会違は時に変す〉
 2772:  山川水火なる者は》物の地に立するなり》
 2773:  各体各立》交接は事を為し》感応は体を運す》是に於て。亦た
 2774:  INUNは物を化す。
 2775:  保営は物を護す。故に
 2776:  地日は昼夜を為す〉
 2777:  日月は朔望を為す》
 2778:  地物は日に交わりて〉而して粛舒の事有り〉
 2779:  水物は月に交わりて》而して盈虚の事有り》
 2780:  艸木は日に遇いて〉而して華葉子苗〉
 2781:  鳥獣は日に偶いて》而して孳尾※毛》
 2782:  偶に会すれば則ち偶す〉
 2783:  與に会すれば則ち與す》
 2784:  其の間にINUNせざる靡し。
 2785:  夫れ物は已に各おの其の物を成す。
 2786:  物は成して而して此に己れすれば。則ち
 2787:  此は主を為し。
 2788:  佗は客を為す。己れ已に成る有れば。則ち
 2789:  天地は大と雖も。
 2790:  万物は衆と雖も。則ち
 2791:  之を合して己と主客の勢を張るなり。
 2792:  張れば則ち一彼一此。
 2793:  一彼一此は。分して其の勢を張ると雖も。而も
 2794:  彼は則ち大衆〉
 2795:  此は則ち小孤》
 2796:  小にして且つ孤なりと雖も。而も
 2797:  衆大に応するに乏しからず。故に
 2798:  物は他物に遇う毎に。能く其の物と対して。而して感応INUNす。
 2799:  其の間に為す有るなり。是に於て。
 2800:  各物は各おの体性す。各才は感応INUNす。夫れ
 2801:  物は各おの其の体を立す。各おの其の才を発す。
 2802:  反と無く與と無く。
 2803:  偕に能く感応INUNする者は。
 2804:  同じく一に於て有せらるるを以てなり。
 2805:  知は通すれば則ち感応す。
 2806:  気は同異を等にす。
 2807:  才は能拙を区にす。
 2808:  雌雄の向背。交接は益ます広し。
 2809:  其の事は無窮なり。條理の正を著にせず。
 2810:  錦文の※猊※鸞。華卉煙霞に絢爛として。而して
 2811:  経緯の巧。其の中に隠隠たるなり。
 2812:  姑く之を人に移すに。己れ已に此の天地を成すなり。
 2813:  大物の洪曠。
 2814:  万物の紛擾。
 2815:  佗を己に為して。而して己れと二を為すなり。
 2816:  大物よりすれば。則ち動植は天地の中に並立す。
 2817:  植は本気に資す〉而して体に立する者多し〉
 2818:  動は神気に資す》而して気に立する者多し》
 2819:  人なる者は。動中の一物なり。
 2820:  意為の巧を以て。天地の情を髣髴に観る。故に。
 2821:  其の物を二にして〉人物と曰う〉
 2822:  其の気を二にして》天人と曰う》是に於て
 2823:  己れ能く物と勢を張る。
 2824:  我と勢を張る者を取りて。
 2825:  以て己の用と為す。是に於てか。
 2826:  物を皆な己の有と為す。
 2827:  日月星辰を暦象す〉
 2828:  山原河海を疆域す》
 2829:  死生通塞に資す〉而して
 2830:  殺活与奪に施す〉
 2831:  保営奉役に資す》而して
 2832:  服食使令を設す》
 2833:  天は則ち為の痕を露さず〉
 2834:  人は則ち諸を心思に運し》諸を言行に施す》
 2835:  袞袞の通は〉則ち漏を置き表を立す〉
 2836:  坱坱の塞は》則ち方を建て位を定す》
 2837:  理を観て道を建つ〉
 2838:  居に由り徳を成す》
 2839:  栄茂に時なって耕耘す〉
 2840:  方穎を相して収穫す》
 2841:  土石の結を察し〉造化を竊んで陶瓦を造る〉
 2842:  滋味の成を考え》INUNを假りて酒醴を醸す》是を以て。
 2843:  其の遇する所は。遠ければ則ち水火動植。
 2844:  近ければ則ち君臣父子。
 2845:  勢力を転じて〉而して権柄を為す〉
 2846:  知通を修して》而して礼教を為す》
 2847:  各各は本と隔体なり。
 2848:  隔体は本と一有なり。
 2849:  隔すれば則ち通せず〉
 2850:  一なれば則ち隔せず》是を以て。
 2851:  通すれば則ち天地は一を為す〉
 2852:  隔すれば則ち目は背を視ず》
 2853:  隔は本と粲立の状〉
 2854:  一は是れ混成の体》
 2855:  人は人の地に偏立して。
 2856:  意為の能を以て。
 2857:  意為の祟を受く。
 2858:  隔すれば則ち通せず〉
 2859:  合すれば則ち相い淆す》是を以て。
 2860:  体は通して天地と一に融す〉
 2861:  執は隔して天地と間を為す》
 2862:  心思に於ては〉則ち悟惑す〉
 2863:  設施に於ては》則ち慕※す》是を以て。
 2864:  物は條理に随いて分す〉
 2865:  事は交接を以て 合す》
 2866:  偶を以て合する者は〉其の素より合する者を合す〉
 2867:  與を以て合する者は》其の素より分する者を合す》
 2868:  故に錯雑変化す。事は物より多し。
 2869:  與と雖も而も相い合すれば。則ち彼此の体性は。感応INUNす。
 2870:  猶お天地の感応INUNの反合するがごとし。
 2871: 
 2872:   事通物隔図
 2873: 
 2874:    天命
 2875: 運為の状は〉廼ち一気の業〉
 2876: 幹立の貌は》廼ち大物の功》
 2877: 体なる者は〉二を成す者〉條理整斉す〉
 2878: 性なる者は》一を成す者》通隔紛雑す》
 2879: 紛雑を以て〉而して條理整斉の体を隠す〉
 2880: 整斉を以て》而して通隔紛雑の用を見す》是を以て。
 2881: 神は経に為し〉変化は此に路を假る〉
 2882: 天は緯に成し》定常は此に宅を占む》
 2883: 為中は〉則ち機発変化し〉跡収定常す〉
 2884: 成中は》則ち物露立体し》物没成貌す》
 2885: 体貌成立〉以て天を観る〉
 2886: 変化定常》以て命を立す》故に
 2887: 天命なる者は。一気の所業なり〉
 2888:        大物の成功なり》是の故に。
 2889: 気物は成して而して天地は立す〉
 2890: 一一は立して而して侌昜は成す〉是に於て。
 2891: 天は其の動を定す〉而して運転環守す〉
 2892: 地は其の静を定す〉而して虚実覆載す〉
 2893: 侌昜は物を成す〉日月水火〉文章INUN〉動植は其の間に成す〉天の物を立するなり〉
 2894: 経緯は分して而して往来は成す》
 2895:  各各は運して而して当遇は定す》是に於て
 2896: 経は其の行を変す》而して往来生化す》
 2897: 緯は其の居を変す》而して将迎会違す》
 2898: 各各当遇し》消長失得し》神霊活運す》体跡は其の間に定す》命の跡を収するなり》是を以て
 2899: 天命の成する所。各各は並立す。気物は相交す。
 2900: 之を分すれば。則ち気物は相い交す〉廼ち其の事なり〉
 2901:          性才は相い運す》廼ち其の態なり》
 2902: 神為の機を当今に於て変化する者は〉廼ち其の状なり〉
 2903: 天成の跡を既往に於て定認する者は》廼ち其の貌なり》是を以て。
 2904: 状は変化測る無しと雖も。終に貌の本然に立す。
 2905: 本然は則ち一有の徳なり。能く自と使との然を有す。故に
 2906: 物は其の体に非ざる莫し。而して
 2907: 其の体は〉天地に塞して〉天地に尽きず〉
 2908: 其の気は》往来に通して》往来に尽きず》
 2909: 目に充ちて〉而して視る可からず〉
 2910: 耳に盈ちて》而して聴く可からず》
 2911: 之を無測に変するも〉亦復此の如し〉      (亦復=また)
 2912: 之を不揜に定するも》亦復此の如し》
 2913: 此の如きにして而して後 物体は立す。
 2914: 蓋し往来なる者は。当遇の成する所なり。
 2915: 命の立する所なり。命中之を分すれば。
 2916: 当すれば則ち天なり〉
 2917: 遇すれば則ち命なり》
 2918:  機は来して窮まらず〉
 2919:  跡は定して揜われず》
 2920:  各神各体は。往来交接し。向背会違す。
 2921:  常変は一ならず。是の故に。
 2922:  時処は通塞す。
 2923:  運転は升降す。
 2924:  反偶のINUN〉
 2925:  與偶の感応》
 2926:  往来せざる者有る莫し。
 2927:  往すれば則ち必ず遇す〉
 2928:  来すれば則ち必ず当す》
 2929:  当すれば則ち天〉
 2930:  遇すれば則ち地》
 2931:  天当は避く可からず〉   故に天の名有り〉
 2932:  地遇は従いて受けざるをず》故に命の名有り》蓋し
 2933:  処する者は〉地なり〉
 2934:  来する者は》時なり》
 2935:  来する者は〉去す〉
 2936:  処する者は》往す》
 2937:  来すれば則ち当す〉
 2938:  往すれば則ち遇す》故に。
 2939:  来当は時なり〉成に就きて天と為す〉
 2940:  処遇は地なり》受に由りて命と為す》
 2941:  成者は天なり〉
 2942:  処者は地なり》故に
 2943:  成処は亦た天地なり》故に。
 2944:  日月旋転する者は〉成中に為を有すなり〉
 2945:  昼夜冬夏する者は》為中に成を有すなり》故に。
 2946:  殺活与奪は〉人の為なり〉
 2947:  死生窮達は》天の成なり》是に於て。
 2948:  天命の当遇は。天人一なり。
 2949:  往して遇する〉
 2950:  来して当する》
 2951:  神霊の用を見す。
 2952:  生化天命の事を成す。
 2953:  生化は〉往来なり〉神の運用する所〉機す〉跡す〉
 2954:  天命は》当遇なり》天の成立する所》通す》塞す》
 2955:  之を合して罅縫無し〉
 2956:  之を分して條理有り》
 2957:  條理有るを以て。其の本は。
 2958:  体なり〉性なり〉
 2959:  気なり》物なり》 是に於て。
 2960:  各物は各おの体性す〉
 2961:  各気は相い発接す》是に於て。
 2962:  気は事を為す〉
 2963:  物は物を為す》
 2964:  事に往来有り〉
 2965:  物に天命有り》
 2966: 当に順逆有り〉
 2967: 遇に会違有り》
 2968:  神は往来を為す〉
 2969:  天は当遇を成す》
 2970:  往すれば則ち遇す〉
 2971:  来すれば則ち当す》然りと雖も。
 2972:  往来は当遇と同じからざるなり。蓋し
 2973:  万の事物は。 神為に非ざる莫し。
 2974:  神の為す所は。天収に非ざる莫し。
 2975:  言の人事に於ける。越人の胡に之き。胡人の越に之くが如し。蓋し
 2976:  其の之くや。各神の為なり。
 2977:  而して其の会違は則ち神為に非ざるなり。是を以て。
 2978:  一なる者は精なり。而して其の神は未だ窺う可からざるなり。
 2979:  一一は剖対す。各神は各おの相い用す。是の故に。
 2980:  気は転し象は運す〉而して東西南北を成す〉
 2981:  日は動き影は追う》而して昼夜冬夏を成す》
 2982:  東西は日月を得て〉而して歳月を成す〉
 2983:  拗突は水燥を得る》而して水陸を成す》
 2984:  気象は上に鼓す〉
 2985:  気質は下に応す》
 2986:  而して動植の栄枯啓蟄。其の中に成る。
 2987:  人は。善悪に悦怨を成す〉
 2988:     是非に栄辱を成す》是の故に。
 2989:  活運変化は。其の績に非ざる者無しと雖も。而も
 2990:  其の成功する者に至りては。則ち神は與らざるなり。
 2991:  大なる哉。天の道を為す。
 2992:  神は変化の妙を尽くして。而して其の功を収む。
 2993:  無為にして成す。気は亦た天中に居す。
 2994:  且つ人は一小気物を以て。
 2995:      精大天地に臨む。
 2996:  動輒もすれば神為の妙に眩す〉     (動輒すれば=ややもすれば)
 2997:        天成の誠に※す》
 2998: 神は往来す〉而して
 2999: 天は当遇す》
 3000: 往来せざれば。則ち当遇する所無しと雖も。
 3001: 其の天成は。神為與らず。
 3002: 神為與らずして。而して
 3003: 気も亦た天中に居るを観る。
 3004: 当遇は痕を著して。天も亦た神と伍を為すを観るなり。
 3005: 天は神と伍を為して。而して気用の行を観る。蓋し
 3006: 人の境を開くや。意を執りて作を事とす。
 3007: 其の気を為すや麁〉
 3008: 其の物を為すや小》
 3009: 麁小を執りて〉
 3010: 精大を窺い》
 3011: 己に有するの為技を以て〉
 3012: 我に非ざるの天命を弄す》
 3013: 頑※祟を為す者多し。故に。
 3014: 物体は立し〉事状は定す》
 3015: 往来は為し〉当遇は成す》
 3016: 能く此に達せずんば。天地に肖ずと言わんも。可なり。
 3017: 
 3018:  天命図
 3019:  体立状定図一合
 3020:  天行地居図
 3021:  神運体立図
 3022: 
 3023: 玄語目次
 3024:  天冊 立部本神
 3025:   本神 精奉気保成之    図
 3026:   鬼神 性通情感成之    図
 3027:   体用 体立性具成之     図
 3028:   造化 気営物養成之    図
 3029: 玄語
 3030:   日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
 3031:  天冊 立部本神
 3032:   本神      本
 3033: 鬱浡は混淪を以てせざれば〉則ち帰する所靡し〉
 3034: 混淪は鬱浡を以てせざれば》則ち運する所靡し》
 3035: 以てせざれば則ち成す所莫きは〉則ち一なり〉
 3036: 之を以てすれば則ち帰運するは》則ち二なり》
 3037: 一なれば則ち恃む可きの佗無し〉故に其の然る者は自なり〉
 3038: 二なれば則ち待する所の一有り》故に其の然る者は使なり》
 3039: 二を以て〉鬱浡は能く活し〉 混淪は能く立す〉
 3040: 一を以て》鬱浡は混淪を活し》混淪は鬱浡を立す》
 3041: 鬱浡は気なりと雖も〉物は之を吐せず〉
 3042: 混淪は物なりと雖も〉気は能く之を食す〉故に
 3043: 鬱浡も亦た之を有するの天有り〉 
 3044: 混淪も亦た之を容するの地有り》故に 
 3045: 混淪は之を開けば〉則ち之を容するの地有り〉 
 3046: 鬱浡は之を開けば》則ち之を有するの天有り》
 3047: 天は則ち没して而して通塞す〉
 3048: 地は則ち露して而して覆載す〉
 3049: 神は則ち麁にして而して活立す》
 3050: 天は則ち精にして而して有開す》
 3051: 有せざる所莫し〉開せざる所莫し〉是を以て〉天貌は此の如し〉
 3052: 活せざる所莫し》立せざる所莫し》是を以て》地体は此の如し》
 3053: 立するや則ち天も亦た地なり〉
 3054: 活するや則ち地も亦た天なり》
 3055: 合処は罅縫を没す〉故に
 3056: 天は精没して其の神を有す〉
 3057: 地は麁露して其の天を開す》
 3058: 分処は條理を見す》故に
 3059: 天は其の徳を有開す》
 3060: 神は其の道に為成す》
 3061: 天中は神を物にす〉
 3062: 物中は神を気にす》
 3063: 物中 神を気にする者は〉本神の活立なり〉
 3064: 天中 神を物にする者は》天神の為成なり》
 3065: 地も亦た天なれば〉則ち神神即一〉
 3066: 天も亦た地なれば》則ち天なる者は即ち本なり》
 3067:  本は一なり〉故に
 3068:  宇宙も亦た天地なり〉
 3069:  本神も亦た天神なり〉
 3070:  能く二なり》故に
 3071:  宇宙転持》
 3072:  天地水火》
 3073:  天神道徳》
 3074:  本神体用》
 3075:  剖析は尽きず。
 3076:  物にして條理整斉す〉
 3077:  事にして交接錯雑す》
 3078:  一天一地。
 3079:  天は神を有す〉
 3080:  地は天を開す》
 3081:  之を有し之を開す〉
 3082:  之を活し之を立す》是に於て。
 3083:  天神は本神を岐す〉
 3084:  天地は宇宙を岐す》
 3085:  天は気にして而して神物を有開す〉
 3086:  地は物にして而して神物を活立す》
 3087:  本は立し神は活するよりすれば〉則ち物は物にして而して神は気なり〉
 3088:  天は有す神は開するよりすれば》則ち天は気にして而して神は物なり》
 3089:  神を物にするの天は〉精にして有せざる所莫し〉
 3090:  精と雖も已に有せざる所莫ければ〉則ち天も亦た地に於ける地なり〉
 3091:  神を気にするの本は》麁にして立せざる所莫し》
 3092:  麁と雖も已に立せざる所莫ければ》則ち本も亦た神に於ける神なり》是に於てか。
 3093:  一即一一〉
 3094:  一一即一》
 3095:  天は有せざる所莫し〉
 3096:  神は露せざる所莫し》
 3097: 天は神本を有す。活を開し立を開す。
 3098: 其の体は則ち一一なり〉
 3099: 其の性は則ち分合なり》
 3100: 大物は一を全す〉故に活立は自ずから成す〉
 3101: 侌昜は二を立す》故に活立せしむるを為す》是を以て
 3102: 混淪は能く立す〉
 3103: 鬱浡は能く活す》
 3104: 大は能く小を含す〉
 3105: 小は能く大に資す》故に
 3106: 小物と雖も。已に其の一を成せば。則ち鬱浡混淪。資して己の有と為す。
 3107: 一の二を分する〉反を以て偶を為す〉
 3108: 小の大に資する》応を以て己を成す》故に
 3109: 己に有する者は〉天に資する者なり〉
 3110: 己に在する者は》天に反する者なり》
 3111: 本気は混淪の物を立す〉
 3112: 神気は鬱浡の活を運す》
 3113: 本気は。天地侌昜を以て体と為す〉之を天に奉じ〉之を己に保する者は〉其の性なり〉
 3114:     INUN給資を以て用と為す》之を己に知り》之を佗に運する者は》其の才なり》
 3115: 一体一性。体は用を具す〉
 3116:      性は才を活す》故に
 3117: 本気の立は。能く其の神を奉ず〉
 3118:       能く其の物を立す》
 3119: 立する者は〉則ち外を保し内を持す〉
 3120: 奉する者は》則ち己を奉し佗を役す》
 3121:  活すれば則ち為す〉
 3122:  成すれば則ち立す》
 3123:  蓋し其の立するや。
 3124:  内は能く持を有す〉
 3125:  外は能く保を有す》
 3126:  保なる者は〉天の用なり〉
 3127:  持なる者は》地の用なり》
 3128:  外より保すれば則ち内より護す〉
 3129:  外に於て持すれば》則ち内に於て守す》
 3130:  成する所に保護持守するは。則ち天と万物と同じ。故に。
 3131:  大物なれば〉則ち天転は外より地を保す〉
 3132:          地持は内より天を営す〉(護に営と傍記あり)
 3133:          地止は内に於て守す〉
 3134:          天容は外に於て持す〉
 3135:  人なれば》   気は外より身を保す》
 3136:          質は内より外を営す》 (持に営と傍記あり)
 3137:          精は内に於て守す》
 3138:          皮は外に於て持す》
 3139:  営なる者は〉天にINUNし〉人に運為す〉
 3140:  養なる者は》天に相給し》人に飲食す》
 3141: 気は保すれば〉則ち営養に用有り〉
 3142: 精は奉すれば》則ち知感に運有り》
 3143: 混淪の体は〉其の神を運せずんば〉体は具して用せず〉 偶人の機関を失するが若し〉
 3144: 鬱浡の神は》其の物を体せずんば》気は動して託す無し》大虚の風飆を起こすが若し》
 3145: 保営なる者は〉気の物を守するなり〉
 3146: 奉運なる者は》物の気を出だすなり》
 3147: 奉する者は〉一精一力なり〉精は奉する有り〉力は役する有り〉
 3148: 運する者は》一神一霊なり》霊は知する有り》神は通する有り》
 3149:  臣は以て君を奉ず。其の奉ずる者は外 以て保する有り。
 3150:                  内 以て護する有り。
 3151:  之に持し。之に守す。
 3152:  是に於てか。其の君なる者。
 3153:  外は藩屏の保を有す。
 3154:  内は傅保の教を有す。
 3155:  鎮重は以て之を持す。
 3156:  法度は以て之を守す。故に
 3157:  君の明は。蔽う所無く。其の聡は塞ぐ所無し。
 3158:  君民一体。士は事に勤む。
 3159:       農は耕に力す。
 3160:       工は職に走る。
 3161:       商は交に走る。
 3162:       此れ之に給す。
 3163:       彼れ之に資す。則ち其の養なり。
 3164:       意は以て思う。
 3165:       技は以て為す。則ち  営なり。
 3166:  人事の然る所は。廼ち天の給する所なり。
 3167:  応する所有るに慣れて。資する所を探らざるは。
 3168:  流れを渉りて原を知らざるが若きなり。
 3169:  既已に其の資する所を得る。             (既已に=すでに)
 3170:  此に君民と言うは。其の一端を挙ぐるのみ。夫れ
 3171: 混淪は実体を以て而して立す〉
 3172: 之に幹する者は〉其の実体の立を営して〉而して以て経に行す〉
 3173: 鬱浡は精気を以て而して活す》
 3174: 之を運する者は》其の精気の活を運して》而して以て緯に立す》
 3175: 之を保し之を奉す〉
 3176: 之を営し之を養す》
 3177:  地なる者は侌結なり〉
 3178:  日なる者は昜聚なり》是を以て。
 3179:  地は〉昜を天に吸す〉而して地に噴す〉
 3180:  天は》侌を地に吸す》而して天に噴す》
 3181:  景なる者は〉日の侌を噴く所の気なり〉
 3182:  水なる者は》地の昜を噴く所の質なり》
 3183:  水は燥中に生す〉
 3184:  火は水中に生す》
 3185:  火は吸すれば則ち湿を生す〉
 3186:  水は吸すれば則ち乾を成す》是の故に
 3187:  日は近づけば 則ち雨沢浮潤す〉
 3188:  日は遠ざかれば則ち水液枯涸す》
 3189:  水を以て火に潅げば〉則ち火は水を吸す〉
 3190:  火を以て水を煮れば》則ち水は火を吸す》
 3191:  水の火を吸するや〉其の可に適すれば〉則ち其の体を養す〉
 3192:           其の量を過ぐれば〉則ち其の体を失す〉
 3193:  火の水を吸するや》其の可に適すれば》則ち其の体を養す》
 3194:           其の量を過ぐれば》則ち其の体を失す》
 3195:  火山熱池〉雨を得て燃ゆ〉
 3196:  炭火油燈》水を含みて存す》
 3197:  給資は以て相い養するなり。
 3198:  動植は同じく保営を有するなり〉而して
 3199:  動は則ち牡に発して〉而して牝に収す〉
 3200:  植は則ち華に発して》而して実に収す》
 3201:  INUNの営なり。進む者は生す〉
 3202:         去る者は化す》
 3203:  天地給資〉
 3204:  侌昜INUN》
 3205:  本は能く其の体を保す〉
 3206:  神は能く其の気を運す》
 3207: 保は以て之を洪曠に立す〉
 3208: 奉は以て之を悠久に行す》
 3209: 之を保し之を奉する者は。精なり。
 3210: 精なる者は。物中に隠する者なり。気物は已に立す。而して
 3211: 其の神を奉して〉之を知運せ使む〉
 3212: 其の物を保して》之が性体を成す》
 3213: 一なるや以て之を奉す〉
 3214: 二なるや以て相い役す》
 3215: 経に行す〉
 3216: 緯に立す》
 3217: 動静通塞す〉
 3218: INUN給資す》
 3219: 一の為に其の才力を伸ばして役を執るに非ざる莫し。而して
 3220: 其の権は全く精に在り。蓋し
 3221: 一なる者は自から成す》
 3222: 散する者は依りて成す》
 3223: 混淪の体〉
 3224: 鬱浡の神〉
 3225: 洪曠に窕せず〉
 3226: 悠久に疲れず》
 3227: 転換の体》
 3228: 倏忽の神》
 3229: 小天地に画す》
 3230: 小造化に盲す》     (写本は「盲」を「区」とする。)
 3231: 小と雖も〉而も鱗比は断たず〉
 3232: 小と雖も》而も天地を悉く具す》則ち
 3233: 神は洪曠に通ずる〉
 3234: 体は悠久に伝わる》
 3235: 給する者は※さず〉
 3236: 資する者は何ぞ尽さん》
 3237: 精は立して而して力は役す。外は保して内は持す。
 3238: INUN給資して。万物は並出す〉
 3239:        万事は並起す》
 3240: 起する者は斯の中に居す〉
 3241: 出する者は斯の中に隠す》
 3242: 物は大なりと雖も〉而も之が為に保せられて而して立す〉
 3243: 神は妙なりと雖も》而も之が為に奉ぜられて而して活す》且つ
 3244: 我の資る所を以て之を言わんか。夫れ
 3245: 意なる者は〉我の神の活なり〉
 3246: 身なる者は》我の体の立なり》
 3247: 精は其の間に隠す〉
 3248: 華は其の表に見す》
 3249: 保持は以て我の生を保す〉
 3250: 給資は以て我の生を養す〉
 3251: 奉運は以て我の物を成す》
 3252: INUNは以て我の後を継す》
 3253: 物を保して而して其の神を奉す〉
 3254: 神を運して而して其の物を役す》
 3255: 心は此の権を以て肢体を役す〉
 3256: 身は此の力を以て肢体を保す》
 3257: 国家の君を奉する〉
 3258: 君上の下を役する》
 3259: 善観すれば。則ち
 3260: 隠見を隔つと雖も〉
 3261: 精麁は本と一なり》
 3262:  活立は体用を為す〉
 3263:  幹運は性才を為す》
 3264:  気の用は廼ち天〉
 3265:  物の体は廼ち物〉
 3266:  性 之に幹する者は廼ち精》
 3267:  才 之に運する者は廼ち神》
 3268:  天物精神は。本根精英に於て合す。故に
 3269:  本は気なり〉
 3270:  根は物なり》
 3271:  乃ち天地なり。天地の外。豈に佗有らんや。
 3272:  隠して之に体する者は〉廼ち精〉
 3273:  見して此に出する者は》廼ち華》故に
 3274:  見露は華に非ざる莫し〉
 3275:  隠没は精に非ざる莫し》
 3276:  精に非ざれば則ち神は依する所莫し〉
 3277:  神に非ざれば則ち精は奉する所莫し》蓋し夫れ。
 3278:  一なる者は外無し〉
 3279:  散する者は外有り》
 3280:  外無き者は自立す〉
 3281:  外有る者は並立す》
 3282:  自立する者は〉自ら能く保営奉運す〉     (自ら=おのずから)
 3283:  並立する者は》能く相い保営奉運す》是を以て。
 3284:  保営奉運する者は同じく有して。而して自と相と則ち相い隔つ。
 3285:  之を火に移して之を言わんか。夫れ一点の燈火は。
 3286:  篭は以て之を保す〉臺は以て之を持す〉
 3287:  神は以て之を営す》膏は以て之を養す》
 3288:  其の知ること無きや〉乾を択んで之に就く〉
 3289:            湿を択んで之を避く》
 3290:  其の運する所無きや》明を燃に運す》
 3291:            熱を焼に運す》是を以て。
 3292:  近くは則ち葛裘飲食〉
 3293:  遠くは則ち宮牆器貨〉以て己を保営するを為すなり〉
 3294:  近くは則ち思惟営作》
 3295:  遠くは則ち使令習学》以て己を奉運するを為すなり》是を以て。
 3296:  内は保営奉運を用すれば〉則ち
 3297:  外も亦た保営奉運を有す》故に
 3298:  知は天下の故に通ず〉
 3299:  力は天下の物を役す》
 3300:  之を天地に則る有らば。則ち天地に業を拡め。
 3301:  世を無窮に傅えんも。天地は奚んぞ之を拒まん。
 3302:  給する所を知りて〉而も資する所を観るに〉 本は猶お末の如きなり〉
 3303:  資する所を観て》 而も給する所を察するに》末は猶お本の如きなり》
 3304:  本末は共に同じ。自相何ぞ隔てん。
 3305:  象質なる者は〉発収の物なり〉
 3306:  呼吸なる者は》発収の気なり》
 3307:  之を保する者は精力なり〉
 3308:  之を運する者は神霊なり》
 3309:  霊は知り神は通す〉
 3310:  精は奉し力は役す》
 3311:  天象は滾滾として而して運転す〉
 3312:  地質は擾擾として而して往来す》
 3313:  運転する者は〉其の定期を知り〉
 3314:  往来する者は》其の変化に通す》
 3315:  芸芸たり〉
 3316:  擾擾たり》
 3317:  各おの気物の相い立するは。
 3318:  各おの神霊の之を運するに非ざる莫きなり。
 3319: 
 3320:  神物剖析図一合
 3321:  神活立物図
 3322:  本神天神図一合
 3323:  神物合図
 3324:  性才道徳図一合
 3325: 
 3326:    鬼神  神
 3327: 性は剖して而して体は二なり〉
 3328: 体は合して而して性は一なり》是を以て。
 3329: 一能く一一〉
 3330: 一一能く一》
 3331: 二は反して一に合す〉
 3332: 一は移りて二に居す》夫れ
 3333: 物は能く神を奉す〉
 3334: 神は能く物を役す》
 3335: を役する者は〉活して運す〉
 3336: 神を奉する者は》保して持す》
 3337: 是の故に。神の妙は。感通に在り。蓋し
 3338: 一 二なれば則ち体を分して而して並立す〉    (並立す=並び立す)
 3339: 二 一なれば則ち性を反して而して相容す》    (相容す=相い容す)
 3340: 若し感通の運無くんば〉孰れか相容の痕を見ん〉
 3341: 若し並立の体無くんば》孰れか條理の分を認めん》
 3342: 並立して而して体は相隔す〉            (相隔す=相い隔す)
 3343: 相容して而して性は相通す》            (相通す=相い通す)
 3344: 通すれば則ち知す。
 3345: 知すれば則ち感す。
 3346: 感すれば則ち欲す。
 3347: 通は則ち性〉
 3348: 感は則ち情》然り而して
 3349: 通は知に偶して〉而して神霊の別有り〉
 3350: 感は求に分して》而して情欲の分有り》
 3351: 通は蔽を待たざる能わず〉
 3352: 知は冥に因らざる能わず》
 3353: 感は応無き能わず〉
 3354: 欲は悪無き能わず》
 3355: 神霊情欲は相い得て。而して其の活する者は始めて運す。夫れ
 3356: 性は其の一を全すれば〉則ち其の才は二なること能わず〉
 3357: 体は其の二を立すれば》則ち其の才は一なること能わず》
 3358: 二なること能わざるを以て〉物に遇して而して通ぜざる所莫し〉
 3359: 一なること能わざるを以て》物を剖して而して隔せざる所莫し》
 3360: 通して運す〉乃ち神の活〉
 3361: 隔して立す》乃ち物の立》
 3362: 一能く一一〉一は移りて二に居すれば〉則ち其の散する所は尽きず〉
 3363: 一と不尽と〉物の立する所は〉    乃ち神の活する所なり〉
 3364: 一一即一》 二は反して一に合すれば》則ち其の合する者は態を変す》
 3365: 変態合一》 異の立する所は》    乃ち一の居する所なり》故に
 3366: 自ずから成する者も〉亦た立して運する有り〉
 3367: 依りて成する者も》 亦た立して運する有り》
 3368: 活立は在らざる所無しと雖も。其の態は則ち処に随いて異なる。故に
 3369: 神は活し物は立す〉
 3370: 宙は通し宇は塞す〉
 3371: 神は為し天は成す》
 3372: 天は動し地は止す》
 3373: 水火の発収より〉
 3374: 冬夏の呼吸》
 3375: 一気のINUN〉
 3376: 小物の生化》微秒倏忽に至りて。活立を遺さず。
 3377: 一の通する所よりして之を観れば。則ち
 3378: 神運即本立〉
 3379: 本立即神運》然り而して
 3380: 物を立する者は精〉能く物中に隠す〉
 3381: 気を運する者は神》能く物表に見す》夫れ
 3382: 神なる者は〉為を以て道と為す〉
 3383: 天なる者は〉有を以て徳と為す〉
 3384: 天なる者は》成を以て道と為す》
 3385: 神なる者は》活を以て徳と為す》故に
 3386: 天は成して揜われず〉
 3387: 神は為して測られず》
 3388: 揜われざる者は定常の地〉
 3389: 測られざる者は変化の気》
 3390: 神は物に妙なり〉
 3391: 物は神に誠なり》是を以て
 3392: 神なる者は物の主〉誠を以て範を為す〉
 3393: 物なる者は神の器》活を以て立を為す》
 3394: 通動は本気に活す〉
 3395: 感通は神気に活す》
 3396: 神なる者は没物〉
 3397: 物なる者は露物》
 3398: 各各物を立し。気物交接す。
 3399: 通蔽知冥は〉才の巧拙〉自立よりして而して此の運有り〉
 3400: 感応好悪は》情之酬醋》佗に交するよりして此の運有り》蓋し
 3401: 経は能く剖析す〉
 3402: 緯は能く対待す》
 3403: 剖析は変化を尽す〉
 3404: 対待は気物を反す》
 3405: 相い通蔽するは則ち性の才〉
 3406: 相い知冥するは則ち性の霊》
 3407: 感応好悪の酬醋は。則ち情の運態なり。
 3408: 大物は此の神霊情欲を有す〉
 3409: 小物は意智情欲を為す〉
 3410:  物に資して身を為す〉
 3411:  神に資して心を為す》
 3412:  人境の開する所以なり。故に
 3413:  天人の性情は。其の態を反す〉
 3414:         其の声を同す》
 3415:  声なる者は〉人の作する所なり〉而して
 3416:  主なる者は》天の成する所なり》
 3417:  声の同と異とは。天は與らず。
 3418:  神霊情欲。我に於て意智情欲と為る。
 3419:  性の一なるを以て〉而して能く通し能く知す〉
 3420:  体の隔するを以て》而して能く蔽し能く冥す》
 3421:  天地は通蔽せざれば〉則ち人は蔽悟を何に於てか資さん〉
 3422:  天地は知冥せざれば》則ち人は智愚を何に於てか資さん》
 3423:  感応好悪は同じく然り。
 3424:  物を異にするを以て〉而して意の有無を反す〉
 3425:  性を一にするを以て》而して気の感通を同す》蓋し
 3426: 物の異は〉反より異なるは莫し〉
 3427: 物の同は》合より同なるは莫し》故に
 3428: 其の至って合する者は〉
 3429: 便ち至って反する者なり》         (原文に「也」はない。)
 3430: 体を反して能く相い隔す〉
 3431: 気を合して能く相い通す》是に於てか。
 3432: 隔せざるの物無し〉
 3433: 通せざるの才無し〉
 3434: 其の才も亦た之を謂いて神と為す〉
 3435: 神の通は〉其の霊処を能く知る〉
 3436: 通せざる所莫しと雖も〉
 3437: 知せざる所莫しと雖も〉而も体に於て剖して見れば〉則ち
 3438: 蔽を以て偶せざる能わず〉
 3439: 冥を以て偶せざる能わず〉一有の中〉此の如く相反す〉
 3440: 二ならざるの体無し》
 3441: 一ならざるの性無し》
 3442: 情の感は》其の親処を求むる有り》
 3443: 分せざる所無きと雖も》
 3444: 反せざる所無きと雖も》而も性に於て合して見れば》則ち
 3445: 感に於て応ぜざる能わず》
 3446: 求に於て悪まざる能わず》対待の間》此の如く酬醋す》
 3447: 夫れ人は。眇たる一気物。
 3448: 大物の給する所に資す〉
 3449: 與物の依する所に立す》
 3450: 体は岐然を以て〉彼の混淪に換う〉
 3451: 神は耿耿を以て》彼の鬱浡に擬す》
 3452: 天に反して而して後以て人を得。
 3453: 既に能く天に反す。
 3454: 是に於て天に合す。
 3455: 天は無意の神霊情欲を以て而して給す〉
 3456: 人は有意の意智情欲を以て而して資す》
 3457: 有意を無意に於て反して。而して彼此の神物。一有の中に活立す。
 3458: 反する者は能く合すれば〉則ち人は天に通す可し〉
 3459: 合する者は能く反すれば》則ち天も亦た人に冥たり》且つ
 3460: 感応なる者は。各気の酬醋。
 3461: 欲悪なる者は。感応の知弁。
 3462: 人に有る者を以て〉天に無きと為すは〉 則ち一有の徳を知らざるなり〉
 3463: 己に有る者を以て》人に同じと為す者は》相い反すの道を知らざるなり》
 3464:  夫れ二反して一に合す。合すれば則ち相い通す。
 3465:  之を小物に移して之を言わんか。
 3466:  水を以て炭に潅ぐに〉炭は能く水を吸う〉
 3467:  火を以て水を煮るに》水は能く火を吸う》
 3468:  其の相い吸うや。相い入るなり。
 3469:  其の相い入るや。反の合する所。
 3470:  反して隔たる者は。通して知る。
 3471:  通は則ち二の一〉
 3472:  知は則ち活の霊》
 3473:  夫れ物の散して各を為す。其の気も亦た各なり。
 3474:  気物は各おの別れて。而して感通は相い異なる。故に
 3475:  火の通る所にして水塞る〉
 3476:  水の好む所にして火悪む〉
 3477:  物の知る所にして而して我冥し》
 3478:  我の知る所にして而して物冥し》故に
 3479:  磁は南を知るに霊なり〉
 3480:  火は高きを知るに霊なり》
 3481:  狗は鼻を用いるに巧なり〉
 3482:  人は舌を鼓するに巧なり》
 3483:  通すれば則ち知す。
 3484:  知すれば則ち感す。
 3485:  感すれば則ち親す。故に
 3486:  能く其の反を通して合すれば〉則ち※を鑿中に置くが若し〉
 3487:    其の同を執りて合すれば》則ち※を※中に置くが若し》
 3488: 神にして而して物に向う。其の才は感通す。是を以て
 3489: 天地は並び判る。
 3490: 運転は升降す。
 3491: 天日東西して〉而して地は跡を昼夜に成す〉
 3492: 天日南北して》而して地は跡を冬夏に成す》
 3493: 日は感して而して燥物は応す〉
 3494: 月は感して而して水物は応す》
 3495: 動は昼夜に作輟す〉
 3496: 植は冬夏に栄枯す》
 3497: 知通は〉性なり〉
 3498: 感求は》情なり》
 3499: 感通は本と一。
 3500: 天地は反合す。
 3501: 天地は〉則ち鬼神 能を伸ぶるの地〉
 3502: 鬼神は》則ち天地 活を致すの物》而して対に偶與有り。
 3503: 以て親疏を分す。知通感求。物に随って態を変ず。
 3504:  夫れ人なる者は。一なり。男を分し女を分す。
 3505:  男女INUNより。兄弟姉妹。父祖子孫。
 3506:  姻※※※の疏を結ぶ〉
 3507:  叔姪姑姪の親を遠ざく》
 3508:  其の変は尽きず。天地の給する所。
 3509:  我資する有りて然り。蓋し
 3510:  性は一にして其の二を具す〉
 3511:  体は二にして其の一を成す》故に
 3512:  一漸みて一一を開す。而して
 3513:  一移りて一一に居すれば。則ち
 3514:  綱は目を繋ぐ〉
 3515:  目は綱を成す》
 3516:  二は反して一に合せば〉則ち偶の真なる者は〉之を親と為す〉
 3517:  INUN給資は〉以て能く合す有り〉
 3518:  布散して傍より望めば》則ち偶の與なる者は》之を疏と為す》
 3519:  感応酬醋は》以て能く相い依る》是の故に 
 3520:  反偶は則ちINUNし〉以て造化を成す〉以て天地と経緯を為す〉
 3521:  與偶は則ち感応し》以て変化を尽す》以て佗偶と參差を為す》是を以て。
 3522:  反偶は則ち気物反す〉
 3523:  與偶は則ち性類傍す》夫れ
 3524:  各物は各おの性体す。
 3525:  各才は相い 交接す。
 3526:  反と與と同じく隔つと雖も。條理に別有り。親疏の道を異にす。
 3527:  鬼神佗無しと雖も。而も感応參差す。夫れ
 3528:  体なる者は〉気の幹〉乃ち物の立する所〉
 3529:  性なる者は》物の神》乃ち体の活する所》
 3530:  幹立は神に応するの地を為す〉乃ち体物の天なり〉
 3531:  神活は物に感するの気を為す》乃ち運物の神なり》
 3532:  神なる者は〉変幻出没〉霊にして妙なり〉
 3533:  物なる者は》凝立定常》霊ならず妙ならず》蓋し
 3534:  天は有せざる所莫し〉有せざる所莫ければ〉則ち隔すと雖も而も能く融す〉
 3535:  神は貫せざる所莫し》貫せざる所莫ければ》則ち疏すと雖も而も能く通す》
 3536:  鬼ならざれば〉則ち神を活する所莫し〉
 3537:  神ならざれば》則ち鬼を起こす所莫し》且つ夫れ
 3538:  同一鬱浡。或いは物に対す。
 3539:       或いは天に対す。本に偶し鬼に偶す。何ぞや。
 3540:  猶お一縣の長。民も亦た之を長と謂い。其の佐も亦た之を長と謂うがごとし。
 3541:  其の物に対する者は〉天神を具して〉 而して変常を有す〉
 3542:    鬼に対する者は》定息を鬼にして》而して変化に神す》
 3543:  物は各各を成す。而して活も亦た各各なり。
 3544:  活する者は。自ずから活するなり。
 3545:  通する者は。己の通を佗に達するなり。故に
 3546:  天は活して地を保す〉
 3547:  地は活して天を奉す》
 3548:  日は活して物を煦す〉
 3549:  影は活して物を粛す》
 3550:  擾擾紛紛。往くとして活の運に非ざる莫し。是を以て。
 3551:  自ら活する者は〉活して運す〉            (「自ら」=「自ずから」)
 3552:  佗に通する者は》感して通す》
 3553:  彼此は自ずから活運すれば〉則ち
 3554:  天の運する所〉地は能くせず〉
 3555:  地の運する所》天は能くせず》
 3556:  一一は相い感応すれば。則ち
 3557:  昜能く侌に感す〉
 3558:  侌能く昜に通す》蓋し
 3559: 條理の態は。此に予うれば則ち彼に奪う〉
 3560:       一能なれば則ち一拙なり》是を以て。
 3561: 物なる者は緯露〉物に止まり〉気に動く〉
 3562: 神なる者は経通》力に支えて》勢に走る》
 3563: 支えて鬼応す〉
 3564: 走りて神感す》
 3565: 勢力は乃ち鬼神の車馬なり。
 3566: 物に露すれば則ち動〉
 3567: 神に見すれば則ち変》
 3568: 精麁は態を異にするも。其の機は佗無し。
 3569: 天は其の精を痕す〉
 3570: 地は其の情を見す》
 3571: 感応の常は〉天感地応〉
 3572: 感応の変は》一向一背》
 3573: 常なる者は跡を没す〉天なり〉
 3574: 変なる者は跡を露す》地なり》
 3575: 精麁に由りて。
 3576: 隠見然らしむ。是を以て。
 3577: 転の西線に依る〉 象の東線に依る〉一転一運〉整斉は毫厘を差えず〉
 3578: 地物は之に応して〉昼夜を為し〉冬夏を為す〉
 3579: 地の倏忽風を生ず》驀地火を出だす》一出一没》參差其の処を知らず》
 3580: 万物は是に於て》相い生化し》相い※賊す》
 3581: 天は地の変化に異なり〉
 3582: 地は天の定常に異なり》
 3583: 天は定常に支えて〉而して運転に走る〉
 3584: 地は持守に支えて》而して変化に走る》
 3585: 鬼神の跡は。万物に於て熾んに。人に於て甚しと為す。
 3586: 小にして喜怒愛憎。
 3587: 大にして与奪奉棄。
 3588: 鬼神の事を用うるに非ざる莫きなり。
 3589: 天事は暦。諸を前後に推して。而して数を知る者は其の彷彿を獲。
 3590: 地事は史。倏忽の間。地は震え天は鳴る。
 3591: 聖者と雖も知らざる所有るなり。   (この一文、自筆本文外の書き込み。)
 3592: 風は起こり霆は撃ち。
 3593: 炎熱は※くが若くにして。而して雹は其の中に結す。
 3594: 沍寒は※くが若くにして。而して雷は其の間に解す。
 3595: 衝いて転の下際に至り。彗孛諸象妖を為す。乃ち
 3596: 小物の変化に至りては。則ち愈いよ益ます百出す。
 3597:  気は体を以て居す〉
 3598:  体は気を以て立す》
 3599:  天は神を以て成す〉
 3600:  神は天を以て為す》故に
 3601:  天は天地を以て体と為す〉
 3602:  天神を以て用と為す》
 3603:  天道は動して復す〉動すれば則ち変す〉復すれば則ち定す〉
 3604:  地道は静して往す》静すれば則ち持す》往すれば則ち易す》是の故に。
 3605:  天に在る者は〉変を以て而して定す〉
 3606:  地に在る者は》持を以て而して易す》
 3607:  定すれば則ち常なり〉
 3608:  易すれば則ち変なり》
 3609:  易して変なる者は〉為なり〉
 3610:  定して常なる者は》成なり》
 3611:  天は東西往来すと雖も〉動して変するの機は素より定す〉斉整は以て常を成す〉
 3612:  地は内外上下すと雖も》静にして持すの機は紛擾す》  錯雑は以て変を為す》
 3613:  体は充せざる所莫ければ〉則ち聚散せざる者莫し〉
 3614:  気は通せざる所莫ければ》則ち生化せざる者莫し》而して
 3615:  天に在る者は〉緯中に聚散して〉而して其の体を常にす〉
 3616:  地に在る者は》経中に解結して》而して其の体を換にす》故に
 3617:  天に在る者は〉生化 跡を没す〉
 3618:  地に在る者は》生化 体を換す》蓋し
 3619:  感応なる者は〉変化紛若の為〉
 3620:  知運なる者は》素定整斉の事》是の故に。
 3621:  天は則ち其の道や定す〉其の運や常す〉感応の道は微なり〉
 3622:  地は則ち其の為や変す》其の交や各す》其の各なる者は以て感す》
 3623:                    其の変なる者は以て応す》知運の用は定さず》
 3624:  定せざる者は〉才は感応に露す〉
 3625:  定する者は》 徳は知運に具す》
 3626:  天に在るの感応〉知運と相い伴す〉
 3627:  地に在るの知運》感応と相い用す》然りと雖も。
 3628:  其の感応を分すれば。則ち栄枯の春秋を期す〉
 3629:              潮汐の朔望を期す〉
 3630:              悲歓の吉凶を期す〉
 3631:              情欲の男女を期すが如きは〉感応の常なり〉
 3632:              雲雨風雷の機》
 3633:              生化聚散の発》
 3634:              喜怒愛憎の意》
 3635:              酬醋黜陟の為》      感応の変なり》是の故に。
 3636: 苗は水土を得て茂る〉
 3637: 人は芻豢を食して肥ゆ》
 3638: 牡は牝に感して而して子は応す〉
 3639: 種は土に感して而して苗は応す》
 3640: 水は火に感して而して其の質は尽く〉
 3641: 物は水を畜えて而して其の体は壊る》
 3642: 其の跡は反すと雖も。亦た同一感応なり。故に
 3643: 柔は剛に勝てば〉則ち錫は汞に和して融し〉鉄は塩を見て壊す〉
 3644: 小は大を制せば》則ち蛞蝓は蛇を伏し》短狐は人を射つ》
 3645: 気気は錯雑し。其の用は無窮。是を以て。
 3646: 戛撃声異す〉
 3647: 栄枯彩転す》
 3648: 香臭相い移す〉
 3649: 苦甘相い転す》故に
 3650: 鐘鼓は侌晴を以て 而して清濁す〉
 3651: 諸肉は鮮腐に由りて而して腥臭す》]
 3652: 鐘鼓の声は〉侌晴を以て 而して清濁す〉
 3653: 諸肉の味は》鮮腐に由りて而して腥臭す》]
 3654: 呉藍は未だ紅ならず〉醋は未だ紅ならず〉呉藍は醋を得て〉紅は其の中に成す〉
 3655: 麹は未だ酸ならず》 米は未だ酸ならず》米麹は相い得て》酸は其の中に成す》
 3656: 知らず其の孰れか之を有し〉孰れか之を與うるを》唯だ
 3657: 感応は此の如くせしむ〉
 3658: 感応は此の如くならざらしむ》
 3659:  空甕は声無し〉耳を掩うれば則ち滂湃 声を起こす〉
 3660:  朝露は色無し》日に映ずれば則ち金碧 彩を殊にす》
 3661:  臭穢。人は則ち嘔吐を催す〉
 3662:     狗鳥は則ち之を嗜む》
 3663:  嗜苦の人は〉甘を喜ばず〉
 3664:  嗜甘の人は》苦を喜ばず》
 3665:  同一の彩声臭味は。交接相い転すれば。則ち感応自ずから別なり。是の故に
 3666:  老幼は嗜を同じくせず〉
 3667:  病健は味を異にす》
 3668:  水は溺る可きが如くにして〉而して水族は水を常にす〉
 3669:  気は餒えを愈さずして》而して蟄虫は気を含む》
 3670:  鳧雁は暖を以て去る〉
 3671:  昆虫は寒を以て蟄す》
 3672:  蛇は無足にして行く〉
 3673:  ※は無翼にして飛ぶ》
 3674:  狐は則ち人を魅す〉而して人の畜わう所の狗に啖わる〉
 3675:  人は則ち鵞を食す》而して鵞の食らう所の※に中てらる》  (中てらる=あてらる)
 3676:  動は〉偶せざれば則ち成さず〉
 3677:  植は》偶する無くして種す》
 3678:  不定は則ち神の為す所〉
 3679:  不変は則ち天の成す所》
 3680:  不定感応を知りて〉 而して各気の本と相い通するを知る〉
 3681:  各気の相い通するを知りて》而して不定の定する所を知る》
 3682:  昼夜なる者は〉日影の色より成す〉
 3683:  寒暑なる者は》日影の気より成す》
 3684:  有意無意は。其の色気に従いて。
 3685:  而して動息は粛舒す。物は声彩臭味を畜う。而して
 3686:  無意なる者は〉通して其の竅を開せず〉
 3687:  有意なる者は》通して各其の竅を開す》
 3688:  意を用いざる者は〉竅を以て通するを用いず〉
 3689:  意を用いる者は》 竅を以て通せざるを得ざるなり》
 3690:  営養行居には。求と去と有りて。而して態を親疏好悪に為す。
 3691:  日は〉東する者を求めて運す〉而して其の西する者を厭いて去る〉
 3692:  水は》卑き者を求めて流る》 而して其の高なる者を厭いて去る〉
 3693:  磁は南を求めて指す〉
 3694:  人は安を求めて就く》夫れ
 3695: 天なる者は〉清を為す者なり〉
 3696: 地なる者は》濁を為す者なり》
 3697: 清中は廼ち定常の府〉
 3698: 濁中は廼ち変化の薮》
 3699: 濁中は則ち風恬山海 天地を為す。
 3700: 而して気は彩声臭味を醸す。動植は其の間に並立す。而して
 3701: 其の形を塊岐にす〉
 3702: 其の気を神本にす》
 3703: 居を水陸に分し。類を以て各おの分処す。
 3704: 気を天に用す〉
 3705: 質を地に持す》
 3706: 経通に相い継す〉
 3707: 緯塞に相い並す》
 3708: 己れは意を有して。人の境を開す。
 3709: 体は配嗣器地に接す〉
 3710: 気は彩声臭味に交す》
 3711: 其の為作を運為して。感物の最を為す。其の感応する所は。
 3712: 順は以て之を得る〉
 3713: 逆は以て之を失す》
 3714: 向えば則ち之に会す〉
 3715: 背けば則ち之に違す》
 3716:  向する者は〉耳目の律呂黒白に於てし〉
 3717:        鼻舌の香臭甘苦に於てするが如し〉
 3718:  背する者は》耳目の香臭甘苦に於てし》
 3719:        鼻舌の律呂黒白に於てするが如し》
 3720:  或いは向い或いは背く。往くとして感応せざる無きなり。故に
 3721:  向すれば則ち接す〉 雷は耳を驚かす〉
 3722:            熱は汗を発す〉
 3723:            磁は鉄を引く〉
 3724:            琥珀は芥を吸す〉
 3725:  背すれば則ち接せず》雷は聾者を怖れしめず》
 3726:            熱は※人を煦せず》
 3727:            磁は芥を引かず》
 3728:            琥珀は鉄を吸せず》
 3729:  彼此は向背す。錯綜は章を成す。
 3730:  天地の用を為す所以なり。何となれば。
 3731:  其の呼ばざれば則ち応ぜず〉悪めば則ち親しまざる所の者は〉
 3732:  即ち呼べば則ち之に応じ》 愛せば則ち之に親しむ所の者なり》
 3733:  艸木は日を逐いて傾く〉
 3734:  潮汐は月に随いて起る》
 3735:  鱗介は陸に死す〉
 3736:  羽毛は水に困しむ》
 3737:  禾黍は霜に枯る〉
 3738:  牟麦は暑に熟す》
 3739:  魚は先に感ずるを以て〉而して雨前に※す〉
 3740:  雉は後に応ずるを以て》而して震後に応す》
 3741:  結の未だ応せざるや〉雲霧は空散す〉
 3742:  達の未だ感せざるや》崩芽は徒らに屯す》
 3743:  喜は悦に引く〉
 3744:  怒は怨に発す》
 3745:  此に疏なれば〉則ち彼に親す〉
 3746:  此に向すれば》則ち彼に背す》其の
 3747:  向する者は〉合に感するなり〉
 3748:  背する者は〉分に感するなり》
 3749:  惟だ其の道を為すこと邃然たり。
 3750:  今其の邃然たる者を指して。之を無に委せば。則ち可ならんや。故に
 3751:  意の通るや〉或いは天涯の情実を夢寐に伝う〉
 3752:  気の奨むや》或いは偶人の霊威を祭祷に致す》
 3753:  鬼は忽爾として来たる〉
 3754:  神は隠然として現わる》
 3755:  災は粛乎として消す〉
 3756:  魅は悚然として走す》
 3757:  精は以て引く〉
 3758:  誠は以て感す》
 3759:  未だ尽く誣う可からず。是を以て。
 3760:  冤憤の鬱して未だ伸びず〉
 3761:  忿怒の動きて未だ散ぜざるが如し》
 3762:  魑魅は気を使う〉
 3763:  ※鬼は毒を含む》
 3764:  事の非常に出ずる者は。未だ怪しむに足りず。惟だ
 3765:  好んで之を常にする者は〉誕なり〉
 3766:  思うて之を無とする者は》※なり》
 3767:  既に其の姦を照らせば〉老精邪鬼も〉枝を伸ぶる能わず〉
 3768:  方に其の惑を抱けば》 枯木朽株も》其の怪を為る能わず》
 3769: 地は則ち鬼神 用を伸ぶるの地なり。
 3770: 地上の万物は。乃ち感応の物なり。
 3771: 人は其の境を開けば。意為は万物に当たる。
 3772: 終に之を以て己の有と為す〉
 3773: 終に之を以て己の用と為す》
 3774: 己を以て人を統べ。感応を以て勢力を操る。
 3775: 万里を控掣す〉
 3776: 大衆を鼓舞す》
 3777: 隣と比して戒厳を分す〉
 3778: 国を隔てて絃歌を同す》
 3779: 智を以て天地に通す〉
 3780: 感を以て万物を役す》
 3781: 徳行は奉戴を致す〉
 3782: 術智は人情を御す》然りと雖も。
 3783: 物の通する所は〉我は却って此に塞す〉
 3784: 物の能なる所は》我は却って此に拙なり》故に
 3785: 我は天の不能とする所を能とし〉天は我の不能とする所を能とし〉
 3786: 我は物の不通とする所を通とし》物は我の不通とする所を通とすれば》則ち
 3787: 己を以て物を慢す〉
 3788: 人を以て天に争う》癡なるかな人。
 3789:  陸産は冬夏を以てして日に応す〉
 3790:  海水は潮汐を以てして月に応す》
 3791:  万物は其の間に擾擾として。体を隔し気を通し。相い隔し相い交す。
 3792:  体は会違を為す〉
 3793:  気は感応を為す》
 3794:  鳥飛び獣走り〉苗生じ子結ぶは〉則ち其の各自に相い動するなり〉
 3795:  雄唱え雌和し》人潅ぎ穀登るは》則ち其の各自に相い感するなり》
 3796:  各物は各おの性体す。各才は相い発接す。
 3797:  金石は火を生ず〉
 3798:  米麹は酒を醸す》
 3799:  寄居は蜷を得て居す〉
 3800:  鴨は 鶏を得て伏す》
 3801:  神は為す〉
 3802:  天は成す》
 3803:  為す者は貫す〉
 3804:  成す者は通す》
 3805:  人造を以て之を言うに。
 3806:  抑を此に為せば〉則ち揚 彼に成す〉
 3807:  益を此に為せば》則ち損 彼に成す》
 3808:  呼べば則ち応ずるを〉   順感応と為す〉
 3809:  呼ばざれば則ち応ぜざるを》逆感応と為す》
 3810:  或いは呼びて応ぜず〉
 3811:  或いは呼ばずして応ず》
 3812:  其の変や。感応と会違す。共に気物の往来なり。
 3813:  往来当遇して。而して事は天命に成す。
 3814:  神為は之を使め〉
 3815:  天成は之を事にす》
 3816:  自なるか〉
 3817:  使なるか》
 3818:  能く昭し能く冥す。
 3819:  奚を以てか此の若く昭昭たる〉二 條理を有す〉
 3820:  奚を以てか此の如く冥冥たる》一 罅縫を没す》
 3821:  昭昭は〉理なり〉
 3822:  冥冥は》故なり》
 3823:  惟だ其れ然るなり。是を以て然るなり。是の故に。
 3824:  神徳は活通なり〉
 3825:  天徳は幽邃なり》
 3826: 
 3827:   体用性才図
 3828: 
 3829:   体用   体
 3830: 精天麁地は〉混成の大物なり〉
 3831: 一侌一昜は》混成の一気なり》
 3832: 一なれば則ち大に贏らず〉
 3833: 大なれば則ち一に遺す莫し》
 3834:  一は能く二を剖す〉而して一統一散す〉
 3835:  一は能く一に対す》而して一分一合す》
 3836:  人は擾擾の中に居して。将に其の各立の累々を用いんとす。是に於て
 3837:  計紀の法有り。
 3838:  計する者は〉曲にして之を序す〉
 3839:  紀する者は》輯にして之を統す》
 3840:  曲にして序する者は〉一より十に至りて〉而して奇偶代るがわる位す〉
 3841:  輯にして統する者は》十百千万》       細巨漸みて積む》
 3842:  計して進す〉之を乗と謂う〉
 3843:  計して退す》之を除と謂う》
 3844:  乗ずれば則ち倍※什佰なり〉
 3845:  除すれば則ち毫厘秒忽なり》
 3846:  長短は則ち之を度す。多少は則ち之を量す。
 3847:  軽重は則ち之を衡す。久近は則ち之を暦す。
 3848:  皆な計の事なり。蓋し
 3849:  天数なる者は〉一統二散〉
 3850:  統すれば則ち遺さず〉
 3851:  散すれば則ち尽きず〉
 3852:  尽きず遺さず〉以て其の天を観る〉
 3853:  人数なる者は》一奇二偶》
 3854:  奇は則ち自立せず》
 3855:  偶は則ち待つ所有り》
 3856:  立せずして待ち》以て其の人を観る》是を以て。
 3857:  乗すれば則ち進すと雖も〉而も遺さざるを窮むる能わず〉
 3858:  除すれば則ち退すと雖も》而も尽くさざるを破る能わず》
 3859: 一を以て二と為す〉故に大物は没露して〉而して天地を分す〉
 3860: 一一は相い合す》 故に一気はINUNして》而して侌昜を見す》
 3861: 天地侌昜なる者は〉其の成具なり〉
 3862: 気物体性なる者は》其の為具なり》
 3863: 体は物を天地に託す〉
 3864: 性は態を分合に為す》
 3865: 性は体を具す〉
 3866: 体は性を用す》故に
 3867: 体は用を有す〉
 3868: 性は才を有す》
 3869: 神の活を体に用す〉
 3870: 物の立を性に体す》是を以て
 3871: 性は気に活して神なり〉
 3872: 体は物に立して物なり》
 3873: 其の物に体する者は性〉性を以て体を観る〉
 3874:   神を用する者は才》才を以て性を観る》
 3875: 性は能く物に体す〉物は之を幹として立す〉之を本気と謂う〉
 3876: 性は能く神に用す》神は之を運して活す》 之を神気と謂う》
 3877: 立すれば則ち攸久定常なり〉
 3878: 活すれば則ち倏忽変化なり》
 3879: 気物は此の如く没露す〉
 3880: 性体は此の如く隠見す》
 3881: 此れに有せらるる者は〉之を有し之に走る〉
 3882: 此れに道せらるる者は》之に居し之に上る》
 3883: INUNは造化を為す〉
 3884: 機跡は天命を成す》
 3885: 蓋し性は其の体を分す。一気一物。一一相い乗じて。二二即四なり。
 3886: 分すれば則ち気物性体なり〉
 3887: 合すれば則ち本根精英なり》
 3888: 本気根物。
 3889: 精体英性。
 3890: 本根は是れ物なり〉
 3891: 精英は是れ神なり》
 3892: 合は能く一を成す。
 3893: 物は其の体を幹立す〉
 3894: 神は其の性を活運す》而して
 3895: 其の活立を営養する者は。廼ち体の用なり。夫れ物は大小を有す。
 3896: 大は小を統す〉
 3897: 小は大に散す》
 3898: 天地は相い給資す〉
 3899: 侌昜は相いINUNす》
 3900: 小なる者は。其のINUNに化し。其の給する所に資す。是を以て。
 3901: 大小は神本活立するに同じ。
 3902: 体は成して而して侌昜なり〉侌は絪し昜は縕す〉
 3903: 物は立して而して天地なり》天は没し地は露す》
 3904: 侌昜に非ざれば〉則ち気物の体を一一にする能わず〉
 3905: 天地に非ざれば》則ち一一の性を気物にする能わず》
 3906: 性は体に由りて立す〉
 3907: 体は性を以て 成す》
 3908: 成すれば則ち一は鬱浡として神なり〉
 3909:       一は混然として物なり》
 3910: 活すれば則ち経運して其の性を見す〉
 3911: 立すれば則ち緯立して其の物を露す》故に侌昜INUNす。
 3912: 分は剖して罅縫を没す〉
 3913: 合は対して條理を示す》
 3914: 融は其の麁を化す〉
 3915: 通は其の精を貫す》
 3916: 其の物に於けるは。一機一体なり。
 3917: 機は動静を以て活す〉
 3918: 体は没露を以て立す》
 3919: 動静は有せざる所莫し〉
 3920: 本気は物を立するに於て〉経緯に通塞す〉
 3921:             内外に転持す〉
 3922:             南北に呼吸す〉
 3923:             水火に発収す〉
 3924: 没露は有せざる所莫し》
 3925: 大物は体を成するに於て》天物に聚散す》
 3926:             地物に解結す》
 3927:             気象に清濁す》
 3928:             気質に乾潤す》是に於て。
 3929: 気に本す〉
 3930: 物に根す〉
 3931: 質に精す》
 3932: 象に華す》
 3933: 一経一緯〉神は其の経に行す〉
 3934:      物は其の緯に居す〉
 3935: 経緯通塞〉宇宙は其の中に成す〉
 3936:  宇宙は〉則ち経緯の気の通塞する所よりして成す〉
 3937:  天地は》則ち精麁の物の没露する所よりして成す》
 3938:  成する者は為するに由る〉
 3939:  為する者は成するに由る》
 3940:  為すれば則ち通塞没露なり〉
 3941:  成すれば則ち宇宙天地なり》蓋し
 3942:  其の成するや。地体は則ち水燥土石を成す〉
 3943:         天体は則ち日影運転を成す》
 3944:         宙は率して歳月を刻す〉
 3945:         宇は容して方位を定す》
 3946:  姑く天物に就きて之を言わんに。
 3947:  経緯なる者は〉宇宙を為す者なり〉故に経緯は〉則ち宇宙に尽きず〉
 3948:  精麁なる者は》天地を為す者なり》故に精麁は》則ち天地に尽きず》故に
 3949:  成を推して為を知る〉
 3950:  為に由りて成を分す》
 3951: 一精一麁》神は其の精に活す》
 3952:      物は其の麁に立す》
 3953: 精麁没露》天地は其の中に成す》
 3954:  身の居〉足の立〉目の視〉耳の聴は〉則ち麁露の成する所なり〉
 3955:  居して其の天を知らず》
 3956:  立して其の地を覚えず》
 3957:  色にして之を視る可からず》
 3958:  声にして之を聴く可からず》則ち精没の為す所なり》
 3959:  天神は〉其の物を没す〉而して其の性を見す〉
 3960:  天地は》其の性を隠す》而して其の物を露す》
 3961:  体に非ざる者莫し。而して体は則ち一虚一実。而して
 3962:  実する者は〉天地の物を露して〉而して経緯に居す〉
 3963:  居する者は》宇宙の天を見して》而して精麁を容す》
 3964:  宇宙は能く其の体を没す〉
 3965:  天地は能く其の物を露す》夫れ
 3966:  宇宙は奚を以てか之を天と謂う〉
 3967:  時と処と偶すれば〉則ち時なる者は天なり〉
 3968:             処なる者は地なり〉
 3969:  処は能く物を容す〉則ち容する者は天にして〉而して
 3970:             居する者は地なり〉故に
 3971:  時処を合して〉   其の天と為す〉
 3972:  天地は奚を以てか之を地と謂う》
 3973:  気と物と偶すれば》則ち気なる者は天なり》
 3974:             物なる者は地なり》
 3975:  地は能く天に居す》則ち居する者は地なり》故に
 3976:  天地を合して》而して其の地と為す》
 3977:  又進みて之を食すれば。則ち
 3978:  神は能く物を為すれば〉 則ち此の天も亦た地なり〉
 3979:  成する者は天を成すれば》則ち此の地も亦た天なり》
 3980: 体なる者は〉気物体性を本根精英に於て物にす〉
 3981: 用なる者は》天地侌昜を給資INUNに於て事にす》
 3982: 本気は此に幹す。神気は此に運す。之を性才と謂う。
 3983: 之を有し之を開す。天神は之を道徳に於て認む。
 3984: 本は以て根に託す〉
 3985: 根は以て本に依す〉依託は其の物を以て立す〉
 3986: 精は体中に隠す》
 3987: 華は物表に見す》 隠見は其の神を以て活す》是に於て。
 3988: 大の一を混成するも〉亦た此の本根精英なり〉
 3989: 小の一を混成するも》亦た此の本根精英なり》
 3990:  経緯の中に在れば。則ち諸を経緯に資す。
 3991:  造化は経を為す〉
 3992:  天地は緯を為す》故に
 3993:  物の成る所は。気物を生化し。経に従い緯に居す。故に
 3994:  物 生じて未だ化せざるの間〉是れ己の経なり〉
 3995:    己れ成して佗と別る〉  是れ己の緯なり〉
 3996:  彼に経緯有りて〉此れ之を彼に資せざれば〉則ち焉んぞ此れ有らん〉
 3997:  経緯豈に本に非ざるを得んや〉
 3998:  気聚して己を活する者は》天の我に於ける者なり》
 3999:  物結して己を立する者は》地の我に於ける者なり》
 4000:  彼に天地有りて》此れ之を彼に資せずんば》則ち焉んぞ此れ有らん》
 4001:  気物豈に根に非ざるを得んや》
 4002:  本は則ち体〉体に於て体する者は性〉幹立して活運す〉
 4003:  体に体するを以て〉而して能く体中に隠す〉豈に物の精に非ざるを得んや〉
 4004:  物は則ち根》根に英する者は気なり》神は有して英は発す》
 4005:  物に華するを以て》而して能く物表に発す》豈に物の英に非ざるを得んや》故に
 4006:  物無ければ則ち已む。
 4007:  有すれば則ち本根は相依す〉
 4008:        精英は隠見す》
 4009:  本は精は具す〉
 4010:  根は華を発す》
 4011:  闕すれば則ち具に非ず〉
 4012:  無ければ則ち有に非ず》
 4013: 物は。則ち地を根と為す〉
 4014:      天を本と為す》
 4015:      機に精す〉
 4016:      気に英す》
 4017: 天地は具を設け。侌昜INUNす。
 4018: 万物は羅列し。而して其の間に並立す。
 4019: 既已に其の物を並べ。偏偏は一に合す。是を以て。
 4020: 動は則ち神気に専らなり〉
 4021: 植は則ち本気に専らなり》
 4022: 動は神気に専らなるを以て〉而して偏に神の用を見す〉
 4023: 植は本気に専らなるを以て》而して偏に物の体を立す》
 4024: 其の専らなる所は各おの異なると雖も。而も
 4025: 本根精英を具するに於ては。則ち一なり。惟だ
 4026: 麁なる者は見易し〉
 4027: 精なる者は見難し》
 4028: 見易きを推して。而して見難きを察す。精麁は終に一に帰す。
 4029: 一は則ち全成す〉
 4030: 二は則ち偏立す》
 4031: 偏偏は分散し。一は移して散に居す。
 4032: 偏なれば則ち相い依す〉
 4033: 散すれば則ち相い給すと雖も》而も亦た
 4034: 偏にして全す〉
 4035: 散にして成す》蓋し。
 4036: 気は〉物の本なり〉
 4037: 物は》気の根なり》
 4038: 之を体する者は精なり〉
 4039: 之を用する者は英なり》
 4040: 精は物中に隠す〉而して物を保営す〉
 4041: 英は物表に発す》而して神に知運す》
 4042: 神は物を露す〉
 4043: 物は神を見す》
 4044: 神は精英と雖も〉而も没中も亦た本根の託す可き有り〉
 4045: 物は本根と雖も》而も露中も亦た精英の発を為す有り》
 4046: 剖析の尽きざる所以なり。
 4047:  天地は能く有す〉故に之を万物に給す〉
 4048:  万物は有せらる》故に之を天地に資す》
 4049:  本根精英の見易き者は。其れ草木か。
 4050:  其の見易きと見難きとは。
 4051:  蓋し見る者の通塞にして。物は則ち與らず。
 4052:  易きに依りて難きを知るは。観物の法なり。
 4053:  艸木は。種子を根に託し。
 4054:  根は能く枝幹に給すれば。則ち枝幹を并せて根なり。夫れ物の成するは。
 4055:  INUNせられて 其の天を立す〉
 4056:  保運する有りて其の地を成す》故に
 4057:  本なる者は〉物のINUNに得て〉己れ奉して以て天を為す所の者〉廼ち
 4058:  松にして松を為し〉栢にして栢を為す者なり〉
 4059:  精なる者は》物の得る所の天を保し》得る所の神を運し》
 4060:  己れ之を以て開き》己れ之を以て闔る所以の者》廼ち
 4061:  松にして松を成し》栢にして栢を成する者なり》
 4062:  英なる者は。其の天の精華にして。根に畜え。精に運し。
 4063:  終に之を物表に発する者なり。
 4064:  種子を相い継ぎて。鱗次を為す者も。亦た此に在り。
 4065:  諸を鳥獣に移して之を言わんに。INUNの間。
 4066:  馬の天無くんば〉世豈に馬なる者有らんや〉
 4067:  牛の天無くんば》世豈に牛なる者有らんや》
 4068:  已に各おの其の天を奉して立す。
 4069:  各おの有する所の本根精英有り。以て其一を為す。
 4070:  精は其の骨肉の根を奉立して。情欲意智は。其の神を運し。
 4071:  英を物表に発して。天人勢を張る。
 4072:  気物体性を以てすれば〉則ち猶お其の分有るがごとし〉
 4073:  本根精英を以てすれば》則ち相い依りて一を成す》是を以て。
 4074:  気物体性は。各おの其の天を得て以て其の本根精英を合するに至れば。
 4075:  則ち天地水火より。散小万物に至りて。異なる所有る莫し。
 4076:  而して難易なる者は。人の私なり。
 4077:  易なる者は〉資して麁なる者なり〉
 4078:  難なる者は》給して精なる者なり》是を以て。
 4079: 没にして本根は〉徳なり〉体なり〉
 4080: 露にして精華は》機なり》象なり》
 4081: 物なる者は〉神を奉して己を持す〉
 4082: 神なる者は》物に居して己を運す》
 4083: 神なる者は〉英なり〉為物所奉〉
 4084: 物なる者は》根なり》為神所資》
 4085: 神は其の各を貫す〉
 4086: 天は其の一を融す》
 4087: 性は具して才は活す〉
 4088: 体は体して用は用す》
 4089: 物に体する者は〉廼ち本気〉天地を保持す〉
 4090: 気を用する者は》廼ち神気》造化を活運す》
 4091: 体は則ち天地〉
 4092: 用は則ち営養》
 4093: 立する者は則ち物〉之を立する者は則ち本なり〉
 4094: 用する者は則ち気》之を用する者は則ち神なり》
 4095:  物は風日に曝せば〉則ち持する者は保する能わず〉日に漸みて消す〉
 4096:  生は※賊に遇せば》則ち持する者は営と絶し》  漸みて化に向う》惟だ
 4097:  小物は短期〉保せず営せず〉其の物を換する有り〉
 4098:  大物は長期》保営交通して》長に其の物を持す》
 4099: 処は洪曠にして〉物は坱坱の中に体す〉
 4100: 時は攸遠にして》神は袞袞の中に用す》
 4101: 
 4102:  性体気物一合
 4103:  性体剖析一合
 4104: 
 4105:   造化  用
 4106: 神は精霊に活して〉此の若く鬱浡たり〉
 4107: 物は天地に立して》此の若く混淪たり》
 4108: 一経一緯。混淪は天地に立して〉而して物は緯に体す〉
 4109:      鬱浡は造化を行して》而して事は経に用す》
 4110:      気物は給資して〉天地は立す〉
 4111:      一一はINUNして》造化は行す》是を以て。
 4112: 立として天地に非ざる靡し〉
 4113: 行として造化に非ざる靡し》蓋し。
 4114: 混淪の体〉
 4115: 鬱浡の用》
 4116: 気は以て之を営す〉
 4117: 物は以て之を養す》
 4118: 営する者は〉侌昜INUN〉
 4119: 養する者は》一給一資》
 4120: 神に非ざれば則ち之を為す能わず〉
 4121: 天に非ざれば則ち之を成す能わず》
 4122: 為に機する者は神なり〉
 4123: 成に跡する者は誠なり》
 4124: 本に没し〉物に露す〉
 4125: 神に隠し》跡に見す》
 4126: 跡を推して機に入る。営養の用は。逃るる所莫し。
 4127: 大物は精なるを以て〉其の営養を見難し〉
 4128: 動植は麁なるを以て》其の営養を見易し》
 4129:  孰れか一孰れか一。
 4130:  大物も亦たINUNを以て成す〉
 4131:  小物も亦たINUNを以て成す》
 4132:  華と実と〉苗を継ぐにINUNす〉
 4133:  牝と牡と》子を継ぐにINUNす》
 4134:  胎実はINUNを閉じて。将に其の天地を開かんとす。開閉は相い追う。
 4135:  進すれば則ち旺する在り〉
 4136:  退すれば則ち謝する有り》
 4137:  子苗は華実牝牡にINUNす〉
 4138:  動植は日影水燥にINUNす》
 4139:  通塞覆載。本神道徳。亦た皆な一一にINUNして成する者なり。是を以て。
 4140:  保持を以て立する者は〉天地なり〉
 4141:  INUNを以て行する者は》造化なり》
 4142:  造化は以て経を引す〉
 4143:  天地は以て緯に立す》而して
 4144:  保持はINUNに外ならず〉
 4145:  INUNは保持に外ならず》
 4146:  之を万物に移して。其のINUNの跡を認むるに。
 4147:  寒暑は令に従す〉
 4148:  水旱は常に失す》
 4149:  麹※は酒を醸す〉
 4150:  金石は火を出す》
 4151:  飲食は営養す〉
 4152:  思慮は変錯す》
 4153:  INUNの各態に非ざる莫ければ。入機は跡を著わす。
 4154:  人は惟だ其の神を認む。
 4155: 見に難易有りと雖も。而も造化を経に引くは。則ち一なり。
 4156: 天は地に縕す〉
 4157: 地は天に絪す〉
 4158: 地も亦た天に絪す〉
 4159: 天も亦た地に縕す》
 4160:  天昜地侌にして。而して
 4161:  天も亦た侌昜を平分す〉
 4162:  地も亦た侌昜を平分す》故に
 4163:  天も亦た地に縕す〉
 4164:  地も亦た天に絪す》
 4165:  天物は天中に並居す〉
 4166:  地物は地中に並居す》
 4167:  然れば則ち豈に特に子苗の動植に於けるのみならんや。
 4168:  動植の立する所も。亦た一絪一縕の間のみ。
 4169: 天は地に給す》地は天に給す》天は地に資す》地は天に資す》蓋し
 4170: 物は分すれば則ち各おの其の偏に依す。
 4171: 偏は偏を待ちて。而して始めて其の全を為す。是を以て。
 4172: 水は火に資す〉火は水に給す〉
 4173:  火は水に資す》水は火に給す》
 4174:  天は能く地に給す〉
 4175:  地は能く天に給す》
 4176:  地は天に資するを以て〉其の地も亦た天なり〉
 4177:  天は地に資するを以て》其の天も亦た地なり》故に
 4178:  侌は逼して火は発す〉
 4179:  昜は噴して水は涌す》
 4180:  火は必ず侌湿を以て熾なり〉
 4181:  水は必ず昜熱を以て溢なり》
 4182:  今 一勺の水。一星の火。
 4183:  勢を継がざるの者の相い賊するを観て。以て造化を察す。亦た児童の見のみ。
 4184: 剖すれば則ち一二なり〉
 4185: 分すれば則ち一一なり》
 4186: 一一は相い資す〉
 4187: 一二は相い給す》
 4188: 是を以て物の成する。大と無く小と無く。同じく其の神物を活立す。
 4189: 成に反有りと雖も。而も彼此は同じく其の本根精英を全す。
 4190: 彼に資する無くんば〉能く此に成す〉
 4191: 此に給せずんば》焉んぞ能く彼に給せん》
 4192: 露は没に資す〉
 4193: 見は隠に資す〉而して
 4194: 隠も亦た見に資す》
 4195: 没も亦た露に資す》
 4196: INUNは相い依す〉
 4197: 給資は相い立す》故に
 4198: 精に非ざれば則ち本根に給する無し〉
 4199: 英に非ざれば則ち本根に発する無し》
 4200: 本根に非ざれば》則ち精英を有すること無し》
 4201:  一は万を有す〉散は統に居す〉
 4202:  一は統する者にして〉自ら給し自ら資す〉
 4203:  分散する者は》彼此相い依す》
 4204:  依は親疏を有す。
 4205:  疏は則ち疏に資す〉
 4206:  親は則ち親に資す》
 4207:  姑く水火に就きて之を言うに。
 4208:  水は給して火は能く燃ゆ〉
 4209:  火は給して水は能く成る》故に
 4210:  火の炭に居する〉 薪の乾く者は火の化すること早し〉
 4211:           薪の湿る者は火の持すること久し〉
 4212:  水の天地に於ける》冬寒に値えば則ち涸る》
 4213:           夏熱に値えば則ち溢る》
 4214:  雷発して雨滂沱たり〉
 4215:  雨甚だしくして火山燃ゆ》
 4216:  水を以て火に潅ぐ〉
 4217:  火を以て水を煮る》
 4218:  養賊は相い居す。是の故に。
 4219:  生する者は化する有り〉
 4220:  養する者は賊する有り》
 4221:  水火のみ独り然るに非ず。
 4222:  水は能く舟を浮す〉亦た能く舟を覆す〉
 4223:  臣は能く君を奉す》亦た能く君を覆す》
 4224:  春煦秋粛。一生一賊。
 4225:  生と賊と同じくINUNす。
 4226:  諸を艸木の栄枯。鳥獣の代謝に観て。而して知る可きなり。
 4227:  INUNなる者は〉造化の営なり〉
 4228:  給資なる者は》相依の養なり》
 4229:  雨暘燠寒。呼吸飲哺。
 4230:  皆な天地に資する有り。
 4231:  以て我を養う可し。
 4232:  以て我を賊す可し。
 4233:  此を以て彼を推す。
 4234:  麁を以て精を推す。亦た佗無きなり。
 4235:  若し之を反観せずして。而して以て諸を一に合すれば。則ち
 4236:  天地は隔絶し。水火は相い乖き。而して終に物に融通する能わず。
 4237: 統せらるれば則ち之を資す〉
 4238: 並立すれば則ち相依す》
 4239: 養すれば則ち賊する有り》自佗は並立すれば則ち然り。
 4240: 成して営せずんば〉則ち
 4241: 通する者は継がざるに断つ〉
 4242: 塞する者は充たざるに尽く〉
 4243: 成して養せざれば》則ち
 4244: 立する者は斃す》
 4245: 行する者は覆す》
 4246: 率従は齢を同じくす〉而して能く攸遠を行す〉
 4247: 望して其の闔を視ず〉
 4248: 顧して其の闢を視ず〉
 4249: 闔闢なる者は塞なり〉塞せば則ち通に非ず〉惟だ
 4250: 其を通を以て〉INUN給資の功を観す〉
 4251: 容居は量を同じくす》而して能く洪曠を立す》
 4252: 帰して其の中に尽せず》
 4253: 出して其の外に窮せず》
 4254: 窮尽なる者は画たり》画せば則ち塞に非ず》惟だ
 4255: 其の塞を以て》保営持守の立を観す》
 4256:  来して生す〉
 4257:  往して化す〉
 4258:  化化は収する有り〉
 4259:  生生は給する有り〉
 4260:  袞袞の精と雖も〉而も生化を出づる能わず〉
 4261:  已に生化を出する能わざれば〉則ち
 4262:  給資は麁と同じきなり〉
 4263:  物にして居す》
 4264:  気にして容す》
 4265:  容する者は中を示す》
 4266:  居する者は止を有す》
 4267:  坱坱の精と雖も》而も中外無きこと能わず》
 4268:  已に中外無きこと能わざれば》則ち
 4269:  保持は物と同じきなり》
 4270:  率従は齢を同じくす〉
 4271:  容居は量を同じくす》
 4272:  経緯は同じく然り。夫の万物の如く。         (「夫の」=かの)
 4273:  物は麁にして跡は顕にして。
 4274:  生化は精しからず〉
 4275:  居行は跡を有す》
 4276:  依して立する者は〉疲るれば 則ち殪す〉       (通常は「殪る」=たおる)
 4277:  従して走する者は》及ばざれば則ち覆す》
 4278:  殪すれば則ち従して立する者を継す〉
 4279:  覆すれば則ち起して行する者を出す》
 4280:  殪覆は跡を示するも〉亦た天地と久遠なり〉
 4281:  坱袞は痕を没するも》亦た殪覆と代謝す》
 4282: 散より天地を観れば〉則ち天地も亦た万物なり〉
 4283: 一より万物を観れば》則ち万物も亦た一なり》
 4284: 有痕と無痕と相い隔するが如きなれども。
 4285: 而も彼此は相い有すれば則ち一なり。
 4286: 精は体に隠す〉
 4287: 英は物に発す》
 4288: 天は没し地は露す〉
 4289: 神は為し天は成す》
 4290: 経緯没露は〉有せざる所靡ければ〉則ち
 4291: 宇宙天地は》立せざる所靡きなり》
 4292: 鬱浡は為せざる所靡し〉
 4293: 混淪は成せざる所靡し》
 4294: 天地は保持を以て立す〉
 4295: 造化は営養を以て行す》
 4296: 二は一に資す〉
 4297: 一は二に移す》
 4298: 稍や相い移すれば則ち其の保持営養は。
 4299: 経に引きて緯に居するなり。散統は一なり。蓋し
 4300: 星辰なる者は天物なり〉精清明軽にして〉景影を以て居す〉
 4301: 動植なる者は地物なり》麁濁臭穢にして》水燥を以て居す》故に
 4302: 我は我の與と。穢濁に境を開し。
 4303: 境を清浄に開する者と。天地を分す。
 4304: 其の境は清濁動止を以て剖す〉
 4305: 其の物は乾潤明暗を以て分す》
 4306: 之を合すれば。則ち
 4307: 軽清重濁を反して〉而して同じく其の天地を緯に置す〉
 4308: 循環鱗比を反して》而して同じく其の造化を経に運す》故に
 4309: 星辰動植は。同じく天地に物す。而して水燥日影の中にINUNす。
 4310:  天は宙に従す〉
 4311:  地は宇に居す〉
 4312:  神は気に遊す〉
 4313:  其の本は其の物を結す〉故に
 4314:  短は長を追い小は大に居す》
 4315:  其の神は其の気に遊す》
 4316:  其の本は其の物を結す》
 4317:  彼も亦た本根精英を具す〉
 4318:  此も亦た本根精英を具す》
 4319:  動植は同じく身生を有す。而して
 4320:  生は〉其の天を経通に遊せしむ〉
 4321:     其の地を緯塞に立せしむ〉是れ乃ち本なり〉
 4322:  身は》其の天を虚動に於て為す》
 4323:     其の地を実静に於て成す》是れ乃ち根なり》
 4324:  精は〉実なり〉
 4325:  英は》華なり》
 4326:  本根は立する有り。
 4327:  精を中に収す〉
 4328:  英を表に発す》
 4329:  英は則ち神気なり〉
 4330:  物は立して事を感応に交す〉
 4331:  実すれば則ち本気なり》
 4332:  本は保して営をINUNに事す》
 4333:  INUNは鱗比継承に於てする者なり。
 4334:  植は則ち華実なり〉
 4335:  動は則ち牝牡なり》
 4336:  植は苗に継す〉
 4337:  動は子に継す》
 4338:  之を生する者は則ち生せらるるに非ずと雖も。而も
 4339:  其の胚胎種子も亦た同じく本根精英を畜すれば。
 4340:  則ち精の実を為すや識る可し。蓋し
 4341:  物なる者は。能く天地に資し。万物に依す。
 4342:  侌昜にINUNす。
 4343:  子苗に継承す。
 4344:  内外に保営す。
 4345:  上下に持守す。
 4346:  植は養を水土雨暘に資す〉
 4347:  動は養を呼吸飲食に資す〉
 4348:  動は営を有意の思弁に為す》
 4349:  植は営を無意の知感に為す》
 4350:  大小は。有する所 異ならず〉
 4351:      開する所 相い反す》
 4352:       異を同中に具す〉
 4353:      同を異中に成す》
 4354: 一を反中に融し〉
 4355: 反を一中に隔し》 INUN給資す。
 4356: 本は以て体に幹し〉
 4357: 神は以て性に運し》侌昜大小す。
 4358: 給資すと雖も其の情を異にす。
 4359: 本根精英を成すに至りては。則ち融して有す。
 4360:  天地は物を 全すれば〉則ち己れに足らざる所莫し〉
 4361:  万物は天地に居すれば》則ち天地に資せざる者莫し》
 4362:  既已に散して万物を為す。是に於て万物の天地に資するは。
 4363:  厚薄偏周。万にして同じからず。蓋し天地は一大全物なり。
 4364:  上は日月星辰を懸す〉
 4365:  下は水火土石を布す》
 4366:  其の物は成具を為す〉
 4367:  INUN給資。動植は其の間に成するなり。
 4368:  植は偏して本気に資す〉故に其の物を冷止無意に立す〉
 4369:  動は偏して神気に資す》故に其の物を温動有意に立す》而して
 4370:  動中は反を得て〉鳥を為し獣を為す〉
 4371:  植中は反を得て》艸を為し木を為す》
 4372:  彼此 同じく天地に在す。等しく天地に資す。則ち
 4373:  其の物に就きて。其の物を求む。
 4374:  末は猶お本のごとし〉
 4375:  彼は猶お此のごとし》
 4376:  其の各を以て。則ち万物万天地。奚ぞ此に尽くさん。
 4377:  然りと雖も。我は已に我が境に居す。
 4378:  我の資して以て此の天地を為すを観れば。
 4379:  則ち佗の天地に有る者は。尽く我に具す。
 4380:  天地は我に給せざる所莫ければ。則ち天地に有る者は。尽く我に応す。
 4381:  我に応する者は。尽く天地に有る。故に
 4382:  但だ一二を摘みて之を言わんに。夫れ
 4383:  天は道徳性才を有す〉故に我も亦た道徳性才を有す〉
 4384:  天は天地天神を有す》故に我も亦た天地天神を有す》
 4385:  天の宇宙は天地なり〉人は資して死生身生を為す〉
 4386:  天の保営は知運なり》人は資して営衛意為を為す》
 4387:  天は東西南北を成すれば〉則ち
 4388:  人は前後左右を成す》
 4389:  天は転持動止を成すれば〉則ち
 4390:  人は行居睡覚を成す》
 4391:  大物は則ち侌絪昜縕なり〉
 4392:  小物は則ち牡縕牝絪なり》
 4393:  大物は則ち天没地露なり〉
 4394:  小物は則ち生没身露なり》
 4395:  動なる者は植の偶なり。
 4396:  同じく諸を天地に資すと雖も。而も諸を彼此に反す。故に
 4397:  有意を無意に於て反す〉
 4398:  横行を竪立に於て反す》
 4399:  反するを以て一に合す〉
 4400:  合するを以て依を為す》是を以て。
 4401:  人は則ち牆屋なり〉
 4402:  物は則ち営窟なり〉
 4403:  艸は則ち冬に枯す〉
 4404:  木は則ち冬に凋す〉
 4405:  事は異なりと雖も〉而も
 4406:  之を保に資するに於ては則ち同じ〉
 4407:  植は則ち水土に食す》
 4408:  人は則ち水穀に食す》
 4409:  蛆は穢を食す》
 4410:  蝉は露を食す》
 4411:  水は則ち気を食す》
 4412:  火は則ち水を食す》
 4413:  食する所は異なりと雖も》而も
 4414:  之を養に資するに於ては則ち同じ》
 4415:  天は則ち時を以て通す〉
 4416:  我は則ち寿を以て通す〉
 4417:  天は則ち物を以て塞す》
 4418:  我は則ち身を以て塞す》
 4419:  天は則ち侌昜のINUNを以て物を生す〉
 4420:  人は則ち男女のINUNを以て子を生す〉
 4421:  天は則ち本神の保営を以て継持す》
 4422:  人は則ち息食の保営を以て継持す》
 4423:  往く所皆な然り。
 4424:  神は則ち為して跡を見せず〉
 4425:  人は則ち作すに肢体を用す〉
 4426:  天は則ち行くに足を用せず》
 4427:  人は則ち行くに足を用す》
 4428:  天地は 声色臭味を内に有す〉故に外より取るの門無し〉
 4429:  物は則ち声色臭味を外に置く》故に外より取るの門有り》
 4430:  動は外より取るの門を開す〉
 4431:  植は外より取るの門を閉す》
 4432:  用と不用とを反するなり。而して
 4433:  魚は耳を目に并す〉
 4434:  蛇は足を腹に兼ぬ》
 4435:  同じく之を天地に資す〉
 4436:  還りて之を彼此に反す》
 4437: 侌昜はINUNす〉彼此は給資す〉
 4438: 内は営し外は護す〉以て立し以て行す〉物は是に於てか幹立す〉
 4439: 華は発し子は結す》物を立し他を役す》
 4440: 外を統し内を実す》以て知り以て通す》神は是に於てか活運す》
 4441: 幹立して物は混淪焉たり〉
 4442: 活運して神は鬱浡乎たり》蓋し
 4443: 精麁は物を分す〉天物精神は各を立す〉
 4444: 幹運は物に体す》本根精英は一を成す》故に
 4445: 物の各を立する所は。則ち本根精英。一を成して相い随う。夫れ
 4446: INUNなる者は〉侌昜の用なり〉
 4447: 造化なる者は》INUNの痕なり》
 4448: 天地は〉其の戸を開す〉而して之を途に上す〉
 4449: 天神は》其の機に入す》而して之を跡に成す》
 4450: INUNは痕無し。
 4451: 神妙は機に入す〉
 4452: 天誠は跡を成す》
 4453: 人は其の見を罩め。其の蘊を窺う。    (罩め=こめ)
 4454: 揜う可からざるの天に蒙す〉       (通常は「蒙し」=くらし)
 4455: 測る可からざるの神に眩す》
 4456: 窺窬百端。賊を捉えて子と為す。
 4457: 機は途に上すれば〉則ち往せしめ来せしむ〉
 4458: 跡は物に成すれば》則ち以て生し以て化す》
 4459: 施よりして造化す〉
 4460: 受よりして天命す》夫れ
 4461: 一二なる者は沿いて剖す〉
 4462: 一一なる者は並びて対す》
 4463: 跡を著すれば則ち認む。侌昜はINUNす。其の神や妙なり。
 4464: 機に入り機を出ず。誠は以て之を認む。故に
 4465: 天にして運転変化す〉
 4466: 人にして意念情態す》
 4467: 水旱※祥〉
 4468: 殺活与奪》
 4469: 事としてINUNの機に入り機を出ずるに非ざる莫きなり。
 4470:  物は動止を有すと雖も〉 而も形体を以てせず〉則ち見せず〉
 4471:  気はINUNを以てすと雖も》而も機跡を以てせず》則ち認せず》
 4472:  能く見し能く認す。事物の此の如き所以なり。
 4473:  使然なる者は〉神の精霊なり〉機に入り機を出ず〉
 4474:  自然なる者は》天の形貌なり》神を収し跡を成す》
 4475:  神は態有りて運す〉
 4476:  天は貌有りて成す》
 4477:  変態定貌にして。INUN錯雑す。
 4478:  蓋し二は一を剖す。一侌一昜なり。
 4479:  侌は侌に専らなり〉
 4480:  昜は昜に専らなり》
 4481:  一は移して二に居す。則ち
 4482:  昜も亦た一を全す〉
 4483:  侌も亦た一を全す》然りと雖も。
 4484:  昜境は侌境の全に非ず〉
 4485:  侌境は昜境の全に異なり》故に
 4486:  INUNは則ち造化なり。機に入り機を出ず。
 4487:  入する者は則ち神なり〉
 4488:  出する者は則り跡なり》
 4489:  跡にして天命を成す。
 4490:  天命の成する所は。貌の一に於けるなり。
 4491:  而して本然を観る。既已に本然は。
 4492:  自に帰し使に帰す。有意の私する有り。是に於て。
 4493: 天地は於緯に宅す〉
 4494: 造化は於経に行す》
 4495: 体は以て天地を立す〉
 4496: 用は以て造化を行す》蓋し
 4497: 一一の道は。物は相い分すれば〉則ち其の体は相い隔す〉
 4498:       気は将に合すれば》則ち各気は相い交す》
 4499: 気物は物を立す〉
 4500: 交接は事を行す》
 4501: 一一は剖して相い並するなり。反を偶して合す。
 4502: 並する者は〉與にして疏なり〉
 4503: 反する者は》偶にして親なり》
 4504: 親疏はINUNして機は感応に入る。
 4505: 造化は便ち鬼神を役使す。夫れ
 4506: 物は容載の間に塞す〉
 4507: 気は往来の経に通す》
 4508: 天地は佗無し〉塞の物なり〉
 4509: 造化は佗無し》通の気なり》
 4510: 神は変す〉故に移にして不窮なり〉
 4511: 天は定す》故に常にして攸遠なり》夫れ
 4512:  一盞の燈。徹夜其の観を変せずと雖も。
 4513:  一條の水。終古其の流を改せずと雖も。而も
 4514:  前火は後火に非ず後水は前水に非ず。
 4515:  天地と万物と。常に生生化化す。
 4516:  生化なる者は〉造化の物に在るなり〉
 4517:  造化なる者は》生化の気に在るなり。
 4518:  気に在る者は。一団の鬱浡。
 4519:  気を以て物に属す。機に入して跡に著く。
 4520:  始する者は終に継ぐ〉
 4521:  来する者は往を逐う》
 4522:  闢かず闔じず〉
 4523:  故ならず新ならず》
 4524:  往と来とは。気物の相い通するなり。
 4525:  往者は住する者を率して移る〉
 4526:  来者は未だなる者を以て至る》蓋し
 4527:  天物の精と〉地物の実なる者とは〉共に生化の端を没す〉
 4528:  水火の麁と》動植の虚なる者とは》共に生化の端を露す》
 4529:  露すと雖も而も端緒無し〉
 4530:  没して雖も而も端倪有り》
 4531:  見露は自ら異なりと雖も》而も
 4532:  居すれば則ち同じく其の宅を有す〉
 4533:  行すれば則ち同じく其の路を行す》
 4534:  宅すれば則ち緯塞す〉塞する者は容居す〉
 4535:  路すれば則ち経通す》通する者は往来す》
 4536:  来すれば則ち生し〉 往すれば則ち化する者は〉廼ち造化なり〉
 4537:  来する者は則ち当し》往する者は則ち遇するは》廼ち天命なり》
 4538:  緯体経用は。為に造化す〉
 4539:        成に天命す》
 4540: 緯体は経用の行を要すれば〉則ち各おの起して事に従す〉
 4541: 経用は緯要の体を託すれば》則ち各おの居して物に住す》蓋し
 4542: 神通は。往来なり。
 4543: 往来の麁なる者は〉方を緯に立す〉
 4544: 往来の精なる者は》方を経に立す》
 4545: 経は前後を方にす〉
 4546: 緯は内外を方にす》
 4547: 往来なる者は〉行なり〉而して行する者は方を用す〉
 4548: 容居なる者は》居なり》而して居する者は位に由る》故に
 4549: 行する者は則ち駸駸たり〉其の動に従わざる者無し〉
 4550: 居する者は則ち洋洋たり》其の止に住せざる者無し》
 4551: 行する者は居中に住す〉
 4552: 居する者は行中に行す》
 4553:  東西して已まず〉亦た此の中に住す〉
 4554:  幹立して去せず》亦た此の中に行す》是の故に。
 4555:  通して窮まらず〉亦た此の天地に維す〉
 4556:  塞して能く住す》亦た此の前後に走す》是を以て。
 4557:  人と物と。体を以て天地に居す〉
 4558:       寿を以て日月に追す》
 4559: 物は来して後に向す〉
 4560: 時は往して前に向す》故に
 4561: 時は則ち前に向して生す〉後に向して化す〉
 4562: 物は則ち後に向して生す》今を過して化す》故に
 4563: 精よりすれば則ち化は後に在す〉
 4564: 麁よりすれば則ち生は後に在す》
 4565:  緯に涯り無き者は〉経に涯り無し〉
 4566:  緯に涯り有る者は》経に涯り有り》是を以て。
 4567:  処は則ち坱坱にして〉天地は則ち中外有り〉
 4568:  時は則ち袞袞にして》造化は則ち前後有り》
 4569:  中に中無く〉外に外無く〉
 4570:  前に前無く》後に後無ければ》則ち
 4571:  其の物を為すや大なり〉
 4572:  其の期を為すや長なり》
 4573:  日月は〉則ち無前の前よりして〉而して袞袞を追す〉
 4574:  天地は》則ち無外の外を尽して》而して坱坱に居す》是を以て
 4575:  之を経し之を緯す。洋洋滾滾。及ばざる所莫し。
 4576:  麁小の物は。天地の為にINUNせらる。
 4577:  感応の在る所。有涯の身生を化す。
 4578:  身生は既に涯り有り。是に於て
 4579:  物に居して物に及ばず〉
 4580:  時を追して時に及ばず》
 4581:  此の境を執りて。而して彼の境を窺う。終に思に泥む。何となれば則ち
 4582:  有意は。此の体を得るを以て生を為す〉
 4583:      此の体を失うを以て化を為す》
 4584:  是れ有限の起滅なり。之を得て自ら私す。終に生化の故に通ぜず。
 4585:  精麁は則ち生化の態を異にせず。生化は則ち精麁長短を隔てず。
 4586:  有限と無く。無限と無く。
 4587:  今を得て 見する者は皆な生す〉
 4588:  今を失して没する者は皆な化す》
 4589: INUNは気物を解結聚散するに役す。
 4590: 緯に解結聚散する者は〉其の体は恒久なり〉
 4591: 経に解結聚散する者は》其の物は倏忽なり》
 4592: 其の物は倏忽と雖も〉而も相い継ぐ者は断たず〉
 4593: 其の体は恒久と雖も》而も往復する者は端を換すれば》則ち
 4594: 此れ亦た猶お彼のごときなり〉
 4595: 彼れ亦た猶お此のごときなり》是を以て。
 4596: 時なる者は〉往して生す〉生は将に向す〉 化は既に退す〉
 4597: 物なる者は》来して生す》生は将より来す》化は既に去す》
 4598: 将に向する者は。既する者に会して去る。故に
 4599: 前後を没して。而して今を会に於て露す。
 4600: 体を持し跡を成する者は。皆な斯の中に生化す。
 4601:  天地なる者は〉緯なり〉
 4602:  往来なる者は》経なり》
 4603:  緯は物なり〉而して
 4604:  経は気なり》
 4605:  気は活す〉而して
 4606:  物は立す》
 4607:  物は宅を得て 居す〉
 4608:  神は路に由りて遊す》
 4609:  物は能く緯に立すと雖も〉而も
 4610:  神は能く経に遊す》
 4611:  緯は則ち容居の物なり〉
 4612:  経は則ち造化の気なり》
 4613:  造は則ち活す〉
 4614:  化は則ち死す》故に
 4615:  神は活を将に畜う〉而して
 4616:    死を既に送る》
 4617:  将者は未だ活せず〉     (将者=将にする者)
 4618:  既者は終に化す》      (既者=既にする者)
 4619:  将既は端を為す〉而して
 4620:  今に当して活す》
 4621:  今に当して万有は皆な露す。
 4622:  造は前に隠す〉
 4623:  化は後に没す》
 4624:  是の故に。循環鱗比は。鬱浡乎として。尽く万有を露す。
 4625: 気は聚して物は結す〉
 4626: 物は解して気は散す》
 4627: 聚結して物は生す〉
 4628: 散解して物は化す》
 4629: 天地と万物と。同じく物なるのみ。
 4630: 其の体を結持す〉
 4631: 其の気を散通す》
 4632: INUNの跡する所なり。夫れ
 4633: 生する者は〉神為の発〉
 4634: 化する者は》天成の収》
 4635: 緯に於ては〉則ち動静に活息す〉
 4636: 経に於ては》則ち生化に活息す》
 4637: 神物経緯の用は然り。是を以て。
 4638: 緯は散結を張りて宇に横す〉
 4639: 経は生化に引きて宙に竪す》
 4640: 成具は〉則ち常に一体を持す〉
 4641: 散物は》則ち其の体を毎換す》
 4642: 常に一体を持する者は〉精にして生化を示さず〉
 4643: 其の体を毎換する者は》麁にして生化を露す》
 4644: 有せずして無なる者は》 廼ち無なり》
 4645: 明ならずして幽なる者は》廼ち幽なり》故に
 4646: 露して而して有り〉没して而して無きは〉 則ち有中の没露なり〉
 4647: 起すれば則ち明に》滅すれば則ち幽なるは》則ち明中の幽明なり》
 4648: 幽明は則ち神の地なり〉
 4649: 没露は則ち物の用なり》故に
 4650: 没するや〉気に幽にして〉而して物に無し〉
 4651: 起するや》気に明にして》而して物に有り》
 4652: 万物は聚散解結して。而して
 4653: 無は有に之く〉幽は明に之く〉
 4654: 明は幽に之く》有は無に之く》
 4655:  気にして体を結す〉故に物なり〉
 4656:  物にして体を解す》故に気なり》
 4657:  物は。結すれば則ち有り〉
 4658:     解すれば則ち無し》
 4659:  人にして華を発す。故に神なり。
 4660:  神は発すれば則ち明なり〉
 4661:  神は没すれば則ち幽なり》
 4662:  我の天地に居する。
 4663:  物を結して神を発す〉
 4664:  神を没して物を解す》
 4665:  明有るの間。没露起滅す。
 4666:  天は幽明有無を具す〉
 4667:  物は幽明有無に遊す》
 4668:  具する者は〉之を両全にす〉
 4669:  遊する者は》明有を以て其の分と為す》
 4670:        幽無を以て分外と為す》
 4671:  無なる者は有せず〉
 4672:  幽なる者は明ならず》
 4673:  幽を察して明に入る〉
 4674:  無を説きて有に入る》噫。
 4675:  無にして説く可くんば〉豈に無と云わんや〉
 4676:  幽にして知る可くんば》豈に幽と云わんや》
 4677: 常体は則ち無窮なり〉
 4678: 換体は則ち有窮なり》
 4679: 皆な一気の通なり。
 4680:  虚実は〉体の塞なり〉
 4681:  生化は》気の通なり》故に
 4682:  燈を密器の中に点ずる〉化化する能わざれば〉則ち生生を継がず〉
 4683:  穀を豊艸の際に蒔ゆ》 艸茂れば則ち穀は瘁く》        (瘁く=かじく)
 4684:  一気の通を観る可きなり。是の故に。
 4685:  樹は長じ子は結す〉
 4686:  子は隕れ樹は生す》                     (隕れ=たおれ)
 4687:  樹中は子を有せず〉
 4688:  子中は樹を有せず》
 4689:  雨露は之を有せず〉
 4690:  水土は之を有せず》 
 4691:  若し無は物を生ずと曰わば〉則ち腐種は能く生じ〉枯樹は更に栄ゆ〉
 4692:  若し有りと曰わば》則ち当に素より之を有すべし》奚んぞ必ずしも生する者を竢たん》
 4693:  生生の理は邃し〉 無は如し有なる可くんば〉則ち天地は塞がらん〉
 4694:  化化の道は微なり》有は如し無なる可くんば》則ち天地は竭きん》 (竭きん=つきん)
 4695:  無は生する能わず〉
 4696:  有は変する能わず》
 4697:  有無は那ぞ造化の蘊を開かん。
 4698:  之を煦にすれば〉則ち気を為し神を為す〉
 4699:  之を液にすれば》則ち津を為し体を為す》
 4700:  之を火にすれば〉則ち煙を為し焔を為す〉光を為し熱を為す〉
 4701:  之を水にすれば》則ち苔を為し菌を為す》臭を為し穢を為す》
 4702:  一気は通して然るなり。是の故に。
 4703:  火は木を以て薪を為す〉木は尽きず〉則ち
 4704:  火も亦た尽きず〉地に在る者の生化なり〉
 4705:  日は影を以て薪を為す》影は尽きず》則ち
 4706:  日も亦た尽きず》天に在る者の生化なり》
 4707:  水は無体の火に依して命と為す〉
 4708:  影は有象之日に依して命と為す》
 4709:  山は艸木の多きが為にして高きを加えず〉
 4710:  海は沙石の降るが為にして浅きを加えず》
 4711: 経は緯に居す〉
 4712: 緯は経に行す》
 4713: 没跡と露跡と〉精麁を分す〉
 4714: 無窮と有窮と》生化を同す》
 4715:  聚して生し散して化す。聚散生化する者は。一気の通なり。
 4716:  聚散は〉気なり〉
 4717:  生化は》物なり》
 4718:  気は〉昜なり〉
 4719:  物は》侌なり》
 4720:  聚する者は〉昜の侌に之くなり〉
 4721:  散する者は》侌の昜に之くなり》
 4722:  気は象無し〉
 4723:  物は体有り》
 4724:  生する者は〉無の有に之くなり〉
 4725:  化する者は》有の無に之くなり》
 4726:  聚は〉侌なり〉
 4727:  生は》昜なり》
 4728:  散は〉昜なり〉
 4729:  化は》侌なり》
 4730:  侌昜の道は。端倪し難きなり。夫れ
 4731:  日月水土の類は。常有にして生化に與らざる者の如しと雖も。而も生生化化す。
 4732:  惟だ端倪を為し難きのみ。
 4733:  山は水を発す〉而して生生は尽きず〉
 4734:  海は気を噴す》而して化化は已まず》
 4735:  燭光の宛然として動かざる者は。油気の下より生生するなり。
 4736:  其の遂に大ならざる者は。外に向いて化化するなり。
 4737:  化すると雖も〉生すれば則ち尽きず〉
 4738:  生すると雖も》化すれば則ち大ならず》
 4739:  是れ之を常と謂う。常にして無窮。生生與らざる者の如し。故に
 4740:  天地と雖も。亦た生化は已まず。
 4741:  若し夫れ天地 生化せずんば。則ち天地の間の物。何ぞ独り生化せん。
 4742:  天地 生化せずんば。則ち
 4743:  古の天地 更に新なり〉
 4744:  今の天地 更に故なり》
 4745:  人は皆な曰く。気は至りて生す〉
 4746:         気は尽きて化す》気は豈に尽きる可けんやと。
 4747:  生する者も気なり〉
 4748:  化する者も気なり》
 4749:  生気は病めば則ち化気は動す〉
 4750:  生気は尽れば則ち化気は旺す》夫れ
 4751: 物の成して天に応するは〉給に資するなり〉
 4752: 神の活して通に運するは》絪に縕するなり》
 4753: 蓋し諸味の鼎中に在る。
 4754: 同じく烹熟を火熱に受けて。而して味を各各に成す。故に
 4755: 盈縮消長。
 4756: 闔闢旺衰。
 4757: 天変地動。
 4758: 世態人情。
 4759: 経緯全散。
 4760: 紛紛若若。
 4761: 皆な我と。一鼎の中に在り。同じく薫蒸せらるる者なり。
 4762: 同じく薫蒸せらるると雖も其の物は各なれば。則ち其の気も亦た各なり。故に
 4763: 至精の得て其の跡を窺う可からざるより。
 4764: 天地の解結。
 4765: 転持の運動。
 4766: 日影の精。
 4767: 水燥の麁。
 4768: 金石の久。
 4769: 雲雨の忽。
 4770: 鳥獣艸木の其の跡を揜わざるにに至りては。各態一気なり。
 4771: 昜縕し侌絪し。機に入り跡を著す。
 4772:  夫れ物は各おの諸偶を有す。INUNに非ざる無しと雖も。
 4773:  與は則ち疏に。
 4774:  偶は則ち親なり。故に
 4775:  天散地結〉日発影収なる者は〉則ち相い並びて緯に成す〉
 4776:  神為天成》時往物来なる者は》則ち相い重して経に成す》
 4777:  夫れ万物の此の間に於ける。体は散し気は麁す。
 4778:  天気地質の中に居す。
 4779:  水燥日影の気を受す。
 4780:  天は地を抱す〉
 4781:  地は天を奉す》故に
 4782:  日影は往来す〉
 4783:  水燥は発収す》而して
 4784:  日燥は則ち煦して発達す〉
 4785:  影水は則ち粛して閉蔵す》是に於て。
 4786:  春夏は則ち煦煦〉鳥獣は孳尾し〉艸木は栄茂す〉
 4787:  秋冬は則ち粛粛》諸動は閉蟄し》艸木は実枯す》
 4788:  昜煦侌粛は。INUNの痕なり。其の自ら成する所なり。
 4789:  動は牝牡を以て生す〉
 4790:  植は華実を以て生す》
 4791:  魚龍は水に生す〉
 4792:  鳥獣は燥に生す》
 4793:  艸木は土に生す〉
 4794:  藻苔は石に生す》
 4795:  五※の蠹〉木に生す〉
 4796:  寄生の生》佗木に託す》
 4797:  水は火に由りて化す〉
 4798:  火は水に由りて化す》
 4799:  其の変は無窮と雖も。其の実は一気の通なり。
 4800:  或いは露して往来す〉
 4801:  或いは示して始終す》
 4802:  造なる者は〉侌絪の痕なり〉活して為す〉
 4803:  化なる者は》昜縕の痕なり》運して変す》
 4804:  生化なる者は。秒忽 相い換す。
 4805:  麁にして一始終を為すに至って。而して始めて循環鱗比を分す。
 4806:  盈縮消長。栄枯老壮。触るるに従いて態を異にすと雖も。
 4807:  通気の旺衰を出でざるなり。而して生化なる者は。旺衰の端なり。
 4808:  生化なる者は一始終なり。世と曰い。代と曰い。寿と曰い。歳と曰う。
 4809:  之を通すれば則ち佗に非ず。故に
 4810:  彼に在りては生化を為す〉
 4811:  此に在りては死生を為す》
 4812:  物に在りては。起滅と曰う。成壊と曰う。興廃と曰う。云云と曰う。
 4813:  無意に任ずるを〉死生と曰う〉
 4814:  有意に任ずるを》殺活と曰う》
 4815:  同じく神為のINUNなり。
 4816:  生生の保養は〉生気以て物を育す〉
 4817:  虐癘の※害は》賊気以て生を傷う》
 4818:  生化を為す者は〉  形跡を得ず〉
 4819:  生化を成す者は》則ち形跡を示さず》
 4820:  動にして保営す〉
 4821:  結にして持守す》
 4822:  来にして生に入る〉
 4823:  往にして化に入る》
 4824:  生来して今に居するの宅〉
 4825:  死去して既に就するの途》
 4826:  天地は此に活す〉
 4827:  天神は此に生す》
 4828:  万露は此の宅に来して湊せざるを得ず〉
 4829:  万没は去りて此の途に就せざる能わず》
 4830:  宅に会す〉
 4831:  路に違す》
 4832:  会違の経を為す者なり。蓋し
 4833:  万物は布列す〉
 4834:  万事はINUNす》
 4835:  天徳は則ち自然〉其の道は則ち成〉天態は則ち常〉天体は則ち立なり〉
 4836:  神徳は則ち使然》神の道は則ち為》神態は則ち変》神体は則ち活なり》是を以て。
 4837:  物は則ち常立の体を自ら成す〉
 4838:  神は則ち変活の用を為せ使む》
 4839:  是の体は則ち天地なり〉
 4840:  是の用は則ち造化なり》
 4841: 
 4842:  天地造化図
 4843:  造化生化図
 4844:  循環鱗比図
 4845: 
 4846:  玄語目
 4847:  地冊 没部
 4848:  天界之冊
 4849:     宇宙    図
 4850:     方位    図
 4851:  機界之冊
 4852:     転持    図
 4853:     形理    図
 4854: 
 4855:  玄 語
 4856:   日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
 4857:  地冊 没部
 4858:  天界之冊
 4859:   宇宙
 4860: 鬱浡の活〉
 4861: 混淪の立》
 4862: 神に在れば則ち神は変し天は定す〉
 4863: 物に在れば則ち機は動し体は実す》
 4864: 実は虚と偶す〉動は静と偶す〉而して
 4865: 静は実と伴す》動は虚と伴す》故に
 4866: 其の精は通塞す〉而して方位を地とす〉
 4867: 其の麁は転持す》而して虚実を物にす》
 4868: 体は〉散結して玄界に入り〉覆載して文章を具す〉
 4869: 性は》色を以て日影を成し》性を以て水燥を成す》
 4870: 経緯なる者は條理の大綱なり。
 4871: 没中は剖対す〉
 4872: 露中は通塞す》
 4873: 通は以て時を為す〉
 4874: 塞は以て処を為す》是れ乃ち
 4875: 物の宅する所なり〉
 4876: 期の路する所なり》
 4877: 時は則ち宙なり〉袞袞として移る〉
 4878: 処は則ち宇なり》坱坱として住す》
 4879: 住する者も亦た移す〉
 4880: 移する者も亦た住す》
 4881: 鬱浡混淪の中。
 4882: 神は為し天は成す〉
 4883: 宇は容し宙は率す》
 4884: 宇は容して物は居す〉
 4885: 宙は率して期は従す》
 4886: 期なる者は物の経なり〉
 4887: 物なる者は期の緯なり》故に
 4888: 物は其の体を緯に寓す〉
 4889: 気は其の期を経に引す》故に
 4890: 処は物を得て体を託す〉
 4891: 時は期を得て神を見す》
 4892: 物なる者は。神と物となり。
 4893: 神は袞袞に為成す〉
 4894: 物は坱坱に散結す》
 4895: 為成は能く始終を循環す〉
 4896: 散結は能く大小を布列す》故に
 4897: 散結の間〉大小並立す〉
 4898: 始終の間》長短競走す》
 4899: 坱坱に居して窕せず〉以て天地の大を見る〉
 4900: 袞袞に従して窮せず》以て運転の長を観る》
 4901: 処は以て中を含む〉中なる者は処に幹たる者なり〉
 4902: 時は以て今を開す》今なる者は時に活する者なり》
 4903: 坱坱は物を容し〉中は能く之を維す〉
 4904: 袞袞は期を率し》今は能く之を運す》而して
 4905: 維する者は能く没す》
 4906: 運する者は能く見す》故に
 4907: 宇容は其の坱坱を露せず〉
 4908: 宙率は其の袞袞を見せず》
 4909: 物 立して中を認む〉
 4910: 時 運して今を見す》
 4911: 既已に物を露すれば〉則ち小の小と雖も〉猶お破る可きなり〉而して
 4912: 中は則ち破る可からず〉
 4913: 破る可からざる者に非ざれば〉
 4914: 奚んぞ天地を載して撓まざるを得ん〉
 4915: 既已に頃を刻すれば》則ち短の短と雖も》猶お剖す可きなり》而して
 4916: 今は則ち剖す可からざるなり》
 4917: 剖す可からざる者に非ざれば》
 4918: 奚んぞ万露を湊めて遺さざるを得ん》
 4919: 神は用せざる所莫し〉故に時期は各通す〉
 4920: 時は往し期は来す〉
 4921: 来者は将に当らんとす〉
 4922: 往者は既に違す〉而して
 4923: 今は則ち将既の会する所なり〉
 4924: 物は体せざる所莫し》故に処物は各立す》
 4925: 処は容し物は居す》居すれば則ち之に乗す》
 4926:          容すれば則ち之に載す》而して
 4927: 中は則ち乗載の所在なり》
 4928: 時は隠見を有す〉
 4929: 処は没露を有す》
 4930: 没処は〉則ち万根の託する所なり〉
 4931:     気を発して給するに疲れず〉
 4932:     質を収めて容するに充たず〉
 4933: 見時は》則ち衆神の遊する所なり》
 4934:     来を迎して当に遺さず》
 4935:     往を送して違に停せず》故に
 4936: 時は神物に路す〉而して
 4937: 今は当遇の天を為す〉
 4938:  塞者は〉通に待たざる能わず〉
 4939:  通者は》塞に偶せざる能わず》
 4940:  塞者は維して住す〉故に通者は当りて移す〉
 4941:  通者は進みて率す》故に塞者は追して従す》是を以て
 4942:  塞者は直ちに通す〉
 4943:  通者は直ちに塞す》故に
 4944:  一塞中に住移有り〉
 4945:  一通中に率従有り》
 4946:  従者は〉気 来たる有り〉
 4947:  率者は》気 往する有り》
 4948:  気は来を以て生し〉往を以て化す》故に
 4949:  塞気 来を以て常に活すは〉神の為なり〉
 4950:  通気 往を以て常に通すは》天の成なり》
 4951:  来者は能く去る〉
 4952:  往者は能く住す》故に
 4953:  坱坱の間は〉往住せざる莫し〉
 4954:  袞袞の中は》来去せざる莫し》
 4955:  往者は来者に当して〉而して往す〉
 4956:  来者は往者に遇して》而して去す》
 4957:  当遇の会。時は則ち今を為す〉
 4958:       事は則ち命を成す》
 4959:  今の既に過ぎたるを〉前と曰う〉
 4960:  今の未だ及ばざるを》後と曰う》
 4961:  送迎の囿する所を除けば。則ち均しく今なり。
 4962:  神機は来に活す〉
 4963:  天跡は往に成す》故に
 4964:  今を以て前後を観れば。猶お中に居して左右を観るがごとし。
 4965:  精は窺い難し〉
 4966:  麁は知り易し》是を以て縦い
 4967:  神の来する有りとも〉而も物の往する無く〉
 4968:  物の往する有りとも》而も神の来する無くば》則ち
 4969:  何を以てか当遇の今を得ん》
 4970:  天地今を得て見す〉
 4971:  事物今を得て成す》故に
 4972:  機跡は始終を見し。時処は無窮を成す。
 4973:  性は物外に立せず〉
 4974:  物は性外に成せず》
 4975: 処は神物に宅し》而して中は乗載の地を為す》
 4976: 今なる者は〉往くを送り来るを迎え〉将なる者を前にす〉
 4977:                  既なる者を後にす〉
 4978:  時なる者は〉彼此 相い向う〉
 4979:  彼の前とする所は〉我の後とする所にして〉而して
 4980:  我の前とする所は〉彼の後とする所なり〉是の故に
 4981:  往者は将にせんとするに向いて既にするに背く〉
 4982:  来者は将にせんとするを離れて既にするに就く〉
 4983:  地なる者は》彼此 相い背く》
 4984:  午の上とする所は》子の下とする所》而して
 4985:  子の上とする所は》午の下とする所なり》是の故に
 4986:  午なる者は午を上にして子を下にす》
 4987:  子なる者は子を上にして午を下にす》
 4988:  其の事は則ち反す〉
 4989:  其の理は則ち同す》故に
 4990:  来者よりして之を謂えば〉則ち
 4991:  既往を前にす〉而して
 4992:  将来を後にす〉
 4993:  往者より之れを謂えば》則ち
 4994:  率して往す所を前にす》而して
 4995:  遇して去す所を後にす》故に
 4996: 来者は迎を見て去す〉
 4997: 往者は送を見て伴す〉
 4998: 来して将に去さんとするの頃にして見す〉
 4999: 将来既去なる者は則ち隠す〉故に
 5000: 生者は将に居す〉
 5001: 化者は既に去す〉
 5002:  通に非ざる者無ければ〉則ち往すとして生化に非ざる莫し〉
 5003:  往くとして生化に非ざる莫しと雖も。
 5004:  而も精麁没露は物を異にす。
 5005:  則ち其の跡は各同じからざるなり。故に
 5006:  有期なる者は〉跡を生化有り〉
 5007:  無期なる者は》生化に痕無し》故に
 5008:  将に生すれば則ち来して化に向かう〉
 5009:  既に化すれば則ち去して生に遠ざかる》
 5010:  既に生すれば則ち起りて往に従う〉
 5011:  化を為すれば則ち及ばずして息す》故に
 5012:  物は中外を有す〉
 5013:  期は始終を有す》
 5014:  既に生する者は〉則ち送を見て伴う〉
 5015:  伴いて及ばず〉以て其の化を観る〉
 5016:  始は既に在り〉終は将に在す〉
 5017:  将に生する者は》則ち迎を見て来す》
 5018: [来而不停》以観其化》] (杵築写本・梅園全集ともに同じであるが、おそらく書き損じ。)
 5019:  来して停まらず》以て其の生を観る》 
 5020:  始は将に居す》終は既に当す》
 5021: 中なる者は気を吐し質を吸す》
 5022: 虚に遠く実に近し》故に
 5023: 気は吐を見て発す》
 5024: 質は吸を見て収す》
 5025: 吐に遠く吸に近きの地にして没す》
 5026: 之を吐し之を吸すの処にして露す》故に
 5027: 解する者は外に遊す》
 5028: 結する者は中に依す》夫れ
 5029: 処なる者は物を容す〉物なる者は処に居す〉
 5030: 時なる者は期を率す》期なる者は時に従す》故に
 5031: 処と時と経緯を偶す〉
 5032: 物と期と経緯を偶す》故に
 5033: 今は能く事を見すと雖も〉而れども諸を物に立せざれば〉則ち将た奚をか為さん〉
 5034: 処は能く物を露すと雖も》而れども諸を期に移せざれば》則ち将た奚をか成さん》
 5035: 期は物に因りて事を成す〉
 5036: 物は期に因りて功を畢う》
 5037:  処なる者は坱然たり〉物にして後紀する所有り〉
 5038:  時なる者は袞焉たり》期にして後紀する所有り》
 5039:  其の物は則ち天地なり〉
 5040:  天は規矩を有し〉東西南北を成す〉
 5041:  地は拗突を有し〉湖海山野を成す〉
 5042:  其の時は則ち時期なり》
 5043:  期は往来を有す》緩急盈縮を見す》
 5044:  時は会違を有す》明暗寒熱を示す》故に
 5045:  湖海山野は〉東西南北に依して〉而して方処を紀す〉
 5046:  明暗寒熱は》緩急盈縮に依して》而して節序を成す》
 5047:  天地は物を成す〉
 5048:  節序は期を成す》是に於てか。
 5049:  物は事を成す〉
 5050:  期は功を畢う》
 5051: 袞袞は窮まらず〉期は則ち始終す〉始終なる者にして〉而も長有り短有り〉
 5052: 坱坱は無※なり》物は則ち天地す》天地なる者にして》而も大有り小有り》
 5053: 大物は坱坱に居して窕せず〉而して
 5054: 小物は天地を分して並び居す〉
 5055: 長期は袞袞に従して已まず》而して
 5056: 短期は歳月を追いて及ばず》而して
 5057: 大小長短。亦た自ずから統散を有す。
 5058: 統中は〉則ち天は大にして〉 而して地は小に〉 転は長にして運は短なり〉
 5059: 散中は》則ち天地は大にして》而して万物は小に》運転は長にして衆期は短なり》
 5060: 人は小物なるを以て〉短期を得る》
 5061: 弾丸の如く実結する者を得て之を踏む〉
 5062: 瑠璃の若く清虚する者を見て之を仰ぐ》
 5063: 明暗は相い換す〉寒暑の相い推す者を時にして之を経す〉
 5064: 乾潤は相い生す》動止の相い立す者を侶にして之に依す》
 5065: 我の麁体を以て。而して物の麁露を認む。故に
 5066: 日月山海は〉我の天地なり〉
 5067:  天は瑠璃の若く〉地は弾丸の若くなるに由りて》之を観れば。
 5068:  覆する者は天を為す〉
 5069:  載する者は地を為す》然りと雖も。
 5070:  天なる者は〉気の名なり〉而して
 5071:  地なる者は》物の名なり》
 5072:  故に処を以て時に対すれば。則ち
 5073:  時なる者は気なり〉天を為す〉
 5074:  処なる者は物なり》地を為す》
 5075:  同じく此れ処なり。
 5076:  或いは天と呼ぶ〉
 5077:  或いは地と呼ぶ》
 5078:  猶お是れ此の一身。父に対して子と呼び。
 5079:  子に対して父と呼ぶがごとくなり。故に
 5080:  瑠璃の如き天〉
 5081:  弾丸の如き地》
 5082:  則ち天地を物中に開して有り。
 5083:  次第に相い開く。則ち
 5084:  天地は愈いよ有り。而して     (愈いよ=いよいよ)
 5085:  気物は愈いよ瑣なり。
 5086: 昼夜冬夏は》我の期紀なり》
 5087: 水燥の中にINUNす〉
 5088: 動植の物に相依す》
 5089: 天地は坱坱に物す》而して
 5090: 万物は其中に並立す〉
 5091: 歳月は袞袞に期す》而して
 5092: 衆期は其間に競走す》
 5093: 時は処に時す〉
 5094: 処は時に処す》
 5095: 期は物に期す〉
 5096: 物は期に物す》蓋し
 5097: 宇宙は精没を以てす〉
 5098: 天地は麁露を以てす》
 5099: 天は動止の機を畜す〉
 5100: 地は虚実の体を有す》
 5101: 天は虚と雖も而も動を以て其の体を剛にす。
 5102: 何ぞ地の実を以て其の体を堅にするに異ならん。故に
 5103: 麁露の天地は。堅ならざれば則ち剛なり。故に
 5104: 地の物を立する〉
 5105: 天の物を浮する》
 5106: 堅剛は同じく一なり。
 5107: 剛処は〉日影の象 之を占む〉
 5108: 堅処は》水燥の物 之を占む》是に於て
 5109: 象質は天地を隔して居す〉
 5110: 歳運は転持を分して行す》
 5111: 象と質と各おの其の気を得て配す。
 5112: 気象は時節を紀するの物を為す〉
 5113: 気質は生化を為するの物を為す》故に
 5114: 虚動は〉経具なり〉
 5115: 実静は》緯具なり》
 5116: 実静は天地を成す〉而して
 5117: 虚動は転持を成す》
 5118: 転中は〉則ち万象運転す〉期は往復循環に在り〉
 5119: 持中は》則ち万質相換す》期は生化鱗比に在り》故に
 5120: 転物は常に一体を持す〉
 5121: 持物は毎に其の体を換す》
 5122:  大物は小物を容す〉
 5123:  有窮は無窮に居す》
 5124:  小物なる者は有窮なり〉体体 相い換す〉引きて之を無窮に致す〉
 5125:  大物なる者は無窮なり》其の体を常に持す》生化は一体なり》
 5126:  生化一体なる者は〉生化すと雖も〉而も其の痕を露せず〉故に無窮と曰う〉
 5127:  体体相い換す者は》亦た無窮を致すと雖も》
 5128:  前体を以て後体とするに非ず》生化の痕は顕なり》故に有窮と曰う》
 5129:  前体は後体と一なれば〉則ち生化は其の中に行す〉而して其の物は無窮の若し〉
 5130:  前体は後体と別なれば》則ち彼は化し此は生す》 而して其の物は有窮の若し》
 5131:  無窮なる者は〉終まりて始まる〉
 5132:  有窮なる者は》始まりて終わる》
 5133:  其の道は同じからざると雖も。而も生化の通に於ては。則ち一なり。
 5134:  人なる者は。麁物なり。小体なり。
 5135:  身は画する所有り〉
 5136:  生は尽きる所有り》
 5137:  尽きる有るの生を以て〉
 5138:  画する所の身を有す》是を以て。
 5139:  其の智は囿する所有り。
 5140:  麁小を以て精大を推し。大物を窒す〉
 5141:             長期に眩す》而して
 5142: 万物は大物と居す〉
 5143: 衆期は長期に従す》
 5144: 地は〉塊焉たる一円物〉
 5145: 下は能く上を為す〉西は能く東を為す〉
 5146:  時は気を以て通す〉
 5147:  処は体を以て塞す》
 5148:  塞中〉天は動し地は静す〉
 5149:  通中》事は移し物は住す》
 5150:  住する者は止に定す〉
 5151:  移する者は行に通す》
 5152:  中なる者は〉止の主〉物は之に居す〉位は之に立す〉
 5153:  今なる者は》移の主》事は此に行す》物は此に換す》
 5154:  事は此に行す》
 5155:  物は此に換す》
 5156:  中は〉立して移さず〉
 5157:  今は》移して居さず》
 5158:  立する者は〉中外に位有り〉
 5159:  移する者は》来去に方無し》
 5160:  気質は坱中に物す〉
 5161:  気象は袞中に跡す》
 5162:  気質は物ならざれば〉則ち焉んぞ処を露するを得ん〉
 5163:  気象は跡ならざれば》則ち焉んぞ時を紀するを得ん》
 5164:  気は西し象は東す〉動を以て時の紀を成す〉
 5165:  天は外し地は中す〉静を以て処の位を立す》
 5166:  坱坱の立は〉中 破る可からず〉而して外は辺無し〉
 5167:  体は一なりと雖も〉而も一面一背の二用を有す〉
 5168:  袞袞の移は》今 剖す可からず》而して時は界無し》
 5169:  行は一なりと雖も》而も一往一来の二跡を有す》
 5170:  円中は一心を点して〉外は際涯無し〉
 5171:  直中は一頃を見して》外は前後を隠す》
 5172:  中なるや〉南に中す〉
 5173:       北に中す〉
 5174:       西に中す〉
 5175:       東に中す〉
 5176:  無際涯に中して〉    而して能く移動する者を維す〉
 5177:  今なるや》前に今す》
 5178:       後に今す》
 5179:  去を積みて後を厚くせず〉
 5180:  来を奪いて前を薄くせず》而して能く静立する者を移す》
 5181: 時は悠焉たる一直気》前を転じて後を為す》
 5182:           生を収して化を為す》
 5183: [彼の車輪を観るに。
 5184:  一辺は水を載し〉仰ぎて来たる〉
 5185:  一辺は水を潟し〉俯して往く》
 5186:  車輪なる者は〉有体の往来なり〉猶お且つ端を見ず〉]
 5187: [彼の水車を観るに。
 5188:  輪の一辺は水を載し〉仰ぎて来たる〉
 5189:    一辺は水を潟し〉俯して往く》
 5190:  水車の輪なる者は有体の往来なり〉猶お且つ端を見ず〉]
 5191:  前後なる者は》無象の往来なり》
 5192:  孰れか逆えて其の首を見ん〉
 5193:  孰れか将って其の尾を見ん》蓋し
 5194:  時なる者は〉往来を以て 前後を為す者なり〉
 5195:  期なる者は》生化に由りて始終を為す者なり》
 5196:  時は往来を有す〉物は当して前後を分す〉
 5197:  期は始終を有す》時は移して新故を成す》是を以て
 5198:  天地は前後を有す〉
 5199:  万物は新故を有す》
 5200:  人は始終新旧の質を以て。駸駸たる者を追う。
 5201:  是に於て将迎の間。智の画する所有り。
 5202:  以て疑を天地に為す。今を以て故を観れば。則ち鴻濛たり。
 5203: [後を以て今を観れば。亦た胡ぞ然らざらんや。]
 5204: [後を以て今を観れば。則ち今は胡ぞ鴻濛たらんや。]
 5205:  既往将来は〉典籍の伝うる所〉事跡の推す所を除く〉而して智の至らざる所なり〉
 5206:  四方上下は》見聞の及ぶ所》 思慮の至る所を除く》而して智の至らざる所なり〉
 5207:  塞する所に於て。而して強いて之を通ぜんと欲す。故に
 5208:  其の知る所は愈いよ広くして〉而して知らざる所は愈いよ遠し〉
 5209:  其の知る所は愈いよ※にして》而して其の知る所は愈いよ※し》
 5210:  混混たる者をして粲粲たらしめんと欲す〉
 5211:  粲粲たる者をして混混たらしめんと欲す》
 5212:  理を誣うるに非ざれば。則ち自ずから蔽なり。
 5213:  過ぐれば 則ち後なり〉
 5214:  及ばざれば則ち前なり》
 5215:  天は此の間に往来す。
 5216:  物は此の間に生化す》
 5217:  知運感応の為す所〉
 5218:  当遇会違の成す所》
 5219:  人に於ては。則ち治乱興廃。酬醋黜陟。皆な此に於てす。
 5220:  我は此に生化す。自ずから此に起滅す。
 5221:  無際の有際を容れ〉有窮の無窮に通ずるを知らず》
 5222:  此の無窮を有窮に於て窮めんとするは。難し。
 5223: 万物は成壊し〉給資を用する有り〉
 5224: 衆期は始終し》旺衰を為する有り》
 5225: 循環する者は気象〉
 5226: 鱗比する者は気質》
 5227: 循環する者は〉各期 相い定す〉故に之を推すに〉会違は数を出でざるなり〉
 5228: 鱗比する者は》各期 定す無し》故に之に従うに》変化は予す可からざるなり》
 5229:  気象は運転し〉天を周り地を周る〉其の機は違わず〉 參差の中に整斉す〉
 5230:  日を為し年を為し〉章を為し紀を為す者は〉歳なり〉
 5231:  象質は升降し》天を行し地を立す》其の機は定まらず》整斉の中に參差す》
 5232:  風を起し雨を行い》和を為し戻を為す者は》運なり》是を以て
 5233: 循環する者は精〉
 5234: 周周は端無し〉
 5235: 生化は相い接す〉
 5236: 始終は相い依す〉
 5237: 鱗比する者は麁なり》
 5238: 一過して跡を顕わに》
 5239: 起滅して始終を為す》
 5240: 旺衰して新故を為す》而して
 5241: 生化の天地に通するに於ては。則ち隔てざるなり。故に
 5242: 各体は並び立つ〉
 5243: 衆期は相い追う》
 5244: 各体を大体に比するに〉大体は無垠なり〉
 5245: 人は数を立し》而して后物体の広狭小大を比方す〉
 5246: 衆期は長期を比するに》長期は無際なり》
 5247: 人は数を立し》而して後経歴の久近長短を比方す》
 5248:  人は己に立する所有り。彼の循環鱗比を観る。
 5249:  循環は定度常期有れば〉則ち
 5250:  各行を計えて而して会離を定めんと欲す〉暦の起こる所以なり〉
 5251:  鱗比は定度常期無くば》則ち
 5252:  歳月を係けて而して長短を比せんと欲す》寿の用うる所以なり》
 5253:  天に長短の各期有り〉
 5254:  人は奇偶の数を設け〉乗除して之を計う〉
 5255:  物に參差の変化有り》
 5256:  人は書数の技を設け》連綿として之を記す》蓋し
 5257:  天なる者は測る可からず。
 5258:  人巧は接物の法を窮めんと欲す》故に
 5259:  衡を立てて軽重を弁じ。
 5260:  量を立てて多少を知り。
 5261:  度を立てて長短を測り。
 5262:  漏を立てて久近を分つ。人の設なり。蓋し
 5263:  処なる者は〉天動地止の処なり〉
 5264:        虚なる者は遠く浮く〉
 5265:        実なる者は深く沈む〉
 5266:        遠浮深沈は共に露す〉      而して
 5267:        立する者は能く容し能く載す〉  而して
 5268:        中の微は〉此の広大を露す〉
 5269:  時なる者は》神為天成の時なり》
 5270:        前なる者は将来せんとす》   (将来せんとす=将に来たらんとす)
 5271:        後なる者は引去せんとす》   (引去せんとす=引きて去らんとす)
 5272:        将来引去は共に隠す》      而して
 5273:        当する者は随いて見し随いて隠す》而して
 5274:        当の忽は》此の攸久を成す》
 5275:  物は〉中を守して立し〉外に向いて通す〉
 5276:  神は》今に当して活し》後に向いて息す》
 5277:  物は通して体を失う〉
 5278:  神は息して跡を留む》
 5279:  跡を留まりて神は息す〉
 5280:  機を発して神は活す》
 5281:  統散して各おの神を有す。而して小は則ち大に資す。故に
 5282:  機発は絶えず〉之を生生と謂う〉
 5283:  跡収は已まず》之を化化と謂う》
 5284:  循環なる者は〉往復して期を為す〉
 5285:  始する者は終す〉
 5286:  終する者は始す〉
 5287:  鱗比なる者は》生死して期を為す》
 5288:  死する者は息し》生する者は継す》
 5289:  天物は長存の体なり〉
 5290:  地物は毎換の体なり》
 5291:  存換は同じからずと雖も。彼此は同じく通中に生化す。故に
 5292:  体を存する者に於ては〉則ち歳と曰い〉暦と曰う〉
 5293:  体を換する者に於ては》則ち場と為し》寿と為す〉蓋し一なり。故に
 5294:  循環する者に於ては〉漏を置きて時を刻す〉
 5295:  日の一周地の頃を〉一百と為す〉
 5296:  月は天を周る〉
 5297:  日は天を周る〉
 5298:  東西両線の相い旋るは〉頃を此に資す〉故に
 5299:  会離の紀は〉亦た此に成す〉
 5300:  鱗比する者に於ては》則ち歳を定し日を立す》
 5301:  日の一周天の頃を》一歳と為す》
 5302:  歳中は明暗を会す》月を置き日を置く》
 5303:  長短夭寿の経歴するは》此に於て資す》故に
 5304:  今循環する者は〉人の資す所に就いて之を言えば〉則ち
 5305:  日一周地は一百刻〉
 5306:  月一周地は一百三刻〉
 5307:  日一周天は〉三万六千五百二十三刻にして贏る〉
 5308:  月一周天は〉二千七百五十五刻にして贏る〉
 5309:  天の成する所を以て之を言えば》
 5310:  各各一期にして》期は定するに由りて》而して推す所を逃れず》
 5311:  鱗比する者は〉人の資する所に就いて之を言えば〉
 5312:  長寿は千万歳〉
 5313:  短期は朝に夕を崇ばず
 5314:  或いは数十歳〉或いは十数日〉
 5315:  天の成する所を以て之を言えば》
 5316:  各各一期》歳月の定期に比す》
 5317:  此の長短を察するを得る》故に
 5318:  奇偶を相い畳んで。十を紀し百を紀す。
 5319:  皆な天の数に非ざるなり。
 5320: 万物は散小し。一大全物に居す。
 5321: 全なれば則ち神本は力敵す〉
 5322: 敵すれば則ち持す〉
 5323: 持すれば則ち久し〉
 5324: 散すれば則ち神本は力偏す》
 5325: 偏すれば則ち傾く》
 5326: 傾すれば則ち顛る》
 5327: 衆期の寿を天地に於て争うこと能わざる所以なり。
 5328:  天地なる者は物を以て成す〉
 5329:  象質なる者は性を以て成す》
 5330:  象なる者は色を為して見す〉
 5331:  質なる者は性を為して露す》故に
 5332:  日月景影は〉色を虚中に於て見す〉
 5333:  水火湿燥は》性を実中に於て示す》
 5334:  天地侌昜の物立して。而して星辰は上に散す〉
 5335:               動植は下に聚す》而して
 5336:  星辰は循環の物なり〉
 5337:  動植は鱗比の物なり〉
 5338:  循環する者は其の期攸久なり〉
 5339:  鱗比する者は其の期斯須なり》
 5340:  鱗比の中も亦た神本に長短有り。
 5341:  本気に富める者にして〉而して能く長し〉
 5342:  本気に乏しき者にして〉而して能く短し〉
 5343:  神気に富める者にして》而して能く変化す》
 5344:  神気に乏しき者にして》而して変化に拙し》
 5345:  其の錯綜に至りては。則ち
 5346:  実物攸久と雖も〉而も鹵輭動植と寿を争う能わず〉
 5347:  雲雨倏忽と雖も》而も朝菌蜉蝣は》旦夕を持せず》夫れ
 5348:  地は止し天は行す〉
 5349:  天は令し地は奉す》是に於て
 5350:  天は日月を率す〉而して明暗照蔽す〉
 5351:  地は従し天は行して〉寒熱粛舒す〉
 5352:  其の事を紀して暦と曰う〉乃ち晦望会離〉昼夜冬夏の事なり〉
 5353:  時は移して物は換す》人は運し事は変す》是に於て
 5354:  万物変動の事》人世換革の態は》其の事を紀して史と曰う》乃ち
 5355:  日月山河》人物鳥獣の事なり》。是を以て
 5356:  各周各転 各おの期を為す者は〉天の暦なり〉
 5357:  各周を相い比し》其の久近を方べ》
 5358:  止地に立ちて転天を観》規矩を建てて》会違を正す者は》人暦なり》 (検索キー「なる者は」)
 5359: 
 5360:  四界図
 5361:  宇宙転持図
 5362:  宇宙図
 5363:  宇宙方位図
 5364:  時処今中図
 5365:  時処期物図
 5366: 
 5367:     方位
 5368: 坱然たる其の処。物は之を得て居す。然り而して
 5369: 物は則ち神を得て活す〉
 5370: 神は則ち物を得て立す》
 5371: 坱坱は位を得ざれば〉則ち何ぞ能く物を容せん〉
 5372: 活動は方を得ざれば》則ち焉んぞ能く其の神を行せん》故に
 5373: 位なる者は〉立する所の基なり〉
 5374:  物は処を得ざれば則ち居さず〉
 5375:    位を得ざれば則ち立せず》
 5376:  植は地に著して立す〉
 5377:  動は地に依して立す》
 5378:  依著は異なりと雖も。而も之を地に由りて立するに於ては則ち同じきなり。
 5379:  我と物と。已に位に由りて立す。小に由りて大を察す。
 5380:  天地位を得ざれば則ち立せず。故に
 5381:  天は地を得て居す〉
 5382:  地は中を得て立す》故に
 5383:  外は容せざる所莫し〉
 5384:  中は載せざる所莫し》
 5385: 方なる者は》行する所の路なり》
 5386:  車を置けば則ち箱〉舟を泛かぶれば則ち水〉故に
 5387:  上に在らざれば則ち下なり〉
 5388:  左に在らざれば則ち右なり〉居する者は位を以てせざる能わず〉
 5389:  車を行せば軌に従う》舟を行せば風に従う》故に
 5390:  東に方せざれば則ち西なり》
 5391:  従を行せざれば則ち衡なり》行する者は方を以てせざる能わず》
 5392: 位は基を為す〉而して物は以て立す〉
 5393: 方は路を為す》而して気は以て行す》故に
 5394: 宇宙なる者は。経緯の通塞なり。
 5395: 時の袞袞は〉前後 方を為す〉
 5396: 処の坱坱は》中外 位を為す》
 5397: 並びて其の精なる者なり。
 5398: 神は転持を見す〉
 5399: 物は天地を露す》
 5400: 愈いよ其の方位に由る。
 5401: 天地なる者は物なり。
 5402: 物なる者は虚実の体〉
 5403:      正斜の形》を以て而して
 5404: 其の位に居す〉
 5405: 其の方を行す》故に
 5406: 気は動すと雖も〉而も其の形は静なり〉
 5407: 時は通すと雖も》而も其の位は立す》
 5408: 位は形の静を以て定す〉
 5409: 形は位の立を以て成す》是に於て
 5410: 形は位に由りて理を布す〉
 5411: 位は理に由りて中に定す》
 5412: 形位は相い成すと雖も。而も未だ虚実の体を得ざれば。
 5413: 物は何を以てか成さん。故に
 5414: 物は形を舍てて存せず〉
 5415: 形は物を除きて成さず》然り而して
 5416: 物体は形に依りて立すること能わず。
 5417: 中は地を無内に占む〉而して其の外は無垠なり〉故に
 5418: 位は立して円は成す〉
 5419: 守は中を両頭に見す》而して其の縫は腹を為す》故に
 5420: 矩は立して規を成す〉此の故に
 5421: 位は以て其の地を定す〉
 5422: 形は以て其の体を成す》
 5423: 大物なる者は。動気実体なり。
 5424: 実体は位を得ざれば〉則ち居すること能わず〉
 5425: 動気は方を得ざれば》則ち行する可からず》而して
 5426: 其の実体の立は。動気の活を以てなり。是を以て
 5427: 持中に在れば〉則ち呼吸に動す〉
 5428: 転中に在れば》則ち運転に動す》故に
 5429: 位なる者は〉体の立する所なり〉
 5430: 方なる者は》神の向する所なり》
 5431: 体は立して而して神は其の中に活す〉
 5432: 方は定して而して神は其の中に運す》蓋し
 5433: 体なる者は立す〉
 5434: 神なる者は運す》
 5435: 体は乃ち形を外に於て成す〉外に成する者は〉能く内を統する者なり〉
 5436: 神は乃ち理を内に於て成す》内に成する者は》能く外を貫する者なり》故に
 5437: 発する者は気を中に資す〉
 5438: 収する者は体を中に帰す》
 5439: 中外なる者は坱坱の位なり。
 5440: 時今の古今を行すると偶するなり。故に
 5441: 大小は体を有す〉而して
 5442: 中外は体を没す》
 5443:  持際は内を為す〉
 5444:  転際は外を為す》故に
 5445:  内は能く輻持す》
 5446:  外は能く輪転す》
 5447:  中なる者は〉無内の一点なり〉
 5448:  外なる者は》無垠の坱坱なり》故に
 5449:  地持なる者は小なり〉
 5450:  小なる者は猶お容するの内を有す〉
 5451:  容するの内無き者にして〉而して後
 5452:  物として載せざる莫し〉物として載せざる莫きが故に天地之に乗して止す〉
 5453:  天転なる者は大なり》
 5454:  大なる者は猶お容せらるるの処を有す》
 5455:  容せらるるの処無き者にして》而して後
 5456:  物として容せざる莫し》物として容せざる莫きの故に天地之に居して立す》
 5457: 天地は一円体。
 5458: 気は見し体は露するよりして之を分すれば。則ち
 5459: 地は中を地心に於て占す〉
 5460: 天は中を転心に於て占す》
 5461: 転心は中を両端に達す〉
 5462: 外なる者は縫を半腹に合す〉
 5463: 地心は中を無内に占す》
 5464: 外なる者は無垠に位す》故に
 5465: 天地より之を言えば〉山壑水燥を載するの地は〉中の一点に乗す〉
 5466:           日月景影を容するの天は〉外の無垠に居す〉
 5467: 覆載より之を言えば》覆する所の日月景影は外を成す》
 5468:           載する所の山壑水燥は内を成す》
 5469: 転持は内外を為す〉
 5470: 転守は中端に極す》是を以て
 5471: 転内は持を裏む〉                (裏む=つつむ)
 5472: 持外は転を載す》
 5473: 斜中に之を観れば。規中は能く守し〉
 5474:          守外は能く転す〉
 5475: 転は西を為す〉
 5476: 守は北を為す〉
 5477: 西面は象を逆にす》
 5478: 北外は環を転す》
 5479: 逆は東を為す》
 5480: 環は南を為す〉
 5481: 西北は則ち天の定方なり〉
 5482: 上下は則ち地の静位なり〉
 5483: 東南は則ち転の変方なり》
 5484: 内外は則ち持の動位なり》
 5485:  気は動静を分す〉
 5486:  動は静持を転す〉
 5487:  外は転処を為す〉
 5488:  内は持処を為す〉
 5489:  物は虚実を分す》
 5490:  虚天実地は》下を地体と為す》
 5491:        上は天体を為す》
 5492:  内下は則ち本なり〉本なれば則ち中に帰して止す〉
 5493:  外上は則ち末なり》末なれば則ち坱坱に之きて際涯無し》
 5494:  転は運を分す。而して背馳を為す。是に於てか。
 5495:  気は東西南北を運す。
 5496:  混焉たる大物〉中を以て其の依と為す〉
 5497:  上下内外の位の本づく所は〉散結発収の由る所なり〉
 5498:  滾焉たる転気》極を以て其の依と為す》
 5499:  東西南北の方の成する所は》呼吸運転の資す所なり》是に於て
 5500:  動は其の形を斜にす〉而して以て方を行す〉
 5501:  静は其の形を正にす》而して以て位に居す》
 5502:  車は輪を有す〉而も輪は軸に依りて旋らざること能わず〉
 5503:  軸は旋に幹す》而も軸は輪を用いて行かざること能わず》是を以て
 5504:  西に向いて旋る者は〉気なり〉
 5505:  正立して之を西に向かわしむる者は〉気の幹なり〉故に之を西軸と為す〉
 5506:  東に向いて旋る者は》運なり》
 5507:  斜側して之を東に向かわしむる者は》気の幹なり》故に之を東軸と為す》
 5508:  西軸は止して其の位を守す〉
 5509:  東軸は動して西軸を環す》故に
 5510:  東西なる者は。各おの輪旋すれば。則ち
 5511:  東西は指点の地無し。唯だ
 5512:  運輪は其の一規に通して〉東せざる所莫し〉
 5513:  転輪は其の一規に通して》西せざる所莫し》
 5514:  已に一規に通して》西せざる所莫ければ〉則ち其の軸を為して守する者は〉
 5515:    両端に通して〉而して北を為せざるを得ず〉 (「其の」を欠くか。)
 5516:  已に一規に通して》東せざる所莫ければ》則ち其の軸を為して環する者は》
 5517:  其の両端に通して》而して南を為さざるを得ず》是の故に
 5518:  西北の方なる者は竪なり〉
 5519:  東南の方なる者は横なり》
 5520:  人は天地の半を以て。己の天地と為す。
 5521:  其の中央に立して。衡従之を望む。是に於て守軸は両端を為す。
 5522:  一は北を為す〉
 5523:  一は南を為す》
 5524:  日去るの方を西行中線の向する所に取りて〉以て西を為す〉
 5525:  日来るの方を西行中線の背する所に取りて》以て東を為す》是を以て
 5526:  静を言いて動に遺す者は。未だ全を言うに足らず。
 5527:  然りと雖も竪は両向を為す。而して人は半体の天地に在り。
 5528:  動なる者は不定なれば。則ち定する者に就きて方を取る。
 5529:  定する者に就きて方を取れば。則ち
 5530:  静規矩に従いて。而して東西南北を定するは。亦た
 5531:  人の以て廃す可からざる者なり。是を以て
 5532:  全方なる者の〉動静の規矩に成すは〉天なり〉
 5533:  偏方なる者の》十字の衡従に成すは》人なり》是を以て
 5534: 升降は内に輻持す〉
 5535: 運転は外に輪転す》
 5536: 運すれば則ち東す〉
 5537: 転すれば則ち西す》
 5538: 西は則ち北を守す〉
 5539: 東は則ち南を守す》故に
 5540: 上下内外は〉円を以て其の中に成す〉之を心と謂う〉
 5541: 東西南北は》矩に由て其の中に成す》之を極と謂う》
 5542:  一は必ず二を具す。是を以て
 5543:  静円は中外を得れば〉則ち
 5544:  動直も亦た中外を得る》唯だ
 5545:  静円は中を得て以て無内を成す〉
 5546:     外を得て以て無外を成す〉
 5547:  動直は中を得て以て至狭を為す》
 5548:     外を得て以て至広を為す》
 5549:  極の成する所なり。
 5550:  形なる者は円にして直を成す〉故に直円は正形を為す〉
 5551:  理なる者は直にして円を成す》故に規矩は斜形を為す》
 5552:  規矩は理を経緯に分す〉
 5553:  直円は形を内外に混す》故に
 5554:  中外の成する所は。直円を各おの有す。
 5555:  之を平にすれば則ち中辺なり〉
 5556:  之を長にすれば則ち中端なり》
 5557:  剖析の成する所なり。
 5558: 物なる者は中を得て立す〉
 5559:      外を得て居す》是を以て
 5560: 機は止を中に得ざれば〉則ち動す可からず〉
 5561: 体は居を外に得ざれば》則ち実す可からず》
 5562: 天地は物を同せず〉故に各おの其の位を立す〉
 5563: 象質は動を同せず》故に各おの其の方を行す》是を以て
 5564: 位は静を以て立す〉
 5565: 方は動を以て見す》
 5566: 中は坱然の処を維す〉実する有りて気を給す〉
 5567: 外は眇焉の点を抱す》剛を以て物を保す》
 5568: 物は則ち之を給の気に於て資す〉
 5569: 気は則ち之を保の物に於て養す》
 5570: 資給養保は。此の間に居す〉
 5571:       此の間に行す》故に
 5572: 物立は中外に由る〉
 5573: 事行は向背を為す》故に
 5574: 気象なる者は〉時の物〉動して其の居に常せず〉是を以て方を用す〉
 5575: 気質なる者は》処の物》止して其の居を変ぜず》是を以て位に体す》故に
 5576: 行する者は気なり〉路は乃ち其の方〉隠然たりと雖も〉而も
 5577: 行する者は由らざるを得ず〉
 5578: 居する者は物なり》宅は乃ち其の位》邃然たりと雖も》而も
 5579: 居する者立せざるを得ず》此の故に
 5580: 機なる者は見気〉動止の麁跡は総て 動に入る〉
 5581: 体なる者は露物》虚実の麁体は同じく静を為す〉是を以て
 5582: 方位は。処を物に定す。而して事を物に於て立す。
 5583: 物は外を得て居す〉中を得て立す〉
 5584: 気は外を得て行す》中を得て止す》
 5585: 居者は移す〉
 5586: 行者は復す〉
 5587: 止すれば定す》
 5588: 立すれば静す》夫れ
 5589: 処は物を容す〉
 5590: 物は処に居す》
 5591: 処は方位を容す〉
 5592: 物は方位に成す》而して
 5593: 物に大小有り。小処は小方位を成す。
 5594:  素にして塊なり〉
 5595:  文にして岐なり》
 5596:  物形の態然り。
 5597:  体を塞する者は〉正円正直なり〉
 5598:  質は内に在り〉
 5599:  気は外に在り〉
 5600:  下は内に合す〉
 5601:  上は外に合す〉
 5602:  体を通する者は》斜円斜直なり》
 5603:  南北は相い背く》
 5604:  東西は相い面す》
 5605:  日影の照蔽する所〉
 5606:  両極の隠見する所》
 5607:  必ず地の半を分す。人は地の半に倚りて。
 5608:  以て輿地を平望す。
 5609:  日の出入に従いて〉而して東西成す〉
 5610:  極の隠見に由りて》而して南北分す》
 5611:  縄は上下を生す〉
 5612:  身は中辺を定す》
 5613:  規矩を衡従す。東西南北を定す。是れ人の地面の條理に従いて。而して
 5614:  方位を定する者なり。人は又其の形に就きて方位を分す。則ち
 5615:  前後左右。本末内外。以て紀す。此を以て彼に比す。
 5616:  天に合する所の上下内外は〉我に於て本末内外を分す〉
 5617:  地に於て有する所の東西南北は》我に於て前後左右を為す》
 5618: 小物は小天地を成す》
 5619: 小大は同じく天地を有す〉
 5620: 小大は各おの方位を具す》
 5621: 衡従横竪の條理は。上下内外の位〉
 5622:          東西南北の方》之を四紀と謂う。
 5623: 上下は中外を合す〉
 5624: 表裏は内外を合す》
 5625: 衡従は東西南北を統す。
 5626: 小物は資して本末内外の位〉
 5627:       前後左右の方を為す》
 5628: 蓋し中外の位。物反して巓趺す。是を以て。
 5629: 動植は資する有り。又其の本末を反す。
 5630: 動は本と上に在り〉             (本と=もと)
 5631: 植は本と下に在り》
 5632: 外は則ち表皮〉
 5633: 内は則ち裏肉〉
 5634: 前後左右。動は身の面背手足に於て分す〉
 5635:      植は葉の面背中辺に於て見す》
 5636: 彼此を以て類を異にす。而して其の様を異にす。
 5637: 気の異なるを以て。而して理形方位は同じからざるなり。故に
 5638: 日月星辰の其の行を経緯すると〉
 5639: 雲雷水火の其の行を浮沈すると》
 5640: 山壑の拗突と〉
 5641: 水潮の流遡とは》
 5642: 理に随いて変化す。
 5643: 天地は已に成器を得。已に其の物を全す。
 5644: 成器はINUNす。物は其の中に生す。
 5645: 動植は形を塊岐に於て分す〉
 5646:    理を邪曲に於て為す》
 5647:  植は地に著きて竪立す〉
 5648:  動は地を離れて横行す》
 5649:  動植の並立は。塊岐に随う。次第に其の文を開す。
 5650:  金石も亦た植なり〉其形を塊然とす〉而して
 5651:  艸木は則ち岐然として文を開す〉
 5652:  介甲は亦た動なり》其形を塊然とす》而して
 5653:  禽獣は則ち岐然として文を開す》故に
 5654:  金石は纔に内外を有す。
 5655:  未だ本末を得ず。艸木鳥獣にして。漸く本末を有す。而して
 5656:  艸木は〉本を下にし末を上にす〉
 5657:  鳥獣は》本を上にし末を下にす》
 5658:  植なる者は質物〉養を下より資す〉
 5659:  動なる者は天物》養を上より受す》
 5660:  動に首尾と曰う〉
 5661:  植に根幹と曰う》
 5662:  首尾根幹と雖も。上下は同じからず。而して
 5663:  艸木は〉精華を末に発す〉
 5664:  鳥獣は》精華を上に在す》則ち
 5665:  終に一本末に帰す。
 5666: 亦た各おの其の分に随う。各おの其の方位を具す。
 5667:  内外なる者は皮肉の分なり〉
 5668:  本末なる者は首尾の位なり》
 5669:  人の前後左右を有すは〉猶お
 5670:  天の東西南北を有すがごとし》而して
 5671:  頂の前後より。並び下りて※に至るを中界と為す。
 5672:  人の此の界を有すは〉 猶お
 5673:  天の中線を有すがごとし》
 5674:  人は地上に在す。半天地を以て全天地と為す。
 5675:  円体を観て。而して平体と為す。其の見界に従いて。四方を定む。
 5676:  是れ以て能く見界の條理を正すと雖も。而も直円の真を遺す。
 5677:  身に中界有りて左右を分すは〉
 5678:  地に中線有りて南北を分すに同じ。》
 5679:  南北は則ち同様なり〉
 5680:  彼れ寒ければ則ち此れ熱し〉
 5681:  彼れ動すれば則ち此れ止す〉
 5682:  左右は則ち同形なり》
 5683:  左持すれば則ち右転す》
 5684:  右行すれば則ち左止す》
 5685:  南北は迭互の序を有す〉
 5686:  左右は迭互の用を有す》
 5687:  天行は東より進み〉  而して東退せず》
 5688:  人行は前に向いて進み》而して却歩すること能わず》是を以て
 5689:  左右は南北に応ず〉
 5690:  前後は東西に応ず》而して
 5691:  南北は則ち其の用を均しくす〉
 5692:  左右は則ち利鈍なる者有り。蓋し
 5693:  我れは半天地を以て。全天地と為す。
 5694:  又た中線を分して各おの処を分す。故に
 5695:  北人は身を西線の北に於て偏にして〉偏北を其の正地と為す〉
 5696:  南人は身を西線の南に於て偏にして》偏南を其の正地と為す》然れば則ち
 5697:  北人左右の利鈍は。
 5698:  南人の反を為すか。
 5699:  或いは佗に反する者有りて我れ未だ識らざるか。
 5700:  姑く存して他日を待たん。故に
 5701: 人は方を得て行せざれば則ち躓く〉
 5702:   位を得て立せざれば則ち顛る》
 5703:  天は則ち方位と立行と一なり〉故に
 5704:  其の位を有して則ち立す〉
 5705:  其の方を有して則ち行す》
 5706:  人は則ち方位と立行と別なり》故に
 5707:  能者は其の位を安んじ》其の道に由る》
 5708:  不能者は則ち顛躓に至る》是を以て
 5709:  人位は則ち安危を有す〉
 5710:  人道は則ち淑慝を有す》
 5711:  内に情欲意智を畜うるに由る。是を以て
 5712:  人生は天の自然に及ばず。
 5713:  人情は天則を得て之に法らんと欲す。
 5714:  是れ之を人義と謂う。若し能く之に法れば。則ち
 5715:  徳を以て其の位に居る〉
 5716:  道を以て其の方に由る》
 5717: 
 5718:  中外方位図
 5719:  大小方位図
 5720: 
 5721:   転持
 5722: 神本に在れば則ち活立す〉
 5723: 天神に在れば則ち機跡す》
 5724: 宇宙に在れば則ち通塞す〉
 5725: 天地に在れば則ち動止す》
 5726: 徳に居す〉
 5727: 道に行す》
 5728: 物に定す〉
 5729: 事に変す》
 5730: 転に転す〉
 5731: 持に持す》
 5732: 華に発す〉
 5733: 液に収す》
 5734: 往くとして動静に非ざる莫し。動静は是れ機なり。廼ち本根の精なり。
 5735: 此の気は以て華液を発収す。
 5736: 静なるや精を以て隠す〉
 5737: 動なるや麁を以て見す》
 5738: 静を以て神物に路宅す。活神露物の此中に在する所以なり。
 5739: 動に非ざるや見る可からざるなり〉
 5740: 静に非ざるや位す可からざるなり》故に
 5741: 其の運転升降。拗突高下。芸芸擾擾。皆な静に由りて紀す。是を以て
 5742: 動は止地を得て〉以て変擾を紀す〉
 5743: 静は動天を得て》以て蘊奥を発す》
 5744: 中なる者は静の心なり。而して動の就きて止す所なり。是を以て静と類す。
 5745: 猶お虚の動と混するがごときなり。
 5746: 気物の天地を結す。
 5747: 其の質は地に実す〉
 5748: 其の気は転に達す》故に
 5749: 天地は動静を分す。
 5750: 静なる者は天を虚し地を実す〉
 5751: 動なる者は天を転し地を持す》
 5752: 転中は以て運転環守す〉
 5753: 持中は以て呼吸発収す》故に
 5754: 静は則ち物の体にして混淪として宅を有す〉
 5755: 動は則ち神の用にして鬱浡として活を有す》故に
 5756: 塞なる者は静なり〉天は容し物は居し〉動の根を喪う〉
 5757: 通なる者は動なり》時は率し期は従し》静の状を没す》
 5758: 静なる者は動ならず〉
 5759: 位は立し物は居す》
 5760: 形は成し体は立す〉
 5761: 動なる者は静ならず》
 5762: 象は旋し歳は成す〉
 5763: 質は動し運は出す》
 5764: 転する者は転守す〉
 5765: 持する者は持止す》
 5766: 発する者は鬱発す〉
 5767: 収する者は粛結す》
 5768: 剖に従いて機有り。蓋し
 5769: 体は天地を成す〉
 5770: 性は天神を成す》
 5771: 相い得て物は神を含す。
 5772: 坱坱に居す〉
 5773: 袞袞に行す》
 5774: 坱坱は処を為す〉
 5775: 袞袞は時を為す》
 5776:  坱坱は未だ方位を見ず〉象質 動して方位を見す〉
 5777:  袞袞は未だ歳運を見ず》象質 交して歳運を成す》
 5778:  坱坱は其の処なり〉内外は散結を容す〉
 5779:  袞袞は其の時なり》往来は歳運を成す》
 5780:  散結は能く塞す〉
 5781:  往来は能く通す》
 5782:  塞する者は以て居す〉
 5783:  通する者は以て行す》
 5784:  通して行する者も亦た塞して住す〉
 5785:  塞して居する者も亦た通して移す》
 5786:  居する者は其の体を常にす〉
 5787:  行する者は其の体を移にす》
 5788:  昨の天地は〉今収む可からず〉 以て住の移を観る〉
 5789:  今の事物は》昨に異なる所無し》以て移の住を観る》
 5790:  通塞は精と雖も。亦た動静の機なり。
 5791: 時処は〉天なり〉
 5792: 神物は》物なり》
 5793: 天は能く物を容す〉
 5794: 物は能く天に居す》
 5795: 天地は天神を用す〉
 5796: 天神は天地に体す》是を以て
 5797: 住して塞を為す者も亦た移す〉
 5798: 逝きて通を為す者も亦た住す》
 5799: 処は容して物は居す〉
 5800: 天は有して神は発す》
 5801: 時は通して神は運す〉
 5802: 処は塞して物は止す》
 5803: 止する者は中に依す〉
 5804: 運する者は今に当す》是に於て
 5805: 処は塞して物は居す〉
 5806: 時は通して期は従す》
 5807: 常なる者は歳を以て成す〉
 5808: 変なる者は運を以て為す》
 5809: 蓋し率者は袞袞なり〉動する者は理を以て行止す〉
 5810:   容者は坱坱なり》静する者は形を以て虚実す》
 5811: 経通は発収の物に由りて〉而して歳運を成す〉
 5812: 緯動は散結の物に従いて》而して転持を成す》
 5813:  神なる者は物を用する者なり〉
 5814:  物なる者は神に体する者なり》故に
 5815:  袞袞坱坱。気は動し物は止す。
 5816:  各おの体は物を為す〉
 5817:  各おの神は事を用す》
 5818:  体は虚に非ざれば則ち実なり〉
 5819:  用は居に非ざれば則ち行なり》故に
 5820:  天動地止は〉居して動す〉
 5821:  神為天成は》立して行す》故に
 5822:  運転環守〉 呼吸発収なる者は〉 動止なり〉
 5823:  歳運の消長》象行の先後なる者は》遅疾なり》是を以て
 5824:  体に居し気に行す。以て事物を成す。
 5825:  没露体用。往くとして然らざる無きなり。
 5826: 機を全天地に於て観れば〉則ち
 5827: 天なる者は動なり〉
 5828: 地なる者は静なり〉
 5829: 機を天地於て剖すれば》則ち
 5830: 地は気虚物実の静天地を成す》
 5831: 天は気動物止の動天地を成す》故に
 5832: 全天地の中は以て動静す。而して
 5833: 天地は転持の偶名を為す。而して
 5834: 大物は天地を以て 動静す〉
 5835: 小物は天地に由りて動静す》
 5836: 天地を以てする者は〉 行居 方位を露せず〉
 5837: 天地に由りてする者は》行居 各おの方位に由る》
 5838: 物の没露は。体の虚実に由る。
 5839: 体は形に由りて成す〉
 5840: 形は理に由りて布す》
 5841: 理なる者は気の道路なり〉
 5842: 形なる者は体の容貌なり》
 5843: 気 運せざれば則ち形は見せず。
 5844: 形 見せざれば則ち物は露せず。
 5845: 体は気物性体。全偏大小を有す。
 5846: 性 異なれば則ち物も異なり。
 5847: 物 異なれば則ち理も異なり。
 5848: 理 異なれば則ち形も異なり。
 5849: 各気は各理に随う。
 5850: 各理は各物に成す。是を以て
 5851: 天地なる者は静なり〉円は直を含す〉
 5852: 転持なる者は動なり》矩は規を成す》
 5853: 静に直円と謂う〉
 5854: 動に規矩と謂う》
 5855: 規は東西を有す〉気は従いて運転す〉
 5856: 矩は南北を有す》気は従いて呼吸す》而して
 5857: 円は内外を布し〉気は以て転持す〉
 5858: 直は上下を有す》気は以て発収す》
 5859: 内外なる者は円の位なり〉
 5860: 上下なる者は直の位なり》
 5861:  転持なる者は〉気なり〉転位は外を占し〉持位は内を占す〉
 5862:  天地なる者は》体なり》天位は上を占し》地位は下を占す》
 5863:  天は円を以て形を為す〉
 5864:  地は直を以て理を為す》
 5865:  転は規を以て形を為す〉
 5866:  持は矩を以て理を為す》
 5867:  天なる者は動なり〉
 5868:  地なる者は止なり》
 5869:  天は動を以て運転し東西を分す〉
 5870:  地は止を以て環守し南北を分す》故に
 5871:  天は運転を以て動し〉環守を以て止す〉
 5872:  地は土石を以て止し》呼吸を以て動す》
 5873:  運転は東西に在り〉
 5874:  呼吸は南北に在り》
 5875:  天地はに理を円中の直に於て共にす。而して以て規矩を為す。
 5876:  円を以てして〉而して気は転して西に面す〉
 5877:            象は運して東に面す〉
 5878:  直を以てして》而して昜は吸して侌は呼す》
 5879:            南北は面を代るがわるす》是を以て
 5880:  天気は南に吸すれば〉則ち
 5881:  地気は北に発す》而して
 5882:  其の間は則ち水燥の遊する所。
 5883:  下より発して升す〉
 5884:  上より結して下す》蓋し
 5885:  地体なる者は止す〉万質は皆な親しんで此に著く〉
 5886:  天気なる者は動す》万象は皆な親しんで此に之く》
 5887:  天に親しんで気に之けば〉則ち其の勢は軽を為す〉
 5888:  地に親しんで質に著けば》則ち其の勢は重を為す》此を以て
 5889:  軽浮の勢は勝れば》則ち重と雖も沈すること能わず〉
 5890:  重沈の勢は勝れば》則ち軽と雖も浮すること能わず》
 5891:  人造を以て之を言えば。彼の舟の如し。
 5892:  虚は以て軽浮の気を盛りて。而して
 5893:  重沈も之が為に挙げらる。而して沈むことを得ず。故に。
 5894:  沈実の重は〉其の軽に輸れば則ち沈せず〉     (輸れば=まければ)
 5895:  軽浮の勢は》其の重に輸れば則ち浮せず》
 5896:  是を以て軽浮重沈の勢は。本と胡越に非ざるなり。    (本と=もと)
 5897: [何となれば則ち石を繋ぎて〉而して
 5898:   諸を千仞の岸に下せば〉
 5899:  重は下に援きて〉而して力は復た挙ぐ可からず〉
 5900:  船に縄して諸を千尋の底に挽けば〉
 5901:  軽は上に引きて》而して力は復た潜む可からず》蓋し
 5902:  勢は反し力は※しく事は殊にして意は同じ》] 
 5903: [何となれば則ち今試みに気中より縄を以て石を繋ぎて〉而して
 5904:  諸を千仞の岸に下せば〉
 5905:  重は下に援きて〉而して力は復た挙ぐ可からず〉
 5906:  亦た試みに姑く身を水底に潜め》
 5907:  空器に気を盛り〉
 5908:  綸して諸を千尋の上に上ぐれば》
 5909:  軽は上に引きて》而して力は復た潜む可からず》蓋し
 5910:  勢は反し力は※しく事は殊にして意は同じ》]
 5911: 転持は動天地なり〉
 5912: 虚実は静天地なり》
 5913: 気物は立天地なり〉
 5914: 物気は活華液なり》
 5915: 物なる者は天地なり〉
 5916: 気なる者は侌昜なり》
 5917: 華液は乃ち侌昜の見する者なり。
 5918: 天地は能く運転呼吸す〉
 5919:  気象の行は。各おの東西を為す。
 5920:  西なる者は北を以て守す〉
 5921:  東なる者は南を以て環す〉
 5922:  象なれば則ち一聚一散なり》
 5923:  聚する者は明にして熱なり》
 5924:  散する者は暗にして寒なり》
 5925:  気は能く東すと雖も〉而も東する者は象を主と為す〉
 5926:  象は能く西すと雖も》而も西する者は気を主と為す》
 5927:  若し西行を以て〉象の之に随うと為さば〉則ち
 5928:  何を以てか日月星辰は相い南北す〉
 5929:  若し東行を以て》専ら象の行と 為さば》則ち
 5930:  恒星は何を以てか斉しく東西せん》然り而して
 5931:  日は往き影は移り〉月は疾く星は遅きに由りて之を観れば〉則ち
 5932:  象中に緩急有り〉
 5933:  西する者は守し定するに疾く〉
 5934:  東する者は守し環するに遅きに由りて之を観れば》則ち
 5935:  気中も亦た緩急有り》故に
 5936:  分して之を言えば〉則ち気は西し象は東す〉
 5937:  合して之を言えば》則ち気象は各おの東西す》蓋し
 5938:  西転の一周は則ち近し〉
 5939:  西する者の軸は〉北を為して竪す〉
 5940:  北する者の輪は〉西を為して横す〉
 5941:  其の中線は一規は〉即ち西中なり〉
 5942:  東運の一周は則ち遠し》
 5943:  東する者の軸は》南を為して竪なり》
 5944:  南する者の輪は》東を為して横なり》
 5945:  其の中線の一規は》即ち東中なり》
 5946: [故に北軸は常に守す〉     ([ ]内は全集にあって〉写本939になし。)
 5947:  南軸は常に環す》
 5948:  環する者は其の行遅し〉
 5949:  守する者は其の行疾す》且つ 
 5950:  西する者は気を転ず〉
 5951:     東する者は象を運す》]
 5952:  象は東旋に由りて運すと雖も。亦た各自 行を為す。
 5953:  日なる者は。象の主なり。路は東中に縁る。故に
 5954:  參差の間。準を日行に於て取る。蓋し
 5955:  西する者を以て正と為さば。則ち東する者は斜なり。
 5956:  猶お行舟の正しく風に対す可からずして。勢を避けて斜に走るがごとし。
 5957:  天地の機は。一動一止なり。
 5958:  動は外に在れば則ち東西す〉
 5959:  内に在れば則ち呼吸す》
 5960:  東西と呼吸と同じく気なり。
 5961:  天の転を為すや〉
 5962:  東 明なれば則ち西は暗なり〉
 5963:  西 明なれば則ち東は暗なり〉
 5964:  物は之に従いて動息を為す〉
 5965:  地の持を為すや》
 5966:  南 寒すれば則ち北は熱すなり》
 5967:  北 寒すれば則ち南は熱すなり》
 5968:  物は之に従いて消長を為す》故に
 5969:  日影は東西中に在りて東西す〉
 5970:  水燥は上下中に在りて上下す》
 5971:  上升下降〉上面始めて転す〉
 5972:  東運西転》下面始めて持す》
 5973:  天の偏覆する無きは〉西するを以てなり〉
 5974:  日の偏照する無きは》東するを以てなり》故に
 5975:  気は東西の転を有す〉
 5976:  象は順逆の行を有す》
 5977:  西転は日を逆行して以て年を成さしむ〉
 5978:  東運は日を順行して以て歳を成さしむ》是に於て
 5979:  気は東西南北すれば〉則ち
 5980:  象は明暗寒熱す》
 5981:  明暗は東西を得て昼夜を成す〉
 5982:  寒熱は南北を得て冬夏を成す》
 5983: 華液は能く鬱発凝融す》
 5984:  天地なる者は体物〉処を得て居す〉
 5985:  華液なる者は性物》天地を得て居す》是を以て
 5986:  天地は運転呼吸を有す〉
 5987:  華液は鬱発凝融を有す》其の事は同じ。
 5988:  鬱昜は発して火を為す〉
 5989:  凝侌は融して水を為す》
 5990:  天地なる者は長持の物〉解結聚散は緯に於て成す〉
 5991:  水火なる者は相換の物》解結聚散は経に於て成す》而して
 5992:  鬱する者は止す〉
 5993:  発する者は動す》
 5994:  凝する者は収す〉
 5995:  融する者は発す》
 5996: 天なる者は円にして端無し〉
 5997: 地なる者は直にして端有り》
 5998: 直にして端有る者は長なり〉
 5999: 体 天円に有せらるるを以てなり〉而して地は一小円塊を為す〉
 6000: 円にして端無き者は大なり》
 6001: 気 地直に持せらるるを以てなり》而して転は一平長線を為す》
 6002: 円にして端無し〉
 6003: 運転は行を中に分す〉
 6004: 運転は唯一の円線なり〉
 6005: 一線は西転し〉一線は東運するは〉 円の道なり〉
 6006: 東して尽きず〉西して窮まらざるは〉直の道なり〉
 6007: 長逝を以てして東運は尽きず〉西転は窮まらず〉
 6008: 循環を以てして西転し東運し〉往復は輪を為す〉
 6009: 気は運転を為す〉
 6010: 物は順逆を為す〉故に
 6011: 日行は月を逆えて朔を為す〉
 6012: 日行は月の去るを送りて望を為す〉
 6013: 月と日と行を天中に於て通す〉
 6014: 東西は順逆し〉以て上下を分す〉
 6015:  日行は天の旧位に会するの頃を〉一歳と為す〉
 6016:  転行は地の旧位に会するの頃を》一転と為す》
 6017:  日は東して遅し〉
 6018:  西に転して疾し》
 6019:  遅は疾中に在り。東する者は西す。
 6020:  東する者は天を周す〉
 6021:  西する者は地を周す》故に
 6022:  日の周天は歳を為す〉
 6023:    周地は日を為す》
 6024: 直にして端を有す》
 6025: 呼吸は気を中に分す》
 6026: 呼吸は唯一の直気なり》
 6027: 半辺は内に吸し》
 6028: 半辺は外に呼すは》   直の道なり》
 6029: 呼は極まれば則ち吸し》
 6030: 吸は極まれば則ち呼すは》円の道なり》
 6031: 長逝を以てして》而して此に吸し》彼に呼す》
 6032: 循環を以てして南北は呼吸し》往復は輻を為す》
 6033: 気は呼吸を為す》
 6034: 物は発収を為す》故に
 6035: 気呼は物発を得て夏を為す》
 6036: 気吸は物収を得て冬を為す》
 6037: 日と地と》居を天地に於て隔して》南北は呼吸し》以て環守を分す》
 6038: 外は則ち運転す〉
 6039: 内は則ち呼吸す〉
 6040: 転持は動かざるところ無し〉
 6041: 上は則ち散虚し》下は則ち実結す》
 6042: 天地は静せざる所無し》然り而して
 6043: 静天地は〉巓天趺地して居す〉
 6044: 動天地は》巓持趺転して活す》
 6045: 絶頂を凌がざれば。則ち焉んぞ丘陵の迂邪を弁ぜん。
 6046: 運行の主象〉
 6047: 転行の主気》
 6048: 両円は相い合すれば。則ち
 6049: 中外は円を合す〉
 6050: 環守は理を分す》
 6051: 若し其の合を分せば〉 則ち
 6052: 運圏の載する所は〉便ち転圏の立する所なり〉
 6053: 転圏の立する所は〉実地 之を占む〉
 6054: 転圏の載する所は〉便ち運圏の立する所なり》
 6055: 運圏の立する所は》虚天 之を占む》
 6056: 地球の実する所を出ずれば〉則ち水球燥球は相い重なる〉
 6057: 天趺粲爛の文を見して〉
 6058: 静天は影を以て其の中に充す〉
 6059: 天趺の虚する所を踰ゆれば》則ち日規月規は相い重なる》
 6060: 地趺錯雑の章に遇して》
 6061: 動天は燥を以て其の中に居す》
 6062: 静地の露する所にして〉而して動天は隠す〉
 6063: 動地の見する所にして》而して静天は没す》
 6064: 静中は虚実に分居す〉
 6065: 動中は運転に分行す》是を以て 同じく是れ一日月なり〉
 6066: 以て東行を為す〉
 6067: 以て西行を為す〉
 6068: 或は南照を為す》
 6069: 或は北照を為す》
 6070: 地質は静物なり〉
 6071: 天象は動物なり》
 6072: 天行は地を周す〉
 6073: 象行は天を周す》
 6074: 天行は象を回して。象は翻って地を周す。
 6075:  日は東線を環して一転を成す〉高卑は輪を別にし〉周天は其の中に在す〉而して
 6076:  其の間は〉星は東に移し〉天は西に移す〉
 6077:  月は月道を環して一転を成し》高卑は輪を別にし》周天は其の外に出す》而して
 6078:  其の間は》日は東に往し》交西に後る》故に
 6079:  周天の会期は。各天の成紀に非ざるなり。
 6080: 日月の周天するを順行と為す〉
 6081:    周地するを逆行と為す》  神為なり。
 6082: 天は日に会すれば則ち一歳を成す〉
 6083: 日は地に会すれば則ち一日を成す》天成なり。是を以て
 6084: 日月の体は〉会して朔を成し〉違して望を成す〉
 6085: 運転の線は》会して分を成し》違して至を成す》
 6086:  分なる者は春秋の中なり〉
 6087:  至なる者は冬夏の端なり》
 6088:  混地二用。一面一背。
 6089:  我の居す所を面と為し。居らざる所を背と為す。
 6090:  面する所は観る可し〉
 6091:  背する所は察す可し》故に
 6092:  面北の地は南を背にす〉
 6093:  日は北すれば則ち夏〉
 6094:    南すれば則ち冬〉
 6095:  北向の衢に当れば則ち春〉
 6096:  南向の衢に当れば則ち秋〉
 6097:  面南の地は北を背にす》
 6098:  日は北すれば則ち冬》
 6099:    南すれば則ち夏》
 6100:  北向の衢に当れば則ち秋》
 6101:  南向の衢に当れば則ち春》故に
 6102:  混地の経用は。
 6103:  一辺は雪を降らせば〉
 6104:  一辺は雷を発す》是を以て
 6105:  面背を分せば〉則ち昼夜冬夏を有す〉
 6106:  混地を以てすれば則ち夏即冬》夜即昼》
 6107:  [然れども是れ又た大概の説にして天行の微を尽くす所に
 6108:  非ざるなり]是を以て
 6109: 会違交錯の状は。日は周天して東し〉西線を依違して西す〉
 6110:         月は周天して東し》東線を依違して西す〉
 6111: 月道の東線を一周するを〉一章と曰う〉
 6112: 日道の西線を一周するを》一紀と曰う》
 6113: 順逆の数う可き者成す。
 6114:  地道は静にして易る〉
 6115:  天道は動にして定る》
 6116:  易るを以て地物の往来は〉乱れて変なり〉
 6117:  定るを以て天物の往来は》錯りて常なり》              (錯りて=まじりて)
 6118:  日月運転の会違は。人 之を止地に験す。
 6119:  而して其の紀を認む。日の一周地は。之を一百に刻す。
 6120:  日月一会。三十日に倹す。故に
 6121:  日一周天の頃は周地すること三百六十五にして贏る。
 6122:  月と相い会すること。一十二にして贏る。贏るを得て閏を立つ。故に (贏る=あまる、)
 6123:  日と曰い。月と曰い。歳と曰い。閏と曰うは。
 6124:  交錯の会に成る者なり。若し芸芸の数を以て。
 6125:  実日月の紀なりと為さば。則ち亦た焉んぞ神為の運を知らん。夫れ
 6126:  天の数。能く無数を積むと雖も。而も亦た一なるのみ。故に
 6127:  奇偶は計を以て之を紀す。皆な人為に出ず。
 6128:  成する者は。天なり。成する者の天に出ずるを知りて。而して
 6129:  為す者の天に非ざるを知らず。人の数に眩するなり。
 6130:  運する者は唯だ運す。各行は運転し。引きて其の極を見ず。
 6131:  人は天行の神為を数えんと欲し。
 6132:  彼の百刻二十九日。十二月。三百六十五日等の数を置きて。而して
 6133:  各各の一転。会否は其の間に成るを知る。此れ
 6134:  回りて復する者の常に始終を成し。
 6135:  引きて行する者の竟に始終無き所なり。唯だ人は。
 6136:  得て此の坱坱を度す〉
 6137:  得て此の袞袞を刻す》此の故に
 6138:  長逝する者は〉紀す可き者無し〉
 6139:  往復する者は》以て数う可きなり》
 6140:  日月星辰は。各おの運し又た高卑の行を分して。
 6141:  歩に緩急有り。各各一転。其の時に違する無し。
 6142:  以て竟に平行に帰す。帰すと雖も而も各各相い與せず。
 6143:  相い與せずと雖も。而も計は日の転に遇して一周地するより肇まる。故に
 6144:  其の気転象運は。気は一に象は各なり。日一周地の頃。
 6145:  計りて一百と為さば。則ち転の一周地は。則ち九十九刻の余。
 6146:  日一百刻〉月一百零三刻余〉  是れ日月の逆行なり〉
 6147:  日の周天〉三万六千五百二十三刻余〉
 6148:  月の周天》二千七百三十二刻余》是れ日月の順行なり》
 6149:  月道の西して東線を一周するは〉六十八万数百余刻〉
 6150:  順行一周すれば〉則ち逆行六千五百七十七回余〉
 6151:  日道の西して西線を一周するは》凡そ若干億》
 6152:  順行一周すれば》則ち逆行の日は其の刻に応するなり》故に
 6153:  西する者を逆行の日月と為す〉
 6154:  東する者を順行の日月と為す》
 6155:  其の会違を説けば。則ち月は  半周天にして。而して日と望せず。
 6156:  更に百十刻余を進めて望と為す。一周天にして。而して日に及ばず。又た
 6157:  二百二十刻余を進めて朔と為す。日は三百六十五周。而して
 6158:  転は三百六十六周なり。蓋し
 6159:  天道は常に成す〉故に其の会は差わず〉人は之を計るを得る〉
 6160:  地道は変を為す》故に会否は常無し》之を計る可からず》故に
 6161:  暦紀を以て之を計すれば。則ち
 6162:  日一周地〉之を一日と為す〉
 6163:  日一周月》之を一月と為す》
 6164:  日一周天〉之を一歳と為す〉
 6165:  日は月に十二会す》之を一年と為す》
 6166:  年なる者は。歳の余を得て閏を置く。
 6167:  之を循環の間に均しくして。寒暑を差わざらしむる者なり。是の故に
 6168:  天を以て之を言えば。転する者は西転一始終して。而して復た相い積す。
 6169:  暦の紀する所の日は〉則ち其の逆行の地の旧位に復するの期なり〉而して
 6170:  月の逆行は則ち標せず〉
 6171:  一歳は則ち日順行して天の旧点に復するの期なり》而して
 6172:  月の順行は則ち日の合を数う》故に
 6173:  一月の紀なる者は日に及ぶの時なり〉
 6174:  一歳の紀なる者は》日の旧点に復するの時なり》而して
 6175:  日月の自行は。高卑に於て見す。故に
 6176:  今の暦なるは。日月の会期を紀して。其の周紀を謂うに非ず。故に
 6177:  月は常に明魄を半にす。朔望は。地より望むに成る。
 6178:  日月は各一周。閏余は則ち会を以て紀するに成る。是を以て
 6179: 地なる者は一円塊。正中を守して外に居す。
 6180: 天は地と反す〉
 6181: 日は地と比す》故に
 6182: 転行は経理に由り〉昼夜の成る所は〉群動の動息は之に率がう〉  (率がう=したがう)
 6183: 運行は緯理に由り》冬夏の成る所は》万物の発収は之と與にす》
 6184:  烟起こり気湿い〉雷発し雪結び〉
 6185:  鳥獣の※革し〉艸木の栄枯するは〉物の発収に従うなり〉
 6186:  風狂し雨旋り》地震い天鳴るは》 物の鬱発を為すなり》
 6187: 華なる者は〉一気の英華なり〉
 6188: 液なる者は》大物の滋液なり》
 6189: 昜気は発す〉
 6190: 侌体は融す》
 6191: 液無ければ則ち体は成せず〉
 6192: 華無ければ則ち気は見せず》是を以て
 6193: 天地転持と。水燥日影とは。性体を相い合す。
 6194: 天地転持は物を開す〉
 6195: 日影水燥は気を交す》
 6196: 小物は以て其の間に生化す。是を以て
 6197: 大小の物は。同じく聚散解結す。
 6198: 緯に露すれば則ち静〉
 6199: 経に露すれば則ち動》
 6200: 気聚質結して〉而して物は能く生す〉
 6201: 気散質解して》而して物は能く化す》
 6202: 生化なる者は即ち一動一植。是れ之を小物と為す。
 6203:  大は小を容す〉
 6204:  常は変を容す》
 6205:  小なる者は麁なり〉往来して体を換うる〉
 6206:  大なる者は精なり》生化して体を一にす》
 6207:  麁を以て精を徴す〉
 6208:  常を以て変を察す》
 6209:  此れ猶お彼れのごとし〉
 6210:  彼れ猶お此れのごとし》
 6211:  散結して常に持する者は〉生化の端を没す〉
 6212:  散結して体を換うる者は》生化の端を露す》
 6213:  金石は攸久に成壊す〉
 6214:  雲雨は倏忽に聚散す》
 6215:  皆な道は異にして居は同じ。
 6216: 動なる者は有意〉
 6217: 植なる者は無意》
 6218: 有意なれば則ち能く動なり〉
 6219: 無意なれば則ち能く静なり》而して
 6220: 動は能く作止す〉
 6221: 植は能く栄枯す》故に
 6222: 其の為すや〉気は聚散し〉物は解結す〉
 6223: 其の成すや》動は作止し》植は栄枯す》
 6224: 作止の変に至りては。則ち
 6225: 剖に随いて体は各おの性を具す。
 6226: 体性は愈いよ分す。而して態は愈いよ同じからざるなり。
 6227: 植は則ち止して形体の変を極む〉
 6228: 動は則ち動して動作の変を極む》
 6229:  天行は持に於て止す〉
 6230:  地行は転に於て止す〉
 6231:  気転象運は〉円を以て行す〉
 6232:  雲騰雨墜は〉直を以て行す〉
 6233:  水は斜に流る〉潮は斜に遡る〉
 6234:  鳥は気を御す〉魚は水に游す〉
 6235:  獣は地に走る〉魚は水に泳ぐ〉
 6236:  蚤は能く跳ぶ〉虱は能く跂る〉
 6237:  蟹は横行す〉 蝦は※飛す〉
 6238:  人は立行す〉 螺は倒行す〉
 6239:  蛛は絲を走る〉※は土を穿つ〉
 6240:  水母は浮く〉 海参は転ず〉
 6241:  蜈蚣は多足にして行き〉反鼻は無足にして行く〉
 6242:  獣は四脚〉人は雙脚〉行の変を極むるなり〉
 6243:  日月は転に居し》雲烟は持に居す》
 6244:  植は土居し》動は気居す》
 6245:  魚龍は水居し》藻苔は石居す》
 6246:  獣は伏し》人は臥す》
 6247:  鳥は枝を掴み》蛾は壁に點す》
 6248:  鳧※は能く浮び》魚鼈は能く潜む》
 6249:  物は正しく処して》而して伏翼倒懸す》
 6250:  物は夜休む》而して鴟※は昼睡る》止の変を極むるなり》
 6251:  生生の跡は。
 6252:  金石は自ずから凝し〉変化の由る所を隠す〉
 6253:  螺蛤は交わらず》感応の所跡を没す》
 6254:  華実は已に見す》牝牡最も著し》
 6255:  跡に就き其の変を極むるに。
 6256:  動は牝牡を有す〉
 6257:  植は華実を有す》
 6258:  動は卵胎を分つ〉
 6259:  植は子根を分つ》而して
 6260:  動植に気化有り〉
 6261:     体化有り》是を以て
 6262:  植は或いは実を結び。
 6263:    或いは子無し。
 6264:    或いは※を肉中に生す。
 6265:    或いは実を皮中に成す。
 6266:    或いは根より生じ〉
 6267:    或いは華より結ぶ》
 6268:  麻は華と子を分ち。
 6269:  紫檀は葉と子と一にす。
 6270:  水物の薄感。羽族の薄交。
 6271:  魚は一胎数万。人は数交一孕なり。
 6272:  鳥は能く卵に伏し。魚は卵に伏せず。
 6273:  蟷螂は子を※※に結び。蜘蛛は児を嚢中に畜う。
 6274:  或いは子を抱く者有り。或いは卵を負う者有り。是を以て
 6275: 其の行止する所は。
 6276: 天に在るの気象は〉則ち東西南北す〉
 6277: 地に在るの気質は》則ち呼吸発収す》
 6278: 万物に至りては。則ち
 6279: 或いは正順〉
 6280: 或いは乖忤》
 6281: 或いは滑通〉
 6282: 或いは渋※》
 6283: 所以に人は。死生老少経動す〉
 6284:       営為言施緯動す》
 6285:       徳は善悪を分つ〉
 6286:       道は邪正を分つ》
 6287: 
 6288:  形理転持図一合
 6289:  神物入機図
 6290:  転持方位図
 6291: 
 6292:    形理
 6293: 一気は通塞す〉
 6294: 大物は活立す》
 6295: 大物は已に立すれば。則ち
 6296: 小は其の中に散す。蓋し
 6297: 物は体に依る。
 6298: 体は形に成す。
 6299: 形は位に依る。
 6300: 位は物に成す。
 6301:  円を外にして虚を内にすれば〉則ち以て物を煮る可し〉
 6302:  実を内にして外を鋭にすれば〉則ち以て甲を刺す可し〉是れ
 6303:  同じく鉄なりと雖も〉形 異なれば則ち用 同じからざるなり〉
 6304:  外を円にして内を虚にすと雖も》而も之を造るに木を以てすれば》則ち
 6305:  水を受く可くして》火に当つる可からず》
 6306:  内を実して外を鋭すと雖も》  而も之を造るに土を以てすれば》則ち
 6307:  弄す可くして》而も兵と為す可からず》
 6308:  其の形を同にすと雖も》而も
 6309:  体を異にすれば則ち用は同じからざるなり》故に
 6310:  同一の土泥も〉之を瓦にすれば則ち風雨を覆う可し〉
 6311:         之を甕にすれば則ち酒漿を盛る可し〉
 6312:  同一の木片も》神を模して而して後に蘋※の敬を致す可し》
 6313:         屐を削して而して後に土泥の汚を避く可し》
 6314:  人造に因りて以て天造を窺う。
 6315:  其の転持を為すや〉形の直円に分る〉
 6316:  其の山水を為すや》形の拗突に由る》是を以て
 6317:  体は必ず形を成すと雖も〉而も形は体に非ざるなり。
 6318:  形は必ず体に由ると雖も》而も体は形に非ざるなり。
 6319: 気なる者は活するに依して動す〉
 6320: 物なる者は立するに依して静す》
 6321: 立すれば則ち中外は位を成す〉
 6322: 活すれば則ち気体は物を為す》
 6323: 其の理は静に於て立す〉
 6324: 其の気は動に於て活す》是を以て
 6325: 気は理に由りて布す〉
 6326: 形は気に由りて見す》
 6327: 理を以てせざれば〉則ち鬱浡の活を運する所莫し〉
 6328: 形を以てせざれば》則ち混淪の体を成する所莫し》
 6329: 混淪は坱然を得て居す〉
 6330: 鬱浡は袞然を得て行す》故に
 6331: 袞に通し〉
 6332: 坱に緯すは》形理の祖なり。
 6333: 形理は痕を見し。物に従いて正斜を成す。
 6334: 正中〉直円は正を為し〉規矩は斜を為す〉
 6335: 斜中》塊岐は正を為し》邪曲は斜を為す》
 6336: 直円は正にして形理を混成す〉
 6337: 規矩は斜にして形理を粲立す》
 6338: 直矩は理を為す〉
 6339: 円規は形を為す》然り而して
 6340: 散する者は其の理を邪曲にす〉
 6341:      其の形を塊岐にす》
 6342: 坱なる者は円の地なり〉
 6343: 袞なる者は直の本なり〉
 6344: 塊岐は則ち直円の変也。
 6345: 直矩の理〉散の邪曲〉
 6346: 円規の形》散の塊岐》
 6347: 動なる者は理に循わざる能わず〉
 6348: 静なる者は形を成せざる能わず》
 6349: 夫れ物の物を為すや。神は体に於て活す〉
 6350:           体は神に於て立す》
 6351: 活は〉没中に見すれば則ち通し〉露中に見すれば則ち動す〉
 6352: 立は》没中に隠すれば則ち塞し》露中に隠すれば則ち静す》
 6353: 其の塞静は罅縫を没す〉
 6354:   通動は條理を露す》
 6355: 通動塞静は。理に由りて形を成す。
 6356: 理は道路を通して。気は比れに従いて布す。
 6357: 気の布す所は。正斜の形を成す。
 6358: 時は経通す〉
 6359: 処は緯塞す》
 6360: 体は自ら静す〉
 6361: 気は能く動す》
 6362: 之を均すれば則ち
 6363: 通は乃ち天の動なり〉
 6364: 塞は乃ち天の静なり〉
 6365: 動は乃ち物の通なり》
 6366: 静は乃ち物の塞なり》
 6367: 物中。静体は天地を成す〉
 6368:    動気は転持を成す》
 6369: 相い得れば。則ち各おの動静を有す。故に
 6370: 静なれば則ち天円地直なり〉
 6371:  処は止して終に円なり〉
 6372:  時は行して終に直なり》
 6373:  円は以て直を持し〉中より表裏を分す〉
 6374:  表裏を分し難くして〉而して一円物を混成す〉
 6375:  直は以て円を運す》今より前後を分す》
 6376:  前後を分し難くして》而して一逝時を滾成す》
 6377:  環守は南北を為す〉
 6378:  運転は東西を為す》
 6379:  逝者は前後を為す〉
 6380:  旋者は歳日を為す》故に
 6381:  円象の旋りて復するは〉 譬えば循環往けば則ち復し〉終に端緒無きが若し〉
 6382:  直象の往きて返らざるは》譬えば縄を以て之を矩し》 縄尽きて直尽きず》
 6383:  引きて其の止する所を見ざるが若し。
 6384: 動なれば則ち転規守矩なり》
 6385:  上下 虚実を以て分するは〉体の天地なり〉
 6386:  虚実 相い分すれば〉則ち直円は混成す〉
 6387:  内外 転持を以て分するは》気の天地なり》
 6388:  転持 相い分すれば》則ち規矩は粲立す》是を以て 
 6389:  転持の間。転は外を為し〉天は其の処を成す〉而して象は其の中に居す〉
 6390:       持は内を為し》地は其の物を為す》而して質は其の上に居す》
 6391:  混成より之を観れば〉則ち持直は外に向して円なり〉
 6392:  粲立より之を観れば》則ち竪矩は中を貫して規なり》
 6393:  天地を分すれば〉則ち転持は合す〉
 6394:            天体は自ら虚なり〉
 6395:            地体は自ら実なり〉
 6396:            転を貫して直なり〉
 6397:            持に徹して円なり〉
 6398:            動を以て形と為さず〉
 6399:            直円は混成す〉
 6400:  転持を分すれば》則ち天地は合す》
 6401:            転気は自ら精なり》
 6402:            持気は自ら麁なり》
 6403:            地を貫して矩を為す》
 6404:            天を転して規を為す》
 6405:            静を以て形を為さず》
 6406:            規矩は粲立す》
 6407:  静は動中に塞す〉
 6408:  動は静中に通す》
 6409:  動を容するの静は〉静にして跡無し〉故に
 6410:  之れをして動せしむれば〉則ち東西を碍てず〉 升降を妨げず〉
 6411:  静を用するの動は》動して処を守す》故に
 6412:  之れをして止せしむれば》則ち南北は軸を為し》内外は位を守す》
 6413: 二なれば則ち能く合す〉
 6414: 一なれば則ち能く分す》
 6415: 天地は静を成す〉
 6416: 転持は動を成す》而して
 6417: 動静は。 同じく其の形を円にす〉
 6418:      同じく其の理を直にす》唯だ
 6419: 其の理は。動すれば則ち斜なり〉
 6420:      静すれば則ち正なり》
 6421: 然らざること能わずして然り。
 6422:  円なる者は形なり〉而して動の体を成す者なり〉故に
 6423:  塊然として能く物に於て形すれば〉包んで以て容するに足る〉
 6424:  塊岐方扁は〉種種の異形と雖も〉而も
 6425:  居者を内に統す可きに於ては〉則ち
 6426:  同じく塊然の体を円に帰するに失せず〉
 6427:  直なる者は理なり》而して気の路を成す者なり》故に
 6428:  邃乎として能く物に於て理すれば》給して以て徹するに足る
 6429:  横竪邪曲は》千万の態を有すと雖も》而も
 6430:  活を本に畜え》気を末に施せば》則ち
 6431:  邃乎の理は直に帰するを失せず》此の故に
 6432:  直は気を体に於て運す可し〉
 6433:  円は形を体に於て成す可し》是を以て
 6434:  道は理に由りて有り〉道即理なるに非ざるなり〉
 6435:  体は形に由りて成る》体即形に非ざるなり》
 6436:  姑且小を以て大を喩せんか。夫れ             (姑且=しばらく)
 6437:  動の身首羽毛に於けると〉
 6438:  植の根幹華葉に於けると》
 6439:  体は則ち相い似たり。
 6440:  禽を為し獣を為す。艸を為し木を為す。散して万品を為すに至りては。
 6441:  則ち何を以てか分を為さん。蓋し形の異を為すや。
 6442:  気の布に従う。気の布す所は。乃ち理の在る所なり。
 6443:  理は。動に於ては脈と曰う。
 6444:     植に於ては文と曰う。
 6445:     玉に理と曰う。
 6446:     石に砌と曰う。
 6447:     山水に脈と曰う。
 6448:     転持に規矩と曰う。
 6449:  活性は此れより運す。
 6450:  形体は是に於て成す。
 6451: 気は動に依りて通し〉体は実を以て露す〉
 6452: 位は静に依りて立し》形は虚を以て成す》
 6453: 既に是れ静虚なれば。形位は奚を以てか見せん。
 6454: 夫れ行路の人の若き。高下は其の地に由る。而して
 6455: 路 円なれば則ち行も円なり。路 直なれば則ち行も直なり。
 6456: 是に於て円は運転の為す所に非ず。
 6457:     直は升降の為す所に非ざるを観る。
 6458: 理は則ち正直斜矩なり〉
 6459: 形は則ち正円斜規なり》故に
 6460: 形なる者は理の成する所〉
 6461: 理なる者は形の立する所》
 6462: 理 正なれば形も正なり〉直は円を成す〉
 6463: 理 斜なれば形も斜なり》矩は規を成す》故に
 6464: 天地は円 以て直を含む》
 6465: 転守は規 以て矩を抱む》
 6466:  円なる者は円にして円〉其の形は毬の如し〉 無垠は以て其の大を極む〉
 6467:  直なる者は直にして円〉其の形は栗毬に比す〉
 6468:  規なる者は扁にして円》其の形は輪の如し》 運転は以て其の横を成す》
 6469:  矩なる者は直にして立》其の形は車軸に比す》幹守は以て其の竪を成すなり》
 6470:  持は垠する所有るを以て〉而して内動の勢は〉転に至りて尽く〉而して
 6471:  其の精静は転持と隔せず〉
 6472:  転は止する所有るを以て》而して平運の勢は》持に至りて無し》而して
 6473:  其の麁動は能く横竪を分す》
 6474:    精静は能く直円を混す》
 6475:  直は中より外を貫すれば〉則ち止して静なり〉
 6476:  矩は端より中に徹すれば》則ち旋して動なり》故に
 6477:  矩は軸を為す〉
 6478:  規は輪を為す〉
 6479:  規と矩と〉同じく其の理を直にす〉
 6480:  円は外を為す》
 6481:  直は内を為す》
 6482:  円と直と》同じく其の形を円にす》
 6483: 其の形を混成すれば〉則ち経は袞として緯は坱たり〉未だ直円の痕を見せず〉
 6484: 其の物を粲立すれば》則ち弥いよ規矩の体を変す》
 6485: 体は以て虚実す〉
 6486: 機は以て動静す》
 6487: 機体の間は。性は水火を成す〉
 6488:       体は山壑を成す》
 6489: 星辰は其の上に横して〉而して其の行を衡従にす〉
 6490: 動植は其の下に立して》而して其の体を本末にす》
 6491: 山なる者は塊然の体にして〉其の形を拗突にす〉
 6492: 壑なる者は岐然の体にして》其の理を邪曲にす》夫れ
 6493: 物の成する所は。性は活して気は運す〉
 6494:         体は充して形は成す》
 6495: 気は徒らに運せず。理に由りて運す。
 6496: 理なる者は。気運の通路。気を布し形を成す。
 6497: 大物 混然として円を為す者は〉其の理の直を以てなり〉
 6498: 合すれば則ち円成す〉而して直は其の中に立す〉
 6499: 分すれば則ち直理す〉而して円は其の表に成す〉
 6500: 運する者は活の性なり〉
 6501: 資する所有りて始まる〉
 6502: 給する所有りて継ぐ〉故に
 6503: 本は中に帰す〉
 6504: 中は外に之く〉是を以て地は塊然たる一毬〉
 6505: 発収は代るがわる用して〉一呼一吸す〉
 6506: 発収は円に従う〉
 6507: 呼吸は直に従う〉
 6508: 呼吸に従いて南北の用を見す〉
 6509:  地体は一にして全なり〉
 6510:  上下と中外と伴う〉而して能く円を成す〉故に
 6511:  之を下に資す〉以て
 6512:  之を上に発す〉
 6513:  地用は二にして相い闕す》
 6514:  面背は南北に於て更わるがわるして》而して
 6515:  能く直を為す》故に之を向する所に用す》
 6516:         以て之を背する所に廃す》是を以て
 6517:  一塊の大物。気の資する所〉円は中外を有す〉
 6518:        用の成する所》直は面背を分す》
 6519:  中外なる者は定位なり〉能く其の処を定す〉
 6520:  面背なる者は変用なり》或は面し或は背す》故に
 6521:  其の緯に於て成する者は〉半面を冬と為す〉
 6522:              半面を夏と為す》
 6523:    経に於て成する者は》半面を昼と為す》
 6524:              半面を夜と為す》
 6525:  其の一直の貫する所は〉端を両極に於て露す〉
 6526:    一平の分する所は》界を中線に於て為す》故に
 6527:  地は一円塊にして。万物は環して之に居す。
 6528:  気は上を為し〉質は下を為す〉
 6529:  転は外を為し》持は内を為す》
 6530:  升者は天に之く〉
 6531:  降者は地に著く》
 6532:  方を東西を以て定す〉
 6533:  位は上下を以て立す》
 6534:  東西は規に於て分す〉
 6535:  上下は直に於て成す》而して
 6536:  円なる者は直なり〉
 6537:  直なる者は円なり》
 6538:  身を北極下に置けば〉則ち南地 背を為す〉
 6539:  身を南極下に置けば》則ち北地 背を為す》是に於て
 6540:  背地は倒懸の若し〉
 6541:  中界は側立の若し》
 6542:  転環の間に。倒側 相い移り。
 6543:        倒側 相い成るは。二用有るに由る。
 6544:  倒側 相い同じきは》体を一にするを以てなり》
 6545:  円成すれば則ち直 其の中に在り〉形は栗毬を為す〉
 6546:  直立すれば則ち円 其の外を成し》理は車輪を為す》故に
 6547:  直の地を持するは〉車輪の外を環りて〉而して
 6548:  輻 散すること能わず〉
 6549:    倚すること能わずして〉尽く軸に向かうが如きなり〉
 6550:  直の天を承くるは》輹 中に在りて》而して       (輹=じくしばり)
 6551:  軸 陥ること能わず》
 6552:    ※ること能わずして〉 斉しく輪を承くが如きなり》故に
 6553:  天地を以て之を観れば〉気上質下なり〉
 6554:  己れを以て之を観れば》頭上足下なり》是を以て
 6555:  転なる者は通の体を露するの処〉            (検索キー「なり」)
 6556:  持なる者は塞の体を示するの処〉一一の分する所以なり〉
 6557:  通は持を隔てず》
 6558:  塞は転を遺さず》気物の合する所なり》
 6559: 一機 粲然として規を為す者は》其の理の矩を以てなり》
 6560: 合すれば則ち矩 立して》而して規 其の外に成す》
 6561: 分すれば則ち矩 理して》而して規 其の動に範す》
 6562: 動なる者は運の露なり》
 6563: 守する所有りて止す》
 6564: 転する所有りて循す》故に
 6565: 守は竪を持す》
 6566: 転は横を為す》是を以て
 6567: 天は混焉たる一気なり》
 6568: 運転は互いに用す》
 6569: 一は守し一は環す》
 6570: 運転は規を為す》
 6571: 環守は矩を為す》
 6572: 運転に従いて東西の用を見す》故に
 6573: 天地は静にして〉而して形理は直円を含す〉
 6574: 転持は動にして》而して形理は規矩を示す》
 6575: 天なる者は運転環守〉一平一直なり〉
 6576: 地なる者は水燥土石》一俯一立なり》
 6577: 愈いよ斜に之く。而して
 6578: 塊然の球は〉
 6579: 天行の其の理を岐にするに於て異なる〉而して
 6580: 天岐なる者は其の理を横竪にす〉
 6581: 混焉の気は》
 6582: 地体の其の表を塊にするに於て異なる》而して
 6583: 地塊なる者は其の理を邪曲にす》故に
 6584: 象質の行は〉衡従本末を分す〉
 6585: 山壑の体は》拗突邪曲を分す》
 6586: 天転地持は〉体の物を為す〉
 6587: 水燥日影は》性の物を為す》
 6588: 体物は露地に居す〉
 6589: 性物は没地に居す》故に
 6590: 象も亦た直円を成す〉而して規矩を天地に分す〉
 6591: 質も終に俯立を為す》而して直円を天地に合す》
 6592: 気体は直円を以てして立す〉
 6593: 象質は横竪を以てして成す》
 6594:  性は則ち侌昜なり〉
 6595:  体は則ち気物なり》而して
 6596:  侌昜と気物と。各おの同じく天地万物を具す。
 6597:  気物を以て侌昜を統すれば〉則ち中外を一にして〉而して彼此混成す〉
 6598:  侌昜を以て気物を比すれば》則ち中外を各にして》而して彼此粲立す》是を以て
 6599:  体に成する者は天地なり〉
 6600:  性に成する者は日影なり》
 6601:  天地なる者は天転地持なり〉
 6602:  日影なる者は気収象発なり》
 6603:  日象影気は〉下に水質燥気と偶す》故に
 6604:  日影は天地と勢を張ると雖も。而も
 6605:  影は収し日は発し〉而して日は弧中に居し〉而して地外に繞す〉
 6606:  水は潤し燥は煦し》而して水は弦中に就し》而して地表に浮す》
 6607:  華は天間に充す〉
 6608:  液は地表に漾す》                     (漾=ただようの意。)
 6609:  象質は各おの其の気に偶して。侌昜の物を見す。然りと雖も
 6610:  水燥は天地に合す〉
 6611:  日影は天地に比す》則ち
 6612:  日影は能く天地と勢を張る。是に於て
 6613:  天中の万物は〉日影を得て繋す〉
 6614:  持中の万物は》水燥を得て列す》
 6615: INUN摩盪して。上は則ち星辰を懸し〉其の行を日影の間に於て衡従し〉以て能く循環す〉
 6616:        下は則ち動植を化し》其の体を水燥の間に於て俯立し》以て能く鱗次す》是に於て
 6617: 動植の物は〉形を塊岐に資し〉愈いよ其の塊岐を変にす〉
 6618:       行を邪曲に資し》愈いよ其の邪曲を変にす》
 6619: 形位なる者は。大物の成具を成する所。
 6620: 小物は資する有りて。以て別に天地を開す。
 6621: 直円は理形の正に於て出す〉
 6622: 邪曲は理形の変に於て極す》
 6623:  正は直円規矩を有す〉
 6624:  斜は塊岐邪曲を有す》
 6625:  塊なる者は岐せず〉而も未だ正規を得ず〉
 6626:  岐なる者は塊せず》而も未だ正矩を得ず》故に
 6627:  天の運する所〉其の行を岐す〉
 6628:  地の立する所》其の体を塊す》
 6629:  星漢は最も高く〉其の行は東規に循す〉
 6630:  日月は最も卑く》其の行は東規に岐す》
 6631:  坱坱の間。天形は正円にして〉
 6632:       水燥は漸之を假る》            (漸=やや)
 6633:  地形は拗突を以て文章を為す》
 6634:  望遠鏡の窺う所。日月の体は。文章を有すこと地の如し。是に於いて
 6635:  天象と雖も。而も漸みて巳に地に近ければ。則ち
 6636:  日月は其の体を塊にす〉
 6637:     其の行を岐にす》然り而して
 6638:  地中の塊岐と同じからざる者は。天地の大分なり。故に
 6639:  輪軸は既に設け。方処は既に定する者は。形の斜なり。
 6640:  斜中に之を分すれば。西規北矩〉高を以てして正なり〉
 6641:            東規南矩》卑を以てして斜なり》
 6642:  日月は塊然として〉行は又た輪を架す〉
 6643:  輪は月に至れば則ち愈いよ地に近し〉愈いよ輪を生ず〉
 6644:  輪の重畳は蔓の木に縁るが如し〉
 6645:  日に随うの諸辰は。各おの自ら機軸を持して。輪輪相い架す。
 6646:  星漢の脈絡を通するに異なるなり。
 6647:  斜なる者は地物の形理と雖も。
 6648:  天に親なる者は自ら正を含す。人目を以て之を言うに。
 6649:  四辺茫茫として〉視る所は則ち一円象なり〉
 6650:  万里歴歴として》指す所は則ち一直線なり》是を以て
 6651:  光耀の及ぶ〉
 6652:  声臭の至る》
 6653:  東西南北N徹す。
 6654:  Nなる者は円の勢なり〉
 6655:  徹なる者は直の力なり》是の故に
 6656: 大物は天地なり〉
 6657: 一機は転持なり》
 6658: 天気地体は〉同じく其の体を円にして〉而して大小を分す〉
 6659: 転軸持輻は》同じく其の気を直にして》而して長短を分す》
 6660: 運転同規は〉平側を分す〉
 6661: 環守同矩は》立倚を分す》
 6662: 衡従は同じく横にして〉而して経緯の別を有す〉
 6663: 本末は同じく竪にして》而して上下の異を有す》
 6664: 塊岐は同じく物にして〉而して俯立の分を有す〉
 6665: 邪曲は同じく理にして》而して直円の道を有す》故に
 6666: 大物の成は。小は居し大は容す〉
 6667:       短は止し長は守す》
 6668: 長矩は其の位を守して旋す〉
 6669: 大規は其の方を転して行す》
 6670: 天円は裏みて地を覆す〉
 6671: 地直は立して天を載す》
 6672: 内外は分す〉
 6673: 経緯は立す》
 6674:  外の位なる者は〉円にして容す〉
 6675:  内の位なる者は》円にして居す》
 6676:  経の方なる者は〉直を以て規を為す〉
 6677:  緯の方なる者は》直を以て矩を為す》
 6678: 直矩は理を為す〉
 6679: 円規は形を成す〉虚中の形なり〉
 6680: 横竪は理を成す》
 6681: 塊岐は形を為す》実中の形なり》
 6682: 景影は処を為す〉而して天物は此に居す〉
 6683: 水燥は処を為す》而して地物は此に居す》
 6684: 天物は塊然たり〉
 6685: 地物は岐然たり》
 6686: 天物は乾燥し〉虚中を曲行す〉
 6687: 地物は潤湿し》実中を邪行す》
 6688: 転中は〉守矩は立して緯位を定し〉平して西の経紀を転す〉
 6689:     環矩は倚して緯位を運し〉側して東の経象を紀す〉
 6690:  経なる者は東西の平規なり〉
 6691:  緯なる者は南北の竪矩なり》
 6692:  統すれば則ち竪矩は自ら定す〉
 6693:        平規は自ら転す〉
 6694:  分すれば則ち守して西転す》
 6695:        環して東運す》是に於て
 6696:  東西は斜絡す〉
 6697:  南北は出入す》気象の錯綜する所なり。
 6698:  守する者よりして〉而して環する者を観れば〉則ち環する者は斜なり〉
 6699:  環する者よりして》而して守する者を観れば》則ち守する者は斜なり》而して
 6700:  環して運する者は卻って遅し〉
 6701:  守して転する者は卻って疾し》
 6702: 持中は》気は円にして》而して竪は水燥の物を通す》
 6703:     質は平にして》而して横は山壑の体を列す》
 6704: 天なる者は以て散す〉而して諸象は布列す〉
 6705: 地なる者は以て結す》而して諸質は附聚す》
 6706: 布列する者は自ら成す〉 故に其の形は直円なり〉
 6707:               其の行は平側なり〉
 6708: 附聚する者は倚りて成す》故に其の形は塊岐なり》
 6709:               其の行は邪曲なり》
 6710: 人物は境を天覆地載の中に於て開す〉
 6711: 風俯恬立に於て遊す〉
 6712: 海拗山立の場に遊す》而して堅生は塊然として体を閉す〉
 6713:              輭生は岐然として体を開す》
 6714: 開閉は生を別にす〉邪曲は変を尽くす》
 6715:  一形は正斜を分す。
 6716:  正なれば則ち直円は規矩を含む〉
 6717:  斜なれば則ち塊岐は邪曲を兼ぬ》
 6718:  正斜は錯綜し。万形は変を極む。是を以て
 6719:  植は竪立の正を得ず〉以て邪の態を尽くす〉
 6720:  動は円転の正を得ず》以て曲の態を尽くす》然り而して
 6721:  天物の邪曲は〉行に多にして形に微なり〉
 6722:  地物の邪曲は》塊岐と相い配す》夫れ
 6723:  万の形は。天に居す者の塊然たる〉
 6724:       地に居す者の岐然たる》何を以てか其れ然らん。
 6725:  天に在る者は〉散中に象を聚すること〉猶お水を噴して許多の円滴を得るがごとし〉
 6726:  斜と雖も而も諸象は塊を為す〉
 6727:  地に依す者は》結中に体を凝すること》猶お壁を砕きて小大の缺片を得るがごとし》
 6728:  成と雖も而も岐を極む》
 6729:  天に在る者は〉塊然として円を為す〉而して
 6730:  明なる者は高し〉一列に平布す〉
 6731:  暗なる者は卑し〉參差に重畳す〉
 6732:  地に在る者は》岐然として変を為す》而して
 6733:  植なる者は地に著す》平布して位を守す》
 6734:  動なる者は天に居す》位序して変し易し》是に於て
 6735:  地上の万形は。
 6736:  峙を為す。陥を為す。扁を為す。頗を為す。橢を為す。稜を為す。
 6737:  方を為す。角を為す。邪を為す。曲を為す。以て著す。以て依す。
 6738:  以て纏す。以て蔓す。以て倒す。以て正す。以て長す。以て短す。
 6739:  体行の間は。其の変 尽きざる所莫し。
 6740:  正円は平を用いず〉規は能く平を為す〉
 6741:  正直は竪を用いず》矩は能く竪を立す》
 6742:  平円ならず之を曲と謂う〉
 6743:  竪直ならず之を邪と謂う》
 6744:  地なる者は。体を以て輹と為す。故に
 6745:  地は横俯す〉
 6746:  気は竪立す》
 6747:  地は拗して水の平布を容す〉
 6748:    突して燥の混円に居す》
 6749:  艸木は邪にして立す〉
 6750:  鳥獣は曲にして俯す》然り而して
 6751:  星辰の行は〉転に在りて宛転す〉
 6752:  渾天の形は》地を裏んで直円す》
 6753:  円なれば則ち地に在る者は皆な天に在る〉
 6754:        天に在る者は皆な地に在る》是に於て
 6755: 運転環守〉呼吸発収は〉天地の動機を見す〉
 6756: 中外上下〉東西南北は〉天地の静位を立す〉
 6757: 天地転持》水火山海は》以て物の 体を成す》
 6758: 直円規矩》横竪塊岐は》以て天地の形を成す》
 6759: 風雲水火土石の若き。体を有すと雖も。而も
 6760: 未だ定形を持せず。是を以て
 6761: 分すれば則ち斜斜錯綜す〉
 6762: 合すれば則ち直円混成す》唯だ
 6763: 天は則ち行 理に合う〉
 6764: 人は則ち行 理に待つ》
 6765:  人と物と。同じく情欲意智を具す。而して
 6766:  思惟分弁の智は。人を最と為す。是に於て
 6767:  唯だ人のみ天地を知るに足る。
 6768:  唯だ人のみ天地を行すに足る。
 6769:  直円規矩に資すると雖も。岐然の身を以て。邪曲の行に依す。
 6770:  天地は正邪を有す。故に人物は正邪に資する。
 6771:  天地 正を有せずんば〉則ち物は焉んぞ正を有せん〉
 6772:  天地 邪を有せずんば》則ち物は焉んぞ邪を有せん》
 6773:  動は必ず方を有す。人は得て之を道とす。
 6774:  天地は規矩を有す。人は得て之を則とす。故に
 6775:  円は規を為す〉
 6776:  直は矩を為す》
 6777:  円の機や動〉
 6778:  直の機や止》
 6779:  円の力や転〉
 6780:  直の力や持》
 6781:  円の体や統〉
 6782:  直の体や分》
 6783:  円の用や混〉
 6784:  直の用や粲》
 6785:  円の化やN〉
 6786:  直の化や徹》
 6787:  円の才や容〉
 6788:  直の才や入なり》是を以て
 6789:  静にして円なる者は湛〉
 6790:  静にして直なる者は※》
 6791:  動にして円なる者は安〉
 6792:  動にして直なる者は正》
 6793:  思にして円なる者は靄〉
 6794:  思にして直なる者は敢》
 6795:  交にして円なる者は愛〉
 6796:  交にして直なる者は敬》
 6797:  望にして円なる者は温〉
 6798:  望にして直なる者は荘》
 6799:  辞にして円なる者は婉〉
 6800:  辞にして直なる者は切》是を以て
 6801:  則を有す。理を有す。紀を有す。章を有す。
 6802:  位序粲然たる者は。直の事なり。詰る可からず。捉う可からず。
 6803:  動にして愈いよ変す。出にして愈いよ窮まらず。
 6804:  之を措きて其の処を知る無し。
 6805:  之を置きて其の跡を見せず。
 6806:  変化混然たる者は。円の事なり。是の故に
 6807:  直の至は〉天も之に違うこと能わず〉
 6808:  円の至は》神も之を窺うこと能わず》
 6809:  夫の円行直止を観るに。
 6810:  円は規を為す〉
 6811:  直は矩を為す》
 6812:  行止の規矩に中るは〉聖人の事なり〉
 6813:  円ならざれば則ち曲なり》
 6814:  直ならざれば則ち邪なり》
 6815:  邪曲は則ち小人の事なり》是を以て
 6816:  智は円ならざれば〉則ち事物に通せず〉幽明を弁ぜず〉
 6817:  物は我を隔て〉是非に惑う〉行は直ならざれば〉則ち
 6818:  外飾り内疚し〉此に縮し彼に躓す〉
 6819:  智は直ならざれば〉則ち姦邪放僻は之を謀る〉
 6820:  行は円ならざれば》則ち従容として物に役せられざるを得ず》
 6821:  粲立は痕を著す〉
 6822:  混成は跡を没す》
 6823:  混にして能く通し。活にして能く神し。窮まらずして変す。痕無くして化す。
 6824:  混たらざれば則ち通ぜず。通ぜざれば神ならず。神ならざれば変せず。
 6825:  変せざれば化せず。化せざれば物を成せず。
 6826:  物を成せざれば奚れの事物か之れ有らん。         (奚れ=いずれ)
 6827: 
 6828:  形理正斜図
 6829:  大小形理図
 6830:  形位相合図
 6831: 
 6832: 玄語目
 6833:  地冊 露部
 6834:   体界之冊
 6835:   天地  並図
 6836:   華液  並図
 6837:   性界之冊
 6838:   日影  並図
 6839:   水燥  並図
 6840: 
 6841:  玄 語
 6842:   日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
 6843:  地冊 露部
 6844:  体界之冊
 6845:   天地
 6846: 錯綜して之を観れば〉則ち
 6847: 天は虚にして動す〉
 6848: 地は実にして止す〉
 6849: 日月は上に通す〉
 6850: 水燥は下に塞す〉
 6851: 剖析して之を観れば》則ち
 6852: 機は以て動止す》
 6853: 体は以て虚実す》
 6854: 衡は軽重を持す》
 6855: 精は乾潤を有す》
 6856: 條貫して子孫仍雲〉孤は以て衆を紀す〉
 6857: 理析して反比傍斜》多は寡を嫌せず》是を以て
 6858: 天地なる者は気物の成名なり。
 6859: 成すれば則ち性体は気物に入る。気物は以て全す。
 6860: 全なれば則ち鬱浡の活は天を為し〉
 6861:       混淪の立は地を為すと雖も》而も地中にては。
 6862: 気象は動天地に依して〉以て袞袞に通す〉
 6863: 気質は静天地に依して》以て坱坱に塞す》
 6864: 動なれば則ち転持す〉
 6865: 静なれば則ち天地す》
 6866: 機体は相い合す。一球は混然として立す。
 6867: 静なる者は能く居す〉居する者は位を以てせざる能わず〉
 6868: 動なる者は能く行す》行する者は方を以てせざる能わず》
 6869: 位は則ち上下内外なり〉
 6870: 方は則ち東西南北なり》
 6871: 没は露に由りて認む〉
 6872: 露は没に由りて成る》
 6873: 山京河海は〉内に在して位を占む〉
 6874: 日月星辰は》外に行して方を占む》
 6875: 没露動静は。相い得て全す。
 6876: 止なる者は動の止。
 6877: 而して静と異なるなり。故に  
 6878: 動中は動止を有す〉
 6879: 静中は虚実を有す》
 6880: 気象なる者は動物〉虚に依して行す〉
 6881: 気質なる者は静物》実を以て 止す》
 6882: 虚実は球を合して。同胞孿胎なり。
 6883: 胎中の雙児は。各おの天地を持す。
 6884: 一球は能く連環を容す。
 6885: 天体は散す〉
 6886: 地体は結す》
 6887: 日体は動す〉
 6888: 影性は収す》
 6889: 運転と虚実と其の円を合す。而して孿胎は雙圏なり。
 6890: 水燥は本圏を襲す〉
 6891: 日影は別圏を成す》
 6892: 本圏は則ち直円山壑なり〉
 6893: 雙圏は則ち日影水燥なり》
 6894: 日影景月は〉静虚規矩の形中に循行す〉
 6895: 水燥湿火は》山壑拗突の体上に居す》
 6896: 動止は。内 形理を含す〉
 6897:     外 華液を吐す》夫れ
 6898: 天地の分。天体なる者は虚なり〉
 6899:      地体なる者は実なり〉
 6900:      天機なる者は動なり》
 6901:      地機なる者は止なり》而して
 6902:      昜性なる者は乾なり〉
 6903:      侌性なる者は潤なり》
 6904:      昜体なる者は軽なり〉
 6905:      侌体なる者は重なり》
 6906: 虚乾は軽動し〉物を上に於て成す〉
 6907: 潤実は重止し》物を下に於て成す》乃ち華液の成する所なり。
 6908: 華液は既に成す。而して性体は気物と並立す。
 6909: 転持形理は〉則ち機を没中に於て痕す〉
 6910: 天地華液は》則ち物を露中に於て体す》物の成なり。
 6911: 形体は相い得る〉
 6912: 色性は相い合す》
 6913: 之を分すれば則ち転持天地は〉形体を以て成す〉
 6914:         日影水燥は》色性を以て為す》
 6915: 色は清濁明暗を有す〉
 6916: 気質の通隔を為す者は〉清濁なり〉
 6917: 気象の照蔽を為す者は》明暗なり》之を并して色と謂う。而して
 6918: 清濁は転持と偶す〉
 6919: 明暗は寒熱と偶す》
 6920: 日影の政は〉明暗の色〉寒熱の気に在り〉
 6921: 水燥の政は》乾潤の性》滋煦の才に在り》而して
 6922: 明暗寒熱は〉之を水燥に於て受てけ〉而して清濁温冷を為す〉
 6923: 乾潤滋煦は》之を天に於て望めば》 則ち 発収粛舒を観る》故に
 6924: 天象は軽乾〉虚にして動す〉
 6925: 地質は重潤》実にして止す》
 6926: 各圏の気物は。象を天地に於て分す。
 6927: 色性は充塞して。INUN摩盪を成す。
 6928: 虚実の間は〉上下内外の位を緯に於て序す〉
 6929: 動止の中は》東西南北の方を経に於て成す》而して
 6930: 内外は動の為に位を上に於て分す〉
 6931: 上下は実の為に位を内に於て分す》而して
 6932: 西北なる者は止方なり〉
 6933: 東南なる者は動方なり〉
 6934: 内外なる者は動位なり》
 6935: 上下なる者は静位なり》
 6936: 天は地に徹して動なり〉
 6937: 地は天に貫して静なり》而して
 6938: 動は静の奉に依す〉
 6939: 静は動の保に依す》
 6940: 請う運転の道を審らかにして。以て其の脈を導くを。夫れ
 6941: 天地なる者は〉天巓にして地趺なり〉而して転する者は此の條理に合す〉
 6942: 運する者は》 天趺にして地巓なり》而して日影は  此の條理を分す》是に於て
 6943: 運転は巓趺を返して〉循環は脈を通す〉
 6944: 天地は日影を分して》剖析は張を勢す》是に於て
 6945: 昜成は則ち日巓影趺なり〉
 6946: 侌成は則ち天巓地趺なり》
 6947: 唯だ其の脈を導すれば。則ち
 6948: 転は根よりして上に達し〉以て幹を為す〉
 6949: 運は枝に至りて下に鬱し》以て根に帰す》
 6950: 転巓なる者は広なり〉転趺なる者は狭なり〉
 6951: 運巓なる者は狭なり》運趺なる者は広なり》
 6952: 辰は暗体を以て〉而して景中に重す〉
 6953: 星は明体を以て》而して影中に列す》
 6954: 列星は広と雖も〉而も其の脈絡を一にす〉
 6955: 重辰は狭と雖も》而も其の脈絡を各にす》
 6956:  日を中にして影は外を圍す〉
 6957:  地を中にして天は外に散す》而して
 6958:  地なる者は固より中なり。
 6959:  日は偏に在るが如し。
 6960:  日は其の体を以て中と為さず。
 6961:  規を循し中を為す。是に於て
 6962:  侌影と昜天と一円毬に帰す。而して
 6963:  星なる者は影曜なり〉
 6964:  辰なる者は景曜なり》
 6965:  運圏の中。星辰日月は。軸を緩急の節に分す。
 6966:  圏は乃ち弧なり〉
 6967:  軸は乃ち弦なり》
 6968:  月弧の弦は短〉而して運勢は急なり
 6969:  日弧の弦は長》而して運勢は稍や緩なるも》亦た同中の異なるのみ。
 6970:  星天に至れば則ち弧形は最大にして。弦旋も亦た遅なり。
 6971:  運標 将に根実を結せんとするの前。侌昜の精は華を著す。
 6972:  地なる者は持の水燥を以て自ら養す。
 6973:  運勢は持中に入れば則ち無し。
 6974:  昜蘊は地面に播し。質実の養を為す。
 6975:  天なる者は日月を以て其の根を護す。
 6976:  其の文は運中に在して而して
 6977:  月は其の象を岐せずして。其の行を岐す。
 6978:  日は其の行を岐せずして。其の象を散す。
 6979:  猶お花芯の其の弁を多くして以て自ら其の心を守するがごとし。而して
 6980:  日は其の弧中に華し。自ら機軸を出だす。
 6981:  諸辰は其の日を囲繞す。
 6982:  以て華の天地を開す。
 6983:  以て実の天地を偶す。是に於て
 6984:  保根の気は西転す〉
 6985:  養花の気は東運す》而して
 6986:  諸辰は層層を相重して〉機軸を運す〉
 6987:  衆星は点点と平布して》罫面を圍む》是に於て
 6988:  衆星は脈絡を一にす〉
 6989:  諸辰は脈絡を各にす》
 6990:  運環の成する所は。
 6991:  層層 緩急有り。故に
 6992:  転する者は〉章を地に於て羅して〉物を転中に於て没す〉
 6993:  運する者は》文を天に於て繋して》気を持中に於て潜す》故に
 6994:  転圏は地心より起して〉而して天表に至す〉
 6995:  運圏は天表より反して》而して地心に帰す》
 6996:  転は亭亭として幹を為す。章は持中に具す。
 6997:  運は文を運中に開して。
 6998:  節を生し枝を出し。華を開し蔓を出す。
 6999:  呼吸は以て日の南北を致す。蓋し日弧以内の動なり。
 7000:  地は根を以て中を占す。其の華は弧に居せざること能わず。
 7001:  弧は地を周す。日は天地に遍す。
 7002:  日月は既に自ら節を生じ枝を出す。
 7003:  以て其の華を開して根に合して実を為す。
 7004:  何ぞ其の艸木と能く相い似たる。然り而して
 7005:  日月の物を為すは〉侌昜の性の標に成するなり〉
 7006:  水火の物を為すは》侌昜の物の本に成するなり》
 7007:  水火なる者は麁象〉遂に地質に培う〉
 7008:  運転なる者は虚気》以て日月を醸す》
 7009:  此れ則ち質より気を結す〉
 7010:  彼れ則ち気より象を発す》
 7011:  其の理を通するを以て。一球を混成す。是を以て
 7012:  水火は地に用有り〉
 7013:  日月は天に為有り》
 7014:  運の昜を折りて地に向かうこと数万年を経て。而して天を一周す。
 7015:  標は日月の偶弧を為す。其の勢は急なり。
 7016:  日は転すること三百六十有六回の頃を度る〉
 7017:  月は転すること二十七回の頃を度る》
 7018:  転行は一斉に推去す〉下緩上急は〉之を自然に於て得る〉
 7019:  運行は節節に分推す》上緩下急は》之を使然に於て得る》
 7020:  日影なる者は侌昜なり。侌昜は象を著して。天地と相い杭す。
 7021:  自ら英華を枝頭に於て開して。根実と勢を張る。是を以て
 7022:  日を中と為す〉
 7023:  影を表と為す》
 7024:  日は巓を為す〉
 7025:  影は趺を為す》
 7026:  日は天を為す〉
 7027:  影は地を為す》
 7028:  諸辰は。日の私する所の軸を以て。其の輪を旋す。是に於て。
 7029:  日は駕する所の者を。游輪と為し。黄道に依違するも。亦た月と相い遇し。
 7030:  以て西転の二游輪を為す。是に於て
 7031:  岐は圏線に在らず。故に星漢は罫を布す。
 7032:  日月は其の処を認む。
 7033:  日月は東運の線。一西線有りて之を累す。
 7034:  日なる者は其の華英を盛にして。其の依違の岐は微なり。
 7035:  月なる者は華英を分せず。其の行を迂邪にして。
 7036:  艸木の蔓を出だす者に似たり。
 7037:  杳渺たる昊天。星漢は則ち遠し。
 7038:  日月は始めて能く地と親しむ。
 7039:  是に於て属物を除けば。則ち日月の二を見る。
 7040:  持する者は柔境。水燥は以て陸に合す。
 7041:  寒熱殺威。日月は此にINUNす。是に於て
 7042:  気を転して外を保す〉 
 7043:  象を運して内を営す》 
 7044: 升降條貫は。之を樹の外形〉
 7045:         獣の内体に於て比すれば》
 7046: 依稀として其の佗ならざるを観る。
 7047: 地なる者は侌実の質なり。天動に由りて而して気は上伸す。
 7048: 伸なる者は垠有りて。精と融せず。
 7049: 達は翻って鬱を為して。折るるが如くにして降す。
 7050: 昜虚の復勢は根に帰して。実を結す。
 7051: 地体なる者は根実なり〉
 7052: 鱗比する者は根実を分にす〉
 7053: 循環する者は根実を一にす》
 7054: 地体は根を為す。転は幹を為す。
 7055: 運は下垂して。枝を生し華を結ぶ。
 7056: 杪は地に帰して実を為す〉故に         (杪=こずえ)
 7057: 転幹は亭亭として。一斉に推去し。能く本根の鬱を漏す。
 7058: 運文は地に※し枝蔓は各おの動す。
 7059: 能く華実の精を蘊す〉
 7060: 天は転を以て剛を外に於て成す〉故に持は能く柔なり〉
 7061: 地は地を以て堅を下に於て成す》故に水は能く輭なり》
 7062: 能く滋煦の境を開す》
 7063: 地体は一円球なり。呼吸に中界して。
 7064: 運転の斜と。其の進退を合す。
 7065: 運転は相い得て。而して日月駕す。
 7066: 水生は沈水す〉
 7067: 燥生は浮燥す》
 7068: 諸辰は景中に於て重す〉
 7069: 衆星は影中に於て列す》
 7070: 天体なる者は清虚なり〉
 7071: 地体なる者は濁実なり》
 7072: 清中は淡濃し〉虚体を以て物を成す〉
 7073: 実中は通隔し》実体を以て物を成す》
 7074: 実を以て成する者は〉則ち収して結す〉
 7075: 虚を以て成する者は》則ち鬱して発す》
 7076: 気を収すれば則ち影なり〉
 7077: 物を収すれば則ち水なり〉
 7078: 影と水とは〉同徳同機なり〉
 7079: 機を鬱すれば則ち燥なり》
 7080: 物を鬱すれば則ち華なり》
 7081: 華と燥とは》同徳同機なり》
 7082: 雙環は並成す。脈は反を以て通す。是に於て
 7083: 地なる者は暗濁潤重にして本に帰す〉
 7084: 弦中に就して侌質を結す〉質を結すれば則ち気を外に達す〉
 7085: 華なる者は清明軽乾にして標に発す》
 7086: 弧中に向して昜象を発す》象を発すれば則ち気を内に鬱す》
 7087: 鬱を以て達に之く〉
 7088: 達を以て鬱に之く》
 7089: 相い得て保奉護養を為す。
 7090:  天地なる者は〉昜散侌結に成す〉
 7091:  日影なる者は》昜発侌収に成す〉
 7092:  地なる者は物なり〉
 7093:  天なる者は気なり》
 7094:  体界に立する者は〉天に居して侌球に履す〉
 7095:  色界に在する者は》影に居して昜球を奉す》
 7096:  侌球は弦中に在して移せず〉
 7097:  昜球は弧中に行して住せず》
 7098:  日地は分し弦弧を持す》而して
 7099:   地の両端は》弦の左右に在す》
 7100:  日地は常に矢勢を為す〉
 7101:  車を以て之に比するに。地は軸の如し〉
 7102:             日は輪の如し》
 7103:  日地は環守を異にすれば〉則ち各おの輪軸を有す〉
 7104:  既に之を変と謂えば〉則ち変せざる所無し〉
 7105:  始めて能く其の名に副う〉條理に由りて之を推すに〉
 7106:  洪濛の前〉
 7107:  悠久の後》
 7108:  轍跡は天に遍して。而して日の地を射す。 
 7109:  将に其の跡を尽くさんとす。而して
 7110:  星辰の天に於ける亦た然り。之を天変地常と謂う。而して
 7111:  其の地を心とし天を外とし〉
 7112:    日を心とし影を外とするは》
 7113:  二の勢を張るなり。一の成する所より之を観れば。
 7114:  転巓は運趺に帰す〉
 7115:  運巓は転趺に帰す》是に於て
 7116:  日の岐運の〉屹として一敵を為すを観れば〉
 7117:  既已に依して一天は天地に立して且つ運の巓趺を置く。
 7118:  日影は別に天地を開す。是に於て
 7119:  運転順逆は一に帰す〉
 7120:  日の自ら機軸を出だすは〉
 7121:  水燥の機軸を天地に於て合するに反するなり。
 7122:  既に天地は其の球を二にす。是に於て
 7123:  衆星は運の輪軸に従す〉
 7124:  諸辰は日の輪軸に従す》
 7125:  日月は既に運の小環弧中に居すれば〉則ち自ら衆星の心を為すこと能わず〉
 7126:  衆星の心は。則ち運巓に帰して止す。
 7127:  然して則ち日月の岐を為すを知る可し。
 7128:  一の統するを以て〉日月の弧は環軸に帰し〉衆星と重形を為す〉
 7129:  二の分するを以て》弧中に心を為し》   暗影と天地を成す》而して
 7130:  日通の線は乃ち東中なり。
 7131:  日は東中に依違し。又た自ら円を為す。
 7132:  月は東中に依違し。種種の岐行を為す。
 7133:  蔓と称する所以なり。
 7134:  大圏に星漢有り。
 7135:  小圏に日月有り。
 7136:  月なる者は日の配なり。
 7137:  諸辰なる者は日の属なり〉
 7138:  小辰は黯黯たり〉
 7139:  大辰は※※たり〉
 7140:  歳填は又た輪軸を出だし。自ら属辰を領す。
 7141:  岐は岐を出だして。而して枝椏は益ます繁る。故に
 7142:  衆星の列布と。諸辰の重畳とは。其の心は同じからず。而して
 7143:  日月は則ち圏を運心に帰して。而して一統に出でず。但し〉
 7144:  諸辰なる者は日表に重居す〉
 7145:  諸星なる者は影中に布列す》
 7146:  辰なる者は暗物〉天の露を為す〉猶お
 7147:  火の明象の》地の星を為すがごとし》是を以て
 7148:  星漢の体は散して軽なり〉
 7149:  日月の体は聚して重なり》
 7150:  日影水燥なる者は。性の物なり。
 7151:  INUNを虚天実地の際に於て為して。以て生生化化を為す。故に
 7152:  其の物は敷き得て間無し。
 7153:  分すれば則ち両環 勢を張す〉
 7154:  合すれば則ち運転 脈を通す》
 7155:  既已に脈を通す。是に於て
 7156:  転は内より外に向す〉
 7157:  運は外より内に向す》
 7158:  東西は反旋するも。
 7159:  亦た他糾に非ざるに似たり〉
 7160: 天地なる者は〉気 根上に在す〉
 7161: 気象なる者は》華 気中に在す》
 7162: 水燥の天地は〉其の物を合す〉
 7163: 日影の天地は》其の物を分す》
 7164: 二圏は又た一球に帰す。而して上下は位を定す。虚実は体を立す。
 7165: 清濁は色を分す〉
 7166: 乾潤は性を反す》是に於て
 7167: 静境は物を定す〉
 7168: 動境は気を変す》
 7169: 其の位は既に立す〉
 7170: 其の理は既に布す》
 7171: 運転は清に在す〉
 7172: 升降は濁に在す》
 7173: 濁結する者は質なり〉質 成すれば則ち実す〉
 7174: 実すれば則ち物は地表に居せざるを得ず〉
 7175: 清散する者は気なり》気 成すれば則ち虚す》
 7176: 虚すれば則ち物は天中に在せざるを得ず》
 7177: 星辰動植は。物の分する所なり。故に
 7178: 気物の活立は〉動静虚実に成す〉
 7179: 侌昜のINUNは》清濁明暗に分す》
 7180: 蓋し宙間に天神は遊す〉
 7181:   宇内に天地は居す》
 7182: 天は則ち清虚隠没なり〉
 7183: 地は則ち濁実見露なり》
 7184: 気は活して機軸を運す〉
 7185: 体は立して文章を成す》
 7186: 天文は※※として以て宙を紀す〉
 7187: 地章は鬱郁として以て宇を成す》
 7188: 覆載は垠る所有り〉
 7189: 無垠は玄界に入る》
 7190: 一室の開閉は。明暗の往来を知らず。
 7191: 烈風の抜樹は。穴隙の明を動かさず。
 7192: 円転は首尾を没す〉
 7193: 直往は標本を失す》
 7194: 天地は中を以てして立す〉而して中は思う可からず〉
 7195: 天地は外を以てして成す》而して外は知る可からず》
 7196: 起滅は機に入る。其の神は変を窮む〉
 7197:         其の天は能く定す》
 7198: 麁露すれば則ち門を開し途に上る〉
 7199: 隠没すれば則ち室に入し戸を閉すと雖も》
 7200: 妄人は幽冥を模索し。事物を構幻す。
 7201: 聴者は麁心を擾撹して。城郭を結幻す〉
 7202: 燦爛たる文章は。皆な空濛に入る〉
 7203: 之に迩して我は我を閉す〉
 7204: 之に遐して物は物を閉す》
 7205: 
 7206:  宇宙動静図
 7207:  動天地図
 7208:  静天地図
 7209:  同胞孿胎図
 7210:  天地華液図一合
 7211:  四界図
 7212: 
 7213:    華液
 7214: 罅縫は既に綻び。精麁は没露す。
 7215: 没境は天機の活を見す〉
 7216: 露境は性体の立を露す》
 7217: 体は形体を以てして成す〉
 7218: 性は色性を以てして成す》
 7219: 虚動静実は〉体の物を為す〉
 7220: 明暗寒熱は》性の物を為す》
 7221: 体物は性物を容す〉
 7222: 性物は体物に居す》
 7223: 体物は一球にして〉條貫 相い通す〉
 7224: 性物は両環にして》理析 相い隔す》
 7225: 理析は相隔なりと雖も〉而も
 7226: 條貫は一球なり》是を以て
 7227: 其の分する者は偶比合一す。
 7228: 日影は月景を析して〉而して上に動す〉
 7229: 水燥は湿火を析して》而して下に遊す》
 7230: 日影水燥なる者は其の雄なり〉
 7231: 月景湿火なる者は其の雌なり》
 7232: 体の一球を為す者は天地なり〉
 7233: 天地を探れば則ち体の虚実動止に入る〉
 7234: 性の連環を為す者は華液なり》
 7235: 華液を探れば則ち性の色気性才に入る》
 7236: 体は同胞を見す〉
 7237: 性は孿胎を見す》
 7238: 水燥は載を見して地圏を假す〉
 7239: 日影は容を見して天圏を別す》
 7240: 剖析して対を反する者は。一の分なり。
 7241: 分は能く一に帰すれば。則ち孿胎は一母に成す。
 7242: 天地なる者は〉之を散結に於て用し〉之を虚実に於て体す〉
 7243: 華液なる者は》之を発収に於て為し》之を乾潤に於て成す》
 7244: 華なる者は日影にして〉発収を虚体に於て物して》而して明暗寒熱を為す〉
 7245: 液なる者は水燥にして》解結を実体に於て物して》   乾潤滋煦を成す〉蓋し
 7246: 坱坱の処は。中外 既に立す。
 7247: 結は依する所有り〉而して質を中に於て成す〉
 7248: 散は向する所有り》而して気を外に於て充す》
 7249: 之を坱坱の 中を併して結する所無きに比すれば。則ち
 7250: 其の散は亦た結なり。
 7251: 既に散を併せて結を為す。鬱然の文章。一大結物に成す。
 7252: 既に一大結物を得る〉
 7253: 又た一坱散気を余す》
 7254:  一の剖析は。侌昜を平分す。
 7255:  平は不平に走り。不平は平を合す。
 7256:  衡は低昂せず。其の力は相い持す。
 7257:  昜に走り侌に走る。其の勢は相い傾く。故に
 7258:  昜物は外に向う〉其の虚動に託す〉
 7259:  侌物は内に向う》其の実止に託す》
 7260:  日影水燥なる者は性物なり。天地の体に託す。
 7261:  覆する者は文を見す〉
 7262:  載する者は章を呈す》而して
 7263:  天物は色を以て其の虚体を見す〉
 7264:  地物は体を以て其の実体を露す》
 7265:  其の勢は則ち背して相い走す〉
 7266:  其の力は則ち対して相い持す》
 7267:  天は散し地は結す〉
 7268:  火は発し水は収す》
 7269:  天地は体を露す〉
 7270:  水火は性を見す》
 7271:  体は其の位を立して覆載す〉
 7272:  性は其の形を活してINUNす》
 7273:  人は麁小の身を以て。水火の中間に立す。
 7274:  己よりして天地を分す。亦た未だ尽さざるなり。
 7275:  若し一坱散気を以て。此の一大結物を観れば。
 7276:  此の如く大なりと雖も。而も亦た侌なり。小なり。結なり。物なり。故に
 7277:  天地は本と一なり。之を散物に於て移せば。則ち
 7278:  植の皮身なり。
 7279:  動の皮肉なり。故に
 7280:  坱坱たる一昜散気は。此の一侌結物を為す。
 7281:  一昜散気〉
 7282:  一大結物》
 7283:  結物を開し天地を見す。天地を開し華液を見す。
 7284:  気は則ち精没す〉
 7285:  物は則ち麁露す》
 7286:  天は爾く散虚精清す〉
 7287:  地は爾く結実麁濁す》
 7288:  人は地上に立して。天上の低覆する者を望み。
 7289:  己れ以下なる者を以て〉結実麁濁と為す〉
 7290:  己れ以上なる者を以て》散虚精清と為す》是を以て
 7291:  己の身。曁に偕居する者を以て之を分かつ者なり。
 7292:  若し己の身を精して。日星倒射の地に置き。以て此の天地を観れば。則ち
 7293:  水土の核は。日影 之を桴す。
 7294:  水烟星月は匝聚して。而して同じく結実麁濁に帰す。是に於て
 7295:  結実麁濁は。散虚精清を食す。
 7296:  若し散虚精清にして。結実麁濁を吐せば。
 7297:  則ち散虚精清は。焉んぞ精没を得ん。
 7298:  既已に精没せずんば。則ち相い與に勢を張らん。故に
 7299:  没して方位形理を立し〉
 7300:  露して散結通隔を為す者は》
 7301:  没中に見する有り〉
 7302:  隠中に露する有り》
 7303:  彼此は粲立す。以て覆載を成す。故に
 7304: 精麁は食して天地を混成す〉
 7305:    吐して天地を粲立す》
 7306: 粲立すれば則ち一気大物なり。
 7307: 一気の性は華液に於て見す〉
 7308: 大物の体は天地に於て露す》
 7309: 天地は散結す〉
 7310: 侌昜はINUNす》
 7311: 万物は此に於て遊す。
 7312: 侌結すれば則ち結中に昜発す〉
 7313: 昜散すれば則ち散中に侌収す》
 7314: 侌は〉天中に於て排して影〉地中に於て収して水〉
 7315: 昜は》天中に於て発して日》地中に於て解して燥》
 7316: 天色は散虚に清通す〉
 7317: 地影は結実に濁隔す》
 7318: 虚実なる者は没露散結す〉
 7319: 清濁なる者は隠見通塞す》
 7320: 天地は之を体境に於て観る〉
 7321: 華液は之を性境に於て観る》
 7322: 体実の物を質と謂う〉
 7323: 体虚の物を象と謂う》
 7324: 容せらるるの物は》之を容するの体に従えば。則ち
 7325: 象中も亦た象質を有す。是を以て性体の合する所は。
 7326: 収して結す〉其の堅は則ち地にして〉而して其の輭は則ち液なり〉
 7327: 発して散す》其の精は則ち天にして》而して其の麁は則ち華なり》
 7328: 天象なる者は日を盛と為す〉侌影の斂は〉散して天を為す能わざるに由る〉
 7329: 地質なる者は水を大と為す》昜気の噴は》結して地を為す能わざるに由る》故に
 7330: 昜散の中 侌は昜を発す〉
 7331: 侌結の中 昜は侌を噴す》
 7332:  細かに條理の貫する所を尋繹するに。
 7333:  侌は昜散の処より〉収して質を結す〉
 7334:  昜は侌結の処より》発して象を見す》蓋し
 7335:  地なる者は実す〉其の体は密結〉其の気は粗解なり〉
 7336:  密結は入る可からざれば〉則ち物は皆な粗解に居す〉
 7337:  天なる者は転す》其の転は剛急》其の運は柔緩なり》
 7338:  剛急は行く可からざれば》則ち物は皆な運緩に従す》
 7339:  転中は則ち 気は西走し〉象は東走す〉
 7340:  実中は則ち 気は上行し》質は下行す》
 7341:  実の極は〉土石よりも竪にして〉露質の下に潜す〉
 7342:  動の極は》風涛よりも剛にして》没気の標に急す》
 7343:  時処は其の物を精没し〉経通緯塞〉露する所無し〉
 7344:  天地は其の物を麁露し》文象実質》没する所無し》
 7345:  天は則ち虚にして〉而して
 7346:  地は則ち実なり》
 7347:  天虚は透せざる所莫し〉
 7348:  地実は隔せざる所無し》
 7349:  天象は東行して西退す〉
 7350:  地質は天居して地立す》是に於て
 7351:  火の象は〉則ち虚を以てして外出す〉
 7352:  以て気を発し〉以て物を食し〉物 来して接すれば則ち食して吐す〉
 7353:  水の質は》則ち実を以てして内入す》
 7354:  以て物を容し》以て気を拒し》気 来して交すれば則ち拒して容す》故に
 7355:  水は能く火気を食す〉而して火体を養す〉
 7356:  養すと雖も而も火体を容する能わず〉小中分別すれば〉則ち膏は能く養す〉而して
 7357:  水は則ち賊す〉大物より之を観れば〉則ち膏と水と奚んぞ択ばん〉
 7358:  火は能く水気を食す》而して水体を養す》
 7359:  養すと雖も而も水体を容する能わず》小中分別すれば》則ち燐は能く親す》而して
 7360:  火は則ち疏す》一気より之を観れば》則ち燐と火と奚んぞ択ばん》
 7361:  天散地結の分にては。気は聚散を有す〉
 7362:            質は解結を有す》
 7363:  蓋し一なり。其の用は則ち吐食を見す。
 7364:  火は湿柴に著けば〉則ち湿暗 上に浮す〉
 7365:  火は湿物を※せば》則ち湿潤 内に結す》是を以て
 7366:  影体は〉日気の発を以てして散を為す〉
 7367:  日体は》影気の斂を以てして聚を為す》
 7368:  燥体は〉地を水質に於て占めらるに由りて升して解す〉
 7369:  水体は》地を燥気に於て囲まるるに由りて降して結す》是を以て
 7370:  水質の収する所は〉火発の本を為す〉
 7371:  燥気の解する所は》水結の原を為す》故に
 7372:  火は南地に解すれば〉則ち水は北地に凝す〉
 7373:  火は北地に解すれば》則ち水は南地に凝す》
 7374: 影は収し地は結して〉而して天地は侌成す〉
 7375: 天は散し日は発して》而して天地は昜成す》
 7376: 水は質を結外に融して〉而して解する所の燥に偶す〉
 7377: 日は象を散中に発して》而して収する所の影に偶す》
 7378:  転間は日影を有す〉
 7379:  地表は水燥を有す》
 7380:  水は親しむ可し〉而して火は親しむ可からず〉
 7381:  諸を地上の水火に試みて。而して其の用を知りて。
 7382:  而して後 華液のINUN。以て窺う可し。蓋し
 7383:  昜は収結の中より〉天間に鬱発すれば〉則ち
 7384:  華を象に於て為す〉華は日を以て其の宗と為す〉
 7385:  侌は発散の表より》地上に疏収すれば》則ち
 7386:  液を質に於て為す》液は海を以て其の宗と為す》故に 
 7387:  火なる者は天侌を収するの中に於て発す〉
 7388:  水なる者は地昜を解するの中に於て融す》
 7389:  発収解結する者は。天地の態なり。天地の異なるを以て。其の態も異なる。
 7390:  土石なる者は体成なり〉
 7391:  金水なる者は性成なり》
 7392:  性に成する者は凝融す〉
 7393:  体に成する者は解結す》
 7394:  凝融解結は。本と佗に非ず。
 7395:  唯だ其の性の異なるを以て。而も其の態も亦た異なり。故に
 7396:  土にして常に解す〉
 7397:  石にして常に結す》
 7398:  金にして常に凝す〉
 7399:  水にして常に融す》
 7400:  水なる者は天然の融物なり〉
 7401:  金なる者は天然の凝物なり》
 7402:  氷なる者は水にして凝す〉
 7403:  汞なる者は金にして融す》
 7404:  石なる者は天然の結物なり〉
 7405:  土なる者は天然の解物なり》
 7406:  玉なる者は石にして精なり〉
 7407:  石なる者は玉にして麁なり》
 7408:  土なる者は土にして解なり〉
 7409:  砂なる者は土にして結なり》
 7410:  結なる者は固にして脆なり〉
 7411:  凝なる者は輭にして粘なり》
 7412:  金は粘り石は脆し〉
 7413:  埴は粘り壌は脆し》
 7414:  此の性の有らざる所靡ければ。則ち
 7415:  艸木鳥獣。
 7416:  万の事物。
 7417:  人の性情。
 7418:  物に従いて名を異にすと雖も。堅輭を有せざる所靡し。
 7419:  稲の糯粳。禾の梁※。結する所佗に非ず。
 7420:  水火なる者は。侌昜の麁体なり。侌昜の用を綻露する有り。故に
 7421:  或いは結を解し。又た能く結を固にす。
 7422:  或いは解を結し。又た能く結を輭にす。之を此に於て試みるに。
 7423:  水なる者は滋を以て粘物を潤す〉
 7424:  火なる者は乾を以て固物を燥す》
 7425:  陶瓦なる者は人造の石〉水は粘し火は固す〉
 7426:  氷金なる者は天凝の水》※は※し火は融す》是を以て
 7427:  土に和すに水を以てし〉之を攻むるに火を以てす〉其の質は石と為る〉
 7428:  之に潅ぐに水を以てし》之を攻むるに火を以てす》其の質は終に解く》
 7429:  体を以てして成する者は〉火を見て解す〉
 7430:  性を以てして成する者は》火を見て融す》
 7431:  條理は必ず往く所に於て剖す。而して
 7432: 日は景を吐す〉
 7433: 水は湿を吐す》
 7434: 湿は火を含す〉
 7435: 景は月を含す》
 7436:  天なる者は散昜なり〉
 7437:  地なる者は結侌なり》
 7438:  其の間は則ち日影水燥なり。
 7439:  影なる者は収侌なり〉
 7440:  日なる者は発昜なり》
 7441:  昜発は景を伸ぶれば〉則ち露は其の中に結す〉
 7442:  水なる者は結侌なり》
 7443:  燥なる者は解昜なり〉
 7444:  侌湿は昜を鬱すれば》則ち星は其の表に発す》
 7445:  月と辰とは〉天の露なり〉
 7446:  火と雷とは》地の星なり》
 7447:  地は侌を弦中に結して止す〉
 7448:  日は昜を弧中に発して走す》
 7449:  中に居して外を観る。目は際涯を尽さず。
 7450:  地に於て囿せらるるを以てなり。
 7451:  日景は〉昜の一円物なり〉
 7452:  影地は》侌の一円物なり》
 7453:  天は地を包す〉
 7454:  日は地を循す》
 7455:  混淪たる一円物。未だ之を坱坱に帰せず。
 7456: 気は収すれば則ち侌粛す〉粛し結すれば則ち地なり〉
 7457: 質は結すれば則ち気達す》達し屈すれば則ち鬱なり》鬱して発すれば則ち日なり》
 7458: 日標の余気は。地に帰して燥なり。
 7459: 燥は昜にして解す〉
 7460: 水は侌にして融す》
 7461: 水は則ち上を影に比し日に反す〉
 7462:     下を火に反し湿に比す》
 7463: 日は侌を食す〉而して其の発は尽きず〉
 7464: 地は昜を噴す》而して其の融は巳まず》
 7465: 剖析の尽きざる所然り。
 7466: 発すれば則ち乾す〉
 7467: 融すれば則ち潤す》
 7468: 潤は以て水を醸す〉
 7469: 乾は以て火を致す》
 7470: 乾なる者は〉求して贍なる者なり〉
 7471: 潤なる者は》漏して慊なる者なり》
 7472: 水は燥を以て融し〉火を以て枯る〉火の吐きて食うを観る〉
 7473: 火は湿に由て燃え》水に由て滅す》水の噴きて吸うを観る》
 7474: 條貫の道なり。是の故に
 7475: 天は散し地は結す〉
 7476: 侌は収し昜は発す》
 7477: 収する者は地に帰す〉
 7478: 発する者は天に之す》
 7479: 散結は天地を成す〉
 7480: 発収は華液を為す》故に
 7481: 日影は天に於て照蔽す〉
 7482: 水燥は地に於て滋煦す》是に於て
 7483: 象は色に於て濃にして性を見す〉
 7484: 質は体に於て実にして物を露す》
 7485:  天気なる者は精なり〉
 7486:  地気なる者は麁なり〉
 7487:  天体なる者は虚なり〉
 7488:  地体なる者は実なり〉
 7489:  吐せば則ち天精は地麁を容せず〉
 7490:       地麁は天精に居せず〉是に於てか精も亦た麁なり〉
 7491:  天体なる者は虚なり》
 7492:  地体なる者は実なり》
 7493:       天虚は地実を容せず》
 7494:       地実は天虚を居せず》是に於てか虚も亦た実なり》
 7495:  食すれば則ち麁を出でずして後精なり》
 7496:        実を拒して後虚せず》
 7497:  没跡と露跡と同じく居す〉
 7498:  没体と露体と同じく居す》
 7499:  同居は粲立を妨げず。以て能く混成す。
 7500:  混成すれば則ち天を地に於て観る〉
 7501:  粲立すれば則ち天を地に於て吐す》故に
 7502:  天は地に於て没し〉地は天に露すれば〉 則ち地も天の大の若きなるを観る〉
 7503:  地は以て天を吐し》天は以て地を吐せば》則ち天は大にして地は小なるを観る》
 7504:  是に於て此の麁露の天地の地を為し〉
 7505:        精没の天地の天を為すを観る》是を以て
 7506:  体虚の地は。体実の天よりも精なりと雖も。
 7507:  其の地を取りて以て是れ天なりと為す可からず》
 7508:  此の天を取りて以て其の地なりと為す可からず》是に於て
 7509:  声なる者は麁にして〉而して
 7510:  主なる者の精なるを観る》
 7511:  主なる者は活す〉
 7512:  声なる者は死す》
 7513:  死声を以て活主を呼ぶ。
 7514:  其の定まる所を前に指せば。則ち活する所を後に逸す。
 7515:  其の得るは。実に逸するに勝らず。
 7516:  苟くも意を声外に於て活せずんば。則ち言語するに益無し。
 7517:  已に粲焉として立す〉声は之を毫厘に於て移す可からず〉
 7518:  本と混焉として成す》以て之を天地に於て尽す可し》是を以て
 7519:  虚なる者は虚なりと雖も〉而も虚を呼べば則ち実も亦た従う〉
 7520:  精なる者は精なりと雖も》而も精を呼べば則ち麁も亦た従う》故に
 7521:  之を侌と呼ぶ者も昜なり〉
 7522:  之を地と呼ぶ者も亦た天なり》故に
 7523:  気は物に非ずと雖も而も其の呼ぶ所の気は。
 7524:  或いは気なり。
 7525:  或いは物なり。
 7526:  之を他に移すに。皆な然らざる靡し。是を以て
 7527:  之を実結と謂う者も。亦た之を散虚と謂う。
 7528:  之を地体と謂う者も。亦た之を天気と謂う。
 7529:  声を声とし主を主とす。
 7530:  此を以て之を求めずんば則ち将に声主に泥まんとす。
 7531: 天体なる者は散なり〉散中に明暗を偶す〉
 7532: 地体なる者は結なり》結中に乾潤を偶す》
 7533:  昜気 散するの中〉侌を収し昜を発す〉
 7534:  共に象を清虚運転の気中に於て成す〉
 7535:  其の中に就きて之を言うに〉影収は日を圍するを以て〉而して
 7536:  日は鬱発して以て影を排すれば〉則ち
 7537:  影は気を為す〉
 7538:  日は物を為す〉是れ気象明暗の偶なり〉
 7539:  侌質 結するの中》昜を解し侌を結す》
 7540:  共に気を濁質升降の持中に於て為す》
 7541:  其の中に就きて之を言うに》水結は気を排するを以て》而して
 7542:  気は沛然として水を出ずれば》則ち燥は気を為す》
 7543:                  水は物を為す》
 7544:  是れ気質乾潤の偶なり》故に
 7545:  剖析して対持す。
 7546:  則ち天地は各おの其の物を偶す。
 7547:  一は能く万を立す。
 7548:  一は能く万を立すと雖も。
 7549:  亦た各おの天地の対を廃せず。
 7550: 体の虚なる者は則ち神活す〉
 7551: 体の実なる者は則ち物立す》
 7552: 虚を以てして活す〉而して規は転し矩は持す〉
 7553: 転体は以て剛なり〉
 7554: 持体は以て柔なり》
 7555: 実を以てして立す》而して天は覆し地は載す》
 7556: 天体は以て虚す》
 7557: 地体は以て実す》
 7558: 水火なる者は。気を以て体を為す。而して
 7559: 火は則ち粗なり〉
 7560: 水は則ち密なり》而して
 7561: 日影は天に於て偶す〉
 7562: 水燥は地に於て偶す》而して
 7563: 地体 土は則ち輭なり〉
 7564:    石は則ち堅なり》
 7565: 動植は体を此に於て資す。
 7566: 水なる者は地の象なり〉諸を天象に比すれば〉則ち
 7567: 質を融するを以て〉而も猶お地質に類す〉
 7568: 月なる者は天の水なり》諸を地火に比すれば》則ち
 7569: 気の精なるを以て》猶お地象より軽なり》
 7570: 転は剛にして濁を拒す〉
 7571: 持は柔にして質を容す》
 7572: 地は堅にして質を拒す〉
 7573: 燥は柔にして象を容す》
 7574:  物なる者は体に成し。形に和し。位に立し。機に行す。
 7575:  形は則ち正斜なり〉
 7576:  体は則ち虚実なり》
 7577:  虚実は正斜を得ざれば〉則ち成せず〉
 7578:  正斜は虚実を得ざれば》則ち立せず》
 7579:  物の体に成するや。神物と雖も。亦た虚実を以てして没露す。故に
 7580:  一気は則ち其の体を虚するなり〉
 7581:  大物は則ち其の体を実するなり》
 7582:  実すれば則ち中外を位と為す〉而して上下内外を定する有り〉
 7583:  天地の物を為す〉清虚濁実を其の中に於て体す〉
 7584:  虚すれば則ち正邪を理と為す》而して升降運転を変する有り》
 7585:  火の物を為す》 乾潤焚溺を其の中に於て性す》
 7586:  一動一止〉動は転を成す〉
 7587:       止は持を成す〉
 7588:  一虚一実》虚は天を成す》
 7589:       実は地を成す》
 7590:  虚にして動し〉動して旋す〉廼ち之を転と為す〉
 7591:  静にして実し》実して立す》廼ち之を地と為す》故に
 7592:  虚気転象〉体は剛柔を為す〉
 7593:  実体持地》体は堅輭を為す》
 7594:  宇宙は則ち以て其の物を精没す〉没すと雖も而も経緯は粲然たり〉
 7595:  天地は則ち以て其の物を麁露す》露すと雖も而も方位は隠然たり》
 7596:  転持は剛を以て規矩を見す〉見すと雖も而も直円の正を隠す〉
 7597:  水火は柔を以て華液を見す》見すと雖も而も寒熱の形を示さず》故に
 7598:  清濁寒熱は〉物に徹するの力有りと雖も〉其の柔を以てして碍せず〉
 7599:  転持水火は》気に虚するの体有りと雖も》而も其の剛を以てして物を拒す》
 7600:  宇宙は精せずんば〉何を以てか物を率して之を移し〉而して其の跡を没するを得ん〉
 7601:  物を容して之を住す〉而して其の体を没す〉
 7602:  天地は実せずんば》則ち奚を以てか精麁を透し》
 7603:                  堅密を融し》
 7604:                  山嶽を起し》
 7605:                  河海を畜せん》然り而して
 7606:  天虚は礙せず〉以て虚を成す〉
 7607:  地質は容せず》以て実を成す》
 7608:  天地なる者は物なり。体なる者は物の成する所なり。是を以て
 7609:  気に対すれば則ち体なり。
 7610:  虚に対すれば則ち実なり。
 7611:  天に対すれば則ち地なり。
 7612:  体は物を実体地中に於て開せば。
 7613:  則ち性も亦た物を其の中に於て為す。
 7614:  体性麁露して。而して
 7615:  天は載す可し。
 7616:  地は踏む可し。
 7617:  色は視る可し。
 7618:  気は触る可し。
 7619:  日影は相い追す〉
 7620:  水燥は相い盪す》
 7621:  気は持し風は動す。
 7622:  山は峙し海は陥す。
 7623:  皆な其の体なり。是に於て
 7624:  天体なる者は虚〉一精一麁なり〉
 7625:  地体なる者は実》一粗一密なり》其の
 7626:  精に於て痕を有する者は〉未だ麁を出でざる者なり〉
 7627:  虚に於て痕を有する者は》未だ実を出でざる者なり》是を以て
 7628:  精麁を併して之を麁にす。
 7629:  虚実を併して之を実にす。
 7630:  天地の一大結物たる。
 7631:  麁濁動実は体を結す〉而して
 7632:  精清静虚は気を散す》
 7633:  地なる者は実質凝重し〉降結沈下す〉
 7634:  至小は極を為して〉中位を得て之に乗す〉故に
 7635:  ※埃は漏する所莫し〉而して
 7636:  降結は帰する所有り〉
 7637:  天なる者は虚気軽融し〉升散浮外す》
 7638:  至大は無窮にして》坱坱を得て之に居す》故に
 7639:  洪荒は窮まる所無し》而して
 7640:  融散は竟に跡を没す》故に
 7641:  地なる者は重凝して下居し〉
 7642:  堅密凝結は核を為す〉
 7643:  輭粗融解は壌を為す》
 7644:  拗処は水 之を占す〉
 7645:  突処は燥 之を占す》
 7646:  天なる者は軽融して上浮し》
 7647:  精清融散は転を容す》
 7648:  麁濁舒解は持を容す》
 7649:  転処は象 之を占す》
 7650:  持処は質 之を占す》是に於て
 7651:  物は。或いは天を得て之に居す〉
 7652:     或いは地を得て之に立す》
 7653:  天を得る者は虚なり〉
 7654:  地を得る者は実なり》
 7655:  各おの其の資する所に従うなり。其の散は万物を為す。
 7656:  上は則ち星辰雲雨なり〉
 7657:  下は則ち土石動植なり》而して
 7658:  雲雨は則ち象中の実物なり〉
 7659:  動植は則ち質中の虚物なり》
 7660:  天なる者は気の蔵なり〉
 7661:  地なる者は質の府なり》是を以て
 7662:  質は愈いよ天に寡なり〉
 7663:  象は愈いよ地に寡なり》
 7664:  天に居し地に立す。物はINUNの間に擾擾たりと雖も。亦た唯だ一動一植のみ。
 7665:  一動一植は。是れ之を生と謂う。生は物を動植に分し。居を水燥に分す。
 7666:  地に資して以て生するを以て。体は堅輭を有し。体を以て生に乗す。
 7667:  堅植と曰い〉輭植と曰う〉
 7668:  堅動と曰い》輭動と曰う》
 7669:  居を水燥に分すれば。則ち
 7670:  堅は水に居す〉
 7671:  輭は燥に居す》
 7672:  陸は則ち艸木鳥獣なり〉
 7673:      土鹵金石なり〉
 7674:  水は則ち魚龍藻樹なり》
 7675:      亀介鱗甲なり》
 7676: 静にして天地なり〉
 7677: 動にして転持なり〉
 7678: 風恬水陸は〉則ち体 之を持中に於て縮するなり〉
 7679: 転にして日影なり》
 7680: 持にして水燥なり》
 7681: 昼夜冬夏は》則ち性 之を持中に於て縮するなり》
 7682: 一は天中より〉侌を収し実を結す〉
 7683: 一は地中より》昜を発し気を散す》
 7684: 収する者は清虚の中に黯黯として〉以て能く物を蔽す〉
 7685: 結する者 体は堅なり〉
 7686:  地なる者は水土塊中の核子なり〉
 7687:  堅にして至重なり〉
 7688:  止にして不動なり〉
 7689:  解して土石を為す〉
 7690:  融して淡鹹を為す〉
 7691:  之を天に反すれば》則ち
 7692:  天なる者は運転す》
 7693:  核子に於て桴す》
 7694:  至軽にして柔なり》
 7695:  動にして已まず》
 7696:  物は日月を為す》
 7697:  気は景影を為す》故に
 7698:  土石を観て以て地と為す者は〉食みて未だ核子に至らず〉
 7699:  之を火して砕す〉
 7700:  之を槌して破す〉
 7701:  豈に堅を語るに足らんや〉
 7702:  運転を観て以て天と為す者は》
 7703:  見て未だ胞を開せず》
 7704:  清は地を拒す》
 7705:  剛は物を拒す》
 7706:  豈に柔を語るに足らんや》
 7707: 力は引く〉
 7708:  火は軽にして升す〉
 7709:  水は重にして降す》
 7710:  行は其の路を同じくせず。而して
 7711:  質を好むを以て常に地に就かんと欲す。
 7712:  象質の同じく物に帰して気に於て異なる所以なり。
 7713:  日月なる者は。天の水火。其の路の同じからざる。
 7714:  彼此一なり。故に
 7715:  天に於ては則ち東 物の地を為す〉
 7716:         西 気の地を為す》
 7717:  気にして軽虚す〉
 7718:  物にして重実す》
 7719:  日は廼ち火なり。同じく侌を食す。
 7720:  故に天行に従うと雖も。
 7721:  而も侌行を求むる有り。
 7722:  天の西は〉猶お地の上のごとし〉
 7723:  天の東は》猶お地の下のごとし》故に
 7724:  水は降して地に就す〉其の尾は下に在す〉
 7725:  火は升して天に向す》其の首は下に在す》
 7726:  火の尾の升せんと欲して〉升すること能わず〉終に其の形を失するを観て〉而して
 7727:  火も亦た侌を好みて〉而して一の地に就するを知る〉
 7728:  月は東して日に向す〉其の尾は東に在す〉
 7729:  日は西して東に向す》其の首は東に在す》
 7730:  日の尾は西せんと欲して》西すること能わず》終に東に向するを観て》  而して
 7731:  月も亦た東すると雖も》而も首は西に向するを知る》
 7732:  天は虚にして軽なり〉故に天に親なる者は軽にして浮す〉
 7733:  地は実にして重なり》故に地に親なる者は重にして沈す》故に
 7734:  火は発して天に及ばず〉
 7735:  水は結して地に透せず》
 7736:  天火は則ち侌に於て発せられ〉而して常持の体を内に於て存す〉
 7737:  地火は則ち地に於て発せられ》而して毎換の体を外に於て滅す》
 7738:  地水なる者は降す〉地なる者は止す〉故に
 7739:  地水なる者は〉止する所を得て 地に聚す〉
 7740:  天水なる者は東す》天なる者は西す》故に
 7741:  天水なる者は》止する所無くして天に運す》
 7742: 濁隔を以てして彩を其の表に於て塞す〉
 7743: 発する者は濁実の表に昭昭として》以て物を能く照す》
 7744: 散する者は気は麁にして力は浮す》
 7745: 清虚を以てして色を其の外に於て通す》而して
 7746: 日は天地に華す〉
 7747: 水は天地に液す》
 7748: 華は影を以てして護す〉
 7749: 液は燥を以てして桴す》故に
 7750: 日の鬱発は〉熱は舒し明は布す〉気は往交すれば則ち乾す〉
 7751:                象は引接すれば則ち焚す〉
 7752: 水の融盪は》冷は粛し液は滋す》気は往交すれば則ち湿す》
 7753:                質は引接すれば則ち溺す》
 7754:  天地の物は〉 其の位を定して体を接せず〉
 7755:  天地間の物は》其の位を移して体を相い接す》故に
 7756:  火は水に接すれば則ち水を涸す〉木に接すれば則ち木を食す〉
 7757:  水は木に接すれば則ち木を腐す》火に接すれば則ち火を食す》
 7758:  乾熱は寒に遭いて温を和し〉水を吸して滋を致す》
 7759:  燥温は物を煦す〉
 7760:  水滋は物を液す》
 7761:  持中の万物は。其の滋煦を受く。
 7762:  是れINUNの痕を露する者なり。
 7763: 影は粛し日は舒す〉
 7764: 燥は煦し水は滋す》
 7765: INUNは以て用を造化に於て成す。
 7766: 散気は虚動を伴す〉
 7767: 結質は実止を伴す》
 7768: 天地は容居す〉
 7769: 水火はINUNす》
 7770:  転中は気 剛なり〉故に気は其の力を極む〉
 7771:  持中は気 柔なり》故に気力は自ら微なり》故に
 7772:  寒熱明暗は〉天に在りては其の甚を極む〉
 7773:  温冷清濁は》地に在りては其の勢を殺す》
 7774:  転は剛を以て自ら取る〉
 7775:    柔を以て之を地に譲る》
 7776:  持中の柔輭を知る可し。是に於て
 7777:  持の物は。常に剛勢に勝らず。其の
 7778:  大寒大熱に遇して凍焚す〉
 7779:  大暗大明に遇して盲羞す》亦た其の徴なり。是を以て
 7780:  艸木鳥獣は。皆な柔輭の物なり。
 7781:  彼此を通観して。以て工夫を此のINUNに於て下すを得る。
 7782: 蓋し其の成する所は。
 7783: 侌は収を以てして結す〉
 7784: 昜は発を以てして散す》
 7785: 燥火は同性にして〉火は天に走し〉燥は地に居す〉
 7786: 水影は同性にして》水は地に浮し》影は地に沈す》
 7787: 影の常に斂するや〉火を束する所以なり〉
 7788: 火の常に発なるや》影を排する所以なり》
 7789: 物を発するを以て〉而して明は常に暗分に進す〉
 7790: 物を収するを以て》而して暗は常に明熱を抱す》
 7791: 聚散解結は〉体成の用なり〉
 7792: 発収排吸は》性成の用なり》
 7793: 鬱達粛舒。発斂凝融は。其の間に変化するなり。
 7794:  天なる者は精なり。万物を容して有余を見せず。
 7795:           万物を除して不足を見せず。故に
 7796:  聚散解結なる者は。其の中に遊す。蓋し
 7797:  気は能く聚散す〉
 7798:  質は能く解結す》然り而して
 7799:  気は聚せざれば則ち質は結ばず〉
 7800:  気は散ぜざれば則ち質は通ぜず》
 7801:  此の気や。分明に聚散す。
 7802:  若し彼に間無くんば〉則ち何ぞ此に聚せん〉
 7803:  此に聚する可くんば》則ち何ぞ彼に間無からん》
 7804:  已に能く聚散す。而して能く聚散する者を容す。
 7805:  豈に精ならざるを得んや。
 7806:  水注を以て水を弄するに。
 7807:  水は出せざれば〉則ち気は入せず〉
 7808:  気は入せざれば》則ち水は出せず》
 7809:  毫末の間 無き者の如し。
 7810:  然りと雖も※※を取りて之に風し。
 7811:  両端を撚りて之を縮むれば。
 7812:  則ち其の※は小にして堅なり。
 7813:  之を緩むれば則ち其の※は大にして輭なり。
 7814:  是に於て間無き者も亦た縮※を有するを観る。
 7815:  是を以て発する者は有余に噴す〉
 7816:  今径尺の鼓は〉声を数里に徹す
 7817:   数寸の燈は〉明を百歩に致す〉
 7818:  収する者は足らざるに吸す》
 7819:  一滴の水は》百歩を照らすの明を収す》
 7820:  鼓に灑ぐの雨は》数里に徹するの声を鈍らす》故に
 7821:  発収なる者は〉相資の道なり〉
 7822:  散結なる者は》成体の用なり》是を以て
 7823:  気の聚散〉
 7824:  質の解結》
 7825:  経緯を有すと雖も。亦た生化の事なり。
 7826:  物の将に生するや〉其の気は聚す〉
 7827:  物の已に生するや〉其の質は結す〉
 7828:  物の将に化するや》其の気は散す》
 7829:  物の已に化するや》其の質は解す》故に
 7830:  雨は将に結せんとすれば〉則ち侌湿 先動す〉
 7831:  子は将に結せんとすれば》則ち感悦 先動す〉
 7832:  将に此の物を生せんとすれば〉則ち此の気 聚す》
 7833:  聚すれば則ち質 結す〉
 7834:  将に此の物を化さんとすれば》則ち此の気 散す》
 7835:  散すれば則ち質 尽く》
 7836:  生化の端は。水火 其の徴す可き者なり。蓋し
 7837:  持中は。気なる者は燥なり〉
 7838:      質なる者は水なり》而して
 7839:      水気は好く収す〉
 7840:      燥気は好く発す》是れ
 7841:  気の常に升し。
 7842:  質の常に降する所以なり。
 7843:  収の極や凝なり〉
 7844:  発の極や散なり》故に
 7845:  甕中の儲水は〉凝すること甚だしくして気を聚斂すれば〉
 7846:  終に其の器を砕く〉
 7847:  爆竹の鬱火は》逼急にして気を発出すれば》
 7848:  以て其の質を裂す》故に
 7849:  収して之を収すれば〉氷の大きさは〉水より小なり〉
 7850:  発して之を発すれば》火の大きさは》薪より大なり》是を以て
 7851:  氷の体を水よりも小にするは〉気の散に非ざるなり〉気の内に収するなり〉
 7852:  火の体を薪よりも大にするは》気の聚に非ざるなり》気の外に発するなり》是の故に
 7853:  水を鑵中に置き〉火を以て之を煎ずれば〉則ち水は鑵中に沸く〉
 7854:  綿を匏内に焼き》之を瘡口に置けば》  則ち膿は匏内に入る》
 7855:  水の鑵中に沸くは〉則ち火の其の収物を発散すればなり〉
 7856:  膿の匏内に入るは》則ち水の其の発気を収斂すればなり》故に
 7857:  燥は結鬱より成す》
 7858:  水は解発より融す》故に
 7859:  充する者は徒らに充せず〉
 7860:  結する者は徒らに結せず》
 7861:  皆な天中に遊す。
 7862: 一結物の外は。坱坱の虚。唯だ清にして虚す。
 7863: 日影水燥は。以て其の間に敷くなり。
 7864: 天地は一胞なり〉
 7865: 華液は孿胎なり》
 7866: 日圏は天心を占する能わず〉弧中を行するを以て〉其の円を全す〉
 7867: 水圏は地心を占する能わず》地表を遊するを以て》其の円を全す》是を以て
 7868: 水燥の圏は。能く天地の球を合すと雖も。而も
 7869: 其の実は不占心の二圏にして。以て天地の中に於て立す。
 7870: 一顆の玉〉諸を日照の中に置けば〉侌影は圍余して〉火を其の清下に発す
 7871: 一面の鏡》諸を湿蒸の上に蓋せば》清気は拒む有り》露を其の濁上に結す
 7872: 華液の物を為す。推して知る可きなり。
 7873: 天なる者は日華を以て〉昜徳を上に於て播す〉
 7874: 地なる者は水液を以て》侌徳を下に於て施す》故に
 7875: 星辰は皆な昜華を承す〉
 7876: 動植は皆な侌液を含す》
 7877: 日影なる者は〉華の営衛なり〉
 7878: 水燥なる者は》液の営衛なり》
 7879: 日火と月水と〉景燥と影湿と〉其の性類を同じくして〉而して其の天地を反す〉
 7880: 日月と水火と》景影と湿燥と》其の位類を同じくして》而して其の侌昜を反す》
 7881: 剖する所は愈いよ多し。而して対する所は愈いよ多し。
 7882: 対する所の多ければ。則ち交態は各おの異なるなり。是を以て
 7883: 天日地水は。則ち一球中に乾潤し。発収を相い貫す。
 7884: 両圏は既に相い分すれば。則ち
 7885: 日影は明暗寒熱を有す〉
 7886: 水燥は乾潤滋煦を有す》
 7887: 日影は寒熱明暗を有し〉水燥は温冷清濁を以て其の用を比す〉
 7888: 水燥は乾潤滋煦を有し》日影は発収粛舒を以て其の用を比す》  (-003を含む。)
 7889: 引伸触類。以て推す可し。
 7890:  天地は已に相分す〉
 7891:  万物は已に並立す》
 7892:  其の物の並立するや。各おの其の気を用して。交接する所に従う。
 7893:  亦た相い対する者有るなり。
 7894:  姑く徴を人に移して之を言わんに。
 7895:  己れの身は則ち一のみ。
 7896:  君に対すれば則ち忠を以て交わる。
 7897:  臣に対すれば則ち礼を以て交わる。
 7898:  父に接すれば則ち孝。
 7899:  子に接すれば則ち慈。
 7900:  男女は相い感ず。
 7901:  怨讐は相い嫉む。故に
 7902:  物は則ち條理を以てして立す〉
 7903:  気は則ち会所に従いて 変す》
 7904:  是を以て正偶は佗に非ずと雖も。並立して相反す。
 7905:  対せざる所有ること莫し。故に
 7906:  火なる者は侌を以て燃ゆる者なり〉
 7907:  侌の粛寒に会すれば〉則ち鬱して熱す〉
 7908:  金に会すれば則ち之を融す〉
 7909:  木に会すれば則ち之を焼く〉
 7910:  暗に会すれば則ち光を増す〉
 7911:  水に会すれば則ち象を収む〉
 7912:  水なる者は昜を以て融する者なり〉
 7913:  昜の鬱熱に会すれば》則ち粛して寒す》
 7914:  金に会すれば則ち之を沈む》
 7915:  木に会すれば則ち之を浮ぶ》
 7916:  明に会すれば則ち光を発す》
 7917:  火に会すれば則ち質を失う》是の故に
 7918:  地なる者は結物にして〉而して結外に於て水は融し火は発す〉
 7919:  乾は地に交して燥なり〉
 7920:  水は天に接して湿なり〉
 7921:  天なる者は散物にして》   散中に於て日は発し月は収す》
 7922:  質は日に交して影なり》
 7923:  日は月に交して景なり》
 7924:  天地は覆載す》
 7925:  侌昜はINUNす》
 7926:  天にして星辰なり〉
 7927:  地にして動植なり》
 7928:  紛縕錯雑として。其の尽くす所を見せず。
 7929: 是に於て日影は処を天に於て開す〉而して星辰は旋す〉
 7930:     水燥は処を地に於て開す》而して動植は住す》
 7931: 地著の質は〉地の性に従う〉故に潤にして暗なり〉
 7932: 天懸の象は》天の性に従う》故に乾にして明なり》故に
 7933: 月は暗体と雖も〉主に従いて明を假る〉
 7934: 火は明体と雖も》主に従いて暗を為す》
 7935: 火なる者は鬱して発す〉象にして天に居す〉
 7936: 其の質を食するを以て其の尾の上に向すを推して〉而して日の首の東に向すを知る〉
 7937: 水なる者は収して結す》質にして地に居す》
 7938: 其の気に資するを以て其の尾の地に向すを推して》而して月の尾の東に向すを知る》
 7939: 火は地を出する有りて地に入する無し〉
 7940: 水は天を降する有りて天に升する無し》而して
 7941: 日月水火。雌雄も亦た勢を張る。
 7942: 日は以て歳を成す〉
 7943: 月は以て月を成す》而して
 7944: 燥物は日に応す〉
 7945: 水物は月に応す》
 7946: 滋煦の正に成するなり。
 7947: 水は以て雪を凝す〉
 7948: 燥は以て雷を発す》
 7949: 以て其の極と為すなり。是に於て
 7950: 昼夜冬夏する者は〉日影なり〉
 7951: 生化解結する者は》水燥なり》
 7952: 水燥は持中に塞す〉以て水陸の文を為す〉
 7953: 日影は転中に通す》以て歳時の章を為す》
 7954: 時は精通して生化を痕する無し〉
 7955: 処は精塞して方位を示す》唯だ
 7956: 物にして後 生化して袞袞に従す〉
 7957: 物にして後 虚実して坱坱に居す》
 7958: 孿子は各おの活立を含むと雖も。而も胞中の気血は。均しく両胎を養う。故に
 7959: 華液の二圏は。一胞の中に在りて。同じく其の天地動止を成す。故に
 7960: 之を華液と謂う〉則ち孿胎は一胞の化育を活す〉
 7961: 之を両環と謂う》則ち一胞は孿生の天地を立す》
 7962: 
 7963:  体物図
 7964:  性物図
 7965:  性体気物図
 7966:  為物剖析図
 7967:  成物剖析図
 7968:  天含機体性図
 7969:  体成大小二境図
 7970:  性成象質二物図
 7971:  天地圏一合
 7972:        天圏〉則ち日月之毬〉居其趺上〉
 7973:        地圏》則ち水燥之毬》居其趺上》
 7974:  水燥図
 7975:  日影図
 7976:  雙弦弧図
 7977:  性物剖析図
 7978:  同反比図
 7979:  同比斜親疏図
 7980:  性体二界図
 7981:  大小天地図
 7982: 
 7983:  性界の冊
 7984:   日影
 7985: 宇宙は気なり〉本なり〉之 天界を為す〉
 7986: 天地は物なり》根なり》之 体界を為す》
 7987: 転持なる者は〉其の気 能く物に体す〉故に精なり〉之 機界を為す〉
 7988: 華液なる者は》其の物 能く性を見す》故に英なり》之 性界を為す》
 7989: 四界合して一天地を成す。
 7990: 條理に従いて之を剖析す。本源末派。多少同じからず。夫れ
 7991: 宇は能く  物を立す。
 7992: 宙は能く其の間を通す。
 7993: 通は已に塞中に通す。則ち宇は直一なり。
 7994: 宇中にては。転持の機は〉正斜の形に依す〉以て其の物を没す〉
 7995:       虚実の体は》華液の性を以て》以て其の物を露す》
 7996: 露没を合して。以て全物を得る。然りと雖も
 7997: 機体は能く合す〉
 7998: 華液は能く分す〉
 7999: 分すれば則ち各おの天地を持す。
 8000: 機体の有せざる所の色性を以て。之を虚天実地の間に於て充塞す。故に
 8001: 華液と天地と。其の源を合し。其の派を分す。
 8002: 形体は相い得て〉而して其の体 立す〉
 8003: 色性は相い得て》而して其の性 活す》是に於て
 8004: 宇は能く機体を一球に於て成す〉
 8005: 華液は環を  球中に於て分す》
 8006: 性なる者は水燥の性才に就いて言うなり〉
 8007: 色なる者は日影の色気に就いて言うなり》
 8008: 色なる者は清濁なり〉虚実の通隔を為すよりして成す〉
 8009: 気なる者は寒熱なり》動静の発収を為すよりして成す》是に於て
 8010: 色気なる者は機体の流派なり。以て一胞孿胎の状を観る。是を以て
 8011: 気境に入るや〉気ならざる者莫し〉
 8012: 色境に入るや》色ならざる者莫し》夫れ
 8013: 宇なる者は。機体を合して一球を為す。以て之を容す。
 8014: 一球は侌成昜成の両圏を容す。以て性の物を成す。
 8015: 侌成は水燥を以て地球に襲す〉
 8016: 昜成は日影を以て天転に駕す》
 8017: 日弧の東規は。
 8018: 西規の一線を絡して。日 其の線に駕す。
 8019: 東規と相い糾して 東に之き西に之く。
 8020: 日は既に此に駕す。
 8021: 其の日に駕する者は。能く運天を中断す。日に駕する所の者は。
 8022: 自ら機軸を出して。中を立し外を布す。
 8023: 輪軸は※を脱して。衆辰は之に駕す。
 8024: 日に近き者は疾し〉
 8025: 日に遠き者は遅し》
 8026: 諸を日月の弧に例すれば。節を有して漸むに急を為す者に似たり。
 8027: 諸を人の途に上る者に例すれば。道路に近遠を有るに由る者に似たり。既に
 8028: 虚を以て物を為す。
 8029: 動を以て行を為す。
 8030: 色を以て体を為す。
 8031: 性を以て気を為す。
 8032: 其の色は則ち明なり〉而して外気は暗を為す〉
 8033: 其の気は則ち熱なり〉而して外気は則ち寒す〉
 8034: 此の物は持中に接して〉昼夜冬夏を為す〉
 8035: 是に由りて之を推すに。
 8036: 月は其の色 暗なり》
 8037: 外気は明を為す》
 8038: 外気は則ち暄し》
 8039: 其の気は冷に当たり》
 8040: 転中に漸みて晦朔弦望を為す》故に
 8041: 日月は相い比す。下は水燥と応を為す。是を以て
 8042: 日は昜化を布して燥に和す〉
 8043: 月は侌化を布して水に和す》是を以て
 8044: 水燥滋煦の化は。全く力を日月景影に假る。
 8045: 色界の気を有するは〉
 8046: 猶お性界の才を有するがごとし》而して
 8047: 気の寒熱は〉動静に成す〉
 8048: 色の明暗は》清濁に成す》夫れ
 8049: 虚する者は清にして通す〉
 8050: 実する者は濁にして隔す》
 8051: 神活以上は〉清を以て其の体技を見せず〉
 8052: 物立以下は》濁を以て其の体技を没せず》
 8053:  隔は何を以てか隔す〉其の能く彩を呈するを以て隔す〉
 8054:  隔すれば則ち一白一黒なり〉
 8055:  通は何を以てか通す》其の能く色を播するを以て通す》
 8056:  通すれば則ち一明一暗なり》
 8057:  変化の成する所は。瑣にして尽きず。
 8058:  転持なる者は清なり〉機を以て其の技を伸す〉
 8059:  明暗なる者は濃なり》色を以て其の技を伸す》
 8060: 濁中は清濁通隔す。
 8061: 通は素色を開す〉
 8062: 隔は文彩を呈す》而して
 8063: 素色文彩は皆な色なり〉
 8064: 機態勢気は皆な気なり》而して
 8065: 其の明暗寒熱を以て物を成し。天地と勢を張る者は。日影なり。故に
 8066: 明暗寒熱は日影を成す。
 8067: 日影は明暗寒熱を有す。是に於て。色気をN言して。
 8068: 以て人の日影の専ら明暗寒熱を有するを知るを要す。蓋し
 8069: 物なる者は体に立す〉而して
 8070:      色に見す》故に
 8071: 天なる者は散虚なり〉清にして通す〉
 8072: 地なる者は結実なり》濁にして隔す》
 8073: 素色文彩の体に託する所なり。
 8074: 濁は清を食す。復た能く清を吐す。是に於て
 8075: 濁物は淡を以て清と為す〉
 8076:    濃を以て濁と為す》
 8077: 濁中 清なる者は〉日は光り地は侌にして〉以て明暗の色を播す〉
 8078: 濁中 濁なる者は》日は白く地は黒にして》以て青赤の彩を呈す》是に於て
 8079: 色の成するは虚没の気を見す〉
 8080: 彩の呈するは実露の物を見す》是に於て
 8081: 体は色に見す〉
 8082: 色は体に露す》而して
 8083: 天地象質〉禽獣羽毛の美〉
 8084: 艸木華葉の麗》皆な彩色を出する能わざるなり。
 8085: 是を以て淡濃は則ち露中の清濁なり。
 8086: 天なる者は清〉
 8087: 地なる者は濁》
 8088: 清は能く明を発す〉
 8089: 濁は能く暗を起す》
 8090: 明なる者は〉其の彩は白〉其の文は光〉
 8091: 暗なる者は》其の彩は黒》其の文は侌》
 8092:  清は能く明を発す〉故に日は天中に聚す〉
 8093:  水は亦た地の清物なり〉是を以て
 8094:  水気は明を発す〉
 8095:  水体は光を受す〉
 8096:  濁は能く暗を起す》故に
 8097:  影は地の上に散す》
 8098:  日も亦た天の濁物なり》是を以て
 8099:  日体は物を隔す》
 8100:  日気は濁を為す》
 8101:  地火天水も。其の事は同じく然り。影は静にして日は動なり。
 8102:  日は追い影は移す。而して昼夜冬夏有り。
 8103:  有ると雖も而も日は則ち転す。影は則ち移す。
 8104:  移なる者は静なり〉
 8105:  運なる者は動なり》
 8106:  動なる者は天に依すなり〉
 8107:  静なる者は地に依すなり》
 8108: 日影は濃と雖も清中に在す〉故に彩を隔せず〉
 8109: 水燥は淡と雖も濁中に在す》故に物を隔し易し》
 8110: 天は通するを以て〉而して光侌は明暗を播す〉
 8111: 地は隔するを以て》而して黒白は淡濃を呈す》
 8112: 日は明にして照す〉
 8113: 影は暗にして蔽す》
 8114: 水は清にして通す〉
 8115: 燥は濁にして隔す》是を以て
 8116: 地なる者は侌体なり〉影は侌気を以て〉而して地に依して天に充す〉然りと雖も〉
 8117: 日は充天の影を排す〉而して地をして明中に居せしむれば〉則ち
 8118: 地は常に半面の侌を持す〉故に之を分すれば〉則ち天影を有し〉地影を有す〉
 8119: 日なる者は昜体なり》景は昜気を以て》而して天に依して地に充す》然りと雖も》
 8120: 地は隔色の濁を以て》   日をして半面に当らしむれば》則ち
 8121: 日は常に半面の明を播す》故に之を分すれば》則ち天景を有し》地景を有す》
 8122:  昜散地結は〉体を虚実に於て露す〉散虚は地を覆し〉結実は天を載す〉
 8123:  侌収昜発は》体を明暗に於て見す》発明は天を照し》収暗は地を覆す》
 8124:  天機なる者は清〉
 8125:  天象なる者は濃》
 8126:  天機は則ち転持〉
 8127:  天象は則ち日影》
 8128:  気は以て東西す〉
 8129:  象は以て照蔽す》
 8130:  天は東西照蔽を除くの外に見せず。見せざるを以て天の精清を観る。
 8131:  精清を観て。而して気象の猶お未だ清ならざるを知る。故に
 8132:  天地は以て通隔す〉
 8133:  日影は以て照蔽す》
 8134:  天なる者は体して虚なり〉
 8135:  地なる者は体して実なり〉
 8136:  影なる者は収して象なり》
 8137:  日なる者は発して象なり》火を中央に點す〉
 8138:  四辺は必ず瞑し〉彼の蒼たる者は象光の到らざるの地なり〉
 8139:  火辺は物を有せば》一辺は必ず影す》
 8140:  地上の昼夜なる者は》明暗の相い転するなり》
 8141:  能く発昜をして上に聚せしむる者は〉影の下に収するなり〉
 8142:  能く収侌をして外に散せしむる者は》日の裏に発するなり》
 8143:  明気なる者は景なり〉分して昼を為す〉
 8144:  暗気なる者は影なり》分して夜を為す》是を以て
 8145:  昼夜なる者は〉明暗の地に徴す可き者なり〉
 8146:  景影なる者は》明暗の天に観る可き者なり》蓋し
 8147:  地を以て天に対すれば〉則ち
 8148:  濁結は地に成す〉             (「》」を「〉」に改める。)
 8149:  清散は天に成す〉
 8150:  地を以て日に対すれば》則ち
 8151:  明熱は日に寓す》
 8152:  暗寒は地に依す》
 8153:  景は品彙をして彩を呈せしむ〉
 8154:  影は朱緑をして色を収せしむ》
 8155:  暗寒は地に依す〉故に日は隠にして暗なり〉
 8156:            日は遠にして寒なり〉
 8157:  明熱は日に寓す》故に日は見にして明なり》
 8158:            日は近にして熱なり》
 8159: 素は以て彩を呈す〉
 8160: 文は以て色を播す》故に
 8161: 質に依す者は彩に資す〉
 8162: 象に依す者は文に資す》
 8163: 合して之を言えば。則ち日は白にして光す〉明にして通す〉
 8164:            地は黒にして侌す》暗にして隔す》
 8165: 分して之を言えば。則ち彩は則ち黒白にして体に著す〉
 8166:            文は則ち光侌にして体を離す》
 8167:  体は上下に分して居す〉
 8168:  気は前後に分して行す》
 8169:  明暗は亦た寒熱を伴して其の時に行す〉
 8170:  清濁は亦た乾潤を伴して其の処に居す》故に
 8171:  天は清にして乾す〉
 8172:  地は濁にして潤す》是に於て
 8173:  清濁は天地を為す〉
 8174:  乾潤は象質を為す》
 8175:  日は明にして熱す〉
 8176:  影は暗にして寒す》
 8177:  寒熱は冬夏を為す〉
 8178:  明暗は昼夜を為す》故に
 8179: 素なる者は〉色の天なり〉
 8180: 色なる者は》素の地なり》而して
 8181: 素色は運為する所を有す〉
 8182: 文彩は変化する所を有す》
 8183: 景明影暗は天清に居す〉
 8184: 水清燥濁は地濁に居す》是を以て
 8185: 天中の散物は〉亦た其の象を明暗にし〉其の体を聚散す〉以て景影の中に懸す〉
 8186: 地中の散物は》亦た其の気を乾潤にし》其の体を解結す》以て水燥の中に立す》故に
 8187: 月辰の暗は景に於て聚す〉
 8188: 星漢の明は影に於て散す》
 8189:  景中に居する者は〉其の象は暗なり〉明を受けて光る〉
 8190:  偶する者は月〉属する者は辰〉散して景に居すなり〉
 8191:  影中に居する者は》其の象は明なり》暗に居して光る》
 8192:  聚する者は漢》散する者は星》列して影に居すなり》
 8193:  地は明中に居す〉景を為し映せられて彩を見す〉
 8194:  日は暗中に居す》影を為し擁せられて光を露す》
 8195: 雲烟の濁は〉自ら水解す〉
 8196: 雨露の清は》自ら燥結す》
 8197:  日は景影を有す〉
 8198:  地は水燥を有す》
 8199:  地なる者は〉精英の根本〉体を下に於て為す〉
 8200:  其の居は中を占し〉水は地を環し〉燥は水を環し〉数層 一円に并す〉
 8201:  日なる者は》本根の英華》体を上に於て為す》
 8202:  其の行は中を守し》景は日を環し》影は景を環す》数層 一円に并す》是に於て
 8203:  日と地と勢を張るなり。故に
 8204:  日は景影の主を為す〉
 8205:  地は水燥の主を為す》
 8206:  合すれば則ち皆な一円に帰す。是に於て。
 8207:  月辰は暗にして景に居す〉
 8208:  星漢は明にして影に居す〉
 8209:  雲烟は濁にして地を出す》
 8210:  雨露は清にして天を下す》
 8211: 地隔燥濁は〉共に濁中に濁す〉
 8212: 日照影蔽は》共に清中に濁す》
 8213:  地は燥と共に濁す〉而して地は濁にして隔す〉燥は濁にして通す〉
 8214:  日は影と共に濁す》而して日は濁にして隔す》影は濁にして通す》是を以て。
 8215: 日彩なる者は白なり〉其の文なる者は光なり〉明を以てして照を播す〉
 8216: 地彩なる者は黒なり》其の文なる者は侌なり》暗を以てして蔽を播す》故に
 8217: 明なる者は〉昜の色なり〉其の用は照す〉
 8218: 暗なる者は》侌の色なり》其の用は蔽す》
 8219: 白なる者は〉象の彩なり〉其の用は明を持す〉
 8220: 黒なる者は》質の彩なり》其の用は暗を和す》
 8221: 暗は明に和して青なり〉
 8222: 黒は白に和して赤なり》
 8223:  雲霧昏濁の中〉皆既の食に遇すれば〉地の本彩を観る〉
 8224:  天気晴朗の夜〉無月の天を望すれば〉天暗の地黒に及ばざるを観る〉
 8225:  以て青黒を天地に於て弁ず可し〉
 8226:  天気晴朗の時》正昼の日を望すれば》日の本彩を観る》
 8227:  雲霧昏濁の中》晦夜の火を望すれば》地明の天白に及ばざるを観る》
 8228:  以て赤白を天地に於て弁ず可し》
 8229: 光は質に在して沢なり〉
 8230: 侌は体に在して影なり〉夫れ明暗の照蔽に於ける。
 8231: 照は〉能く侌昜を具す〉
 8232: 昜気は〉則ち発を以てして他を播す〉
 8233: 侌体は〉則ち収を以てして佗を假る〉
 8234: 昜照は〉天に在すれば則ち日なり〉地に在すれば則ち火なり〉
 8235: 侌照は〉地に在すれば則ち水なり〉天に在すれば則ち月なり〉
 8236: 蔽も亦た気物を具す》
 8237:  気体は》則ち濁を以てして佗を翳す》
 8238: 物体は》則ち隔を以てして佗を遮す》
 8239: 気蔽は》天に在すれば則ち影なり》地に在すれば則ち燥なり》
 8240: 体蔽は》天に在すれば則ち食なり》地に在すれば則ち夜なり》
 8241: 是れ明暗の運為なり。蓋し
 8242: 清なる者は〉昜の素にして〉其の用は通なり〉
 8243: 濁なる者は》侌の素にして》其の用は隔なり》
 8244: 侌隔の中〉気は則ち能く発す〉
 8245:      体は則ち能く隔す〉
 8246: 気発は〉清なれば則ち物に被う〉
 8247:     濁なれば則ち己に持す〉
 8248: 体隔は〉清なれば則ち彩を假る〉
 8249:     濁なれば則ち彩を見す〉
 8250:  明なる者は〉光を布して物を被う〉
 8251:  暗なる者は〉侌を布して物を被う〉
 8252:  色にして外発するなり〉
 8253:  白なる者は》明を含みて物を持す》
 8254:  黒なる者は》暗を含みて物を持す》
 8255:  彩にして自ら持するなり》且つ
 8256:  隔する者は。後を隠して前を見す》是を以て。
 8257:  清なれば則ち佗色を假りて見す〉
 8258:  猶お鏡の背面の画図を隠して〉而して前面の物象を写すがごとし〉
 8259:  濁なれば則ち本彩を以て 見す》
 8260:  猶お地の下面の天を隠して〉 而して上面の物彩を見るがごとし》
 8261: 昜通の間》気は則ち能く透す》
 8262:      体は則ち能く受す》
 8263: 気透は》 明は則ち質を透す》
 8264:      暗は則ち象を透す》
 8265:  物の地上に在すれば。剛柔動静に資す〉
 8266:            寒熱明暗に受す》
 8267:            明暗は事を昼夜に行す〉
 8268:            寒熱は事を冬夏に行す》
 8269:  明暗は〉物 之を受けて〉而して動静に覚す〉故に動は能く睡覚を為す〉
 8270:  寒熱は》物 之を受けて》而して発収に覚す》故に植は能く栄枯を為す》
 8271:  明暗は寒熱と偶を為す。而して気を歳日に於て用す。
 8272:  物の時に路する者は。皆な此の代るがわる旺する者を経す。然り而して
 8273:  其の体は則ち日に在して熱す〉
 8274:        地に在して寒す〉
 8275:        景を以て 明す》
 8276:        影を以て 暗す》故に
 8277:  目の色に於ける明なれば則ち目の通に覚す〉
 8278:         暗なれば則ち目の塞に覚す》
 8279:  暗の目を塞するに非ず〉惟だ暗なれば〉則ち地体を隠して〉而して天象を見す〉
 8280:  明の目を通するに非ず》惟だ明なれば》則ち天象を隠して》而して地質を見す》且つ
 8281:  気にして清なれば〉則ち体の隔する無し〉故に
 8282:  後に通するを以て〉而して之を前に受するを得ず〉
 8283:  体にして清なれば》則ち体の隔する有り》故に
 8284:  後に隔するを以て》而して之を前に受せざるを得ず〉夫れ
 8285:  清なれば則ち淡なり。
 8286:  淡にして無体なれば〉則ち底に透せざること能わず〉
 8287:  淡にして有体なれば》則ち前に受せざること能わず》透受の弁なり。
 8288: 体受は》象は則ち之を浮す》
 8289:     質は則ち之を沈す》
 8290:  気なる者は〉能く透す〉
 8291:  体なる者は》能く受す》清の運為なり。蓋し
 8292:  天なる者は淡なり〉
 8293:  象なる者は濃なり》是を以て。
 8294:  明の天に於ける〉濃を以て象を隠す〉淡を以て質を見す〉
 8295:  ※埃の擾擾と雖も〉其の彩を遺さず〉
 8296:  暗の天に於ける》濃を以て質を隠す》淡を以て象を見す》
 8297:  ※耀の耿耿と雖も》其の光を余さず》且つ
 8298:  有体なれば則ち後に透する所無し〉
 8299:  清なれば 則ち前に受する所有り》故に
 8300:  象を浮すれば〉則ち虹霓を為し〉波光を為す〉
 8301:  艸間の露〉蚌中の珠〉弄するに随いて彩を転する者は〉  受けて浮するより成す〉
 8302:  質を沈すれば》則ち海市を為し》水影を為す》
 8303:  眼中の色》鏡裏の影》見するに随いて形を現する者は》皆な受けて沈するより成す》
 8304: 是れ清濁の運為なり。 
 8305: 色は彩を運為に於て成す。
 8306: 彩は色を運為に於て依す。
 8307: 色運は窮まらず〉
 8308: 彩変は限り無し》是を以て。
 8309: 黒白は体に持す〉
 8310: 光侌は気に発す》
 8311: 日体の白は〉地気の黒に隔すれば則ち赤なり〉而して
 8312: 黄と赤とは〉隔の厚薄に由る〉
 8313: 地気の黒は〉日光の照を受すれば則ち紅なり〉而して
 8314: 紅と紫とは〉映の正斜に由る〉
 8315: 白なる者は〉清体の明彩にして〉黒濁に和して赤し〉故に
 8316: 火の赤〉濁質を食するに由るなり〉是を以て〉
 8317: 赤彩は地に成す〉而して天に成らざるなり〉
 8318:  質なる者は〉暗なり〉
 8319:  象なる者は》明なり〉
 8320:  水なる者は〉気の質に之くなり〉故に気にして質なり〉
 8321:  火なる者は》質の気に之くなり》故に気にして象なり》故に。
 8322:  水は〉深なれば則ち暗なり〉
 8323:     浅なれば則ち淡にして気の如し〉
 8324:  火は》燻すれば則ち暗なり》
 8325:      燃すれば則ち明にして象を為す》
 8326:  水は〉液を以て体を為す〉
 8327:     暗を以て気を為す〉
 8328:  月は象を以て暗なり〉
 8329:  水は質を以て暗なり〉
 8330:  月なる者は〉侌質の無体に依す者なり〉故に能く明を為す〉
 8331:  水なる者は〉侌質の有体に依す者なり〉故に能く暗を為す〉
 8332:  火は〉焔を以て体を為す》
 8333:     明を以て気に為す》
 8334:  日は白を以て明なり》
 8335:  火は黄を以て明なり》
 8336:  日なる者は》昜象の無体に依す者なり》故に其の色や白なり》
 8337:  火なる者は》昜象の有質に依す者なり》故に其の色や黄なり》
 8338:  黄なる者は。赤の未だ甚しからざるなり。猶お碧の青に於けるがごとし。
 8339:  赤なる者は〉黒白の間に彩す〉
 8340:  青なる者は〉明暗の間に彩す》故に。
 8341:  昜火は〉白なること能わざるを以て黄なり〉
 8342:  侌火は〉明なること能わざるを以て青なり〉
 8343:  天影は暗なること能わざるして青なり》
 8344:  雲烟は暗なること能わざるして黯なり》是を以て。
 8345:  火は気と雖も〉而も質に依するを以て〉而も未だ日の白に若かず〉
 8346:  水は質と雖も》而も気よりするを以て》而も  地の黒に若かず》
 8347: 天気の暗は》日気の明に透すれば則ち青なり》而して碧と青とは》透の浅深に由る》
 8348: 地体の濁は》日光の明を隔すれば則ち黒なり》而して黯と黒とは》隔の正斜に由る》
 8349: 黒なる者は》濁気の暗彩にして》清明に和して青なり》故に
 8350: 水の青は清質を結するに由るなり》是を以て〉
 8351: 青彩は天に成す》而して地に成せざるなり》
 8352:  天影なる者は大なり〉
 8353:  地影なる者は小なり〉而して
 8354:  天影の清暗は則ち青を成す〉
 8355:  地影の暗濁は〉黒を成すの濃に若かず〉
 8356:  天象なる者は大なり》
 8357:  地象なる者は小なり》而して
 8358:  地象の濁明は則ち赤を成す》
 8359:  天象の清明は》白を成すの濃に若かず》故に。
 8360:  黒彩は 地に於て勝る〉
 8361:  青は則ち天に於て勝る〉
 8362:  白彩は 天に於て勝る》
 8363:  赤は則ち地に於て勝る》
 8364:  気は清なれば則ち明は光を放す〉
 8365:          暗は影を為す〉
 8366:    濁なれば則ち明は光を含す》
 8367:          暗は影を受す》
 8368: 光なる者は〉象の輝なり〉質に在すれば則ち沢を為す〉故に
 8369: 沢は映する所を有すれば則ち光を假る〉
 8370: 侌なる者は》質の翳なり》清に在すれば則ち影を為す》故に
 8371: 影は印する所を有して而して彩を受く》
 8372:  均しく是れ昜なりと雖も〉而も日なる者は光を発し〉星なる者は光を含す〉
 8373:  均しく是れ侌なりと雖も〉而も月なる者は光を発し〉燐なる者は光を含す〉
 8374:  同じく是れ侌なりと雖も》而も夜なる者は日を隔し》影なる者は日を翳す》
 8375:  同じく是れ影なりと雖も》而も象は則ち之を映し》 質は則ち之を写し》是を以て。
 8376:  月輝と波光とは〉之を天光に於て受す〉
 8377:  虹色と露彩とは〉之を地沢に於て成す〉
 8378:  靄黯と雲昏とは》之を気濁に於て得す》
 8379:  海市と水影とは》之を質清に於て成す》
 8380: 清濁明暗に色せざる者無ければ〉則ち
 8381: 黒白光侌の彩に居せざる者無し》且つ夫れ
 8382: 天地は各おの物を散して。而して
 8383: 天物は其の体を常持す〉
 8384: 地物は其の体を毎換す》
 8385: 其の体を常持する者は〉 新陳無し〉
 8386: 其の体を毎換すれば》則ち盛衰有り》
 8387: 盛なれば則ち色沢膏膩なり〉
 8388: 衰なれば則ち形容枯槁なり》
 8389: 彩と体と。同じく相い移る。
 8390: 動は〉内を赤にして外を白にす〉
 8391: 植は》内を白にして外に青にす》
 8392: 是れ其の大分なり。区にして別す。
 8393:          変にして換す。
 8394: 就きて之を認むれば則ち可なり〉
 8395: 数えて之を論ずれば則ち瑣なり》
 8396:  彩は変化を尽して〉運為を色に假る〉
 8397:  色は運為を用いて》変化を彩に尽す》是を以て。
 8398:  気は色を以て見す〉
 8399:  体は形に由て成す》
 8400:  光は侌昜を有す。
 8401:  昜光は〉照を以て物を被す〉
 8402:  昜影は》彩を以て物に印す》是を以て。
 8403:  物として形に由らざる者莫し〉形に随いて其の影も亦た変す〉
 8404:  気として色に由らざる者莫し》気に随いて其の彩も亦た変す》故に
 8405:  円珠の影を受くるは。直の中心を珠の正中に為するを以て。
 8406:  一絲髪を差えず。而して能く大形を縮す。
 8407:  平鏡の影を受くるは。直の直に相い当るを以て。而して
 8408:  小大宛然として。左右は位を易う。
 8409:  盃の浅にして影を受くるは。
 8410:  直の中心。物の後に在するを以て。而して
 8411:  漸く其の形を大にす。其の深くして影を受くるは。
 8412:  直の中心。両間に在するを以て。終に其の影を倒す。
 8413:  影は一直の中に成すれば。則ち数鏡と雖も。而も
 8414:  物影を多くすること能わず。
 8415:  影は直円を成すれば。則ち
 8416:  泡沫累珠は。其の物 愈いよ多し。
 8417:        其の影 愈いよ多し。
 8418:  侌影の地に布する者は。景の直に随う。而して隠見転換の変を為す。
 8419:  暗室の隙は。浸や明を通して。而して外辺竹樹の影を写す。     (浸や=やや)
 8420:  明の通する所。直の中心を孔中に結し。影をして能く倒せしむるは。
 8421:  大明の中。飛鳥の空に沖して。而して影の終に直の中心を
 8422:  鳥下に結んで尽きる者と。其の理は同じくするなり。而して又た
 8423:  昜明侌明の分を有す。夫れ
 8424:  物は之を日に暴せば。則ち其の形は小なり。
 8425:    之を水に漬せば。則ち其の形を大にす。
 8426:  気も亦た然るなり。故に
 8427:  水気は日月を篭すれば〉則ち漸く其の形を大にす〉
 8428:  雨気は山京を篭すれば〉亦た漸く其の形を大にす〉
 8429:  日月は水気を離すれば》則ち漸く其の形を小にす》
 8430:  晴気は山嶽に満すれば》亦た漸く其の形を小にす》
 8431:  影の形に依して運為するなり。
 8432:  日白気黒の間は〉紅紫黄赤を成す〉
 8433:  気暗象明の中は》青碧黯黒を成す》
 8434:  積侌曖昧〉
 8435:  雨意蒼茫》
 8436:  露彩※※〉
 8437:  霞色燦爛》
 8438:  紅炭は水に赴して黒なり〉
 8439:  金鉄は火に赴して赤なり》
 8440:  木葉は秋に変す〉
 8441:  鬢髪は老に皙す》
 8442:  焔光赫筍は〉昼に遇すれば則ち燻にして暗なり〉
 8443:  海涛暗黒は》夜に遇すれば則ち爛にして光なり》故に
 8444:  細雨は日に射せられて〉而して青紅の暈を為す〉
 8445:  雲烟は日に照せされて》而して種種の霞を為す》是を以て
 8446:  気の運する所は。人面は酒を得て〉而して素を紅に運す〉
 8447:          丹砂は火を見て〉而して紅を黒に転す〉
 8448:  黄を燭に映すれば則ち素し》             (素し=しろし)
 8449:  燐を明に望すれば則ち無し》
 8450:  彩の気に由りて運為するなり。
 8451: 是れ色の変化なり。
 8452: 気は気質動静の機に起る。
 8453: 鬱達発結の態に由る。
 8454: 凝融粛舒の勢を以て。
 8455: 寒熱温冷の気を成す。
 8456: 之を小に試るに。
 8457: 物は相い摩せば則ち火〉火は則ち熱〉熱は則ち質動に於て成す〉
 8458: 気は相い扇げば則ち風》風は則ち涼》涼は則ち気達に於て成す》
 8459: 気の動揺を閉すれば則ち恬〉恬は則ち温〉温は則ち気鬱に於て成す〉
 8460: 水の融盪を止すれば則ち氷》氷は則ち寒》寒は則ち質静に於て成す》
 8461: 今水火を以て之を試みるに。水気なる者は冷なり〉
 8462:              燥気なる者は温なり》
 8463:              火なる者は燥の発なり〉
 8464:              氷なる者は水の結なり》
 8465: 其の寒熱の極なり。此を以て之を推して。
 8466: 明暗の虚実の清濁より来し〉
 8467: 寒熱の気質の動静より来するを知る》蓋し
 8468: 虚実通隔の中は〉体を明暗の色に於て成す〉
 8469: 動静発収の中は》気を寒熱の性に於て成す》
 8470: 日影は此を以て 成す〉
 8471: 日影は此を有して立す》是を以て
 8472: 明熱の日は虚動に寓す〉
 8473: 暗寒の影は実静に寓す》
 8474: 散中侌収すれば〉昜は其の中に発せざるを得ず〉
 8475: 結外昜解すれば》侌は其の下に結せざるを得ず》
 8476: 天なる者は散気なり〉火なる者は発象なり〉
 8477: 地なる者は結質なり》水なる者は収象なり》
 8478: 華液は天地を分して日影水燥を成す。故に
 8479: 影水は地を并して共に結侌なり〉
 8480: 日燥は天を并して共に散昜なり》
 8481: 昜にして発すれば則ち其の気は熱す〉
 8482: 侌にして収すれば則ち其の気は寒す》
 8483: 日なる者は発昜〉其の体は虚〉
 8484:         其の色は白〉
 8485:         其の機は動〉
 8486:         其の気は熱〉
 8487: 影なる者は収侌》其の体は散》
 8488:         其の色は黒》
 8489:         其の機は静》
 8490:         其の気は寒》
 8491: 収気結物は〉地を挙げて皆な暗寒なり〉
 8492: 発象解気は》火を挙げて皆な明熱なり》
 8493: 寒熱なる者は其の極〉
 8494: 温冷なる者は其の微》
 8495: 持する者は解昜して伸びず〉故に蘊して温〉
 8496: 転する者は結侌して屈せず》故に達して涼》 
 8497: 地なる者は〉侌収して質結す〉故に寒〉 
 8498: 日なる者は》昜発して象散す》故に熱》 
 8499: 転は達して涼なり〉
 8500: 持は蘊して温なり》
 8501: 天は日発の熱を假る〉
 8502: 地は影収の寒を假る》
 8503: 其の用を互いにすれば。則ち
 8504: 地は発昜を以て侌寒を結中に凝す〉
 8505: 天は収侌を以て昜熱を散内に発す》
 8506: 日影は已に明暗寒熱を有す〉而して
 8507: 水燥は清濁温冷を以て応す》
 8508: 天地は則ち緯居す〉
 8509: 冬夏は則ち経行す》
 8510: 気物は動静を交す。
 8511: 結寒は涼を転に達す〉
 8512: 発熱は温を持に蘊す》
 8513: 景暄影凄〉
 8514: 水冷燥温》
 8515: INUNは以て滋煦を為す。
 8516: 天地の物。既に緯に塞す。亦た
 8517: 経に通ぜざることを得ず。
 8518: 既已に然らざるを得ず。是を以て
 8519: 散結の塞は〉乃ち天地の体なり〉
 8520: 発収の気は》乃ちINUNの態なり》
 8521: 運転呼吸は。其の理に従う。其の態用を異にするのみ。
 8522: 発の態は〉質を食して気を吐す〉
 8523: 収の態は》気を搾して質を結す》
 8524: 質を食して気を吐す〉有をして無に之かしむ〉其の気は照して熱す〉
 8525: 気を搾して質を結す》無を以て有に之く》  其の気は蔽して寒す》
 8526: 動静虚質は天地に属す〉
 8527: 明暗寒熱は日影に属す》是を以て
 8528: 日影は〉虚を以て体を為す〉
 8529:     動を以て機を為す》
 8530: 色を以て其の体を見す〉
 8531: 気を以て其の用を施す》是れ
 8532: 明暗は以て昼夜を行す〉
 8533: 寒熱は以て冬夏を行す》
 8534: 昼夜冬夏なる者は〉
 8535: 天の事に非ず》
 8536: 水燥は地に依して海陸を為す。
 8537: 昼夜冬夏を以て。滋煦の気候を分す。是れ之を節物と謂う。
 8538: 景の気を吐して暄なると〉
 8539: 転の気に達して涼なると偶す〉
 8540: 液の質を融して冷なると》
 8541: 持の鬱して温なると偶す》
 8542: 天地正円。動止虚実。発収鬱達は。結中にINUNす。
 8543:  覆載の一結物。地は其の核子を為す。故に
 8544:  侌は上達して〉而して転する者は其の外※を為す〉
 8545:  昜は下鬱して》而して持する者は其の内仁を為す》故に
 8546:  昜散して侌結す〉
 8547:  侌結して昜鬱》
 8548:  結すれば則ち収す〉
 8549:  鬱すれば則ち発す》
 8550:  発せざれば則ち収を給する者無し〉
 8551:  収せざれば則ち発を給する者無し》
 8552:  給すれば則ち資する有り。
 8553:  資すれば則ち生生尽きず。
 8554:  尽きざれば以て造化を観る。是を以て
 8555:  発と散とは同じからず〉散するや坱坱として〉其の涯を為さず〉
 8556:  発する者は保中に居す〉若し
 8557:  発する者をして保中に住せしめざれば〉
 8558:  何を以てか聚して象を為さん〉
 8559:  象は地を発して天に至る〉
 8560:  走を以て其の円を偏にす〉聚散の別なり〉
 8561:  収と結とは同じからず》結するや秒忽として》其の形を成さず》
 8562:  収する者は結中に向す》若し
 8563:  収する者をして結中に住せしめざれば》則ち
 8564:  何を以てか結して質を為さん》
 8565:  質は天を降して地に至る》
 8566:  乗を以て其の円をNにす》解結の分なり〉故に
 8567:  天地も亦た一顆の木菓なり。皮肉は尽く核肉に於て営す。
 8568:               核肉は尽く皮肉に於て保す。
 8569: 結にして動す〉転して円ならざるを得ず〉
 8570: 結にして実焉》止して堅ならざるを得ず》
 8571: 侌にして密結す〉搾して昜を排せざること能わず〉
 8572: 昜にして鬱発す》食して気を吐せざること能わず》
 8573: 鬱昜を以て達侌に会す》故に
 8574: 日象は竅を東中に得て 走せざること能わず〉
 8575: 結侌を以て散昜に偶す》故に
 8576: 地質は宅を天中に為して止せざること能わず》
 8577: 転円の穹隆より〉蒼蒼赫赫に至りて〉皆な天なり〉
 8578: 拗突の旁磚より》茫茫津津に至りて》皆な地なり》
 8579: 地結は融して液を為す》
 8580: 天鬱は発して華を為す》
 8581: 華液は則ち水火なり。結実の地に対して象と曰う。
 8582: 象中は相い分す。亦た象質と曰う。
 8583: 水は燥を得て〉水陸を地に於て成す〉大にして覆載す〉
 8584: 小にして水陸す〉緯体は既に鋪す〉
 8585: 火は影を得て》昼夜を地に於て成す》気にして冬夏す》
 8586: 色にして昼夜す》経気は以て通す》
 8587: 天地は一円物なり。
 8588: 中は則ち昜を発して斡旋す〉
 8589: 極は則ち侌を収して凝結す》
 8590: 日熱は散して而して景は暄を播す〉
 8591: 地寒は融して而して水は冷を持す》
 8592: 而して陸温水冷なり。動植は其の地にINUNす。
 8593: 円行の一東一西は〉明暗を旋す〉而して昼夜を経に為す〉
 8594: 直行の一南一北は》寒熱を互す》而して冬夏を緯に為す》 
 8595:  塊然たる一球。地表は廼ち天裏なり。
 8596:  日は転に従いて来照すれば則ち昼なり〉
 8597:    呼に従いて来煦すれば則ち夏なり〉
 8598:  影は日を追いて来復すれば則ち夜なり》
 8599:    吸を以て粛に帰すれば則ち冬なり》
 8600:  侌昜は結中に在す。
 8601:  相伴の力相走の勢を以て。
 8602:  各おの其の技を用す。
 8603:  発収の物を為す事を為す。然らざるを得ず。
 8604:  然り而して侌絪昜縕。大給小資の中に。
 8605:  一鬼一神は。二の通を感応に於て運す。是に於て
 8606:  気は寒すれば則ち地は粛す〉
 8607:  気は熱すれば則ち地は舒す》
 8608:  気は粛すれば則ち物は凝す〉
 8609:  気は舒すれば則ち物は融す》
 8610:  日は呼すれば則ち燥は煦す〉
 8611:  影は吸すれば則ち地は寒す》
 8612:  動植は煦を得て発生す〉
 8613:     粛を得て収閉す》蓋し
 8614:  天は運転を有す〉地は之を奉して昼夜を成す〉
 8615:  地は呼吸を有す》天は之に従して冬夏を成す》
 8616:  日なる者は昜の侌中に発する者〉地気の呼する処に之く〉
 8617:  影なる者は侌の昜中に収する者》地気の吸する処に旺す》故に
 8618:  動植は。其の呼に応して蕃孳す〉
 8619:      其の吸に応して枯蟄す》
 8620:  日は煦すれば則ち地気は游動し〉動は覚し植は開す〉
 8621:  影は粛すれば則ち地気は収斂し》動は睡し植は閉す》
 8622:  呼するや〉天日と地燥は相い応して〉而して
 8623:  水は融し気は温す〉是に於て其の間に遊する者は〉挙げて発動の用を為す〉
 8624:  吸するや》天影と地水は相い応して》而して
 8625:  気は沍し水は凝す》是に於て其の間に遊する者は》挙げて収止の用を為す》
 8626:  然り而して剖析変化の用を察す。則ち其の錯綜を尽くさざる莫し。
 8627:  錯綜は変を尽すと雖も。而も條理井然たり。得て淆す可からず。
 8628: 蓋し地中の物にては。
 8629: 水燥は雲を為し雨を為し。雷を為し雪を為す。
 8630: 動植は其の間に並立す。
 8631: 燥は日の暄を迎して春を為す〉
 8632: 発は日の熱に応して夏を為す〉
 8633: 影は日の暄を送して秋を為す》
 8634: 収は地の寒に和して冬を為す》
 8635: 春暄は鼓して煦し〉秋涼は駆して粛す〉
 8636: 夏熱は鬱して蒸し》冬寒は達して凍す》
 8637: 煦蒸は起長す〉
 8638: 粛凍は帰復す》
 8639: 呼吸は中線を画す。
 8640: 寒暑は呼吸を追う。
 8641: 天は運転環守して地は極と中とを定む。
 8642: 極の一直は〉則ち呼吸の理なり〉
 8643: 中の一線は》則ち東西の路なり》
 8644: 熱象は中に循して走す〉
 8645: 寒気は極に依して引す》
 8646: 極にては日の政を施するの地に遠きを以て〉而して聚斂の気を旺す〉
 8647: 中にては侌の収斂するの 地に遠きを以て》而して鬱発の物を盛す》
 8648: 中帯は暄煦にして〉生物蕃息の地を為す〉
 8649: 極下は寒粛にして》万物閉息の処を為す》地の寒熱を分する所以なり。
 8650: 大物に於ては則ち地侌を天に達すれば則ち涼なり〉
 8651:          天侌を地に収すれば則ち寒なり〉
 8652:          天昜を地に煦すれば則ち温なり》
 8653:          地昜を天に鬱すれば則ち熱なり》
 8654: 一気一物〉
 8655: 一動一静》
 8656: 物なる者は動に熱し〉結に寒す〉
 8657: 気なる者は達に涼し》鬱に温す》是に於て
 8658: 天は則ち転涼にして日を吹きて熱す〉
 8659: 地は則ち持温にして水を融して冷す》
 8660:  精なる者よりして之を観れば〉則ち気体は二ならず〉
 8661:  麁なる者よりして之を観れば》則ち気体は素より別なり》
 8662:  気体は各おの動止を有す。発収排吸は。動止の事なり。故に
 8663:  寒熱温冷なる者は気なり。動静の精よりして見す。故に。
 8664:  気は〉動なれば則ち達して冷なり〉
 8665:  静なれば則ち舒して温なり〉
 8666:  体は》動なれば則ち鬱して熱なり》
 8667:  静なれば則ち粛して寒なり》
 8668:  気は動すれば則ち体は止する者は〉天地 是れなり〉是に於て〉
 8669:  天は動にして冷なり〉
 8670:  地は止にして寒なり〉
 8671:  動静の間は〉同気 相い和す〉
 8672:  体は動すれば則ち気は持する者は》日燥 是れなり》是に於て》
 8673:  日は動にして熱なり》
 8674:  燥は静にして温なり》
 8675:  動静の間は》同気 相い和す》
 8676:  地は静にして寒なり〉則ち日は動にして熱なり〉
 8677:  転は動にして冷なり》則ち持は静にして温なり》
 8678:  錯綜すれば則ち各気は相い交す。
 8679:  天なる者は〉虚にして動なり〉
 8680:  地なる者は》実にして静なり》
 8681:  虚実に対する者は。動静なり。
 8682:  日なる者は〉象を以て動す〉故に熱なり〉
 8683:  転なる者は》気を以て動す》故に冷なり》
 8684:  地なる者は〉質を以て静す〉故に寒なり〉
 8685:  持なる者は》気を以て静す》故に温なり》故に
 8686:  天動地静よりすれば〉則ち其の気は寒冷なり〉
 8687:  日動燥静よりすれば》則ち其の気は温熱なり》
 8688:  動静の分なり。是を以て。
 8689:  日は物を鼓すれば〉則ち持気漸恬にして〉而して風籟は驚かず〉
 8690:  其の気は混濁鬱蒸して浮すれば〉
 8691:  雲は塞り雨は湿う〉
 8692:  水は涌き海は溢る
 8693:  艸木は怒張す〉
 8694:  花は発し葉は布す〉
 8695:  鳥獣は孳尾して〉
 8696:  毛は革まり羽は※う〉
 8697:  結ばる者は解く〉
 8698:  聚まる者は散す〉
 8699:  蟄する者は出づ〉
 8700:  蛹する者は脱す〉故に
 8701:  暑候なる者は〉質は動にして熱を鬱するなり〉
 8702:  質は動すれば則ち気は静なり》
 8703:  気は動すれば則ち物は粛なり》是に於て
 8704:  風飆激驕し》混濁浮動する者は粛として収す》
 8705:  雲は霏び霖は歇む》
 8706:  潦は尽き泉は涸る》
 8707:  艸は子を抱きて死す》
 8708:  木は葉を脱して童なり》
 8709:  往する者は復す》
 8710:  見する者は隠す》
 8711:  流する者は止す》
 8712:  融する者は凝す》
 8713:  寒候なる者は》体は静にして寒を達するなり》
 8714:  温は〉暑の漸なり〉
 8715:  涼は》寒の漸なり》
 8716:  春秋は。寒暑の交なり。
 8717:  猶お昏暁の昼夜に於けるがごとし》
 8718:  天気なる者は烈なり〉
 8719:  地質なる者は粛なり》
 8720:  日なる者は焔焔なり〉
 8721:  燥なる者は煦煦なり》故に
 8722:  寒熱は天に由ると雖も。而も地も亦た之を有す。
 8723:  惟だ微甚の異なり〉
 8724:  若し熱は惟だ日のみ之を有すと曰わば。則ち
 8725:  夏至 当に熱すべし〉
 8726:  冬至 当に寒すべし》而るを今
 8727:  夏至を過ぎて熱すること進む〉
 8728:  冬至を過ぎて寒すること進む》
 8729:  春秋二分して。温涼は当に均しかるべし。而るに
 8730:  春分は寒に勝らず〉
 8731:  秋分は暑に勝らず》
 8732:  精麁は錯綜す。
 8733:  変化は參差す。
 8734:  夏夜は時有りて〉而して昼より熱し〉
 8735:  冬日は時有りて》而して夜より寒し》故に
 8736:  其の事は。専ら日に従わざる者有り。故に
 8737:  日は退きて暑は進む。
 8738:  日は進みて寒は従う。
 8739:  海なる者は質の動なり〉故に海上は則ち気は静にして温なり〉
 8740:  山なる者は質の静なり》故に山頂は則ち気は動にして寒なり》
 8741:  山は日に近きを以て温ならず〉
 8742:  海は日に遠きを以て冷ならず》
 8743:  各自に動静を有すなり。是を以て。
 8744:  転の涼と〉地の寒とは同じからず〉
 8745:  転は則ち動を以て涼なり〉
 8746:  地は則ち静を以て寒なり》
 8747:  持の温と》日の熱と同じからず》
 8748:  持は則ち静を以て温なり〉
 8749:  日は則ち動を以て熱なり》是の故に
 8750:  煦煦は質動に和して熱なり〉
 8751:  粛粛は気動に和して寒なり》
 8752:  気体の動静は。寒熱温涼の所成なり。
 8753:  日は物を鼓して〉而して其の事を肇む〉
 8754:  地は其の事を承けて》而して物を成す》
 8755:  猶お夫唱え婦和し。君令し臣奉ずるがごとし。蓋し
 8756: 地は動すること能わず〉火を以て 動す〉
 8757: 日は止すること能わず》地に依して止す》
 8758: 之を小に於て言わば。
 8759: 灯火は一盞の油を根として〉 而して燃えて止まらず〉
 8760: 陶瓦は※火の攻むるに由りて》而して結して彌いよ堅し》
 8761: 緯なれば則ち寒は地に帰す〉
 8762:       熱は日に帰す〉
 8763: 経なれば則ち呼に従いて熱す》
 8764:       吸に従いて寒す》夫れ
 8765: 宙通宇塞〉天容地居の間〉
 8766: 日熱影涼》水冷燥温の中》
 8767: 上にして雲雨なり〉
 8768: 下にして動植なり》
 8769: 雨なる者は〉結にして地に帰す〉
 8770: 雲なる者は》解にして天に之く》
 8771: 動なる者は〉動にして天に行す〉
 8772: 植なる者は》止にして地に立す》
 8773: 雨露の融〉寒は之を収すれば則ち霜雪なり〉
 8774: 雲烟の醸》熱は之を発すれば則ち雷電なり》是に於てか。
 8775: 雲は暖かく雨は冷なり〉
 8776: 動は温かく植は冷なり》
 8777: 霜雪は寒の極に居す〉
 8778: 雷電は熱の極に居す》
 8779:  陸なる者は温処なり〉
 8780:  水なる者は冷処なり》
 8781:  温中の動植は自ら温なり〉
 8782:  冷中の動植は自ら冷なり》
 8783:  温中は。動質は温なり〉
 8784:      止質は冷なり》則ち
 8785:  冷中も亦た同然ならざること能わず。
 8786:  猶お之を分すれば。則ち
 8787:  鳧雁は寒を好む〉
 8788:  燕子は暑を好む》
 8789:  稲粱は夏に生ず〉
 8790:  牟麦は冬に生す》
 8791: 人の造化胎中に居する。温を以て我が中を立す。
 8792: 鱗比血肉の弱質は。気 鬱すれば則ち熱す〉熱すれば則ち神を喪す〉
 8793:          気 達すれば則ち寒す》寒すれば則ち神を脱す》
 8794: 剛堅天地と同じからざる所以なり。
 8795: 色境は動圏に成す〉其の物を為すや虚なり〉環して時に行す〉
 8796: 性境は地珠に合す》其の物を為すや実なり》止して虚に立す》
 8797: 動中の物は〉紀を袞袞に於て為し〉鬼神を其の中に行す〉
 8798: 静中の物は》章を坱坱に於て為し》山壑を其の表に立す》
 8799: 地は水燥を有す〉
 8800: 天は日影を有す》
 8801: 水燥は乾潤滋煦を為す〉
 8802: 日影は照蔽寒熱を為す》
 8803: 両環は合一して。造化を成す。
 8804: 中線下は常に熱す〉
 8805: 両極下は常に寒す〉
 8806: 南北は以て其の節気を反す〉
 8807: 日の到る処は常に明なり》
 8808: 影の随う処は常に暗なり》
 8809: 東西は以て其の刻分を反す》
 8810: 
 8811:  清濁図一合
 8812:  素色文彩図
 8813:  明暗図
 8814:  寒熱図
 8815:  寒熱緯図
 8816: 
 8817:   水燥 
 8818: 転体なる者は剛なり〉
 8819: 地体なる者は堅なり》
 8820: 転は柔を以て持に帰す〉
 8821: 地は輭を以て上に帰す》
 8822: 天成は其の極なり〉
 8823: 持成は其の微なり》是の故に
 8824: 天形は其の正を極む。
 8825: 天体は其の大を極む。
 8826: 天動は其の疾を極む。
 8827: 天寿は其の長を極む。
 8828: 天色は明暗を極む。
 8829: 天気は寒熱を極む。
 8830: 地は此れ無きに非ず。
 8831: 柔輭の境。其の事は微。是を以て
 8832: 持中は湿燥を分すと雖も〉燥の極は乾に過ぎず〉
 8833:    水火を分すと雖も》火の微は則ち猶お潤を含す》是を以て
 8834: 持中は則ち柔潤を以て天地を立す。
 8835: 上は剛の天に上せず〉
 8836: 下は堅の地に陥せず》
 8837: 斜止温冷の間は。弱物を生化し。以て其の内を塞す。
 8838: 夫の正大の体と〉
 8839:   攸遠の寿の》色気の盛を極むる者と異なるなり。
 8840: 天圏に居する者は〉循環を為す〉
 8841: 地圏に居する者は》鱗比を為す》
 8842: 鱗比する者は弱質にして水を含む。
 8843: 蠢然莽然。擾擾然として。一団INUNを為す。
 8844: 水燥景影は。滋煦之気を化醸して。而して万物を成す。
 8845: 日影の圏は〉中を己れに於て為す〉
 8846: 水燥の圏は》中を地に 於て假る》
 8847: 地なる者は駁然たり。山嶽島嶼を突出す〉
 8848:           川谷湖海を陥入す》
 8849: 生生の気は。物を生ぜざる能わず。
 8850: 乾虚の中は則ち乾虚の物を為す〉
 8851: 潤実の中は則ち潤実の物を為す》
 8852: 潤実の分は水燥に於て物す。
 8853: 地突は燥の処を為す〉
 8854: 地陥は水の処を為す》
 8855: 衆生は各おの其の処を得る。條理なる者の巧を観る。
 8856: 持中にては。其の気は柔にして燥なり〉
 8857:       其の質は輭にして湿なり》故に
 8858: 持中は則ち水燥 政を為す。
 8859: 寒熱明暗は。其の極を殺して。其の微を致す。
 8860: INUNは天地に合す。
 8861: 造化は乾潤滋煦に於て成す。蓋し
 8862: 天圏は則ち運の枝頭に華す》
 8863: 地圏は則ち転の根頭に幹す》
 8864: 地勢高下は山壑の章を成す〉
 8865: 象形聚散は星漢の文を成す〉
 8866: 孿圏に於ては乃ち地を為す〉
 8867: 天文は》日弧は日に繋し》月弧は月に繋す》
 8868: 地章は》水は低処に融し》火は高処に発す》
 8869: 孿圏に於ては乃ち天を為す》
 8870: 本天は則ち精虚にして。麁実の処に隠没す。 
 8871: 日なる者は火を発して自ら処す〉
 8872: 月なる者は露を含して相い従す〉
 8873: 水なる者は湿を醸して自ら処す》
 8874: 火なる者は星を吐して相い立す》
 8875:  月規なる者は小なり〉
 8876:  日規なる者は大なり〉
 8877:  駕して以て運転す〉而して
 8878:  星漢なる者は大規にして〉能く静虚の影に居す〉
 8879:  水球なる者は小なり》
 8880:  燥球なる者は大なり》 
 8881:  乗して以て止住す》而して
 8882:  土石なる者は小球にして》能く動虚の天に居す》而して
 8883:  星漢なる者は変動の物なり〉
 8884:  土石なる者は実静の物なり》
 8885:  星漢は変動の物を以て〉静虚の景に居す〉故に其の脈絡を一にす〉
 8886:  月辰は各侌の物を以て》変動の日に頼す》故に其の脈絡を別にす》是を以て
 8887:  影曜は率従の分無し〉
 8888:  景曜は率従の別を為す》
 8889:  地なる者は山壑の方位に定す〉
 8890:  運なる者は枢機の活動に変す》
 8891:  地質は聚結して〉其の表に物を置す〉
 8892:  天気は散敷して》其の中に物を容す》故に
 8893:  彼の星漢の文は〉
 8894:  猶お此の山壑の章のごとし》
 8895:  彼の日月の繋規は〉
 8896:  猶お此の水燥の依球のごとし》
 8897:  各おの依ること有りて然り。
 8898:  天の日月を比するは〉
 8899:  猶お地の水火を比するがごとし》 
 8900:  地の水燥を反するは〉
 8901:  猶お天の日影を反するがごとし》
 8902:  日影は昼夜冬夏を為す〉而して月の功は微なり〉
 8903:  水燥は乾潤滋煦を為す》而して火の功は微なり》
 8904:  日月星漢は。天を周し地を周す。
 8905:  衆辰は日機軸の中に在す。以て其の所属と為す。是に於て
 8906:  影曜と日と昜徳を同じくす〉
 8907:  景影と月と侌徳を同じくす》
 8908:  日と火と其の物を同じくす〉而して地に於ては則ち火は微を為す〉
 8909:  水と月と其の物を同じくす》而して天に於ては則ち月は微を為す》
 8910:  月なる者は暗象なり〉
 8911:  暗は日の為に転せられ。晦朔弦望を為す。
 8912:  而して衆辰は皆な暗象なり。景中に同居す。小なる者は見難し。
 8913:  或いは日に傍して繞る。
 8914:  或いは歳填に傍して繞る。
 8915:  僅かに鏡力を假りて之を見る。
 8916:  顕なる者は填を為す。歳を為す。※惑を為す。太白を為す。
 8917:  辰は則ち日に近し。日に近きに因りて其の旋を急にす。夫れ
 8918:  転する者は地気を達して上す〉
 8919:  運する者は天気を以て 降す》是を以て
 8920:  昜華の開きて地に近き者は。
 8921:  運転の脈理を其の標に帰す。地なる者は実質の根を託する処なり。
 8922:  是を以て華は枝頭に発す。故に日圏は極昜の地を為す。
 8923:  昜は舒暢の力を尽くすを得る。
 8924:  舒暢の昜余と。地解の燥と和す。
 8925:  鬱発は火を為す。火井熱池なる者は其の常なり。
 8926:  時として山を裂き火を出す。
 8927:  天に入りては霹靂流隕を為す。
 8928:  燥の火は。猶お水の氷のごときなり。夫れ
 8929:  水なる者は気より来するを以て〉而して其の質は密〉
 8930:  燥は   質より往するを以て》而して其の気は粗》
 8931:  結する者は重にして密なり〉結して密なりと雖も〉而も
 8932:  地の堅凝にして不動なるがごときこと能わざれば〉則ち
 8933:  勢は水ならざること能わず〉
 8934:  解する者は軽にして散なり》
 8935:  軽にして散すと雖も》而も
 8936:  天の精融にして不濁なるがごときこと能わざれば》則ち
 8937:  勢は燥ならざること能わず》
 8938: 天を占むる者は〉昜物侌気なり〉
 8939: 地を占むる者は》侌物昜気なり》
 8940: 水燥の地は〉則ち湿火を微と為す〉而して
 8941: 湿は則ち水の散なり〉
 8942: 火は則ち燥の発なり〉故に
 8943: 地に於ては則ち火を客と為す〉
 8944:  地ならざる者は則ち天なり〉
 8945:  水ならざる者は則ち燥なり〉
 8946:  水燥は相い拒む。性の反するを以てなり。
 8947:  天地を合して之を言えば則ち
 8948:  天散の中にては火は之に麗す〉
 8949:  地結の上にては水は之に布す》
 8950:  日と影と歳を為す〉
 8951:  水と燥と運を為す》
 8952:  天に於ては則ち水を客と為す〉
 8953:  地に於ては則ち火を客と為す》故に
 8954:  火なる者は虚体の昜気よりして〉発して象を見すなり〉
 8955:  湿なる者は実体の侌質よりして》解して体を失すなり》故に
 8956:  水は燥に偶す〉
 8957:  火は湿に対す》蓋し
 8958:  火なる者は燥中に体を有す。以て水外の解体に偶す。
 8959:  比すれば則ち能く水に対す。
 8960:  再び剖析する所に比すれば。則ち燥の火は猶お水の氷のごとし。
 8961:  燥は昜にして解す〉
 8962:  水は侌にして結す》
 8963:  水は結体を以て潤す〉
 8964:  火は解体を以て乾す》
 8965:  燥は〉其の気 温なり〉甚しければ則ち熱して火を為す〉
 8966:  水は》其の気 冷なり》甚しければ則ち寒して氷を為す》
 8967:  地火の体は微なり。未だ能く水と並立して。
 8968:  解結の用を専らにすること能わず。然りと雖も。
 8969:  体体は相い比して。能く体を結し体を解すれば。則ち
 8970:  気質の端は此に見す。是を以て
 8971:  火なる者は質の気に之くなり〉故に象は明にして気は暗なり〉故に
 8972:  水なる者は気の質に之くなり》故に体は清にして気は濁なり》
 8973:  水は質密を以て〉而して能く粗解に入る〉
 8974:  火は気粗を以て》而して能く堅密に入る》
 8975:  水は苔を生し蟲を化す〉無をして有に之かしむ〉
 8976:  火は水を涸し木を食む》有をして無に之かしむ》是を以て
 8977:  水は高きより卑きに就く〉
 8978:  火は地を出でて天に帰す》
 8979:  水なる者は気の動して結するなり〉
 8980:  火なる者は質の動して解するなり》故に
 8981:  結して質を成する者は〉先ず水に始る〉
 8982:  解して質を失する者は》皆な火に由る》
 8983:  水は能く収す〉故に塵垢を洗う可し〉是を以て
 8984:  能く其の内を見して外を照さず〉
 8985:  漬せば則ち物色をして深からしむ〉
 8986:  滌げば則ち物質をして白からしむ〉
 8987:  火は能く散す》故に実体を化す可し》
 8988:  能く外を照して内を見ず》
 8989:  燥けば則ち物色をして浅からしむ〉
 8990:  焼けば則ち物質をして黒からしむ》
 8991:  水は質に就きて住すれば則ち青し〉
 8992:  火は質に就きて住すれば則ち赤し》
 8993:  水は日に値えば則ち明なり〉             (値えば=あえば)
 8994:    影に値えば則ち暗なり〉
 8995:  火は日に値えば則ち暗なり》
 8996:    影に値えば則ち明なり》
 8997:  水の体や実なり〉其の気や収なり〉
 8998:  収して質を成すれば則ち凝す〉故に融して流るる者は〉気の動なり〉
 8999:  火の体や虚なり》其の気や散なり》
 9000:  散して虚すれば則ち竭く》故に動して住する者は質の持なり》故に
 9001:  烟なる者は湿の燥中に居すること能わず〉火を兼ねて散するなり〉
 9002:  雲なる者は燥の湿中に処すること能わず》水を帯して上するなり》
 9003: 日影の処は》則ち月景を微と為す》而して
 9004: 影は則ち昜の散なり》
 9005: 月は則ち侌の結なり》故に天に於ては則ち月を客と為す》
 9006:  景湿なる者は〉気の体より生するなり〉
 9007:  月火なる者は》体の気より生するなり》
 9008:  日影水燥の用は〉天地に雄にして〉
 9009:  月景湿火の用は〉天地に雌なり〉故に
 9010:  水は燥を措きて火に対す〉
 9011:  日は影を措きて月に対す》対の比なる者なり。是を以て
 9012:  日月は明暗を異にすと雖も〉
 9013:  水火は明暗を異にすと雖も》共に是れ有体の物なり。是を以て 
 9014:  水火と日月と。湿燥と景影と。天地虚実は相い隔すと雖も。 
 9015:  体を反して性を同じくすなり。
 9016:  水は能く収す〉故に  火気をして冷に〉火象をして暗ならしむこと能わず〉
 9017:  火は能く発す》故に亦た水気をして熱に》水質をして照ならしむこと能わず》
 9018:  一収一発は侌昜の道なり。
 9019:  日は暗中に在す〉而して  暗寒を受けず〉
 9020:  猶お炬を暗中に秉りて〉而して暗寒の自ら遠ざかるがごときなり〉
 9021:  月は景中に居す》而して能く明瑩を受く》
 9022:  猶お水の火辺に在して》而して其の光耀を受くるがごときなり》
 9023:  鏡は炬の明を受けて。一辺を照す。
 9024:  傍観の人は。鏡と炬とを並べ観て。以て同物と為す。
 9025:  是れ見る所に由りて誤るなり。故に。
 9026:  月なる者は蝕を正とす〉
 9027:  日なる者は蝕を蔽とす》蓋し
 9028:  月は水を体すれば〉則ち
 9029:  諸辰の景中に在する者は〉皆な水を体するなり〉
 9030:  日は火を体すれば》則ち
 9031:  衆星の影中に在する者は》皆な火を体するなり》然りと雖も
 9032:  月は地の水の実するが如くんば〉則ち滴りて地に帰さん〉    (滴りて=したたりて)
 9033:  日は地の火の麁なるが如くんば》則ち降りて之に著さん》
 9034:  日は無質の侌を食す》
 9035:  月は虚体の天に浮す》
 9036:  火は則ち質を食す〉地を離して燃すること能わず〉
 9037:  水は則ち地に依す》虚に在して居すること能わず》然り而して
 9038:  月の天に在するは〉諸を日の象に比すれば〉則ち質なり〉
 9039:  地質より之を観れば〉則ち気は精にして体は虚にして〉象に幾し〉   (幾し=ちかし)
 9040:  火の地に在するは》諸を水の質に比すれば》則ち象なり》
 9041:  天象より之を観れば》則ち気は麁にして体は実にして》質に幾し》是を以て。
 9042:  月質は亦た象中の質なり〉         
 9043:  火象は亦た質中の象なり》夫れ。
 9044:  月なる者は〉明中の物なり〉天に在して地に近し〉
 9045:  日に近きを以て〉而して其の体暗し〉
 9046:  天に在るを以て》而して其の気光る》
 9047:  火なる者は》暗中の物なり》地に発して天に之く》
 9048:  天に之くを以て》而して其の体光る》
 9049:  地を発すを以て》而して其の気暗し》是を以て。
 9050:  水は能く地に充す〉
 9051:  火は天に充する能わず》
 9052:  日は能く昼を為す〉
 9053:  月は夜を為す能わず》
 9054:  水なる者は侌を結す〉
 9055:  燥なる者は昜を解す》
 9056:  水は常に万物を湿す〉
 9057:  燥は常に万物を照す》
 9058:  日なる者は聚昜なり〉
 9059:  影なる者は散侌なり》
 9060:  日は天下をして昼ならしむ〉
 9061:  影は天下をして夜ならしむ》蓋し
 9062:  気体の交は。其の道同じからず。
 9063:  体は相い交す〉之を接と為す〉
 9064:  気は相い交す》之を交と為す》
 9065:  体接は混せず〉
 9066:  気交は分せず》故に
 9067:  地日は体を隔す〉
 9068:  天影は気を混す》
 9069:  燥なる者は〉地に居すの気なり〉持中の天を為す〉
 9070:  転なる者は》天に在すの気なり》転中の天を為す》而して
 9071:  転の天なる者は〉清なり〉精なり〉
 9072:  持の天なる者は》濁なり》麁なり》故に
 9073:  月は乾燥の象に在すと雖も〉而も天中に質を為し〉性を地中の水に比す〉
 9074:  火は潤湿の質に居すと雖も》亦た地中に象を為し》性を天中の日に比す》而して
 9075:  月は暗体を以て光り〉
 9076:  火は光体を以て暗なる者は》各おの其の藩囲を出でざればなり。
 9077:  地は  自ら照すこと能わず〉一半の光を日に受けて〉昼を為す〉
 9078:  月も亦た自ら照すこと能わず》一半の光を日に受けて》明を為す》
 9079:  其の光を受けざるの処は。地に於て夜と謂う〉
 9080:              月に於て魄と謂う》
 9081:  日の地を照すこと一周は〉之を一日と謂う〉
 9082:  日の月を照すこと一周は》之を一月と謂う》
 9083:  雌なりと雖も而も敵を為す。
 9084:  燥と水と持中に充して〉生化解結の用を為す〉
 9085:  火の燥に在するは〉猶お氷の水に在するがごとし〉
 9086:  影と日と転中に充して》寒暑昼夜の用を為す》
 9087:  月の影に於けるは》猶お日の景に於けるがごとし》是を以て。
 9088:  燥も亦た火なり〉解するを以て火より精なり〉
 9089:  火も亦た燥なり〉発するを以て燥より麁なり〉 
 9090:  水も亦た湿なり》結するを以て湿より実なり》
 9091:  湿も亦た水なり》解するを以て水より虚なり》故に
 9092:  燥は常に充つ〉火は時に発す〉
 9093:  湿は時に動く》水は常に有す》
 9094:  燥は常に燥く〉火は時に焼く〉
 9095:  湿は時に冷ゆ》水は常は湿す》
 9096:  物を燥して其の跡無し〉故に燥は火より精なり〉
 9097:  物を湿して体を見せず》故に湿は水より虚なり》是を以て。
 9098:  影の日に於けるは〉月より切なり〉
 9099:  燥の水に於けるは》火より切なり》故に
 9100:  水は一檐と雖も〉猶お化育を助く〉
 9101:  火は則ち大なりと雖も》而も物を育む能わず》
 9102:  故に曰く。生化解結は。水燥に非ざれば則ち成せざるなり。
 9103: 正偶は反す〉
 9104: 傍偶は比す》
 9105: 日影水燥は〉偶の正なり〉
 9106: 日月水火は》偶の傍なり》
 9107:  質を有質の中に於て解して〉而して天に散する者は〉火なり〉
 9108:  質を無質の中に於て結して》而して地に聚する者は》水なり》
 9109:  火を以て物を※す〉熱は囲んで侌を散すること能わず〉潤は其の中に生す〉 (※す=わいす)
 9110:  玉を以て火を取る》影は囲んで昜を出すること能わず》火は中に於て起る》
 9111:  分する者は二なり〉
 9112:  統する者は一なり》
 9113:  水は火を待ちて質を結す〉
 9114:  火は水を待ちて気を起す》
 9115:  水は火を見して質を散す〉
 9116:  火は水を見して象を斂す》
 9117:  水の未だ質を結せず〉火の未だ象を発せざるを観る〉
 9118:  水の既に質を散す》 火の既に象を斂するを観る》
 9119:  其の未だ始めて二を有せざるをを知る。
 9120:  今夫れ假に月をして除かしむとも〉而も昼夜寒暑は則ち有らん〉
 9121:  今夫れ假に火をして除かしむとも》而も山水雲雨は則ち有らん》故に
 9122:  影と日と〉
 9123:  水と燥と》
 9124:  気物を反す〉而して
 9125:  侌昜を対す》
 9126:  以て生化を為す。
 9127:  物なる者は立す〉
 9128:  神なる者は活す》故に
 9129:  性物は活して通す〉
 9130:  体物は立して塞す》
 9131:  活通の中は其の活通を以て〉而して日影は常に其の処を移す〉
 9132:       其の立塞を以て》而して水燥は常に其の処を占す》夫れ
 9133:  天地なる者は。虚実は居を同す〉
 9134:         動止は界を分す》
 9135:  居を同する者は何ぞ〉天は能く地に在す〉地は能く天に居す〉
 9136:  界を分する者は何ぞ》転は能く天に居す》持は能く地に在す》
 9137:  輪転の到らざる処〉之を内と謂う〉
 9138:  輻持の及ばざる処》之を外と謂う》
 9139:  外は則ち日影整斉して〉地を周し天を周す〉
 9140:  内は則ち水燥錯雑して》天に之き地に之く》
 9141:  整斉の期は歳を為す〉
 9142:  錯雑の変は運を為す》蓋し
 9143:  地は上下表裏を有す〉天は之に居す〉
 9144:  天は東西南北を有す》地は之を奉す》故に
 9145:  両端は呼吸に従す〉
 9146:  中線は運転に依す》
 9147:  両端は日に遠し〉
 9148:  中線は日に近し》蓋し
 9149:  物は必ず一体にして二用を具す。
 9150:  中分は南北して》 而して春秋冬夏は代るがわる行す》
 9151:  日は面背を分して》而して昏暁昼夜は迭いに成す》経緯の異なり。
 9152: 日影は明暗寒熱を以て政を為す。而して
 9153: 水燥なる者は日影の反物なり。
 9154: 明暗寒熱を以て。清濁温冷を為す。清濁は本と天地の色なり。
 9155: 天地の清濁は。日影より大なり。
 9156: 水燥の清濁は。日影より小なり。是を以て
 9157: 水質は清なること天の如くなれども〉天の透徹に及ばず〉
 9158: 燥気は濁なること地の如くなれども》地の隔遮に若かず》是に於いて
 9159: 濁中水燥の清濁なる者は〉淡にして素なり〉
 9160: 清中日影の明暗なる者は》濃にして色なり》
 9161: 水は解して湿を為す〉
 9162: 燥は発して火を為す》
 9163: 燥中は火を有す〉猶お
 9164: 水中は氷を有すがごとし》皆な其の極なり。
 9165: 吹火は珠を得て之を弄するに。一銅空丸は一繊孔を鑿す。
 9166: 之を火にすれば則ち丸中の燥を発し尽くす。
 9167: 水に投ずれば則ち燥を発し尽くすを以て。水を吸して実す。
 9168: 水を実して火に投ずれば。則ち結質を解して風を為して竭く。故に
 9169: 侌質は将に結ばんとすれば〉則ち粗昜を排して実を搾成す〉
 9170: 昜象は将に発せんとすれば》則ち密侌を衝して虚を発成す》
 9171: 小より観て。之を大に推すに。
 9172: 地侌の転を以て天に達する〉
 9173: 天昜の運を以て持に鬱する》
 9174: 風飆の地下の畜鬱に発する〉
 9175: 霪霖の天下の淫質に疏する》以て想像す可し。
 9176: 日なる者は昜宗なり〉中位を得て〉而して発す〉
 9177: 迸する者は※※として布列す〉
 9178: 散する者は其の象を失す〉
 9179: 昜鬱は噴発すれば〉則ち結侌を求めて之を吸す〉
 9180: 昜は求めて吸すれば〉則ち侌は輒く従す〉           (輒く=たやすく)
 9181: 従すと雖も而も乾熱の発象を食すれば〉
 9182: 則ち其の中に存すること能わざるなり〉
 9183: 従いて涌く〉
 9184: 適きて没す〉                        (適きて=ゆきて)
 9185: 適没は已に其の物を没す〉
 9186: 従涌は正に其の質を露す〉
 9187: 従すれば則ち冷なり〉
 9188: 涌すれば則し潤なり〉
 9189: 水なる者は其の宗なり》拗処を得て瀦す》
 9190: 適る者は津津として下り灑ぎ》
 9191: 結する者は其の質を凝す》
 9192:  通塞より之を観れば〉機なる者は侌なり〉
 9193:  気物より之を観れば》性なる者は昜なり》
 9194:  転する者は侌に達して色を没す〉而して冷動して火を鼓す〉
 9195:  日なる者は昜に鬱して明を醸す》而して発熱して風を御す》故に
 9196:  火は風の鼓するに由りて燃ゆ〉
 9197:  水は土の戴するに由りて湛う》是を以て
 9198:  竪軸なる者は〉保気を転するの根なり〉而して
 9199:  東規なる者は》鬱昜を洩するの方なり》
 9200:  侌なる者は下に聚す〉故に昜は収侌の罅隙無きに 排する所なり〉
 9201:  昜なる者は上に散す》故に侌は発昜の充塞する所に疏なる所なり》
 9202:  滋液なる者は〉昜華の吸する所なり〉従涌して化す〉故に
 9203:  天中にては質に之くの雨〉
 9204:  山中にては原に発するの水〉
 9205:  合して一体を為す〉
 9206:  乾明なる者は》侌液の排する所なり》噴発して出す》故に
 9207:  地中の昜を洩すの竅》
 9208:  影中の光を発すの象》 
 9209:  散して蜂※の如し》
 9210:  火は侌の排するに遭いて発すと雖も〉亦た能く其の液を吸して立す〉
 9211:  水は昜の吸するに遭いて涌すと雖も》亦た能く其の気を排して立す》
 9212:  火の薪を食するを観れば〉則ち火は木を離れて立する者に非ず〉
 9213:  火は物を離る可くんば〉赫赫焔焔〉外に向して散す〉
 9214:  象行の本位に於て升降せざるを観れば〉則ち
 9215:  地を以て薪と為すや識る可きなり〉
 9216:  夏にして水の溢るるを観れば》則ち
 9217:  水は火を離れて立する者に非ず》
 9218:  水は日に従わざれば》 洪洪蕩蕩》下に在して結す》
 9219:  水液の能く持中に升降するを観れば》則ち
 9220:  火を以て原と為すや識る可し》故に
 9221:  火なる者は〉地に食す〉而して天に燃す〉
 9222:  水なる者は》天に生す》而して地に瀦す》夫れ
 9223:  地中の物は〉地に親みて地に居す〉
 9224:  運中の物は》天に親みて東に行す》
 9225:  火なる者は。膩液に向して進す。
 9226:  其の尾は能く天に向す。
 9227:  其の実は升する能わず。
 9228:  升すれば則ち其の象を失す。
 9229:  火の膩液に向して進む〉
 9230:  水の地質に就して止す》
 9231:  共に下に就く有り〉而して
 9232:    升り去る無し》故に
 9233:  日月は共に東行す〉之を分すれば〉則ち月は東行す〉
 9234:                    日は西行す〉
 9235:  水火は共に地居す》之を分すれば》則ち水は退居す》
 9236:                    火は進居す》故に
 9237: 気は散すれば則ち物は結す〉結する者は中に帰す〉
 9238: 物は結すれば則ち気は散す》散する者は外に向す》
 9239: 散中にては侌を収す〉
 9240: 結中にては昜を発す》
 9241: 発中にては侌を吸す〉
 9242: 収中にては昜を噴す》
 9243: 水は大物に液す〉
 9244: 火は一気に華す》故に
 9245: 収侌天中の影〉従涌景中の月より〉
 9246: 雨露河海〉水氷汞臓に至りて〉水に非ざる靡きなり〉
 9247: 搾排海中の気》鬱発持中の燥より》
 9248: 燐火雷電》日景星漢に至りて》火に非ざる靡きなり》
 9249: 一瓶の水〉
 9250: 一炉の火》人の用に資する所の者なり。
 9251: 火は噴けば則ち質を解す〉質は亡すれば〉則ち噴く所の火を失す〉
 9252: 侌は涌けば則ち質を結す》質は存すれば》則ち噴する所の火を継す》故に
 9253: 天華は尽きざるの侌を薪にす〉
 9254: 地液は已まざるの昜を原にす》
 9255: 侌と昜とは同寿なり。彼此は給資す。華液は常住す。
 9256: 瓶水炉火の。仰給する所無くして竭絶する者とは異なるなり。
 9257:  大物の火を発す。小物と同じからざる有り。夫れ
 9258:  大物なる者は体を攸遠に於て持す〉
 9259:  小物なる者は物を前後に於て換す》
 9260:  体を攸遠に於て持する者は〉侌昜の力を抗す〉故に
 9261:  発する者は収不断の中に於て発す〉
 9262:  鬱は其の縫に由りて発す〉
 9263:  物を前後に於て換する者は》収絶し発尽くす》故に
 9264:  発する者は収不断の処に於て発す》
 9265:  鬱発は体を食して尽くす》
 9266:  之を水に於て言はば。昜醸の水を有す。
 9267:  袞袞は尽きず。汲みて甕中に納む。
 9268:  既に其の本を絶す。上鼎下木。一火竭す可し。         (竭す=つくす)
 9269:  水なる者は 融物なり〉
 9270:  氷雪なる者は凝物なり》
 9271:  氷雪の※に漸くする。其の結の固からざればなり。
 9272:  是を以て其の物有りて凝する。若し氷雪より固なれば。則ち
 9273:  其の寒の氷雪より甚きや知る可し。
 9274: 一気は本と全〉
 9275: 侌昜は背走す》
 9276: 背するや反す〉
 9277: 面するや合す》故に
 9278: 地気は収して暗なり〉
 9279: 天象は発して明なり》
 9280: 天気は乾して吸す〉
 9281: 地質は潤して噴す》
 9282: 天象は地気を得て〉而して日影は上に相偶し〉以て其の歳を成す〉
 9283: 地質は天気を得て》而して水燥は下に相偶し》以て其の運を成す》
 9284: 天影地湿は〉同一の侌気なり〉
 9285: 地燥天景は》同一の昜気なり》
 9286: 乾華潤液は。境を隔すれば則ち其の気も亦た異なるなり。故に
 9287: 景と燥と同じく乾物なり〉唯だ燥なる者は潤中に噴する所の昜を以て〉而も
 9288: 乾と雖も而も煦を以て徳と為す〉而して其の温や〉熱して地寒に和するなり〉
 9289: 月と水と同じく潤物なり》唯だ水なる者は乾中に吸する所の侌を以て》
 9290: 潤と雖も而も滋を以て徳と為す》而して其の冷や》寒して天熱に和するなり》
 9291: 聚結は帰して一ならざるを得ず〉
 9292: 迸散は散して布かざるを 得ず》
 9293: 津津は地に合す〉
 9294: ※※は天に分す》故に
 9295: 水なる者は〉清虚の中より〉乾熱の吸に涌きて〉而して蒸騰の中に結す〉
 9296: 気より質に之くを以て〉而して其の気や清なり〉
 9297: 燥なる者は》濁質の中より》潤寒の排に噴きて》而して収粛の中に発す》
 9298: 質より気に之くを以て》而して其の物や濁なり》故に
 9299: 水は則ち融して冷〉寒凝して氷を為すなり〉
 9300: 燥は則ち鬱して温》発熱して火を為すなり》故に
 9301: 水燥は滋煦の悦を有す〉
 9302: 氷火は凍焚の惨を有す》
 9303:  燥は或いは持中に居す〉或いは地中に居す〉
 9304:  地に居する者は〉質の為に収斂せらるるを以て〉激して発す〉
 9305:  持中に居する者の処を得て和するが如くならず〉
 9306:  水は或いは地中に居す》或いは持中に居す》
 9307:  地に居する者は》気の煎熬を受けて》清にして濃なり》
 9308:  持中に居する者の清にして淡なるが如くならず》是を以て
 9309:  同じく是れ燥なり〉而して天燥なる者は和なり〉地燥なる者は激なり〉
 9310:  同じく是れ水なり》而して天水なる者は淡なり》地水なる者は濃なり》是を以て
 9311:  燥は和激を有す〉
 9312:  水は淡鹹を有す》
 9313:  風なる者は動天なり〉
 9314:  燥なる者は静天なり〉
 9315:  水なる者は動地なり》
 9316:  地なる者は静地なり》
 9317:  燥の地に在するは〉密質の為に排せられ〉空穴に由りて其の気を発するは〉猶お
 9318:  水の天に在するは》清気の為に疏せられ》而して其の質を醸すがごとし》是を以て
 9319:  燥の持中に発する者は〉風なり〉
 9320:             雲なり〉
 9321:             烟なり〉
 9322:             霧なり〉
 9323:             雷なり〉
 9324:             火なり〉
 9325:  水の持中に醸する者は》雨なり》
 9326:             露なり》
 9327:              雪なり》
 9328:             霜なり》
 9329:             泉なり》
 9330:  動地と静地とは。静地は高低を有す〉燥に居して水の養を受く〉
 9331:          動地は深浅を有す》水に居して燥の煦を受く》
 9332:  陸は平原・長流・火穴・風孔を有す〉
 9333:  水は平海・長流・潮汐の吐納を有す》而して
 9334:  我が為に造化す。柔和を為す者は。持なり。
 9335: 水は融すと雖も而も本と収物なり〉
 9336: 火は微かと雖も而も亦た発物なり》
 9337: 給資を通して立す〉
 9338: 乾潤を反して成す》
 9339: 之を逆すれば則ち相い食す〉
 9340: 之を順すれば則ち相い生す》
 9341: 讎敵を為す者は〉
 9342: 能く親昵を為す》
 9343:  収する者は寒なり〉
 9344:  発する者は熱なり》
 9345:  微甚に従して寒冷温熱を分す。
 9346:  地なる者は収の極なり〉而して
 9347:  水なる者は気の始めて質に之くなり〉故に水冷は地寒に若かず〉
 9348:  火なる者は発の極なり》而して
 9349:  燥なる者は質の始めて気に之くなり》故に燥温は火熱に若かず〉
 9350:  侌は粛結すれば則ち昜は鬱す〉
 9351:  鬱せざる者は上に達して地に保す》是に於て
 9352:  日は鬱して熱なり〉
 9353:  転は達して涼なり》
 9354:  昜は鬱達すれば則ち侌は結す〉
 9355:  結せざる者は下に生して天に営す》是に於て
 9356:  侌は結して寒なり〉
 9357:  持は止して温なり》
 9358:  気物の動静に従して其の気を見すや此の如し。是を以て
 9359:  火は能く水に給す〉
 9360:  水は能く火に給す》
 9361:  無原の水は〉有余の火に会えば則ち涸す〉
 9362:  無根の火は》有余の水に会えば則ち滅す》
 9363: 温煦冷滋。動植の生化は。INUNを此に假る。
 9364: 水火なる者は発収の物なり。
 9365: 比すと雖も而も造化の端は此に於て漏す。
 9366: 水 濯いて物をして潔からしむる者は〉塵垢を兼ねて此を収すればなり〉
 9367: 物の映する所〉影をして含ましむる者は〉其の色を収すればなり〉
 9368: 火 焚きて物をして尽くさしむる者は》形質を兼ねて之を発すればなり》
 9369: 物の照する所は》彩して呈せしむる者は》其の彩を発すればなり》
 9370: 収する者は〉之を静止に帰するのみ〉
 9371: 発する者は》之を動散に輸するのみ》故に
 9372: 散する者は天に之きて化す〉
 9373: 結する者は地に帰して造す》
 9374: 生する者は化して来す〉
 9375: 化する者は化して往す》
 9376: 生する者は新を食す〉
 9377: 化する者は故を吐す》
 9378: 水は潤中の柄を執る〉是を以て
 9379: 水功は天に及ばず〉
 9380: 火は乾中の柄を執る》故に
 9381: 火功は地に及ばず》是を以て 
 9382: 日は影を以て乾中の偶と為す〉
 9383: 水は燥を以て潤中の偶と為す》此に於て
 9384: 華液は天地に合す〉
 9385: 水燥は地中に偶す》故に
 9386: 持中の造化は。火焼は陳腐を去す〉
 9387:        水滋は新鮮を出す》
 9388: 大物を合して之を観れば。火は走して外に焼し〉恒に以て其の故を去す〉
 9389:             水は融して内に液し》恒に以て其の新を出す》
 9390: 焼して尽さず〉※※は布列す〉
 9391: 液して已まず》津津は淋漓す》故に
 9392: 火は水に資す〉
 9393: 水は火に資す》
 9394: 火は有より無に之くの跡を観る〉
 9395: 水は無より有に之くの跡を観る》
 9396: 之を天に発すれば則ち華なり〉日は乃ち諸水の宗なり〉
 9397: 之を地に収するは則ち液なり》海は諸水の帰を為す》是を以て
 9398: 性物は是れ象なりと雖も。其の居す所を類す。是を以て
 9399: 日影なる者は気象なり〉
 9400: 水燥なる者は気質なり》亦た其の分なり。
 9401:  天なる者は気にして象を華に発す〉
 9402:  地なる者は物にして質を液に収す》
 9403:  華液なる者は侌昜の文なり。彼此は給資す。常恒に相い持す。
 9404:  天地は相い望み。真成の本偶なり。然り而して
 9405:  天に在する者は與を天に於て得る〉
 9406:  地に在する者は與を地に於て得る》是に於て
 9407:  日は影に偶して上に照蔽す〉
 9408:  水は燥に偶して下に滋煦す》
 9409:  燥は煦せざれば則ち水は融せず〉
 9410:  水は滋せざれば則ち燥は長せず》
 9411:  水は極して氷を結す〉
 9412:  燥は極して火を発す》是を以て
 9413:  燥は自ら潤意を有す。
 9414:  乾は則ち潤意を絶す。
 9415:  乾なる者は天華にして之を全有す〉
 9416:  地火は則ち潤中に在するを以て〉其の全を有さず〉猶お
 9417:  潤なる者は地液にして之を全有す》
 9418:  天水は則ち乾中に在するを以て》其の真を有さず》故に
 9419:  天火地水は。為真の本偶を成すと雖も。而も
 9420:  天中 日の影を以て自ら偶し〉
 9421:  地中 水の燥を以て自偶するより之を観れば》則ち
 9422:  天中 日の月に対す〉
 9423:  地中 水の火に対す》
 9424:  猶お叔の姪に対するがごとし。是を以て
 9425:  天中の水なる者は〉滋すと雖も而も能く乾す〉
 9426:  地中の火なる者は》乾すと雖も而も能く潤す》
 9427: 収して塞する者は〉侌の気なり〉
 9428: 発して熱する者は〉昜の物なり》
 9429: 寒熱なる者は〉INUNの気を見すなり〉
 9430: 明暗なる者は》INUNの形を著すなり》是を以て
 9431: 温動冷植は〉昜熱侌寒の間に介す〉
 9432:       水冷燥温の中に居す》
 9433: 燥温の煦〉
 9434: 水冷の滋》
 9435: 之を春暖秋涼〉
 9436:   夏暑冬寒の経に於て織る》
 9437: 体は析して天地転持なり〉
 9438: 体の小なる者は〉風恬水陸を為す〉
 9439: 気は析して明暗寒熱なり》
 9440: 気の標なる者は》昼夜冬夏を為す》
 9441: 天侌以影而収〉以月而結〉
 9442: 地侌以水而結〉以湿而融〉       (「融」の後に「〉」を補う。)
 9443: 天昜以日而発》以景而散》
 9444: 地昜以燥而解》以火而発》
 9445: 相い類する有りと雖も。而も天地を隔すれば。則ち
 9446: 潤濁乾清。軽虚重実の同じからざるなり。是を以て
 9447: 月は能く天に浮して明なり〉
 9448: 火は能く地に沈して暗なり》
 9449: 燥は郤って潤を含す〉
 9450: 影は郤って乾を含す》故に
 9451: 地中の火は〉大は雷を起す〉
 9452:       小は薪に著く〉
 9453:       昜にして焔焔〉
 9454:       侌にして耿耿と雖も〉
 9455: 猶お自ら湿を食して〉而して首は地に向するがごとし〉
 9456: 之を推して天に至る〉天火も亦た其の理を同じくす〉
 9457: 地中の水は》大は鹹を湛う》
 9458:       小は淡を疏す》
 9459:       昜に遇して光を假り》
 9460:       侌に居して清を含すと雖も》
 9461: 猶お自ら燥に由りて》而して尾は地に向するがごとし》
 9462: 之を推して天に至る》天水も亦た其の理を同じくす》故に
 9463: 條理の態は。跡を反して理を同じくす。是を以て
 9464: 天物の乾を以て体を為すは〉猶お地物の潤を以て体を為すがごとし》
 9465: 地物の体を換するは〉   猶お天物の体を常にするがごときなり》故に
 9466: 鬱昜は迸散し〉転に居して通物を為し〉乾光は常に一体を持す〉
 9467: 収侌は聚結し》持に居して塞物を為し》潤濁は毎に其の体を換す》故に
 9468: 気の聚散〉
 9469: 質の解結》
 9470: 反すると雖も。亦た比して応す。
 9471: 比して応するより之を観れば。則ち
 9472: 聚散解結は〉大物の塞なり〉而して
 9473: 来去生化は》一気の通なり》
 9474: 塞すれば則ち宇の天地なり〉
 9475: 通すれば則ち宙の前後なり》
 9476: 洪曠攸遠の中は。東西南北 方を紀す〉
 9477:         昼夜冬夏 節を紀す》
 9478: 天物なる者は精にして〉生化を没して体を通す〉通すと雖も亦た緯に充す〉
 9479: 地物なる者は麁にして》生化を露して体を塞す》塞すも雖も亦た経に従す》
 9480: 杳眇は識り難しと雖も。而も撫摩は以て之を推す。
 9481: 此に反して彼を観る。彼は焉んぞ※さんや。
 9482: 地著潤濁の質〉水燥を分して居るを観て〉
 9483: 天麗乾光の象》景影を分して居るを知る》故に
 9484: 物は虚実 其の地を為す〉而して
 9485:   水燥 各おの其の天を為す》
 9486: 水物は水気を以て其の天を為す〉
 9487:    水質を以て其の地を為す〉
 9488: 天地を混して其の混中に遊す〉
 9489: 燥物は燥を以て其の天を為す》
 9490:    土を以て其の地を為す》
 9491: 天地を分して其の粲中に遊す》
 9492: 天物は常に其の体を一にす〉而して歳は能く整斉す〉
 9493: 地物は其の体を毎に換にす》而して運は能く錯雑す》是に於て
 9494: 物は独成せず。水燥の事を用するに。之を日影に於て仰ぐ。故に
 9495: 陸水は日に由りて溢涸す〉
 9496: 海水は月に従いて消長す》
 9497:  日は正に影に対す〉是を以て一寒一暑は〉冬夏を上に為す〉
 9498:  燥は正に水に対す》是を以て一長一消は》発収を下に為す》
 9499:  日は来して燥は煦す〉
 9500:  燥は煦して地沢は融す〉
 9501:  影は来して地は粛す》
 9502:  地は粛して水沢は凝す》故に
 9503:  日は能く水を乾すと雖も〉而も発昜は鼓して〉而して鬱昜は煦す〉故に
 9504:  水沢は暑候を以て溢る〉
 9505:  影は能く水に和すと雖も》而も散侌は鼓して》而して結侌は粛す》故に
 9506:  水液は寒候を以て涸る》
 9507:  日なる者は天の昜象なり〉
 9508:  月なる者は天の侌質なり〉而して
 9509:  日月は天中に相い比す〉
 9510:  陸なる者は地の昜質なり》
 9511:  海なる者は地の侌象なり》而して
 9512:  海陸は地中に相い比す〉夫れ
 9513:  天地なる者は類を以て応する者なり。故に
 9514:  日は能く燥中の物を率す〉
 9515:  月は能く水中の物を率す》
 9516:  陸は発収を以て日に従す〉
 9517:  海は潮汐を以て月に従す》
 9518:  陸水は発収気中に在り〉
 9519:  海気は潮汐質中に在り》
 9520:  日行は冬夏を為す〉
 9521:  月行は晦望を為す》蓋し
 9522:  日影なる者は侌昜の両物なり〉
 9523:  明魄なる者は一侌の月体なり》
 9524:  陸水は夏にして燥煦を得て溢る〉
 9525:     冬にして地粛を得て涸る》蓋し
 9526:  明暗は両物なり〉
 9527:  月の海水に於ける〉
 9528:  正に衝けば則ち昜鬱は甚だしくして溢る〉
 9529:  傍に衝けば則ち昜鬱は微にして涸る》蓋し
 9530:  明の正衝》魄の正衝》
 9531:  其の方を専らにすれば則ち水の応する所同じ。是を以て
 9532:  朔望の潮汐は其の勢を同じくす。
 9533:  上弦下弦は。明魄相い半ばす。是を以て
 9534:  其の力 駁りて鬱勢は微かなり。             (駁りて=まじりて)
 9535:  潮汐も亦た勢は盛んならず。
 9536:  陸物は夏にして長す〉
 9537:     冬にして消す》
 9538:  海物は晦にして肥す〉
 9539:     望にして痩す》是れ晦望の冬夏に等しき所なり。
 9540: 日は燥中の物を率す〉而して燥物は能く冬夏を知る〉
 9541: 月は水中の物を率す》而して水物は能く晦望を知る》故に
 9542: 水は天に生すれば則ち疏して雨を為す〉
 9543:   地に老すれば則ち醸して海を為す〉
 9544: 燥は陸に達すれば則ち風を為す〉
 9545:   海に鬱すれば則ち湖を噴す》
 9546:  陸なる者は気を上に煦す〉水を下に滋す〉
 9547:  海なる者は水を上に和す》燥を下に鬱す》
 9548:  滋液は能く通す〉
 9549:  気鬱は能く発す》
 9550:  水通の路は〉之を川と謂う〉
 9551:  気発の路は》之を窖と謂う》
 9552:  水は気中より注ぎて海を為す〉
 9553:  気は水中より泝りて潮を為す》
 9554:  是れ海水の月に従うなり。夫れ
 9555:  水なる者は侌物なり〉
 9556:  気なる者は昜物なり》
 9557:  水と月と相い応す。故に月は上に在れば則ち
 9558:  昜気は勢を屈して。而して水中に鬱す。故に
 9559:  鬱昜は月の両辺に洩して。而して潮汐を為す。
 9560:  朔望にては〉則ち月体は正に衝く〉
 9561:  両弦にては》則ち月体は斜に衝く》故に
 9562:  昜気の鬱発。勢は同じからざるなり。是を以て涛の大小は斉しからず。
 9563:  或るひと曰く。然らば則ち海気は日を以て洩せず。
 9564:  月を以て鬱する者は。何ぞやと。
 9565:  曰く日は燥に和す〉故に陸物は之に応す〉
 9566:    月は水に和す》故に水物は之に応す》
 9567:  海中の気は〉月を見て屈す〉猶お
 9568:  陸中の水は》火を見て乾するがごときなり》夫れ
 9569: 地上一層なる者は〉水の毬なり〉
 9570: 水上一層なる者は》燥の毬なり》
 9571: 水毬の燥なる者は其の気濁す〉其の性は悍く水を衝きて上る〉是を以て
 9572: 雨露の下るは〉陸燥の和に由る〉
 9573: 潮汐の泝るは》海気の悍に由る》
 9574: 海味の濃は〉水底の鬱蒸に由る〉
 9575: 陸気の濁は》地面の湿濁に由る》故に
 9576: 天中は燥 疏すれば〉則ち水結して川谷は其の通路を為す〉
 9577: 地中は燥 鬱すれば》則ち火発して窖穴は其の達路を為す》
 9578:  天中燥疏の盛んなる〉水は滂孛を為す〉
 9579:  地中燥鬱の甚だしき》火は山嶽を裂す》
 9580: 燥なる者は猶お体を没す〉火なる者は其の鬱して発するなり〉故に
 9581: 地昜は地気を鼓舞して〉水湿を蒸騰す〉
 9582: 濁して清に入らず〉升して転に入る能わざれば〉則ち
 9583: 俯覆して雲霧を為す〉
 9584:  雲なる者は水土の気。濁して靄靄なり。
 9585:  其の白くして玲瓏たる者は〉象と映するなり〉
 9586:  其の黒くして惨澹なる者は》象と隔するなり》
 9587:  赤にして亦た空に映る者は〉日光と斜に射すなり〉
 9588:  昏にして  地に俯す者は》上面の気 清なり》
 9589:  風無ければ則ち綿の如く練の如し。
 9590:  風有れば 則ち鱗の如く翼の如し。
 9591:  雲霧なる者は。気の質を帯びるなり。
 9592:  其の結するや。雨雪を為す。其の解するや散なり。
 9593:  散なる者は質の気に之くなり〉
 9594:  結なる者は気の質に之くなり》是を以て
 9595:  升なる者は則ち其の気を以て能く升す〉
 9596:  降なる者は則ち其の質を以て能く降す》
 9597:  質を有すと雖も〉而も気に勝る者は升す〉升すと雖も而も其の質は終に降す〉
 9598:  気を有すと雖も》而も質に勝る者は降す》降すと雖も而も其の気は終に升す》
 9599: 水火は相い撃ちて〉而して怒れば則ち雷電を為す〉
 9600:  気は通すれば則ち巳む。鬱すれば則ち火を発す。
 9601:  爆竹を以て之を言わんに。其の気は鬱して迫る。
 9602:  撃して発するや。轟然として響を為す。是を以て侌気 地を封すれば。
 9603:  則ち昜は下に鬱す。鬱昜は迫りて発し。衝きて出すれば。則ち
 9604:  地は震を有す。
 9605:    鳴を有す。
 9606:    裂を有す。
 9607:    火出を有す。
 9608:  衝きて直ちに升らんと欲して。
 9609:  中間侌気の壅閉に遇えば。則ち
 9610:  火勢は愈いよ鬱し愈いよ屈す。
 9611:     愈いよ迫り愈いよ激す。
 9612:  出でんことを求めて縦横相い衝く。
 9613:  闘いて相い撃てば。則ち雷を為し電を為す。
 9614:  秋夜は暑さ将に退かんとし。涼しさ将に至らんとするの交。
 9615:  必ず閃電有り。俗に稲郎と曰う。
 9616:  言うこころは此の物は夜に来れば。則ち稲は必ず子を結ぶ。是れ亦た鬱火なり。
 9617:  唯だ発する者は軽く。閉する者は密ならず。
 9618:  物と激すること能わずして散するのみ。
 9619: 侌質に逆すれば〉則ち野馬沢※〉火井熱池の気を起こす〉
 9620: 侌性に順すれば〉則ち涼※湖光〉龍燈鬼燐の象を為す〉
 9621:  侌は閉すれば則ち昜は鬱して気を起こす〉火山熱池なり〉
 9622:  暗は深ければ則ち浅なる者は色を為す》 野火湖光なり》蓋し
 9623:  至暗の間は。気有りて暗と融せず。其の気は青くして※の如し。
 9624:  見なる者は鬼龍の為すの所と為す。
 9625:  龍は未だ龍燈を挑げず〉
 9626:  鬼は焉んぞ鬼火を解せん》
 9627: 其の変に至りては〉則ち火体は能く天象を争う〉
 9628:  火は。或いは地に在りては火を為す〉
 9629:     或いは天に在りては象の如し》然りと雖も。皆な一なるのみ。而して
 9630:  地火は質を食す〉故に其の火は時に発す〉然りと雖も
 9631:  地膩の結する所は〉則ち火は常に有り〉
 9632:  天火は侌に圍せらる》故に其の火は常に見す》然り而して
 9633:  侌守の疏する所は》則ち其の火は時に滅す》
 9634:  麁濁の昜は〉精清の中に散すること能わざれば〉則ち
 9635:  日と暉を争す〉
 9636:  月と共に繋す〉
 9637:  彗と化し孛と化す〉
 9638:  転中の動なる者なり〉象に類する有り〉
 9639:  声有りて 天狗と為す》
 9640:  声無くして抂矢と為す》
 9641:  飛して流星を為す》
 9642:  隕して星雨の如し》
 9643:  持中の動なる者なり》麁火の類なり》
 9644: 水なる者は》已に質を有す》湿なる者は》其の解して融するなり》
 9645: 清気は相い逼る》
 9646: 雲霧は相い感す》
 9647: 独気は重を為す》
 9648: 湿体は相い引す》則ち
 9649: 降結して雨露を為す》
 9650:  雲霧なる者は〉気の蒸蒸として濁中より升するなり〉猶お気の鏡を呵するがごとし〉
 9651: 7 雨雪なる者は》質の津津として清中より来するなり〉猶お露の鏡面に結するがごとし》
 9652: 寒温は相い逼りて粛すれば》則ち雪霜なり》
 9653: 昜象に逆らえば》則ち霞虹暈の彩を発す》
 9654:  地気蒸蒸の暗濁は。
 9655:  升浮披布して散すれば〉則ち
 9656:  其の気は茫茫として〉而して烟靄を為す〉
 9657:  降低分靡して結べば》則ち
 9658:  其の質は紛紛として》而して※※を為す》
 9659:  烟靄は雲より疎なり〉
 9660:  ※※は雨より密なり》
 9661:  日月の光。其の薄処より。直に茫茫の烟靄を射れば則ち暈を為す〉
 9662:              斜に紛紛の※※を射れば則ち虹を為す》
 9663:  其の輪は則ち明は暗を衝き。暗は明を抱くの界なり。故に
 9664:  日月は至高なれば〉則ち虹を為し易からず〉
 9665:     至低なれば》則ち暈を為し易からず》
 9666: 昜性に従えば》 則ち硫礬膏膩の物を為す》
 9667: 其の変に至れば》則ち水気は能く物象を奪す》
 9668:  清にして体を没する者は能く色を透す〉      (「〉」を補う。)
 9669:  清にして体を露する者は能く色を受す》      (「》」を補う。)
 9670:  明にして体を有する者は能く光す》
 9671:  明にして体を没する者は能く見す》是の故に
 9672:  明なる者は色を外に施す〉
 9673:  清なる者は色を内に受す》是の故に
 9674:  水は天間に遊して〉能く地の物影を受す〉之を天開と謂う〉
 9675:  水面に遊んで》  能く傍の物影を受く》之を海市と謂う》
 9676: 景影中に物有り〉能く循環を為す〉
 9677: 影物を影曜と曰う〉
 9678: 景物を景曜と曰う〉
 9679: 水燥中に物有り》能く鱗比を為す》
 9680: 燥物を燥生と曰う》
 9681: 水物を水生と曰う》蓋し
 9682: 寒熱なる者は発収の気なり〉
 9683: 滋煦なる者は》吸噴の性なり》
 9684: 天は先んじ地は後れ。天は唱し地は和す。
 9685: 春夏は滋煦す〉
 9686: 秋冬は寒収す》
 9687: 燥煦にして生育す〉
 9688: 水液にして聚結す》
 9689: 其の神は斯に活す〉
 9690: 其の物は斯に立す》
 9691: 天は動し而して歳は定す〉
 9692: 地は静し而して運は変す》
 9693: 昼夜は本神の開閉を為す〉
 9694: 冬夏は生化の活息を為す》
 9695:  地物の生は。潤すれば則ち結す〉
 9696:        乾すれば則ち化す》
 9697:  火の焼して質を散す〉
 9698:  水の潤して質を結す》
 9699:  亦た其の徴なり。艸木は土気に長ず〉
 9700:          禽獣は食息に長ず》是の故に
 9701:  生を為する者は解結よりす〉
 9702:  生を養する者は乾潤よりす》夫れ
 9703:  寒熱の為す所は則ち冬夏なり〉
 9704:  明暗の為す所は則ち昼夜なり》是を以て
 9705:  生は。明暗に随いて睡覚す〉
 9706:     寒熱に随いて栄枯す》
 9707:     覚する者は神の旺なり〉
 9708:     睡なる者は本の旺なり〉
 9709:  栄なる者は》精華の発なり》
 9710:  枯なる者は》本根の復なり》而して
 9711:  艸木は栄枯の気に顕なり〉
 9712:  鳥獣は睡覚の気に顕なり》
 9713:  華葉の夜閉じ昼開くを観れば〉則
 9714:  彼も亦た睡覚を具する者なり〉
 9715:  禽獣の暖にして孳尾し》
 9716:     寒にして※毛するを観れば》則ち
 9717:  此れ亦た栄枯を具する者なり》
 9718:  唯だ人は神気に長ず〉故に
 9719:  羽毛の用を假らず。
 9720:  孳尾の時。故に見難しと為す。
 9721:  猶お松柏の本気に長じ。而して
 9722:  栄枯の時の見難きがごときなり。
 9723: 動植の用は気液にして活立すなり〉
 9724: 水燥の滋煦を以てINUNすればなり》
 9725: 
 9726:  乾潤滋煦図
 9727: 
 9728:  玄 語 目
 9729:   日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
 9730:  小冊 人部
 9731:   天人
 9732: 天地は若く立す〉
 9733: 天神は若く成す》
 9734: 大は能く小に散す〉
 9735: 小は能く大に居す》
 9736: 神本は気物に合す〉
 9737: 動植は神本を分す》
 9738: 神気は則ち性は情感に通し〉
 9739: 本気は則ち精保し力立すに至れば》
 9740: 則ち大小彼此は同じく相い有すと雖も。
 9741: 然れども既に其の物を分して之に並ぶれば。則ち
 9742: 彼れは本気に専らなり〉
 9743: 此れは神気に専らなり》蓋し
 9744: 植なる者は〉艸木なり〉水にして藻樹を為す〉
 9745: 堅なれば則ち土石〉余生は則ち菌寓なり〉
 9746: 動なる者は》鳥獣なり》水にして魚龍を為す》
 9747: 堅なれば則ち甲介》余生は則ち虫豸なり》蓋し
 9748: 動中感通の運は。是れ之を意と謂う。
 9749: 感通は彼此を隔せずと雖も。
 9750: 態を意に於て為すに至りては〉
 9751: 則ち動は之を有し植は之を没す》
 9752: 意を有すれば〉則ち其の為や〉卒に意を用いざるを獲ず〉
 9753: 意を没すれば》則ち其の為や》卒に意を舍てざるを獲ず》
 9754: 無意の為は則ち神〉成にして誠なり〉直に之を為と謂う〉      (直に=ただち)
 9755: 有意の為は則ち人》成にして偽なり》亦た之を作と謂う》
 9756: 虫豸甲介。魚龍鳥獣。偕に同じく意を有す。則ち其の境や人なり。  (偕=とも)
 9757: 然りと雖も。意為の妙を極むるに至りては。
 9758: 則ち変化鼓舞すること。孰れか人に優れん。故に
 9759: 物よりして之を観れば〉則ち大は小を有す〉而して小中は動植並立す〉
 9760: 人よりして之を観れば》則ち我は意為の妙技を有す》以て天神の為成に敵す》是に於てか。
 9761: 含霊は人に属す〉
 9762: 艸木は天に帰す》夫れ
 9763: 人なる者は〉万物中の一物なり〉
 9764: 意なる者は》万気中の一気なり》
 9765: 大は能く小に給す〉故に
 9766: 小は以て大に応す〉
 9767: 一は能く二に之く》故に
 9768: 散は終に専らにする所有り》是を以て。
 9769: 小は大に応す〉
 9770: 植は動に反す》
 9771: 人は天地を開して〉而して本気を生と為す〉
 9772:             神気を意と為す》
 9773: 天は   感通の神〉営養の為を有す〉
 9774: 人は資して心性の意》為技の作と為す》故に
 9775: 意なる者は〉人の心性なり〉
 9776: 作なる者は》人の為技なり》
 9777: 情欲の天は〉感求を運す〉
 9778: 意智の神は》智通を運す》故に
 9779: 天なる者は〉神為天成す〉
 9780:  有なれば則ち有り〉
 9781:  無なれば則ち無し》
 9782:  生すれば則ち生す〉
 9783:  化すれば則ち化す》
 9784:  廼ち天なり。
 9785:  執りて隔する者は。則ち有に拘わり無に泥す。生に執し死に惑う。
 9786:  智に舞い物を弄ぶ者は。有を無にし無を有にす。
 9787:  生を不生とし。化を不化とし。抂げて模索を費す。     (抂げて=まげて)
 9788:  常を以て度すれば〉則ち変に差う〉
 9789:  己を以て比すれば》則ち物に違う》蓋し
 9790:  気の物に於けるは。各成り各足らざる莫し。是れ物物の全なり。
 9791:  耳目を有して視聴す〉
 9792:  手足を有して舞踏す》
 9793:  意を有して思弁す〉
 9794:  技を発して営作す》
 9795:  是れ人の全なり。
 9796:  他の含霊の如き。似たりと雖も。而も思弁営作に拙し。
 9797:  拙しと雖も。而も彼に於て足る。
 9798:  其の佗は則ち耳目鼻舌。神霊機智を假らずして足る。故に
 9799:  腸胃無くして活す。
 9800:  根株無くして生す。
 9801:  気息を有せずして存す。
 9802:  心思無くして動す。而して
 9803:  ※を見て蛇の行くを異む。                (異む=あやしむ)
 9804:  鳥を見て魚の潜むを訝る。                (訝る=いぶかる)
 9805:  己を以て物を窺うなり。
 9806:  営せずして為す者は〉神なり〉
 9807:  為して意無き者は》 天なり》
 9808:  人に在るの一気は。精華にして神を為す。
 9809:  是れ惟だ人のみ有する者なり。
 9810:  彼の執りて拘わる者は。
 9811:  以為らく己れ已に意を有す。而して視聴知弁す。      (以為らく=おもえらく)
 9812:  天も亦た必ず意を有して。而して視聴知弁せん。
 9813:      己れ已に意を有す。而して愛憎黜陟す。
 9814:  天も亦た必ず意を有して。而して愛憎黜陟せんと。
 9815:  生時の情態は已に是の如し〉
 9816:  死後の情態も亦復是の如しと》              (亦復=また)
 9817:  猶お瞽の文彩を思想し。
 9818:    聾の律呂を思想するがごとし。
 9819:  人の動物に於ける。同じく生の類なり。
 9820:  而して猶お且つ己れを以て物に比す可からざるがごとし。
 9821:  況んや天をや。故に羅網を下して漁する者は。
 9822:  獲る所 失する所に勝らず。※※を引きて弋する者は。   (※※=そうしゃく。弋=よく)
 9823:  中る所 逸する所に勝らず。
 9824:  有意は以て之を得れば〉則ち
 9825:  無意は従して之を失す》
 9826:  天の成する所なり。故に
 9827:  耳目を以て視聴す。
 9828:  心志を以て窺窬す。亦た難き哉。
 9829:  惟だ無意にして為す〉故に涓埃の微も為せざる莫し〉    (涓埃=けんあい)
 9830:  惟だ作無くして成す》故に覆載の大も成せざる莫し》
 9831:  天は能く容す〉孰れか得て之を逃れん〉
 9832:  誠は能く成す》孰れか得て之を揜わん》
 9833:  天なる者は〉為して意無し〉
 9834:        成して有せず〉故に為せざる莫し〉
 9835:                 成せざる莫し〉
 9836:  人なる者は》之を為に於て謀る》
 9837:        之を成に於て営む》故に為せざれば則ち息む》
 9838:                   成せざれば則ち敗る》
 9839:  天は人に異なるに非ず〉
 9840:  人は天に分るる者有り》
 9841: 人なる者は》意を運し営を為す》
 9842: 意為を用いる者は〉其の向う所に於て神巧なりと雖も〉
 9843:          而も向わざる所に於ては則ち遺す〉
 9844:          其の為す所に於て鼓舞すと雖も〉
 9845:          而も為せざる所は則ち失す〉
 9846: 意為を舍つる者は》神巧を事とせずと雖も》
 9847:          而も成せざる所莫し》
 9848:          鼓舞を用いずと雖も》
 9849:          而も為せざる所莫し》
 9850:  禽獣魚鼈なる者は〉有意の物なり〉
 9851:  惟だ神巧の通を旋す所に於て少し〉故に
 9852:  為す有りと雖も而も為せざること多し〉
 9853:  艸木土石なる者は》無意の物なり》
 9854:  運営の為技を假らず》
 9855:  而して神誠の天神に任す》故に              (任す=まかす)
 9856: 人なる者は〉智は能く物に通す〉
 9857:       力は能く物に役す〉
 9858: 天なる者は》通せざる所無し》
 9859:       役せざる所無し》
 9860: 天なる者は〉無意にして成す〉
 9861: 人なる者は》有意にして作す》
 9862:  物に在れば〉則ち神を以て天に対す〉
 9863:  人に在れば》則ち人を以て天に対す》
 9864:  其の分や如可。蓋し天地より万物に至りて物に非ざる者無し。
 9865:  而して物中に物有り。
 9866:  有意は其の神を為す〉
 9867:  発作は其の技を為す》
 9868:  是れ之を人と謂う。
 9869:  人は物中に在りて。
 9870:  以て人に非ざるを者を観れば。
 9871:  則ち皆な無意を以て物と為す。是に於て
 9872:  彼の天神を合す。而して以て天を為す。
 9873:  人なる者は〉物中の一物なり〉
 9874:  意なる者は》神中の一神なり》是の故に。
 9875:  天神の分を以てすれば〉則ち人意も亦た神中の事なり〉
 9876:  天人の分を以てすれば》則ち神為も亦た天中の事なり》故に
 9877:  大分よりして之を言えば》則ち
 9878:  性を以て徳を為す〉
 9879:  才を以て道を為す》
 9880:  人よりして之を言えば》則ち
 9881:  我の有意の神を以て徳を為すを以て》
 9882:  彼の無意の天の徳を為すを観》
 9883:  以て我の不測の為を以て道と為すを以て》
 9884:  彼の無作の成の》天の道と為すを観る》
 9885:  天人は同じからずと雖も。而も其の気を為すは則ち同じ。
 9886:  気を為すは則ち同じと雖も。意の有無を反す。故に
 9887:  天なる者は〉無意にして為す〉
 9888:        無作にして成す〉
 9889:  人なる者は》有意にして為す》
 9890:        作にして成せず》
 9891:  物を以て之を分す〉
 9892:  天地山海〉
 9893:  艸木土石〉
 9894:  意を具せざる者は〉天の属なり〉
 9895:  鳥獣魚鼈》
 9896:  介蝦虫豸》
 9897:  意を具する者は》 人の属なり》
 9898:  事を以て之を分すれば》
 9899:  無意にして成すは〉天の事なり〉
 9900:  有意にして作すは》人の事なり》
 9901:  人は此を以て為す〉
 9902:  天は此を以て成す》
 9903:  死生通塞なる者は〉天なり〉
 9904:  殺活与奪なる者は》人なり》
 9905:  殺活与奪の為は。死生通塞の成に遇す。
 9906:  然り而して殺活与奪の人なる者は。亦た彼と我とを隔す。
 9907:  我なる者は。我の之を如何ともす可き者なり。
 9908:  我に非ざる者は。我の之を如何ともす可き所の者に非ず。
 9909:  我の之を如何ともす可き者は〉     我より致せば〉則ち我の人なり〉
 9910:  我の之を如何ともす可き所に非ざる者は》彼より至れば》則ち我の天なり》
 9911:  且つ一身の立する所も。亦た神本のみ。
 9912:  神気は有意を以て発す〉
 9913:  本気は無意を以て立す》
 9914:  是に由りて之を観るに。天人に大段四有り。
 9915:  意を具する者を挙げて意を具せざる者に対する。一なり。
 9916:  人を以て天に対する。二なり。
 9917:  彼を以て我に対する。三なり。
 9918:  本を以て神に対する。四なり。
 9919: 無意なる者は〉天徳〉人を以て之を観れば則ち公なり〉
 9920:  無意なる者は〉天徳なり〉人は之に法らざる可からず〉
 9921:  有意なる者は》人徳なり》人は之を修めざる可からず》故に
 9922:  人は其の人徳を修すれば〉則ち善に意有り〉
 9923:    其の天徳に荒すれば》則ち善に意無し》
 9924:    其の天徳に法れば》 則ち不善に意無し》
 9925:    其の人徳に荒すれば》則ち不善に意有り》故に
 9926:  聖も亦た人なりと雖も。運用して以て物に体す。故に
 9927:  其の徳や天なり。
 9928:  若し女の有意を舍てて〉以て事に無意に従い〉         (女=なんじ)
 9929:    彼の無意を舍てて〉以て事に有意に従えと曰わば〉則ち失す〉
 9930: 有意なる者は》人徳なり》天を以て之を考えれば則ち私なり》
 9931:  意なる者は。人の得て有する所の徳なり。
 9932:  之を呼びて無意と曰うと雖も。
 9933:  機を含み智を使う。惟だ
 9934:  有意に執る者は〉天を知らざるなり〉
 9935:  無意に任す者は》人を忘るるなり》
 9936:  善に意を有すれば〉則ち不善に意無し〉
 9937:  殺に意を有すれば》則ち活に 意無し》
 9938:  択びて宜しきに従う。是れ之を修と謂う。
 9939: 成する者は天道なり〉人を以て之を観れば則ち誠なり〉
 9940:  斐然として章を天地に於て成す〉
 9941:  粲然として跡を往来に於て成す》
 9942:  微も之を隠さず〉
 9943:  久も之を舍てず》
 9944:  原原として来る〉
 9945:  常常として継ぐ》
 9946:  天の道なり。
 9947:  今涓滴を海に棄つ〉
 9948:  海水増すと曰わば〉 人信ぜずと雖も〉 而も誠の道なり〉
 9949:  海水増さずと曰わば》人之を信ずと雖も》而も欺の事なり》
 9950:  冥冥は見難し〉
 9951:  昭昭は知り易し》
 9952:  日月の明は〉繊毫も暗を容れず〉 是を以て穿鍼の隙も〉明を通せざる莫し〉
 9953:  造化の行は》須臾も休息の間無し》是を以て弾指の頃も》逝く者を駐めず》
 9954:  宇宙万分芥子の一も。誠亡くんば則ち之が為に尽きん。
 9955:  薫は薫を揜わず〉
 9956:  蕕は蕕を揜わず》
 9957:  宇宙に充てて足らざる無し〉
 9958:  忽微に入りて贏余無し》是れ
 9959:  無意の公は〉無為の誠なり〉
 9960:  有意の為は。則ち然らざるなり。
 9961:  之を顕せんと欲すれば〉則ち微を以て大を為す〉
 9962:  之を隠せんと欲すれば》則ち大を以て微を為す》
 9963:  内は東を求めて〉而して外は則ち西す〉
 9964:  為は進を為して》而して意は則ち退く》是を以て。
 9965:  若し天地の転持をして。人の有意の如くならしむれば。則ち
 9966:  時有りて之を作す〉
 9967:  時有りて之を廃す》
 9968:  之を転して已まず〉
 9969:  之を持して息わず》                 (息わず=いこわず)
 9970:  之を為すに悦ぶ〉
 9971:  之を継ぐに倦む》
 9972:  天人の反を観る可し。
 9973:  故に無意の吉凶を観て。
 9974:  以て有意の酬醋と為す。
 9975:  誠偽の分を知らざるなり。
 9976:  若し夫れ善を為して尽く福有らば〉利者先んじて為さん〉
 9977:     不善を為して尽く禍有らば》怯者先んじて避けん》
 9978:  那ぞ君子を待ちて以て之を為さん。
 9979:  不善を為して福多く〉
 9980:  善を為して禍多ければ》
 9981:  人 将た何んか適かん。蓋し         (何んか=いかんか。適かん=ゆかん)
 9982:  天なる者は〉愛憎酬醋に意無し〉
 9983:  人なる者は》愛憎酬醋に意有り》
 9984:  不善人と雖も〉而も積めば則ち富せざるを得ず〉
 9985:  善人と雖も》而も散ずれば則ち貧せざるを得ず》
 9986:  暴戻なりと雖も〉而も強ければ 則ち力争い難し〉
 9987:  方正なりと雖も》而も覆わるれば則ち勢支え難し》
 9988:  事は両全なること難し〉
 9989:  勢は平を持すること難し》
 9990:  惟だ誠の所在に於て成る。
 9991:  有意を以て之を矯むる可からず。
 9992:  善なる者は〉 人は偕に之を欲す〉
 9993:  不善なる者は》人は偕に之を悪む》
 9994:  偕に欲す所の者は〉衆 之に帰す〉
 9995:  偕に悪む所の者は》衆 之を棄つ》
 9996:  理は勢を以て之を晦ます可からず〉
 9997:  心は力を以て之を服する可からず》
 9998:  邪は之を屏けんと欲す〉
 9999:  正は之を挙げんと欲す》
10000:  仇は之を酬いんと欲す〉
10001:  徳は之を報いんと欲す》
10002:  意の向かう所。天は之を如何ともする能わず。是に於て。
10003:  人為の天成に遇するも。其の遇の參差すること。市人の迭いに面するが如し。
10004:  竊鈎の人にして〉而して竊鈎の禍を獲る〉
10005:  分飯の人にして》而して分飯の福を獲る》
10006:  有司の察察たる者と雖も。尚お堪えざるなり。
10007:  縦い能く察察として之に堪うるも。
10008:  而も豈に有徳者の為す所ならんや。
10009:  人の徳有りてすら。猶お且つ為さず。
10010:  而るを之を天に望んで。
10011:  一善を行いて〉 而して一報を求むる〉
10012:  一不善を拾いて〉而して一報を指さす》
10013:  天は豈に交易を以て道と為さんや〉
10014:  繊毫の善不善に於ては》則ち之を省みず》
10015:  其の大なる者を以て之を禍福すとならば》
10016:  則ち苟安を以て謀と為すなり》
10017:  天は豈に苟安を以て謀と為さんや》
10018:  然り而して其の一毫の功過も。遂に揜う可からず。
10019:  猶お千鈞の衡。錙銖を増減して。人未だ覚らず。
10020:  衡未だ移らざるが如しと雖も。而れども冥冥として移る者は。
10021:  竟に揜う可からず。是に於て。
10022:  海に棄つるの涓滴は。終に之を没す可からず。
10023:  知らざる者は〉以て冥冥と為す〉
10024:  知る者は》  以て昭昭と為す》
10025:  智愚の以て分るる所なり。是を以て
10026:  其の有力者は〉進みて権を移し〉
10027:    無力者は》退きて権を移す》
10028:  賢否の以て分るる所なり。
10029: 作なる者は人道にして》天を以て之を考えれば則ち偽なり》
10030:  已に一物を為す〉
10031:  已に一気を為す》
10032:  己を有するの気物なり。
10033:  別して混有する者を観れば。
10034:  則ち己を有する者は。各自に私す。
10035:  己を有するの私よりして。而して
10036:  混有する所の者を観れば。則ち彼や公なり。故に
10037:  我の有意よりして。而して無意を天に於て謂う。
10038:  有意の私よりして。而して公を彼に於て謂う。
10039:  私とは〉人意の謂なり〉
10040:  偽とは》人為の謂なり》故に
10041:  意は天下を安んずるに在ると雖も〉而も天より之を観れば〉則ち私なり〉
10042:  修めて聖人に至ると雖も》    而も天より之を観れば》則ち偽なり》
10043:  既已に人なり。私偽は公誠に反して。人の賊を為す。是を以て
10044:  人の公誠や〉天に法るなり〉
10045:  其の私偽や》人に任すなり》
10046:  故に人に対して天を言う者は。則ち人を除けば則ち其の対を失す。
10047:  神に対するの天。機に対するの誠の如きは。人を假らずして存す。
10048:  意智情欲なる者は〉我の意なり〉
10049:  運用言動なる者は》我の作なり》
10050:  分すれば。則ち運用は為を為す〉
10051:         言動は技を為す》夫れ
10052: 内に有する者は〉徳なり〉
10053: 外に発する者は》道なり》
10054: 神は内具の心性を運用して。
10055: 以て言動の為を外に於て発す。
10056: 人は有意にして殺活与奪を為す〉
10057: 天は無意にして死生通塞を成す》
10058: 天人の交接。其の事は無窮なり。此の故に
10059: 修する者は則ち志し〉
10060: 治する者は則ち業し〉人為を立す〉
10061: 往する者は則ち当し》
10062: 来する者は則ち遇し》天命を成す》
10063: 人為は則ち天準の在する所なり〉
10064: 天命は則ち人事の帰する所なり》
10065:  人事の重きは。生化天命なり。
10066:  生化なる者は。聚散解結の往来なり。故に
10067:  生化は天命の外に非ず。是を以て。
10068:  生化なる者は〉神為なり〉
10069:  天命なる者は》天成なり》
10070:  神為を以てすれば〉則ち往来は主にして〉而して当遇は客なり〉
10071:  天成を以てすれば》則ち当遇は主にして》而して往来は客なり》
10072:  此の故に。感応往来の生化〉
10073:       当遇会違の天命》以て分し以て合す。
10074:  常変は無窮なり。是を以て。時の没体〉
10075:               物の露体》則ち異なると雖も。而も
10076:  来すれば則ち之を生し〉往すれば則ち之を化す〉往来は主なり〉
10077:  来すれば則ち之に当し》往すれば則ち之に遇す》当遇は主なり》
10078: 人は神を以て躯を御して。自佗を隔つ。
10079: 而して各おの其の神を運す。故に
10080: 内に具する者より択べば〉則ち善悪是非存す〉
10081:  枝幹有り〉栄枯有るは〉木の同じくする所なり〉
10082:  曲直疎密》寿夭肥瘠は》木の独りする所なり》
10083:  人は其れ
10084:  孰れか独りする者無からん〉 独りする者 同じくする者に勝てば〉則ち小人なり〉
10085:  孰れか同じくする者無からん》同じくする者 独りする者に勝てば》則ち君子なり》
10086:  同じくする者無くんばある可からざるなり。故に
10087:  其の為に未だ尽く善に出でざれども〉
10088:  其の大なる者 立すれば〉則ち令名を失わず〉
10089:  其の為に未だ尽く不善に出でざれども》
10090:  其の大なる者 誤まれば》則ち醜名を免れず》
10091:  不善者と雖も〉豈に細行の拾う可き無からんや〉
10092:  善者と雖も》亦た豈に瑣事の貶す可き無からんや》故に
10093:  其の美を拾いて之を誉むれば〉  則ち以て其の不美を掩う可し〉
10094:  其の不美を挙げて以て之を毀れば》則ち以て其の美を掩う可し》
10095:  叱咤は〉戻声なり〉而れども愛する者〉豈に叱咤の声 無からんや〉
10096:  唯喩は》和声なり》而れども戻る者》 豈に唯喩の声 無からんや》
10097:  巧に美を衒えば〉則ち固に不善と雖も〉而も世は必ず沾沾として以て相い誉む〉
10098:  不幸にして不美を為さば》則ち固に善と雖も》而も世は必ず※※として以て※※す》
10099:  密に窺い陰に謀り〉富を致し貴を致す〉之を見れば則ち秩然として序有り〉
10100:  之を望めば則ち厳然として儀有り〉
10101:  之に就けば則ち敬にして恵なり〉
10102:  之を去れば則ち愛にして思う〉
10103:  之を訟うれば則ち能く折る〉
10104:  之を諌むれば則ち能く聴く〉
10105:  孰れか其の不善を知らん〉
10106:  微を知り機を見て》悪を未萌に截し》乱を未発に誅す》
10107:  慮ること有りて 或いは恕せず》
10108:  憂うること有りて或いは假さず》
10109:  言いて時好に投ぜず》
10110:  立して時勢に趨かず》
10111:  孰れか其の善を知らん》
10112:  声主 慎しむ可し。
10113:  豈に軽がるしく毀誉を為し易からんや。
10114:  豈に軽がるしく毀誉を聴き易からんや。
10115:  瑜は瑕を掩わざる有り〉然れども玉は則ち玉なり〉
10116:  文は以て質を飾る有り》然れども石は則ち石なり》
10117:  噫 玉は  相し易からず〉
10118:    石も亦た弁じ易からず》
10119: 外に発する者に就きて観れば》則ち守禦虚実作る》
10120: 動の事は〉守禦より出す〉
10121: 言之事は》虚実より出す》
10122:  戯調すれば則ち己に誇り〉
10123:  抗衡すれば則ち他を察せず〉
10124:  争えば則ち競う〉
10125:  妬めば則ち忌む》
10126:  之を内にすれば則ち護る〉
10127:  之を外にすれば則ち訐る》             (訐る=そしる)
10128:  守禦の間。声主は參差す。此の故に。
10129:  名を正して実を正さず〉正声を以て人を欺くなり〉
10130:  実を抂げて名を直す》 直声を以て自ら売るなり》
10131:  実を務めずして名を張る〉虚声を以て天を欺くなり〉
10132:  実を有して名を悪む》実声を以て人を尤めるなり》  (尤むる=とがめる)
10133:  世に未だ主を知らずして謾に之を呼ぶ者有り〉    (謾=いつわり)
10134:  主に遇いて未だ名を得ざる者有り》
10135:  同主にして異声なる者有り〉
10136:  同声にして異主なる者有ち》是を以て。
10137:  激言は実を過ぐ。
10138:  ※言は実を遷す。
10139:  暴言は実を傷つく。
10140:  佞言は実を溢す。
10141:  惑言は実を失す。
10142:  盗言は実を偸す。
10143:  淫する者は其の言 私す。
10144:  窮する者は其の言 遁る。
10145:  忌む 者は其の言 沮む。
10146:  畏るる者は其の言 縮む。
10147:  毀誉褒貶は〉声なり〉
10148:  善悪美醜は》主なり》
10149:  主は能く声を為すと雖も》声も亦た能く主を移す》
10150:  声主称えば則ち可なり〉              (称えば=かなえば)
10151:  称えざれば則ち冤憤忿怒〉誤謬過失〉此れに由りて興る。故に
10152:  自ら蔵する所の者は〉石なり〉而して
10153:  諛人は其の名を玉にして以て媚を献ず〉       (諛人=ゆじん)
10154:  眩者は知りて自ら強いる〉
10155:  愚者は知らずして之を宝とす〉
10156:  其れ惟だ智者や〉之を聞きて懌ばず〉
10157:  是れ声の美を悪むに非ず〉
10158:  虚名の主に益無きを悪むなり〉
10159:  自ら蔵する所の者は》玉なり》而して
10160:  妬者は其の名を石にして以て之を排す》
10161:  褊者は知りて慍る》
10162:  愚者は知らずして棄つ》
10163:  其れ惟だ智者や》之を聞きて自若たり》
10164:  是れ名の不美を愛するに非ず》            
10165:  虚名の主を累わすに足らざるを知るなり》       (累わす=わずらわす)
10166:  苟くも声は主に称わざれば。
10167:  則ち美醜は同じく不智に帰す。
10168:  褒揚貶抑。実と乖馳す。               (乖馳=かいち)
10169:  君子は豈に爾く為さんや。是を以て          (爾く=しかく)
10170:  名を以て主を蔽う者は〉不肖なり〉
10171:  名を以て主を疑う者は》不明なり》
10172:  名を以て主を蔽う者は〉又た名を以て主を浮す〉
10173:  名を以て主を疑う者は》又た名を以て主を信ず》
10174:  以て人に上り難し〉
10175:  以て人に下り難し〉
10176:  以て事に通ず可からず〉
10177:  以て物に体す可からず》
10178:  人を以て人を誤るも。其の失は猶お斯くの如し。
10179:  況んや人を以て天を誤る者をや。
10180:  声主は称わざれば。則ち以て事物を正すに足らず。
10181:  豈に天人を語る可けんや。夫れ
10182: 質の有無なる者は〉天地の分する所なり〉
10183: 意の有無なる者は》天人の分する所なり》故に
10184: 天なる者は〉無意にして為す〉作さずして成る〉
10185: 人なる者は》有意にして作す》作さずして成らず》
10186:  質の有無なる者は〉天地の分なり〉
10187:  意の有無なる者は》天人の分なり》
10188:  天人は気を同じくす。而して
10189:  人なる者は〉有意にして作す〉
10190:  天なる者は》無意にして為す》
10191:  其の為すこと豈に同じからんや。
10192:  夫れ自使なる者は。勢力の分なり。
10193:  水火を挙げて之を言うに。
10194:  之をして水にして卑きに就かしむ〉
10195:  之をして火にして高きに之かしむ》
10196:  是れ神為の力の使然なり〉
10197:  水の卑きに就かざるを得ず〉
10198:  火の高きに之かざるを得ず〉
10199:  是れ天成の勢の自然なり》
10200:  人なる者は。気物なり。気なる者は必ず為す。
10201:  然り而して有意の気為は。無意の気為と。同じからざるなり。故に
10202:  混言すれば則ち同じく之を為と言うと雖も。
10203:  為 自ら殊なる有り。故に之を分して。
10204:  無為の為は〉之を為と為す〉
10205:  有意の為は》之を作と為す》
10206:  分ちて人作と為すと雖も。元と神為中の事なり。故に
10207:  或いは為作を通じて言えば。
10208:  夫れ気為天成は。事 会違に属す。
10209:  其の間や。譬えば越人の胡に之き。胡人の越に之くが如し。
10210:  其の之くは〉気為なり〉而して
10211:  其の会違は》天成なり》
10212:  天成とは何ぞ。
10213:  其の会するや〉或いは江に於てす〉或いは河に於てす〉
10214:  其の違するや》或いは江に於てす》或いは河に於てす》是を以て。
10215:  天成は気為に外ならずと雖も。而れども
10216:  天成は気為と同じからざるなり。是を以て。
10217:  為せざれば則ち成せずと雖も。而も成は則ち為ならず。故に
10218:  明暗寒熱なる者は〉気なり〉為を以て言う〉
10219:  昼夜冬夏なる者は》天なり》成に由て言う》
10220:  為せざれば則ち成せず〉故に天は気に於て一なり〉
10221:  成するは則ち為するに非ず》故に気は天に非ざるなり》是の故に。
10222:  天人を分して之を言えば〉則ち気為は天中の事なり〉
10223:  天神を分して之を言えば》則ち人為は気中の事なり》
10224:  是れ各主各声の統する者有る所なり》故に
10225:  通塞生化は〉気 之を為す〉
10226:  与奪殺活は》人 之を為す》
10227:  而して其の成なる者は為に非ず。故に
10228:  気道なる者は為す〉
10229:  天道なる者は成す》
10230:  或ひと曰く成る有れば則ち敗有り〉
10231:  天道は独り成る有りて敗無きかと。
10232:  曰く。天成なる者は。人為と対する者なり。
10233:  成敗は経営中の事なり。
10234:  猶お地に対するの天と。人に対するの天と同声にして。
10235:  而して主を同じくせざるがごとしと。
10236:  且つ成れば敗るる有り。為の已むこと有ると同じ焉。夫れ
10237:  人なる者は〉意を以て度る〉
10238:        作を以て営む》
10239:  其の生ぜんと欲するに方りてや〉                (方りて=あたりて)
10240:  生を以て成と為し〉死を以て敗と為す〉
10241:  死せんと欲するに方りてや》
10242:  死を以て成と為し》生を以て敗と為す》
10243:  意の向う所に因りて。而して主転じて声換る。
10244:  之を活すれば則ち活成る。
10245:  之を殺すれば則ち殺成る。
10246:  是れ殺活同じく成るなり。是を以て。
10247:  天の成は為と居を同じくす。故に成らざる莫きなり。
10248:  夫れ人の成は。敗と対を為す。
10249:  故に成有り不成有り。
10250:  故に不成と曰う。是を以て。
10251:  天より之を観れば〉人為と気為とは〉同一事にして〉以て天成に対す〉
10252:  人より之を観れば》則ち気は之を為し》而して天は之を成す》
10253:  我が作中の成敗と対を為す》
10254:  気為の天成と対する〉
10255:  譬えば猶お東西は〉天なり〉
10256:       升降は〉地なりと曰うがごとし〉
10257:  正当平分を以て言う者なり〉
10258:  気為天成を合して天成なり》而して人為と対する者は》
10259:  譬えば猶お雲雨も亦た東西する者と同じく天なりと曰うがごとし》
10260:  我よりして分するなり》
10261: 物は分し体は備す。
10262: 人は天に交す〉
10263: 我は彼に接す》
10264: 天人物我の間。
10265: 心性の神霊は〉為技に感運す〉
10266: 天神の為成は》彼我に交接す》
10267: 意智は〉情の適否なり〉
10268: 智弁は》事の当否なり》故に
10269: 虚実守禦の間。   善悪是非を生ず。故に
10270: 人は虚実守禦を以て。善悪是非に当る。故に
10271: 殺活与奪の事有り。成功を天に帰す。
10272: 夫れ天なる者は。万物往来す。而して吉凶失得す。
10273: 其の為は不測にして〉   其の変は無窮なり〉  故に神なり〉
10274: 其の成は辞ず可からずして》其の誠は揜う可からず》故に天なり》
10275: 物なる者は〉天の体を以て整斉して成するなり〉
10276: 事なる者は》神の用を以て為して変錯するなり》此の故に。
10277: 天人は物〉而して
10278: 為成は事なり》
10279: 物は〉則ち性を有し才を発す〉
10280: 事は》則ち気を交し体を接す》
10281: 其の無意を有意にして》以て作を天に望む》
10282: 趨舍を己に同じくして》以て成を人に求む》
10283: 望みて遂げざれば則ち怨む〉
10284: 求めて得ざれば 則ち尤む》                 (尤む=とがむ)
10285: 天人を知らざる者なり。
10286: 感応は〉気の往来なり〉
10287: 酬醋は〉体の往来なり》
10288: 是を以て。人は作すこと有れば。
10289: 則ち物を取りて己の有と為す。
10290:  人なる者は〉物を身の外に取りて〉以て之を有す〉
10291:  物なる者は》物を身の外に取る有りと雖も》而も之を有せず》
10292:  是れ人と物との分なり。故に
10293:  土地を取りて以て之を有する者は則ち君なり〉
10294:  之を有すること能わざる者は則ち民なり》
10295:  貨財を取りて以て之を有する者は則ち富なり〉
10296:  之を有する能わざる者は則ち貧なり》
10297:  治乱なる者は〉取舍与奪の事なり〉
10298:  興廃なる者は》失得存亡の事なり》
10299:  無ければ則ち之を得るを謀る〉
10300:  有れば則ち之を失うを恐る》
10301:  得て之を有すれば〉則ち意満ちて驕る〉
10302:  求めて得ざれば》 則ち心沮みて苦しむ》是を以て。   (沮みて=はばみて)
10303:  其の取るや人予えて我れ之を取る有り〉
10304:       人惜みて我れ之を奪う有り》
10305:  人護りて我之を竊む有り〉
10306:  人拒みて我之を害する有り》
10307:  或いは欺き或いは劫かす》               (劫かす=おびやかす)
10308:  窮達栄辱は之に繋がる〉
10309:  喜怒哀楽は之に由る》
10310:  治乱興廃は之に本づく〉
10311:  貴賎貧富は之に分かる》而して
10312: 其の物は則ち人に非ざるなり。
10313:  水火艸木なる者は〉皆な天なり〉
10314:  水を飲みて以て渇を医す》
10315:  艸を茹でて以て饑を療す》
10316:  火を鑽りて烹》木を※りて以て巣づくる者は》皆な人なり》 (※りて=けずりて)
10317:  人を以て天を窺う。  
10318:  則ち皆な人の為に之を設くるが如し。
10319:  然れども無意は用を有意に期するに非ず。
10320:  有意は無意の物をして。能く用を己に於て為せしむるなり。
10321:  左足を生ずるは〉豈に右足の為ならんや〉
10322:  右手を生ずるは〉豈に左手の為ならんや〉
10323:  牙※の為にして歯を生ぜず〉
10324:  蟻蜥の為にして膚を生ぜず》是を以て。亦た
10325:  虎狼の為に人を生ぜず〉
10326:  暴主の為に民を生ぜず》
10327:  万物は相い依す。而して足らざる者無し。
10328:  若し人の為にする有りと曰わば。則ち天の人に私するなり〉
10329:  人を以て天を窺うなり》故に
10330: 往来聚散。生化消長。有無小大。美醜強弱を成す者は。天なり。
10331: 喜怒愛憎。欲悪親疏。酬醋黜陟。分別思索。機智変巧なる者は。人なり。
10332: 有意なれば則ち彼の来する者 聚する者〉
10333:          生する者 長する者〉
10334:          有なる者 大なる者〉
10335:          美なる者 強なる者を観れば〉則ち之を喜び之を愛し〉之を欲し之に親しむ〉
10336:        彼の往する者 散する者》
10337:          化する者 消する者》
10338:          無なる者 小なる者》
10339:          醜なる者 弱なる者を観れば》則ち之を怒り之を憎み》之を悪み之を疏んず》
10340: 是れ天人の相い応する所と雖も。而も其の合に非ざるなり。
10341: 応と不応と。吉凶失得出づ。而して
10342: 治乱興廃定まる〉
10343: 賢愚邪正分るる》
10344: 惟れ有意を以て無意なる者を観て。人を以て天を窺うなり。之を窺窬と謂う。
10345:  美醜は物に在り〉天なり〉
10346:  美醜を分かつは我れに在り》人なり》故に
10347:  美物に羨有らず〉
10348:  醜物に不足靡し〉
10349:  本と美醜に意無ければなり〉
10350:  美なれば則ち自ら足る》
10351:  醜なれば則ち満たず》
10352:  已に美醜に意有ればなり》是を以て
10353:  美人は〉之を鑑るに鏡を以てし〉之を方ぶに醜を以てし〉    (方ぶ=くらぶ)
10354:  始めて能く其の美を分かつ〉
10355:  醜人は》之を鑑るに鏡を以てし》之を方ぶに美を以てし》
10356:  始めて能く其の醜を分かつ》
10357:  既已に意を以て之を分かつ。
10358:  則ち美者は其の美に矜り〉醜者は醜を羞づ〉
10359:  未だ意有りて醜を分かたざれば〉
10360:  何を以てか其の美に矜るを為さん〉
10361:  未だ意有りて美を分かたざれば〉
10362:  何を以てか其の醜を羞づるを為さん〉
10363:  美醜は〉物なり〉生に萌し〉形に成す〉
10364:  愛憎は〉人なり〉機に分し〉勢に長す〉是の故に。
10365:  美醜無くんば則ち已まん〉
10366:  美有れば則ち醜無きこと能わず〉
10367:  醜有れば則ち美無きこと能わず〉
10368:  善悪無くんば則ち已まん》
10369:  善有れば則ち悪無きこと能わず〉
10370:  悪有れば則ち善無きこと能わず》
10371:  故に猫狗は食を争うに方りてや〉
10372:  相い嚼みて餘怒無し〉
10373:  是れ未だ始めより彼の親しむ可きを知らざるなり〉
10374:  食らい尽くすに方りてや〉
10375:  相褻して餘愛無し》
10376:  亦た未だ始めより彼の疏んず可きを知らざるなり》
10377:  未だ親に意有らず〉奚んぞ疏を嫌わん〉
10378:  未だ疏に意有らず》奚んぞ親を厭わん》
10379:  美醜は無意に於て成す〉
10380:  善悪は有意に分かる》
10381:  今 其の有意に於て分るる者を以て。
10382:  諸を無意に求む。不通を致す所なり。然り而して
10383:  美醜なる者は〉有形の物なり〉
10384:  善悪なる者は》無象の意なり》
10385:  美は必ずしも善ならず》
10386:  醜は必ずしも悪ならず》
10387:  錯綜は以て章を成すなり。故に
10388: 彼の往来聚散。
10389:   生化消長。
10390:   云云なる者を観て。
10391: 是非善悪を分別し。酬醋黜陟を指示す。
10392: 似たりと雖も。夢思夢語。達者は與らず。
10393:  道傍に一木片有り。
10394:  過ぐる者は以て棄材と為して収めず。
10395:  困者有りて。取りて以て枕と為して憩う。
10396:  重ねて過ぐる者は。取りて以て屐と為す。
10397:  乞児有り。又た余片を拾いて以て之を薪とす。
10398:  棄てて収めざれば。則ち棄材なり。
10399:  臥して之を籍けば。則ち果して枕なり。
10400:  ※りて之を履けば。則ち果して屐なり。
10401:  燧を鑽りて之を火にすれば。則ち果して薪なり。
10402:  片木は棄不棄に意無し〉
10403:     用不用に意無し》
10404:  棄つれば則ち棄材なり〉
10405:  用うれば則ち用材なり》
10406:  有意を以て之を観れば。宛も棄材の如し。        (宛も=あたかも)
10407:             宛も用材の如し。
10408:             宛も供枕の如し。
10409:             宛も供屐の如し。
10410:             宛も供薪の如し。是の故に。
10411:  論弁は苟くも好む所に僻し。従う所に淫すれば。
10412:  果して明拠有りと雖も。亦た夢のみ。
10413: 是の故に。君子は天徳に通ず〉
10414:         天道を奉ず〉
10415:         人徳を修む》
10416:         人道を治む》
10417: 心痼し目盲する所有れば。
10418: 則ち竟に此に出ずる能わず。是の故に。
10419: 人は混混に処し。
10420:   粲粲に応ずれば。則ち之を用いるに尽きる無し。
10421: 粲粲を数えて。而して混混を見ず。智力は将に窮せんとす。
10422: 混として粲たらず〉
10423: 虚を踏み空に駕す〉
10424: 風を捕え影に繋ぐ〉
10425: 事物を贅瘤にす〉
10426: 彝倫を土塊にす〉
10427: 粲として混ぜず》
10428: 死生に惑いて》
10429: 物と我とを隔つ》
10430:  己れ能くせざれば〉則ち人をして之を能くせ使む〉己の能なり〉
10431:  己れ達せざれば〉 則ち人をして之を達せ使む〉己の達なり〉
10432:  己れ能わざれば》 則ち其の不能を護して》人の能を嫉む》
10433:  焉んぞ得て其の不能を護せん》
10434:  己れ達せざれば》 則ち其の不達を悪んで》人の達を妨ぐ》
10435:  焉んぞ己の達を得ん》
10436:  物と我と相い通ずれば〉則ち両手の相護するが如し〉
10437:  隔つれば》則ち痿人の自ら厭うが如し》
10438: 禍福に驚き》吉凶に困しむ》
10439:  一郷に火有り。家家 老を扶け幼を携う。
10440:  蓬累負荷して奔る〉
10441:  貧人有り。佗の室を借りて居す。
10442:  亦た妻子無し。火の起るを熟視し。
10443:  徐に起きて緩に避け。塗に一壷の遺りたるを見て。
10444:  因りて傾けて之を飲み。
10445:  頽然として酔い。
10446:  恬然として観る。
10447:  是の人初め慶賀福沢を積まず。
10448:  是の日に於てか。失も無く憂いも無し。
10449:  是の日に大憂の人は〉
10450:  佗の日に大歓の人なり》
10451:  是の日に少失の人は〉
10452:  佗の日に少得の人なり》故に
10453:  得て失わざるを欲し〉
10454:  生きて死なざるを欲するは》
10455:  愚に非ざれば則ち妄なり。
10456:  知りて之を厭い。吉凶得失の境を出でて。
10457:  高踏して顧みざるも。亦た世と異なるなり。
10458:  知りて惑わず。能く其の間に処す。
10459:  謂う可し 之を得なりと。
10460:  吉凶の相い依り。禍福の相い根ざすは。事の常なり。是の故に。
10461:  辱の道を以てして栄を求め。
10462:  損の道を以てして益を求め。
10463:  死の道を以てして生を求め。
10464:  危の道を以てして安を求むるは。
10465:  哲人の畏るる所にして。衆人の履む所なり。
10466: 之を動かせば則ち纏う〉
10467: 之を転ずれば則ち糊す》故に
10468: 其の象形を熟視す。
10469: 其の声音を熟聴す。
10470: 其の情性を熟識す。
10471: 此れを以て之を呼ぶも。猶お且つ其の主を誤る。
10472: 況んや其の象形。目の洞す可きに非ざるなり。
10473:    其の声音。耳の※す可きに非ざるなり。
10474:    其の情性。模索思量す可きに非ず。
10475: 之を順呼して応ぜず〉
10476: 之を逆呼して戻らず》
10477: 是を以て之を天地の主〉万物の祖と為せども〉而も貴を加えず〉
10478: 之を瓦礫糞壌と為せども》而も賎を加えず》
10479: 之を捨つれば則ち髣髴として手に在り〉
10480: 之を取れば 則ち洪蕩として無垠なり》故に
10481: 玄ならざるに於て玄莫し〉是を以て
10482: 玄なるに於て玄ならざるは莫きなり》
10483: 
10484:  天神天人図
10485:  天人道徳図
10486:  天人反合図一合
10487:  意為図
10488: 
10489:   給資
10490: 大物は能く有す〉
10491: 万物は能く開す》
10492: 昜縕侌絪の際。有する者は能く給す〉
10493:        開する者は能く資す》是に於てか。
10494: 各各其の天地を開す。以て其の体用を成す。是を以て。
10495: 万物の擾擾。態を変すること窮まり無しと雖も。而も
10496: 諸を天地に資するは則ち一なり。是の故に。
10497: 資する者は能く給する者に応す〉
10498: 給する者は能く資する者を変す》蓋し
10499: 大物は能く統す〉
10500: 小物は能く散す》
10501: 統するは則ち混有の天地なり〉
10502: 散するは則ち各立の気物なり》
10503: 各立は変を尽くすと雖も。而も同じく之を混有に資する。
10504: 資すれば則ち応する有り〉
10505: 変すれば則ち反する有り》
10506: 変を尽くして一に居す。是に於てか。
10507: 万物擾擾。以て反し以て依す。
10508: 夫れ物の相い散する。万不同と雖も。
10509: 天地水火。其の化する所は。惟だ一動一植なり。
10510:  火は熱にして升す〉
10511:  水は冷にして降す》然り而して
10512:  水なる者は〉火を以てして成す》
10513:  火なる者は》水を以てして成す》是れ相反して相依なり。
10514:  動は則ち温動有意なり〉
10515:  植は則ち冷止無意なり》然り而して
10516:  蔬穀は人に依りて立す〉
10517:  人は蔬穀に依りて存す》
10518:  獣は多く艸に依る〉
10519:  鳥は多く木に依る》
10520:  大にして之を言えば〉則ち
10521:  人物は天に依らざれば則ち居せず〉
10522:     地に依らざれば則ち立せず〉
10523:  小にして之を言えば》則ち
10524:  鴨は※の伏を假りて孚す》
10525:  蚕は人の養を待ちて生す》
10526: 神は活し本は立す〉
10527: 動は熱し止は寒す》
10528: 大物は同じく有りと雖も。動植は能く分して資す。
10529: 其の生化の跡は。精なれば則ち之を没す〉
10530:         麁なれば則ち循環鱗比を分す》
10531: 動植は之を生と謂う。生は必ず身を有す。
10532: 昜縕侌絪〉
10533: 一給一資》万物の成する所なり。
10534: 給する者は〉我に於て資始の気を為す〉
10535: 資する者は》我に於て資継の気を為す》
10536: 資継なる者は〉営養衛護する者なり〉
10537: 資始なる者は》保持奉役する者なり》
10538: 保奉の気 存す〉
10539: 営衛は相い継す》生の立する所なり。
10540: 艸木は之に資して〉而して華実にINUNす〉其の天と其の與とに給資す》
10541: 鳥獣は之に資して》而して牝牡にINUNす》其の天と其の與とに給資す》而して
10542: 其一箇の活立の間も。皆な此の始継を用いざる所莫し。是に於て
10543: 大は給し小は資す。而して我が有は天に応する有り。故に
10544: 我の躯は〉身生を以て天地に応す〉
10545: 我之神は》心性を以て天神に応す》
10546: 天は東西南北を有す〉
10547: 我は前後左右を有す》
10548: 天は内外本末を有す〉
10549: 我は内外本末を有す》
10550: 天は気を外に於て運す〉
10551:   体を内に於て保す〉
10552: 我は気を内に於て運す》
10553:   体を外に於て保す》然り而して
10554: 我は則ち前後左右を具す〉
10555: 植は則ち猶お其の方を混す》
10556: 我は則ち本を上にし末を下にす〉
10557: 植は則ち末を上にし本を下にす》
10558: 我は則ち気温体動なり〉
10559: 植は則ち気冷体止なり》
10560: 給資に非ざる所莫ければ。尽く数う可きに非ざるなり。然り而して
10561: 天人の給資は相い反す。則ち
10562: 我は則ち有限なり〉
10563: 天は則ち無限なり》
10564: 我は則ち須臾なり〉
10565: 天は則ち攸久なり》
10566: 我は則ち有意にして作す〉
10567: 天は則ち無意にして成す》
10568:  天は則ち自然なり〉不揜なり〉成なり〉常なり〉
10569:  神は則ち使然なり》不測なり》為なり》変なり》故に
10570:  我に非ざる者は〉則ち無意を以て天を為す〉
10571:            気為を以て神を為す》
10572:  我に於ては〉  則ち気為を以て天を為す〉
10573:            有意を以て神を為す》何となれば。則ち
10574:  其の我の天地を維持するの気は〉天に非ずして何ぞ〉
10575:  其の我の天地を鼓舞するの心は》神に非ずして何ぞ》
10576:  蓋し我の天地なる者は。神の為す所なり。
10577:  神の為す所を受けて。以て己れの天を為す。是に於て。
10578:  心は其の神を為す。是の故に
10579:  無意なる者は〉霊を以て能を為さず〉変を以て不測を為す〉
10580:  有意なる者は》気を以て変を為さず》意を以て不測を為す》故に
10581:  神為を以て天に属すれば。則ち人為は作を為す。今 夫れ人は。
10582:  衣食せざれば〉則ち凍餒 揜わず〉是れ気なり〉人の天性なり〉
10583:  凍餒すと雖も》而も之を衣食すると》之に衣食せざると》
10584:  惟だ其の欲する所の者は》是れ意なり》人の神為なり》是の故に。
10585:  天人の間。亦た天神の弁有り。
10586:  且つ天は以て人を容す〉
10587:  人は以て天に容せらる》
10588:  天は人を以て意を為す〉人外に意を有するに非ず〉
10589:  人は天を以て神を為す》人神は天を外にするに非ず》是に於て。
10590:  天人の反する所は。一を以て其の分を観る〉
10591:           一を以て其の合を観る》
10592: 天は公にして人は私なり〉
10593: 天は誠にして人は偽なり》然りと雖も。
10594: 人は則ち私を其の公に於て資す〉
10595:     偽を其の誠に於て資す》
10596: 無意は有意を我に於て給す〉
10597: 無為は有作を我に於て給す》
10598: 資して応し変して反す。給資の道は然り。
10599: 天給は我に反す》故に
10600: 我より天地を観る〉泥めば窺窬を為す〉
10601: 我れの資は天よりす》故に
10602: 天地より物を観れば》漸く條理を得る》
10603:  造化は〉侌昜のINUNに成す〉
10604:  活立は》天地の給資に成す》
10605:  資して応す〉
10606:  変して反す》
10607:  正視せざる者は。其の目を眩せざること能わざるなり。此の故に。
10608:  INUNの道は。天は則ち其の跡を没す〉
10609:        動植は則ち華実牝牡を露す》
10610:  形化は此に於て假る有り〉
10611:  気化は此に於て假る無し》
10612:  又た姑く資を行止に於て言うに。
10613:  天は行を運転に於て資する〉
10614:  地は行を升降に於て資する〉
10615:  鳥飛魚游〉人歩獣走〉数えて尽きず〉
10616:  天は止を環守に於て資す》
10617:  地は止を方位に於て資す》
10618:  鳥棲魚潜》人寐獣伏》数えて窮まり無し》
10619:  縦い物に随いて其の態を異にするとも。
10620:  給資に通する有らば。又た何ぞ隔せん。
10621: 資して始するの気は〉天より得る者にして〉保持の精〉奉役の力なり〉
10622: 資して継するの気は》外より得る者にして》衛護の表》営養の裏なり》
10623: 衛する者は其の精力を衛す〉
10624: 営する者は其の精力を営す》
10625: 資して始するの気は已に燼れば〉             (燼れば=もえのこれば)
10626: 資して継するの気は用する所莫し》
10627: 鱗比の態は。
10628: 端を始終に於て露す〉
10629: 近く之を人に取りて之を言うに。蓋し人は有限の身生。
10630: 意為を以て其の能を為す。
10631: 声色臭味の中に長ず〉
10632: 器地配嗣の間に遊す》
10633: 囿する所有り。而して以て洞視に苦しむ。
10634: 動植は神本を分す。
10635: 並び起りて袞袞を追う。
10636: 作止は体を換し。魚鱗に相い比す。惟だ
10637: 人は己を有するを以て。而して鱗比を造化に於て疑う。
10638: 天なる者は〉物を成し事を跡す〉
10639: 神なる者は》往して感し来して応す》
10640: 人は有意に執して。天神を窺窬す。
10641: 不揜不測なる者を観て。之を有意に比す。是を以て。
10642: 神も亦た之を人にす。
10643: 天も亦た之を人にす。
10644: 其の意智情欲を人にす。
10645: 其の酬醋黜陟を人にす。
10646: 其の容貌を人にす。
10647: 其の冠冕を人にす。                   (冠冕=かんべん)
10648: 資の給に於て変するを知らず。
10649: 妄に執して真を説く。人なる哉 人なる哉。
10650: 縦い通を以て自ら許すも。其の実は則ち塞す。蓋し夫れ
10651: 混淪たる一天地。其の体は清浄なり。
10652: 水浸燥煦の際は。濁りて穢す。
10653: INUNは物を醸し。動植を解結す。
10654: 其の体を鱗比す〉
10655: 其の神を相換す》
10656: 穢濁麁脆。
10657: 新鮮旧敗。
10658: INUNに通せざれば〉則ち造化を識らず〉
10659: 給資に通せざれば》則ち人物を識らず》
10660: 身生を穢濁に痼す〉
10661: 意想を虚妄に醸す》
10662: 明なる者の為に蔽す〉
10663: 通なる者の為に塞す》知の貴からざるなり。
10664: 一は此の如く混成す〉
10665: 二は此の如く粲立す》天は之を蔽すこと莫し。
10666:           人は聾瞽を致す。
10667: 苟くも給資する所に通すれば。則ち
10668: 天人は本と一なり。造化は何をか隔てん。
10669: 
10670:    言動
10671: 人なる者は。生を以て身を保す〉
10672:       意を以て為を為す》
10673:       意は則ち知感なり〉
10674:       為は則ち声技なり》
10675: 声技なる者は。知感の運する所。含霊は同じく有す。
10676: 声の発するを之れ言と為すは。則ち惟だ人のみ之を有す。蓋し
10677: 人の言を為すや。動に精なり〉而して
10678:         意に麁なり》故に
10679: 言は意を尽くすこと能わず〉而して為は則ち言に尽くす〉夫れ
10680: 言なる者は。主に由りて声を命ず。
10681: 声主を運為して。緒を抽きて之を引く。是に於て。
10682: 其の主を有して〉而して之を口に上す可し〉
10683: 其の主無くして》亦た 之を口に上す可し》
10684: 主を認めて之を声にす。声の善なる者なり。是の故に。
10685: 主なる者は〉天なり〉
10686: 之を声にする者は》人なり》
10687: 呼は未だ其の主を知らず。
10688: 応は其の主に非ず。
10689: 善は其の主を知り〉   以て之を呼べば〉隣人の応を受けず〉
10690: 未だ其の主を知らずして》以て之を呼べば》隣人と応ずと雖も而も之を信ず》
10691: 声なる者は〉人なり〉転ずるなり〉
10692: 舟は亦た以て車と呼ぶ可からざるなり〉
10693: 主なる者は》天なり》定まるなり》
10694: 舟は以て車と為す可からざるなり》
10695: 主は実を得るを貴しとす〉
10696: 声は相い称うを善しとす》
10697: 車を車とし舟を舟とす。実は当り声は称す。
10698:  意は内に於て有す》
10699:  技は外に於て施す》故に
10700:  意智は内に運す〉
10701:  言動は外に露す》
10702:  動なる者は。一守一禦。之を以て酬醋す。
10703:  声に発する者は。正誕信偽なり。
10704:  造化の間は〉常有り変有り〉正有り妖有り〉
10705:  言動の間は》正有り誕有り》真有り妄有り》
10706:  之を審かにせざれば。則ち妄誕と変妖と混ず。
10707:  信偽と真妄と配行せず〉
10708:  是非と正誕と配立せず〉
10709:  大瞽は衆瞽を欺く〉
10710:  大聾は小聾に聴く》
10711: 是を以て。徳に就きて之を呼べば〉無意を天と為す〉有意を人と為す〉
10712:      道に就きて之を呼べば》為を 神と為す》成を 天と為す》
10713: 一一各を為す〉
10714: 道を反して処を混す。必ずしも相い先後雄雌せざるなり。故に
10715: 然らざるを得ざる者に於て声して。勢と曰う。
10716: 之をして 然らしむる者に於て声して。力と曰う。
10717: 然する所の者は。故と声す。               (故=こ)
10718: 以て然る者は。 理と声す。
10719: 之に駕して以て往く。声主に於て失する所莫し。
10720: 主は〉実なり〉天成なり〉人為を竢たざるなり〉
10721: 声は》名なり》言有りて後に成す》人の事なり》
10722: 名なる者は〉実の声なり〉
10723: 実なる者は》声の主なり》
10724: 名を知りて主を知らず〉門に入りて盤桓す〉        (盤桓=ばんかん)
10725: 主を知りて名を知らず》門を出でて彷徨す》
10726: 主は之を心に於て得る〉
10727: 声は之を言に於て得る》
10728: 諸を思言に失して。向背は途を異にす。是の故に。
10729: 無意なる者は。主なり。天とは。 無意なる者に於て声す。
10730: 有意なる者は。主なり。人とは。 有意なる者に於て声す。
10731: 為成なる者は。主なり。天神とは。為成なる者に於て声す。故に
10732: 名を以て之を求むれば〉実は之の解を為す〉
10733: 実を以て之を言えば》 名は乃ち其の解なり》
10734:  良馬を得て神龍と名づくる者有り〉
10735:  神龍至ると聞きて〉而して識らざる者 驚走す〉
10736:  死鼠を函にして諸を人に贈る者有り》曰く璞を贈ると》
10737:  其の人 以て未だ磨かざるの玉と為す》
10738:  之を呼ぶこと異なれば〉 則ち其の主の同異を察せず〉而して先ず之を疑う〉
10739:  之を呼ぶこと同じなれば》則ち其の主の真假を弁ぜず》而して先ず之を信ず》
10740:  名に邪正有り〉択ばずんばある可からず〉
10741:  主に美悪有り》察せずんばある可からず》
10742:  名なる者は〉人の命ずる所なり〉
10743:  実なる者は》天の為する所なり》
10744:  或いは声主を乱す〉
10745:  或いは声主を繆す》※階の生ずる所なり。
10746:  事は固に之を呼ぶこと同じくして〉而して実の異なる者有り〉
10747:  信ずれば〉則ち其の名の同じきに因りて〉而して其の主を愛す〉
10748:  疑えば〉 則ち其の名の同じきに因りて〉而して其の主を悪む〉
10749:  又た之を呼ぶこと異にして》而して実の同じき者有り》
10750:  悪めば》則ち其名の醜を以て》同主の美を掩う》
10751:  愛せば》則ち其名の美を以て》同主の醜を掩う》
10752:  徒らに其の名を誉めて〉而して其の実を察せず〉
10753:  之を栄すること能わず〉還って辱を其の主に於て遺す〉
10754:  徒らに其の名を毀りて》而して其の実を察せず》
10755:  其の病を医すること能わず》還って佗の侮を致す》
10756:  名実の義は。大なり。
10757:  宜しく之を審択し明察すべし。是の故に。
10758: 天と呼び人と呼び。天神と呼び。云云と呼ぶ。
10759: 跡を以て指さして之を示せば。則ち各主は各声を為す。然れども
10760: 各なる者は〉統の分なり〉
10761: 統なる者は》各の体なり》
10762: 豈に轅輿輪輻を数えて。彼の車を知らざらんや。
10763:  言は以て動に尽く可し〉
10764:  動は以て言に尽く可し》則ち其の技を為す。固に一なり。然り而して
10765:  意を以て技に比すれば。則ち言動は門戸を以て出入す。
10766:  業 已に門戸を以て出入すれば。則ち其の麁なるや知る可し。
10767:  麁と雖も而も其の指揮は神明に出づ。
10768:  麁跡の定を認め。精主の活に逢わんことを求むるは。難し。故に
10769:  技を施すの道にては〉其の善は〉果して善か悪か〉
10770:            其の非は》果して非か是か》
10771:  語を下すの道にては》其の汎は》果して汎か切か》
10772:            其の正は》果して正か誕か》
10773:  活主は其の麁を御して。定中 変化を為す。
10774:  耳は聡にして目は明なり〉
10775:  手は巧にして足は健なり》
10776: 天なる者は〉神 営して物を為す〉
10777: 人なる者は》意 営して之を物に於て為す》故に
10778: 天なる者は〉之を言動す〉
10779: 人なる者は》此に言動す》故に
10780: 意の運する所は。口す可く身す可し。
10781: 之を物に於て為す者は。物を成さんと欲するなり。故に
10782: 事の天人なる者は。物を為すと。之を物に於て為すとなり。夫
10783: 物なる者は〉畜蔵を服食に於て用いず〉
10784:       巧を 居宅に於て営まず〉
10785:       玩を 肢体に於て好まず〉
10786:       離合を群醜に於て用いず〉人は則ち之を用う》故に
10787: 人と相い輔け〉
10788: 物を将けて自ら足る》故に                 (将けて=うけて)
10789: 天地万物を以て。皆な我の用と為す。是を以て。
10790: 能く之を物に於て為すなり。故に天は数を為す〉
10791:                人は之を数う》
10792:                天は運転を有す〉
10793:                人は之を暦象にす》
10794:                天は親子を為す〉
10795:                人は之を尊卑にす》
10796:                天は男女を為す〉
10797:                人は之を配偶にす》
10798:                天は土壌を為す〉
10799:                人は之を都邑にす》
10800: 統べて治め。依りて養う。故に之を君民に於て為す。
10801: 材を治め用を為す。故に之を士農工賈に於て為す。
10802: 之を愛するに徳を以てす〉
10803: 之を威するに兵を以てす》
10804: 之を知るに思と学とを以てす〉
10805: 之を行うに勤と礼とを以てす》蓋し
10806: 天地は活立す。故に其の用も亦た活用す。
10807: 我は隔散の生を以て。偏に有意の神を用う。故に
10808: 未だ通して活すること能わず。
10809: 其の思に泥し。其の用に死す。夫れ
10810: 一分一合なる者は。   体なり。
10811: 之を分し之を合する者は。気なり。
10812: 元気は本と一なり〉故に分す〉
10813: 侌昜は本と二なり》故に合す》
10814: 分なる者は〉天性の活なり〉
10815: 合なる者は》神才の通なり》
10816: 之を用いて其の通に達せず〉二の反に罔す〉
10817:  通すれば則ち聖なり〉
10818:  執すれば則ち頑なり〉
10819:  通なる者は〉天下の至美〉
10820:  執なる者は》天下の通患》是の故に。
10821:  愛なる者は〉令徳なり〉而して小人の愛や愛に溺る〉
10822:  悪なる者は》醜徳なり》而して君子の悪や愛に帰す》
10823:  活なる者は〉美事なり〉而して小人の活や禍に醸す〉
10824:  殺なる者は》醜事なり》而して君子の殺や福に布す》
10825:  執すれば〉則ち通に於て此れにすと雖も〉而れども塞に於て彼にす〉
10826:         恩に於て此れにすと雖も》而れども怨に於て彼にす》
10827:  通すれば》伸を屈外に於て求めず》
10828:       利を義外に於て謀らず》
10829:       困中に於て楽しむ〉
10830:       窮中に於て達す》是を以て。
10831:  凛乎として奪う可からずと雖も〉 雍容として余裕有り〉
10832:  企て及ぶ可からざるが如しと雖も》岸崖有る莫し》
10833:  観る可しと雖も〉而も之を測ること能わず〉
10834:  賁然たりと雖も》端倪す可からず》
10835: 之を運して其の活に至らず》一の合に間あり》
10836:  通なる者は〉天成の才なり〉
10837:  活なる者は》神為の性なり》
10838:  良医は毒を以て病を治す〉
10839:  良将は弱を以て強を制す》
10840:  拙工は薬を以て病を致す〉
10841:  怯将は強を以て弱を畏る》是に於て。
10842:  強弱は名を失う〉
10843:  毒薬は用を易ゆ》
10844:  人は有意を以て之を運す〉
10845:  天は無意を以て之を運す》是を以て。
10846:  世は或いは禍を福とし福を禍とし。歓を悲しみ悲を歓ぶ有り。
10847:  皆な運転の常無きなり。
10848:  事は偏行せず〉
10849:  物は雙立せず》
10850:  皆な二の間に成す。故に
10851:  順と曰えば〉則ち其の声は美なり〉
10852:  逆と曰えば》則ち其の声は醜なり》
10853:  然れども徒順徒逆は。用を為さざるなり。故に
10854:  剛直諌規は〉逆にして美なり〉
10855:  阿諛足恭は》順にして醜なり》
10856:  順なる者は〉随いて之を将る〉             (将る=おくる)
10857:  逆なる者は》向いて之を迎う》
10858:  事物は必ず向迎の間に成す。是の故に。
10859:  地載は天覆に向い〉万物は皆な其の間に成す〉
10860:  左手は右手に向い》万技は尽く其の間に出す》
10861:  順にして反かず〉逆にして之を戻し〉同じく不美に帰す〉奚んぞ順逆を択ばん〉
10862:  逆にして争わず》順にして能く守る》同じく善に帰す》徳の相い得て全きなり》
10863:  順の専らに行い難きは〉柔に流るればなり〉
10864:  逆の徳と名づけ難きは》戻に至ればなり》
10865:  如し未だ其の活に達せざれば。則ち
10866:  美も亦た行い難し〉
10867:  醜も亦た避け難し》故に
10868:  人は。必ず物を見ては〉則ち塞と為す〉
10869:       己を見ては》則ち通と為す》
10870:  其の塞や〉我の通する所に於て塞す〉
10871:  其の通や》彼の塞する所に於て通す》
10872:  若し彼の通する所を以て。我の塞する所を観れば。
10873:  禽獣は。教えずして能く搏撃し。学ぶこと無くして能く毒薬を弁ず。且つ
10874:  猫狗の能く※ぐ〉
10875:  狐狸の能く魅す》
10876:  豈に我の通する所ならんや。是を以て
10877:  貴人は顰蹙の饌〉餓者は朶頤の食なり〉         (饌=さん。朶頤=だい)
10878:  我れ憂苦鬱悶の時は〉
10879:  讐家抃躍の日なり》是の故に。             (抃躍=べんやく)
10880:  我を以て地を観れば。 地は大なり。
10881:  天を以て地を観れば。 地は小なり。
10882:  地を以て我を観れば。 我は小なり。
10883:  蚊虻を以て我を観れば。我は大なり。而して
10884:  其の大は天に於て止まらず〉
10885:  其の小は蚊虻に於て尽きず》
10886:  然れば則ち通塞順逆。強弱小大。奚を以てか之を定めん。是を以て
10887:  旋転して之を観れば〉所として左ならざる無く〉所として右ならざる無し〉
10888:  上下して之を観れば》所として高からざる無く》所として卑からざる無し》
10889:  執すれば則ち塞す〉
10890:  通すれば則ち活す》
10891:  跡を尋ぬる者は〉跡無きに至れば〉則ち塗に迷う〉
10892:  粲を数うる者は》混に至れば》  則ち手を拱す》
10893:  安んぞ活斯に之れ達せん。是の故に            (安んぞ=いずくんぞ)
10894:  昏主も亦た必ず人の言を用う〉
10895:  聡主も亦た必ず人の言を禦ぐ》惟だ
10896:  昏主に活権衡無し〉故に
10897:  此を容るるを以て〉而して彼の昌言を禦ぐ〉聡主に活権衡有り〉故に
10898:  此を禦ぐを以て》 而して彼の昌言を容る》故に
10899:  賢者  古訓を以て之を規すれば〉則ち
10900:  不肖者も亦た古訓を以て之を飾る》
10901:  正士   法言を引きて以て之を正す〉
10902:  乱人も亦た法言を引きて以て之を乱す》故に
10903:  物を観て物に於て活せず。 将に物に於て病まんとす。
10904:  書を観て書に於て活せず。 将に書に於て病まんとす。
10905:  理を説きて理に於て活せず。将に理に於て病まんとす。是を以て
10906:  義以て宜しく。礼以て中り。智以て通じ。応以て変ずるは。用の活する所なり。
10907:  運用は苟くも活せずんば。則ち技能有りと雖も。奚を以てか用うることを為さん。
10908: 惟だ混焉として一なり〉孰れか二を執りて以て事に応ぜん〉
10909:  天地は位を異にすと雖も。相い成すること二に非ず。
10910:  耳目両両たりと雖も。
10911:  手脚隻隻たりと雖も。
10912:  作用は則ち二に非ざるなり。故に
10913:  左脚を駐むるは〉右脚を運するが為なり〉
10914:  昏夜に於て息うは》朝日に於て動かんが為なり》
10915:  物の動止。心の善悪。触るれば則ち二を跡す。
10916:  孰れか一を其の外に於て求めん。
10917:  二は直ちに以て二と為す可くんば。則ち左は方を画す〉
10918:                    右は円を画す》
10919:                    前は東呉の話に接す〉
10920:                    後は西秦の報に聴く》
10921:                    吹けば冷なり〉
10922:                    嘘せば温なり》
10923:  機触れて跡反す。孰れか其の由りて来たる所を知らん。是を以て
10924:  能く一を奉ずる者は。能く其の機を慎しむ。故に
10925:  其の事物に応するや窮まり無し。
10926: 惟だ粲然として二なり》孰れか一を執りて以て物を御せん》
10927:  跡を認めて固執し。通に於て病む。
10928:  北人は再登の国を疑う〉
10929:  南人は常夜の国を信ぜず》然りと雖も。
10930:  無なる者は〉有の待つ所なり〉
10931:  実なる者は》虚の偶する所なり》故に
10932:  好んで明を欲するや必ず昏なり〉
10933:  好んで美に処するや必ず醜なり》
10934:  全を欲すれば則ち欠く〉
10935:  誉を欲すれば則ち毀らる》
10936:  長を欲すれば則ち短く〉
10937:  治を欲すれば則ち紊る》
10938:  之を労せんと欲すれば〉  則ち逸す〉
10939:  之を悦ばしめんと欲すれば》則ち怒る》故に
10940:  自ら智と為す者は必ずしも智ならず。
10941:  自ら賢と為す者は必ずしも賢ならず。
10942:  能く文を成する者は。質なり。
10943:  能く剛を為する者は。柔なり。
10944:  怯を養う者は能く勇む。
10945:  卑を積む者は能く高し。
10946:  能く変ずる者は常なり。
10947:  能く動する者は止まるなり。
10948:  能く危ぶむ者は安んず。
10949:  能く黙する者は言う。
10950:  能く明なる者は赫赫たらず〉
10951:  能く晦なる者は昏昏たらず》
10952:  至清は濁るが如し。
10953:  至巧は拙きが如し。
10954:  能知は愚なるが如し。
10955:  能慮は迂なるが如し。
10956:  反を以て偏を済う。一の美を成する所以なり。
10957:  苟くも其の道を亡くせば則ち囹圄湯※〉姦凶を懲らすこと能わず〉
10958:  能く其の道に由らば〉則ち朽索して以て駻馬を馭す可し〉是の故に。
10959:  二に通ぜざれば〉則ち
10960:  一を奉ずる能わず》
10961: 二即一なれば〉親疏は和す〉
10962: 一即二なれば》上下は序す》
10963: 事は経を為す〉
10964: 物は緯を為す》
10965: 経は気物を没す〉
10966: 緯は気物を露す》
10967: 没は天神の用を為す〉
10968: 露は天地の体を為す》
10969: 孰れか能く之を没せん〉
10970: 孰れか能く之を露せん》
10971: 混として縫無し〉 其の一や全なり〉
10972: 粲として跡を反す》其の二や立なり》
10973: 一なる者は〉二の全なり〉二外の一無し〉
10974: 二なる者は》一の分なり》一外の二無し》
10975: 而るを茲に及ばず。
10976: 有限の智を以て〉将に無窮の為を窮めんとす〉
10977: 終に之を窮むること能わず〉見て不測と為す〉
10978: 有作の変を以て》定常の成を観る》
10979: 終に之を易うること能わず》呼んで以て不揜と為す》蓋し
10980: 物なる者は〉無意なり〉  知すれば則ち運す〉
10981:              感すれば則ち応す〉
10982: 人なる者は》有意なり》故に知して或いは運せず》
10983:              感して或いは応せず》
10984: 能く変を尽す所以なり。視聴云為。感応の文は。
10985: 之を神に於て変化す〉而して思弁好悪す〉
10986: 之を為に於て錯雑す》而して運用言動す》
10987:  物は意を具せず〉
10988:  人にして意を具す》故に
10989:  物は精神の分に混然として〉
10990:  人は則ち其の間に粲然たり》故に
10991:  好悪の性〉
10992:  運為の意》
10993:  其の有無を反して。事も亦た以て異なる。蓋し
10994:  物は成すれば則ち気は具するなり。
10995:  具するの気は。之を性と謂う。
10996:  具して華なる。之を神と謂う。是の故に。
10997:  情なる者は〉好悪なり〉之を分すれば則ち慾と偶す〉
10998:  意なる者は》運為なり》之を分すれば則ち智と偶す》故に。
10999:  情慾なる者は〉性の具する所なり〉
11000:  意智なる者は》神の華する所なり》
11001:  性は以て生に具す〉
11002:  神は以て体を使む》                  (使む=せしむ)
11003:  体は各なれば則ち隔す〉
11004:  気は同なれば則ち通す》
11005:  神の能く通するは。体の隔を以てなり。
11006: 往くとして感応に匪ざる者莫し。是を以て。
11007: 怨を以て衆に感すれば〉衆は怨を以て応す〉
11008: 徳を以て人に感すれば》人は悦を以て応す》
11009: 涙を垂れて命を授く〉
11010: 歯を切して相い賊す》
11011: 孰れか之をして然ら使めん。
11012: 或いは患難の感〉己に切なり〉
11013: 或いは喜楽の応》彼に反するなり》
11014: 桴を以て鼓に感す〉鼓は響を以てして応す〉
11015: 形を以て鏡に感す》鏡は影を以てして応す》
11016: 治乱興亡の途は判す〉
11017: 安危栄辱の機は決す》
11018: 而るを識らず。爾より出づる者を以て。
11019: 天人を怨尤す。是を以て。
11020: 意智能く通すれば則ち聖なり〉
11021:  能く体すれば則ち通す。君子の事なり。是に於て。
11022:  知する者は自ら明に〉
11023:  処する者は自ら到る》
11024:  体して通すること能わざれば。則ち己を専らにして人を忘る。
11025:  己が為にして人を栄辱す。我れ之を聞く。君子は専らにすること無し。
11026:  孝を専らにすれば〉兄弟に友ならず〉
11027:  忠を専らにすれば》同僚に良ならず》
11028:  功を専らにすれば害に近づく〉
11029:  恵を専らにすれば疑を招く》
11030:  是れ蓋し未だ人と通して善為ること能わざるなり。
11031:  美事 猶お且つ専らにす可からざるなり。
11032:  而るを況んや其の不美なる者をや。
11033:  之を非とすれば〉則ち其の辞を以て〉其の意を害す〉
11034:  之を是とすれば》則ち其の意を以て》其の辞に足る》
11035:  佗無し。物に通すること能わざるは。情慾 佗と隔すればなり。
11036: 感応は能く鼓すれば則ち神なり》
11037: 紛解け難結ぶ》
11038: 福市し禍嫁す〉
11039: 絃歌は鼓※に代る〉
11040: 呻吟は舞踏に転ず》
11041:  機は之をして然ら使む。
11042:  利は則ち制を為す〉
11043:  鈍は則ち制を受く》
11044:  安危治乱は此に決す。
11045:  勢の走る所〉虎も鼠と為る〉
11046:        爵も※と為る》              (※=せん)
11047:  故に之を鼓し之を舞すれば。則ち
11048:  怯者も勇まざること能わず〉
11049:  懦者も力まざること能わず》
11050:  勇にして且ち力めば。
11051:  則ち孰れか敢えて之を怯懦と謂わん。
11052:  之をして反せざるを得ざらしむ〉
11053:  反すれば則ち従いて其の族を赤す〉
11054:  之をして怨らざるを得ざら使む》
11055:  怨れば則ち従いて其の人を賊す》
11056:  亦た冤ならずや。
11057:  或いは※儻慷慨の士をして〉行を※し名を垢さしむ〉   (全集の「個儻」は誤り。)
11058:  或いは放蕩狡黠の徒をして》身を※し面を革めしむ》故に
11059:  有才をして其の能を倒用せしむるはは〉秉勢者の罪なり〉 (秉勢=へいせい)
11060:  駑馬をして其の能を尽さしむるなるは〉執轡者の良なり》
11061: 天地は〉物なり〉
11062: 感応は》事なり》
11063: 物有れば則ち事有り〉
11064: 事有れば則ち物有り》
11065: 物を観て天地を知す〉
11066: 事を観て天神を知す》
11067:  鬼神なる者は〉物を用する者なり〉物の体に非ざるなり〉
11068:  天地なる者は》用に体する者なり》気の用に非ざるなり》
11069:  体に非ざれば則ち耳目は得て及ばず〉
11070:  用なれば  則ち感応は得て揜わず》是を以て。
11071:  祭祀は必ず至誠を主とし。感格を事とす。
11072:  風雨雷霆の変より。※鬼妖※の怪に至りて。
11073:  感応の致す所にして。変化は測る可からず。
11074:  之を信ぜざらんと欲すれば〉則ち的然として験有り〉
11075:  之を信ぜんと欲すれば》  則ち没焉として跡無し》是れ
11076:  弁ずる者の弁に窮し〉
11077:  惑する者の惑に淫する所以なり》
11078:  譬えば猶お衆の戯場に在るがごとし。
11079:  優人の為す所。辛苦 相い逼るに至りては。則ち観る者は之が為に。
11080:  或いは悽愴。或いは欷歔。或いは還って自若たり。是れ
11081:  感する者の異なるに非ざるなり。
11082:  応する者の同じからざるなり。又た転じて嬉戯に入れば。則ち
11083:  前の悽愴欷歔する者も。捧腹解頤す。是れ
11084:  応する者の同じからざるに非ざるなり。感する者の異なるなり。故に
11085:  或いは相い感応す〉
11086:  或いは相い感応せず》
11087:  或いは感して応せず〉
11088:  或いは応せんと欲して感せず》
11089:  異同厚薄。千変万化。是に於て。
11090:  祭祷の験。報応の道。妖怪の事は。
11091:  有り・無し。存す・亡す。是れ乃ち無意の為す所。
11092:  有意を以て之を測り之を必とす可からず。
11093:  世の惑う者は。測る可からざる者に於て之を測る
11094:         必とす可からざる者に於て之を必にす》
11095:  神を涜し鬼に媚び。城を為し郭を為す。
11096:  上は日月星辰〉風雲雷霆より〉
11097:  下は山海艸木》水火蛇龍に至るまで》
11098:  皆な泥塑木偶。冠冕を戴き。衣裳を垂れ。以て其の神に形す。
11099:  之を望むに儼然として人なり。故に
11100:  之に事うる者は。之を人として事え。          (事え=つかえ)
11101:  之を祈る者は。之を人として祈る。
11102:  物を知らざるの致す所なり。
11103: 
11104:   設施
11105: 桴鼓は相い当れば〉則ち声は其の中に成す〉
11106: 形鏡は相い当れば》則ち影は其の中に成す》故に
11107: 火は金石を相い摩するに成す〉
11108: 水は燥湿を相い結するに成す》
11109: 成すれば則ち酒は麹※に非ず〉
11110:       子は父母に非ず》是を以て。
11111: 気象運転すれば〉則ち日月歳年〉其の中に成す〉
11112: 気質呼吸すれば》則ち風雲雨雷》其の中に成す》故に
11113: 為すれば則ち成す〉
11114: 成すれば則ち為す》是を以て
11115: 運転呼吸の中。動植 成す。
11116: 人なる者は。含霊の長なり。
11117: 天に成す〉而して
11118: 人に為す》
11119: 人に為す〉而して
11120: 人に沈す〉
11121: 人に為す》而して
11122: 天に法る》
11123: 賢愚の以て分する所なり。蓋し
11124: 人は。生に厚薄強弱有り〉
11125:    身に美醜小大有り》是を以て。
11126: 智は明暗蔽悟無きこと能わず〉利鈍賢愚の生する所以なり〉
11127: 思は公私誠偽無きこと能わず》善悪邪正の分する所以なり》
11128: 天人の事は。反して合す。是を以て。
11129: 天の常変露没は〉之を言に於て弄して〉而して正誕護訐す〉
11130: 天の通塞生化は》之を行に於て露して》而して与奪殺活す》是に於て
11131: 天人芸芸。会違千万なり。
11132: 千万なりと雖も。一言以て之を尽す。曰く安と。
11133: 仁は以て人を安んじ〉
11134: 義は以て己れを安んず》夫れ
11135: 人は。類に男女有り〉
11136:    等に尊卑有り》而して相い合交す。
11137: 其の合に天人有り〉故に
11138: 交も亦た天人有り》
11139: 人の天を以て合する者は〉父子なり〉兄弟なり〉是れよりして叔姪宗族の交も自ら成す〉
11140:   人を以て合する者は》君臣なり》夫婦なり》是れよりして上下内外の交も自ら成す》
11141: 之を拡ぐれば則ち窮まり無しと雖も。
11142: 之を約すれば則ち四なり。是を以て
11143: 子の父に於ける。
11144: 臣の君に於ける。
11145: 各おの将に之を安んぜんとす。
11146: 父子なる者は〉家の君臣なり〉
11147: 君臣なる者は》国の父子なり》而して
11148: 孝なる者は親に事うるの名なり〉
11149: 忠なる者は君に事うるの名なり》
11150: 愛敬は之を尽くして。天下和睦す。
11151:  心を用うれば〉則ち誠偽は其の中に成す〉
11152:  事に服すれば》則ち怠勤は其の中に成す》
11153:  夫婦は相い配すれば〉則ち姻亜は其の間に成す〉
11154:  兄弟は相い継すれば》則ち叔姪は其の間に成す》故に
11155:  事物の間。為す者は数う可し〉
11156:       成す者は限り無し》是を以て。
11157:  師弟は父子を道に於て成す〉
11158:  夫婦は兄弟を室に於て成す》
11159:  親を親しむは愛に在り〉
11160:  疏を和するは敬に在り》
11161: 道は異なると雖も〉而も徳は一なり〉
11162: 徳は一なりと雖も》施設は各おの当る所有り》
11163: 其の義を知る〉
11164: 其の礼を考う》
11165: 交接広しと雖も。其の徳は佗ならざるなり。
11166: 夫れ人なる者は。感応 以て之を運為す。
11167: 未だ衆心の適する所にして〉而して徳を失う者有らず〉
11168: 未だ事宜の失する所にして》而して道に之く者有らず》
11169:  人情の適して悦ぶ所と〉敵せざる所にして怨むとは〉
11170:  安危の関する所なり〉之を善悪と謂う〉
11171:  事宜の当りて美とする所と》失して醜とする所とは》
11172:  栄辱の繋がる所なり》之を是非と謂う》蓋し
11173:  事為の多態と。誠偽と。敬慢と。譲奪と。勤怠と。隠忍と。労逸とは。
11174:  苟くも善・是に就かんと欲すれば。
11175:  択びて之を修せざることある可からず。択びて之を修す。
11176:  毀誉褒貶。殺活与奪。衆の同じくする所を得て。而して人は之を悦美す。
11177:  修せざれば則ち荒む〉
11178:  択ばざれば則ち雑る》
11179:  善を修すれば則ち仁なり〉
11180:  是を修すれば則ち義なり》
11181:  之を択ぶが為にして〉 而して学を為して之を教う〉師の任なり〉
11182:  之を修むるが為にして》而して礼を作して之に由る》君の業なり》
11183:  学礼他無し。仁義の修具なり。故に
11184:  善悪是非なる者は。悦怨栄辱の本なり。
11185:  悦怨栄辱なる者は。治乱存亡の機なり。
11186: 故に仁義の成る所は。
11187:  意智は思弁を以て運為す〉
11188:  情慾は好悪を以て感応す》
11189:  好悪なる者は〉性の自然なり〉
11190:  思弁なる者は》心の使然なり》是を以て。
11191:  自処する者は〉好悪 思弁に勝る〉故に能く恕す〉
11192:  人を観る者は》我の思弁を以て》人の情慾を律す》故に能く責む》
11193:  自恕する者を以て〉人に恕し〉
11194:  人を責むる者を以て》自らを責む》是れ好悪思弁を修するなり。
11195:  人悦べば則ち親しむ〉親しめば 則ち天下帰す〉
11196:  人恕れば則ち疏んず》疏んずれば則ち親戚棄つ》
11197:  己の醜〉知りて悪めば〉則ち慚意生ず〉
11198:  人の美》知りて愛せば》則ち讃意生ず》
11199:  讃は嘆を為し〉嘆は栄を為す〉
11200:  慚は笑を為し》笑は辱を為す》
11201:  悦怨栄辱なる者は。仁義の生ずる所なり。
11202: 乃ち道徳の全き所なり。
11203:  徳は〉有なり〉
11204:  道は》発なり》
11205:  能く其の有する者を養する者は。其の発を慎む。
11206:  心なる者は混然たり。善悪は機に分す。故に
11207:  能く其の有を養えば〉則ち善は油然として長ず〉
11208:  能く其の発を慎めば》則ち悪は兆朕を消す》       (兆朕=ちょうちん)
11209:  徳は得なり〉
11210:  道は行なり》
11211:  得なる者は之を行に於て得る〉
11212:  行なる者は之を得を於て行う》
11213:  徳なる者は〉行の主なり〉得は学に由りて得る〉
11214:  道なる者は》得の賓なり》道は礼に由りて行う》
11215:  得て有する者は〉混然として目す可からず〉
11216:  由りて行する者は》粲然として目す可し》
11217:  名に由りて論ずる者は〉其の実を失い易し〉
11218:  実に由りて行なう者は》其の名を妄失せず》故に
11219:  君子は。得る者を奉ず〉
11220:      行う者を慎む》
11221:  得て有する所の者  善なれば〉則ち
11222:  由りて行なう所の者 正し》
11223:  忠は以て君に事う〉
11224:  孝は以て父に事う〉
11225:  由りて行なう所の目なり〉
11226:  君に事うるは則ち忠なり》
11227:  父に事うるは則ち孝なり》
11228:  得て有する者の目す可からざるなり》
11229:  目に非ずんば焉んぞ斯の道を載せん〉
11230:  徳に非ずんば焉んぞ斯の目を総いん》此の故に。     (総いん=ひきいん)
11231:  之を安んぜんと欲するを以て心と為れば。則ち其の徳を保つ。
11232:  之を安んずるに道有り。愛と曰う。敬と曰う。
11233:  之を安んぜんと欲して。而も未だ其の道を得ん。
11234:  姑息諂佞。之を危害す。是れ
11235:  古の君子。学を設け礼を制す。人を教化の中に於て模範する所以なり。
11236:  得は善悪を有す〉
11237:  行は邪正を発す》
11238:  其の得る可き者を得て〉 之を善と為す〉
11239:  其の行う可き者を行いて》之を正と為す》
11240:  名は実を載す〉
11241:  実は名を有す》故に
11242:  君子は。実を有して名を有せず〉
11243:      名を奉して実に由る》
11244:  夫れ人の情慾は。※※たり〉
11245:          郷郷たり》
11246:          守防は之を務む〉
11247:          利害は之を謀る》
11248: 我の欲する所は〉人の欲する所なり〉
11249: 我の謀る所は》 人の謀る所なり》是に於て。
11250: 相い怨み相い悪む〉
11251: 相い奪い相い殺す》蓋し。
11252: 物の相い怨み・悪み・殺し・奪うは〉身に於て止まる〉
11253: 人の相い怨み・悪み・殺し・奪うは》結びて勢を為す》
11254: 一怨起りて天下随う。故に
11255: 其の※※郷郷を治する者は。人の聡明なり。故に
11256: 群醜有れば〉則ち之を治めざるを得ず〉
11257: 情慾有れば》則ち之を教えざるを得ず》
11258: 之を治むる者は君なり〉
11259: 之を教うる者は師なり》
11260: 君師立ちて。天下同然として。悦愛予活す。
11261: 悦愛予活 同然たらざれば。則ち怨悪殺奪す。
11262:  天は容せざる所莫くして〉而して誠に逃れず〉
11263:  人は具せざる所莫くして》而して同じくする所に違わず》
11264:  物を以て人を観れば〉人なる者は〉各中の一物なり〉
11265:  人を以て我を観れば》我なる者は》同中の各なり》
11266:  物一なれば則ち気一なり〉是を以て
11267:  善を好み悪を悪む〉天下と一なる可し〉
11268:  物各なれば則ち気各なり》是を以て
11269:  趨舍嗜好は》未だ天下を以て通ず可からず》
11270:  同じく欲する者は善なり〉独り欲する者は悪なり〉
11271:  同じく思う者は正しく》 独り思う者は邪なり》故に
11272:  衆の同じくする所を修むるは〉君子なり〉
11273:  己れの独りする所に荒むは》 小人なり》
11274:  己れの独りする所を舍てて〉衆の同じくする所に従うは〉勤なり〉
11275:  衆の同じくする所を舎てて》己れの独りする所に従うは》放なり》惟だ
11276:  冀望する所有りて道に志せば〉則ち求めて已まず〉     (冀望=希望)
11277:  廻避する所有りて善に遷れば》則ち行きて屡しば顧みる》
11278:  求めて已まざる者は〉  報に期する有り〉
11279:  行いて屡しば顧みる者は》利に於て忘れず》惟だ
11280:  大人は天下を以て一身と為す。故に忠 以て己れを尽す〉
11281:                  恕 以て己れを推す》蓋し
11282:  同なる者は。異の偶なり。
11283:  横目竪鼻は〉各おの同じからざる者莫し〉而して
11284:  声音容貌は》各おの異ならざる者莫きなり》
11285:  其の同じき者も亦た人人之を有す〉
11286:  其の異なる者も亦た人人之を有す》蓋し
11287:  同じく天を載き地を履むの人にして。而して
11288:  同じく円顱方趾の形なり》
11289:  同じく君臣父子・夫婦兄弟を倫とし。
11290:  同じく水穀を服し。同じく葛裘を著く。
11291:  一人の好む所は〉則ち天下の好む所にして〉
11292:  一人の悪む所は》則ち天下の悪む所なり》
11293:  然りと雖も。意智の向う所は。趨舍嗜好。各おの同じからず。故に
11294:  或いは万乗を軽視す。
11295:  或いは一諾に慷慨す。
11296:  或いは浮沈して世を弄す。
11297:  或いは顰蹙して人を避く。
11298:  或いは機を見て勢を弄す。
11299:  或いは道を守り節を践む。
11300:  或いは狷介して自ら守る。
11301:  或いは傲蕩して為す無し。
11302:  或いは顕曄して身を赫す。
11303:  或いは栖遅して光を韜む。
11304:  皆な豪傑の態にして。是非の興る所なり。唯だ
11305:  大人は。楽しめば則ち天下と偕に楽しむ〉
11306:      安んずれば則ち天下と偕に安んず》故に
11307:  其の功は〉則ち天下の功なり〉
11308:  其の道は》則ち天下の道なり》故に
11309:  豪傑の能は乃ち大人の資なり。蓋し
11310: 之を悦ばしむるに道有り〉時有りてか〉怨も亦た避けず〉
11311: 之を予うるに道有り》  時有りてか》奪も亦た厭わず》
11312: 善悪是非の存する所なり。是を以て。
11313: 道を忘れて愛憎欲悪を人に於て任ずれば〉 能く人の私に適す〉
11314: 勢に拠りて与奪殺活を人に於て縦にすれば》能く人の志に賊す》此の故に。(縦=ほしいまま)
11315: 天下の事は。一治一乱一興一亡なり。
11316: 或いは相い亡ぶ。或いは相い持す。
11317: 勢然るなり。惟だ勢を回する者は。力なり。故に
11318: 有力者は。乱を回して治を為し。亡を転じて存を致す。
11319: 凶は吉に換る〉
11320: 悪は善に変ず》故に
11321: 情慾なる者は〉※※郷郷〉荒めば則ち凶に走る〉
11322: 意智は之が役を為せば〉則ち姦邪放僻〉惟だ私 之を謀る〉
11323: 意智なる者は》思惟分弁》修むれば則ち道に至る》
11324: 情慾は之が命を聴けば》則ち視聴言動》惟だ義 之に従う》
11325: 戦勝ちて吉凶 分る。故に
11326: 自修の道は〉思弁に在り〉
11327: 治人の道は》保通に在り》夫れ
11328: 情慾の私なる者は〉身に便なる所なり〉故に自ら之を好む〉
11329: 意智の公なる者は》人に宜なる所なり》故に必ず佗に律す》惟だ
11330: 佗に律する者を以て〉自ら修む〉
11331: 身に便なる者を以て》衆を望めば》則ち安んず。此故に。
11332: 徳は身を修するより善なるは莫し〉
11333: 功は物を済するより大なるは莫し》故に。
11334: 情慾は〉之を保し之を通ぜよ〉 之を傷なうこと毋れ〉之を塞ぐこと毋れ〉(毋れ=なかれ)
11335: 意智は》之を正し之を明にせよ》之を頗すること毋れ》之を晦すこと毋れ》
11336: 保通の道は〉安んず〉和する〉養する〉疏するなり〉
11337:  是非なる者は〉意智の断〉截然たる者なり〉
11338:  善悪なる者は〉情慾の成〉未だ※ならざる者なり〉
11339:  截然を未※の間に於て行いて〉察察たれば則ち人情失す〉
11340:  邪人は邪を信じて》而して正を信ぜず》
11341:  正人は正を信じて》而して邪を信ぜず》
11342:  各おの自ずから信ずる者を佗の信ぜざる者の上に於て伸ばさんと欲す》
11343:  ※※たれば則ち凶機逼る》
11344:  人情失すれば〉則ち和気傷つく〉
11345:  凶機逼れば》 則ち顛沛近づく》             (顛沛=てんぱい)
11346: 正明の道は》思う》学ぶ》択ぶ》修む》
11347: 衆の同じく思慾する所を通す〉
11348: 衆の同じく※悪する所を疏すれば〉則ち衆情悦ぶ〉       (※悪=えきお)
11349: 之を政に於て挙ぐれば〉則ち
11350: 勧懲は化に漸む》
11351:  心の物為るや。動きて住せず。
11352:         往きて反り難し。
11353:         見る所に拘わる。
11354:         習する所に牽かる。
11355:         処る所に著く。
11356:         之く所に遷る。
11357:         好む所に淫す。
11358:         悪む所に塞がる。
11359:         終に耳をして敢て聡ならず。
11360:         目をして敢て明ならざらしむ。是を以て。
11361:  善悪は〉習う所に於て長じ〉廃する所に於て塞す〉
11362:  是非は》択ぶ所に於て明に》棄つる所に於て昏し》惟だ
11363:  習は人を移す。慾は智を晦ます。
11364:  惑う者多ければ〉則ち同じく好悪する所の者も〉亦た或いは未だ心の本然より出でず〉
11365:  不肖者多ければ》則ち同じく是非する所の者も》亦た或いは未だ事の正より出でず》
11366:  人は則ち天地の人なり〉
11367:  道は則ち天地の道なり》
11368:  善悪は則ち天地の善悪なり〉
11369:  是非は則ち天地の是非なり》
11370:  正視は目を眩さず〉
11371:  正履は歩を失わず》大丈夫の事なり。
11372:  是非は明ならざれば〉則ち怨怒 作る〉
11373:  善悪は分たれざれば》則ち昏乱 極む》
11374:  是非※※たれば〉則ち人情 蔵る〉           (蔵る=かくる)
11375:  善悪察察たれば》則ち凶機 逼る》
11376:  不明不分に論ずる勿れ。
11377:  ※※察察。豈に喜ぶ可けんや。惟だ能く体す。故に能く処す。
11378:  人情に屈せず。凶機に激さず。
11379:  是非に明に〉
11380:  善悪に審に》
11381:  従容として自適せざる莫し。亦た大人の事なり。
11382: 天地の是を是とす》
11383: 天地の非を非とす》
11384: 天地の正を誘い》
11385: 天地の邪を防げば》則ち衆心悦ぶ》
11386: 之を教に於て施せば》則ち撰択修する有り》
11387: 未だ能く天下の胸臆を以て之を思量し〉
11388:     天下の好悪を以て之を黜陟せずして》
11389: 己れの得て有する所を徳とし〉
11390: 己れの由て行する所を道とす》
11391: 或いは一个の聡明に依り。                (个=こ。一个=一個。)
11392: 或いは一時の利害に依る。
11393: 或いは相い抗衡す。
11394: 或いは相い守禦す。
11395: 或いは以て自ら断ず。
11396: 或いは以て区画を為す。
11397:  断して聴く者は〉其の言に通じ〉其の意を量る能わず〉
11398:  猶お権衡の定まって物を量るがごとし〉
11399:  聴きて断する者は》能く通じ能く量る》
11400:  猶お物に随いて権を移すがごとし》是を以て
11401:  人の言を容れざる者は〉聡明なること能わず〉以て人に上たり難し〉
11402:  私を以てする者は》事に通ずる能わず》以て人に師たり難し》是の故に
11403:  君子なる者は》明能く是非を断じ》公能く是非に処し》
11404:  教を以て正を誘い》礼を以て邪を防ぐ》
11405: 見は各是非に定まる。未だ之を斉しくするに在るを免れず。
11406: 烏んぞ天地の物を成すに肖ん。              (烏んぞ=いずくんぞ)
11407:  一尺の面 同じからず〉
11408:  億兆の情 焉んぞ斉しからん》
11409:  同じからざるも亦た横目竪鼻なり〉
11410:  斉しからざるも亦た好善悪悪なり》故に
11411:  政なる者は〉其の同じき者を同じくし〉
11412:  教なる者は》其の斉しからざる者を斉しくせず》
11413:  政は以て道を闢く〉
11414:  教は以て徳を成す》
11415:  政は善ならざれば則ち才を壊す〉
11416:  教は善ならざれば則ち道を壅ぐ》            (壅ぐ=ふさぐ)
11417:  壅がりて通ぜず〉
11418:  壊れて復し難し》
11419:  道立ち物成るに於てか病む。
11420:  政教なる者は。上人なる者の柄。偏廃す可からず。
11421:  教を舍てて政に任ず〉民は粛すと雖も方を知らず〉
11422:  況んや謀計を挟みて〉私智に任じ〉文を舞し法を弄し〉
11423:  其の斉しからん者を斉しくせんと欲するをや〉
11424:  政無くして教を為す》善と雖も而も徴せず》
11425:  況んや其の所見を執りて》而して門戸を立て》
11426:  衆の同じき者を察せず》
11427:  己れの欲する所の者に同じから遣めんと欲するをや》
11428:  人は独るする者無きこと能わず〉
11429:  同じく欲する者無くんばあらず》
11430:  独り 欲する者と雖も〉恕す可き者有り〉
11431:  同じく欲する者と雖も》才に長短有り》故に
11432:  天地なる者は。同じきものを同じくする者なり〉
11433:         斉しからざる者を斉しくせざる者なり》
11434:  是を以てか能く物を成す。譬えば金鐵は利鈍を斉しくせず。而して
11435:  各おの能く其の才を成し。其の成才に依りて。乃ち
11436:  還って各各の用有るがごとし。
11437:  長なる者は〉長を以て之を成す〉
11438:  短なる者は》短を以て之を成す》
11439:  安んぞ能く己れを執りて彼を責むるを得ん。
11440:  東家の子は〉肥えて美なり〉
11441:  西隣の女は》瘠せて艶なり》
11442:  苟くも其の肥瘠の相い同じきを欲し〉
11443:     其の長短の相い斉しきを欲すれば》則ち人を※賊す〉
11444:                       物を残害す》故に
11445:  能く政教を執る者は。其の能くする所を助く〉
11446:            其の能くせざる所を措く》
11447:            其の同じくする所を同じくす〉
11448:            其の斉しからざる所を斉しくせず》是に於てか。
11449:  道立ち物成る。如し物を成すこと能わざれば。則ち政教道徳。世に益する無し。
11450:  ※※修治は〉固なり〉而して物は汪洋の中に於て成す〉
11451:  規諭訓誨は》固なり》而して才は寛容の中に於て成る》
11452: 紛紛の是非眩せず〉
11453:  是非の紛紛は。各おのの好尚なり。彼の天地の物を成するを観るに。
11454:  短なる者は短を以て之を成す〉
11455:  長なる者は長を以て之を成す〉
11456:  大なる者は大を以て之を成す》
11457:  小なる者は小を以て之を成す》是の故に
11458:  人を陶冶の中に置く者は。之を成すを務めて。而して
11459:  其の異を咎めず。士農工賈より。諸子百家曲芸の徒に至るまで。
11460:  其の人を得れば。則ち功は天地に肖る。
11461:  而るを知らず。是非を以て天下を律せんと欲す。
11462:  労して功寡なき所以なり。
11463: 滔滔の邪正に惑わず》
11464: 忘れて通ずれば〉則ち親しみて和す〉
11465: 宿して隔つれば》則ち疏んじて賊す》
11466:  忘るれば則ち通ず〉
11467:  忘れざれば則ち隔つ》
11468:  忘れずとは。心に宿すの謂なり。
11469:  喜べば則ち喜を宿す〉
11470:  怒れば則ち怒を宿す〉
11471:  愛せば則ち愛を宿す》
11472:  憎めば則ち憎を宿す》
11473:  宿喜の機は喜ぶ〉
11474:  宿怒の機は怒る〉
11475:  宿愛の機は愛す》
11476:  宿憎の機は憎む》惟だ
11477:  富貴を忘るる者は〉王公の前に正立す〉
11478:  威武を忘るる者は》能く干戈の中に行く》        (干戈=かんか)
11479:  百結の衣も〉服して厭わざる者は〉衣を忘るるなり〉
11480:  一箪の食も》食いて足る者は》  味に忘るるなり》
11481:  功成りて忘れざれば〉必ずや伐る〉           (伐る=ほこる)
11482:  恵成りて忘れざれば〉必ずや倨る〉           (倨る=おごる)
11483:  富んで忘れざれば〉必ずや物を軽んず〉
11484:  貧して忘れざれば》必ずや物に貪る》故に
11485:  妬む者は〉物の美を忘れざるなり〉
11486:  方ぶ者は》己の能を忘れざるなり》           (方ぶ=くらぶ)
11487:  功成り恵成る》而して能く相い忘る。
11488:  何を以てか矜伐の色有るを得ん。            (矜伐=きょうばつ)
11489:  物我を意に介すれば。則ち忘るること能わず。是に於て。
11490:  蚊虻も雷を為し※埃も山と成る。何となれば則ち
11491:  彼に酬いる者薄くして〉自ら以て厚と為す〉
11492:  我に報ずる者大にして》自ら以て小と為す》
11493:  物は我に由りて相い隔たるなり。故に。
11494:  徳は川流江浸を待ちて〉纔に以て罪咎を免かる〉
11495:  悪は羽毛の如しと雖も》瑕疵は価を損す》
11496:  片激は千場の歓を棄つ〉
11497:  一怒は百年の恩を賊す》
11498:  善悪成敗の難易なり。
11499:  忘れて通ずれば。則ち其の栄辱窮達に於ける。
11500:  猶お同肆の水火を相い救うがごとし。
11501:  宿憤宿怒有りと雖も。相い扶くること手足の相い護するが如し。
11502:  通は其の身に切なれば。
11503:  則ち忘れざらんと欲するも。
11504:  而も豈に得んや。
11505:  化する者は。忘通の跡無きなり。
11506:  或ひと曰く。我が功を忘る可くんば〉則ち人の功も〉亦た忘る可し〉
11507:        我が恵を忘る可くんば》則ち人の恵も》亦た忘る可しと》
11508:  曰く。忘 豈に徒忘ならんや。
11509:  安んじて之を有し〉
11510:  正しくして之を行えば》
11511:  町畦有ること無し。
11512:  勇士は陳に臨みて身を忘る〉
11513:  怯者は敵を見て主を忘る》
11514:  其の能く其の身を忘るる者は〉其の主を忘るること能わざるを以てなり〉
11515:  其の能く其の主を忘るる者は》其の身を忘るること能わざるを以てなり》
11516:  豈に其の主を忘れ〉 又た其の身を忘るる者有らんや〉
11517:  豈に其の身を忘れず》又た其の主を忘れざる者有らんや》
11518:  忘なる者は〉天徳なり〉故に通ず〉
11519:  徒忘の者の若きは》則ち心疾の人なり》噫 又た何をか言わん》而して
11520: 之を以て之を文章す。
11521: 之を以て之を品節す。
11522: 之を以て之を和楽す。
11523: 之を以て之を次序す。
11524: 之を以て之を号令す。
11525: 之を以て之を鼓舞す。
11526: 化の被むること深し。
11527: 道の行わるること遠し。
11528: 老幼は其の養を受く〉
11529: 少壮は其の職を奉ず》
11530: 熈熈たり。雍雍たり。
11531: 人人 其の同じからざる者を慎む。
11532:    其の同じき者を務む。
11533: 之を大同と謂うなり。
11534: 君師の任なる哉。
11535: 大有力に非ずんば。
11536: 将に孰れか之を能くせんとする。
11537:  人に食を予うる者は〉未だ人をして飽か使むること能わず〉
11538:  人に貨を予うる者は》未だ人をして富ま使むること能わず》
11539:  其の業を奪わず。其の時を奪わざれば。則ち。
11540:  人 且に富みて飽く。是の故に。
11541:  善を以て人に勝る者は〉人未だ全く之に服せず〉
11542:  善を以て人に下る者は》人必ず悦んで服す》
11543:  是に由りて之を観れば。
11544:  彼の人をして孝弟忠信なら使むる者は。
11545:  豈に家に説き戸に諭す者ならんや。
11546: 
11547:    人道
11548: 動転止持は。境を清濁に於て分す。
11549: 清境なる者は〉神 天に雌なり〉
11550: 濁境なる者は》神 天に雄なり》故にに。
11551: 転中は変動に由りて定す〉
11552: 持中は定常に由りて変す〉故にに
11553: 道に為成すれば〉則ち天神と曰う〉
11554: 情に感応すれば》則ち鬼神と曰う》
11555: 情道は声を異にすと雖も。其の主は一なり。
11556: 神は雌なるを以て〉而して為成は天事を為す〉
11557: 神は雄なるを以て》而して感応は地事を為す》故に〉
11558: 地は呼吸して〉而して東規南北し〉
11559: 日は南北して〉而して地物発収すれば〉則ち
11560: 天は其の感応を成すなり〉
11561: 日は順行して》而して冬夏斯に成し》
11562: 日は逆行して》而して昼夜斯に成すれば》則ち
11563: 神は其の為成に従うなり》是の故に。
11564: 天中の為は〉則ち神 天に於て聴す〉
11565: 地中の成は》則ち天 神に於て従す》故に。
11566: 天物の態は〉則ち錯行して其の体を軋せず〉 気気は相い交し〉感応は常有り〉
11567: 地物の態は》則ち錯行して其の体を相い軋す》気物は交接して》感応は常無し》是を以て。
11568: 地なる者は穢濁にして。彩声臭味を醸す〉
11569:            交接生化を事す》是を以て。
11570: 濁境にして。而して事物錯綜し。鬼神変化の府を為す。
11571: 濁境の並立は。一動一植なり。
11572: 天に於ては則ち同資と雖も〉而も
11573: 物に於ては則ち分有り》
11574: 植に於ては〉則ち運用を無意に於て給す〉
11575: 動に於ては》則ち運用を有意に於て給す》
11576: 給せらて意を有す〉而して
11577: 給する者は則ち無意なり》
11578: 反して合なる者を観る。故に。
11579: 彩声臭味の境。
11580: 交接生化の地。
11581: 舎意有意。其の間に相依す。
11582: 有意は。内に其の意を有す〉
11583:     外に其の技を発す》
11584: 意は。則ち思惟分弁。愛憎欲悪なり。
11585: 我れは我が境を開きて。人の天地を立す。
11586: 愛憎欲悪は〉物と類す〉
11587: 思惟分弁は》物に長ず》
11588: 思惟は〉意なり〉
11589: 分弁は〉智なり〉之を合して心と為す〉
11590: 愛憎は》情なり》
11591: 欲悪は》慾なり》之を合して性と為す》
11592: 心性は相い和すれば。則ち其の情慾も。亦た物と異なるなり。故に
11593: 人心の適否は。離合の勢を作す。
11594: 合すれば則ち億兆 心を結ぶ〉而して上下和同す〉
11595: 離るれば則ち天下 心を散ず》而して彼此乖戻す》是を以て。
11596: 等は貴賎を弁ず〉
11597: 類は親疏を弁ず》
11598: 天に順じて其の則を奉す〉
11599: 人に由りて其の道を立す》
11600: 衆を安んずるは〉人の大功なり〉
11601: 自ら安んずるは》我の広居なり》是を以て。
11602: 人は。其の分を守る〉
11603:    其の職を勤む》
11604: 分を守らざれば則ち※乱す〉               (※乱=ふんらん)
11605: 職を勤めざれば則ち荒廃す》
11606: 職に士農工賈有りと雖も。而も
11607: 上は一人より〉下は億兆に至るまで〉造化を賛するを以て職と為す〉
11608: 上は一人より》下は億兆に至るまで》其の地を守るを以て分と為す》
11609: 天功を貪り〉天物を費す〉之を汰と謂う〉
11610: 人功を偸み》人物を費す》之を賊と為す》
11611: 仁義学礼は〉道の綱なり〉
11612: 殺活与奪は》政の柄なり》
11613: 鰥寡孤独は之を愍む〉
11614: 士農工賈は之を用う》
11615: 才良を甄抜す〉
11616: ※賊を沙汰す》
11617: 水にして之れに舟し〉渓にして之れに梁す〉
11618: 春にして之れを啓き》秋にして之れを閉づ》故に。
11619: 人の志ざす所は〉則ち家国安寧なり〉
11620: 人の弁ずる所は》則ち尊卑親疏なり》
11621: 天功を貪らざれば〉則ち欺を用うる所莫し〉
11622: 天物を費さざれば〉則ち奢を用うる所莫し〉
11623: 人功を偸しむ者は》勤を用うる所莫し》
11624: 人物を費やす者は》倹を用うる所莫し》夫れ
11625: 人は交接広しと雖も。人際は之を務め。余力は物に及ぼす。道の序なり。
11626: 人際は広しと雖も。望衆自修に過ぎず。
11627: 自修は惟だ厳なれ〉
11628: 望衆は惟だ寛なれ》蓋し夫れ
11629: 人の生を為す。善悪正邪〉
11630:        智愚利鈍》共に天より来たるなり。
11631: 造化を賛するを以て心と為さば。人を安んずるに於て愉び〉
11632:                人に通ずるに於て楽しむ》
11633: 安を欲する者は〉其の危きを安んじ〉其の覆えるを扶く〉
11634: 両全たること難きを以て〉 而して其の莠を鋤し〉其の苗を培う〉
11635: 通を欲する者は》其の塞を啓き》  其の蔽を通す》
11636: 尽く通すること難きを以て》而して其の情を疏し》其の弊を懲す》
11637: 君師の任なり。
11638: 父〉則ち家にして君なり〉
11639: 君》則ち国にして父なり》故に。
11640: 慈は以て子を愛す〉
11641: 孝は以て父を敬す》
11642: 孝慈なれば〉安んぜざるの家無し〉
11643: 愛敬なれば》安んぜざるの国無し》
11644: 学に於て之を知る〉
11645: 礼に於て之を修む》
11646: 才徳は。艸木の異類別能なるが如し。故に。
11647: 啻に人に於て其の才徳を知るのみならず〉
11648: 身に於ても亦た宜しく其の才徳を揣るべし》故に。     (揣る=はかる)
11649: 力を伸ばし〉済物に於て務め〉
11650: 能わざれば則ち退きて自ら善しとす》故に
11651: 大人は〉国を量りて用う〉
11652: 小人は》腹を量りて食らう》
11653: 人をして尽く己れの向かう所に向わしめんと欲する者は〉癡なり〉
11654: 人をして尽く己れの欲する所に欲せしめんと欲する者は》仁なり》夫れ
11655: 衆智は。明に乏しく〉通に病む》
11656:     耿耿を得て明と為し〉
11657:     滴滴を得て通と為す》
11658: 迷悟混淆し〉真妄朦朧す》故に
11659: 智の事は。之を廓にするに天を以てす。
11660:  天は万物を成す〉
11661:  神は万神を用す》
11662:  物 万なれば則ち其の形も万なり〉
11663:  神 万なれば則ち其の情も万なり》
11664:  万なる者は一に資す〉
11665:  一なる者は万に給す》故に原は一にして派は別なり。
11666:  同じと雖も亦た異なる。蓋し天地なる者は。大物なり。
11667:  然りと雖も猶お且つ相い依して給資す。
11668:  一一はINUNす。万の神物。其の間に成す。而して
11669:  人は其の一に居す。故に一元気より之を観れば。
11670:  天地水火は〉変して雲雷雨雪に之く〉
11671:  水陸動植は》砕して菌寓虫豸に至る》
11672:  偕に我の與るに非ざる莫し。而して           (與る=あずかる)
11673:  雲雷雨雪は〉水火に属す〉
11674:  風恬山壑は》天地に属す》則ち
11675:  此の為具に於てINUNす。而して醸成する者は。動植なり。然り而して
11676:  天地水火は〉則ち清浄の府に居して〉循環の生を活す〉
11677:  水陸動植は》則ち穢濁の境に居して》鱗比の生を活す》
11678:  鱗比は生を堅輭に於て立す〉
11679:  意を有無に於て活す》故に。
11680:  我より類を分すれば〉則ち大に異なると雖も〉而れども
11681:  天より物を成すれば》則ち合して一を成す》
11682:  天の此の生を醸する。植は本気に資するに勝る〉
11683:            動は神気に資するに勝る》
11684:  其の分する所は。乃ち有意無意なり。
11685:  動植は。意に於ては則ち有無すと雖も。而も
11686:  生に於ては則ち彼此同じ。故に
11687:  其の所謂体用性才は。彼此同じく之を有す。而して
11688:  其の有する所の態は則ち同じからず。故に
11689:  天に天物精神と曰う者は〉
11690:  我に身生心性と曰う》
11691:  天に精霊鬼神と曰う者は〉
11692:  我に情慾意智と曰う》是を以て
11693:  其の用のINUN給資は〉
11694:    性の保持立役なり》
11695:  声を以て之を求むれば〉則ち若く混焉たりと雖も》而も
11696:  態を以て之を察すれば》則ち天人異なるなり》
11697:  既已に態を異にすれば則ち其の技は何ぞ又た同じからん。
11698:  万物のINUNの間に於て醸する。生なる者は〉天の営なり〉
11699:                育なる者は》與の養なり》
11700:  天地はINUNして。水を成し火を成す。
11701:  水火は天地を隔すと雖も。而も
11702:  同じく其の地に立す〉
11703:  同じく其の天に居す》
11704:  水は火を食すに於て育す〉
11705:  火は水を食すに於て育す》
11706:  動植は又た其の間に醸す。散して万品を為す。
11707:  又た用を天地水火に於て資す。故に
11708:  人の境より之を言えば。其の斯の世に寓するや。
11709:  之を無意の天に於て資す〉
11710:  之を有意の物に於て成す》
11711:  地に立す〉
11712:  天に居す》
11713:  水に於て液す〉
11714:  燥に於て煦す》
11715:  並立する者と。相い依りて與を為す。是を以て
11716:  神は保運化持に於て活す〉
11717:  気は声色臭味に於て交す》
11718:  物は配嗣器地に於て立す〉
11719:  質は飲哺便溺に於て依す》
11720:  保する者は〉天の給する所に資す〉外より内を衛護するなり〉
11721:  運する者は》與の通する所に依す》内より外を営養するなり》故に
11722:  物の始めて生ずる。 
11723:  目は未だ色を弁ぜず〉耳は未だ声を弁ぜず〉
11724:  呼吸は直ちに通ず》乳哺は従って弁ず》
11725:  呼吸は未だ足らず〉外は羽毛鱗甲を以てして保す〉
11726:  乳哺は未だ足らず》他の艸木鳥獣を假りて養う》
11727:  人なる者は。神気に長じて〉而して
11728:        本気に不足す》
11729:  神気の有余を以て〉
11730:  本気の不足を補う》
11731:  飲啄の養は〉水火の調を待ちて食らう〉
11732:  羽毛の防は》布帛の工を假りて補なう》
11733:  尚お猶お足らず。宮室を為し。城郭を営し。
11734:  医薬を為し。鍼※を用す。夫れ
11735:  物の剖析して散するや。
11736:  散すれば則ち尽く変す。故に
11737:  之を植と謂えば則ち一なり〉植に就きて之を析けば〉則ち有らざるの形無し〉
11738:  之を動と謂えば則ち一なり》動に就きて之を析けば》則ち有らざるの物無し》故に
11739:  人の有意を以て長を天地の間に於て恃む。亦た万変中の一態なり。
11740:  其の意技を以て。能く自ら天地間に於て貴しとす。
11741:  天の人を私するに非ざるなり。
11742:  天の人を私するに非ざると雖も。而も
11743:  天に於て資する所の意技を以て。
11744:  能く自ら天地間に於て貴きを得る。故に其の稟や。
11745:  本気に雌なり〉
11746:  神気に雄なり》
11747:  能く其の雄を取り〉
11748:  以て其の雌を補う》故に
11749:  服御の用は広し〉
11750:  調和の求は冗なり》是に於て。
11751:  地を墾して穀を取り。海を煮て塩を取る。
11752:  艸木土石〉見れば則ち取りて以て之を材にす〉
11753:  其の材に当らざる者は〉之を糞壌に用う〉
11754:  鳥獣魚鼈》遇えば則ち殺して之を啗う》         (啗う=くらう)
11755:  其の啗う可からざる者は》之を服飾に当てる》
11756:  竟に其の力を恃み天地を取りて。以て己れの有と為す。夫れ
11757:  人は己れれの境を開きて。以て己れを貴しと為す。
11758:  終に其の智を以て。以て天を窺う。
11759:  人の身は〉万物中の一物にして〉而して
11760:  其の意は》万神中の一神なるを知らず》
11761:  以て天独り人に私すと為す。蓋し
11762:  人技は〉巧みと雖も亦た惟だ人の巧む所に於て巧みなり〉
11763:  人意は》長ずると雖も亦た惟だ人の長ずる所に於て長ずるなり》
11764: [人の技は〉鼓舞に巧みと雖も〉亦た惟だ人の巧む所に於て巧みなり〉而して
11765:  其の意は》思弁に長ずると雖も》亦た惟だ人の長ずる所に於て長ずるなり》] (写本939を示す。)
11766:  諸を其の並立する所に方れば。
11767:  互いに工拙通塞有り。
11768:  若し之を傍観せしめば悪んぞ群才に抽して跳出するを視ん。夫れ
11769:  無意の境を為すは。廼ち清浄の府なり。
11770:  其の無意を以て〉以て善悪愛憎を畜えず〉
11771:  其の清浄を以て》以て声臭配嗣を用いず》
11772:  天人の反なり。反せざれば合せず。
11773:  合せざれば則ち天地支離す。
11774:  死生を観て〉而して天地に融せず〉
11775:  無意を観て》而して有意に反せず》
11776:  造化中より己れを観て。己れより造化を観る。
11777:  魚は躍って水を出でず。賊を養い其の子を逐う。夫れ
11778:  人なる者は。生を濁穢に於て資す〉
11779:        物を鱗比に於て成す》
11780:  養うに並立の與に依れば。則ち
11781:  声色臭味・配嗣器地に求めざること能わず。
11782:  多智多技を以て。用広く求冗なるに遭う。
11783:  物に遇いて殺さざる所無ければ。則ち其の殺を嗜むや。虎狼より熾んなり。
11784:  修飾して以て垢穢を掩えば。則ち其の不浄や。鳥獣より甚だし。
11785:  而して妄惑の念も。亦た人より甚しきは莫し。夫れ
11786:  麝臍を屠りて。魚腸を醢にす。
11787:  狗の臭を逐い。鳥の穢を貪ると奚んぞ択ばん。
11788:  故に人と物と各おの其の境を開すれば。
11789:  則ち其の美醜も亦た各おの其の愛憎に従う。故に
11790:  思想技巧の運〉之を無為の巧に比ぶれば〉則ち惟だ其の煩を観〉
11791:  羽毛骨角の美》之を清浄の府に納むれば》則ち唯だ其の穢を観るのみ》是を以て。
11792:  人の境を開す。
11793:  其の思慮知弁。愛憎欲悪を以て。其の技を施す。故に。人なる者は。
11794:  物に通するの智有るを以て。終に通ぜざるの智を有す。
11795:  事を決するの断を以て。還って不断の惑を抱く。
11796:  沾沾の窺窬を好み〉
11797:  反合の達観に罔し》
11798:  欲は求むる所有り〉
11799:  智は労する所有り》
11800:  鳥を※にし獣を檻にし。味を調し服を文る。之を己れに営して足らず。
11801:  亦た之を類に求む。有力は無力を執え。駆使鞭苔す。
11802:  之をして稼せ使む〉而して其の粋を食う〉
11803:  之をして織ら使む》而して其の精を衣る》
11804:  其の粋を食い〉其の精を衣る者は〉則ち君為り〉
11805:  其の糲を食い》其の麁を衣る者は》則ち民為り》是に於て。
11806:  有力は〉自ら衣食すること能わず〉奉を民に恃る〉    (恃る=よる)
11807:  無力は》自ら守禦すること能わず》保を君に依る》
11808:  君民は工を通じ。相い共に奉保す。以て迭に其の役を執る。故に
11809:  民は其の君に奉ずるを職とす〉
11810:  君は其の民を保するを職とす》而して
11811:  民は君に格いて悛せず〉
11812:  君は民に取りて已まず》
11813:  下なる者は則ち誅せらる〉
11814:  上なる者は則ち移せらる》故に
11815:  天人なる者は反を以て合一す。夫れ反の態を為す。
11816:  彼に没する者は〉此に露す〉
11817:  此に隠する者は》彼に見す》
11818:  之を一に資すると雖も〉而も
11819:  二に反す》是の故に。
11820:  善悪に悦怨し〉
11821:  是非に分弁するが如きは》
11822:  惟だ意の有する所にして。而して天は與らずなり。是の故に。
11823:  天の神為〉
11824:  人の意作》
11825:  其の態は固より反す。惟だ其の資するや応する有り。故に
11826:  天に卑高を有す〉人は資して尊卑の態を為す〉
11827:  天に親疏を有す》人亦た親疏の態を為す》蓋し
11828:  水火なる者は〉兄弟なり〉人は観て以て疏と為す〉
11829:  水魚なる者は》疏属なり》人は観て以て親と為す》蓋し
11830:  人の倫は。之を約すれば。則ち親疏尊卑なり。
11831:  夫婦は〉則ち疏より親に来たる〉
11832:  兄弟は》則ち親より疏に之く》
11833:  親より以上は〉我より尊を為す〉
11834:  子より以下は》我より卑を為す》
11835:  家を国に推せば〉則ち君民即父子なり〉
11836:  己を物に推せば》則ち万物皆同胞なり》是の故に。
11837:  人性は自ら奉戴臨御の意を有す。
11838:  夫の造化感応の為を観て〉以て神道を建て〉
11839:  始を感じ本を思うの心を以て》以て祭祀を設く》
11840:  是の故を以て。人は能く天を尊び地を卑しむ。噫。
11841:  高下は〉天なり〉
11842:  尊卑は》人なり》
11843:  天は人の之を仰ぐが為にして〉尊からず〉
11844:  地は人の之を臨むが為にして》卑しからず》
11845:  且つ姑く天地の体に就きて之を言わんか。夫れ
11846:  戴する所を奉す〉
11847:  履する所に臨す》人の態なり。而して
11848:  人は能く天を戴し地を履すれば。則ち尊卑は我より定まる。故に
11849:  枢紐は極を守る。衆象は之に共す。是に於てか。
11850:  帝所に擬す可し。地の穢濁を受けて。至卑に居すと懸隔す。
11851:  若し全天地より之を観れば。則ち
11852:  人物は則ち立して地を履す〉
11853:  天象は則ち循して地を拱す》
11854:  人は極辰を尊ぶと雖も。亦た惟だ中の両端なり。然れば則ち
11855:  地物は天を戴す〉
11856:  天象は中を奉す》
11857:  中外は未だ高卑を定めず。如何んぞ果して尊卑を定めん。
11858:  如し惟だ其の鬼神造化を索むれば。天地は有せざる所無し。此の故に。
11859:  天神は尊卑の囿する所に非ず。
11860:  人は天神に囿せらる。囿せらるるを以て。而して
11861:  敬仰を此に用うる有り。
11862:  人は弾丸の地に環居し。洲壌を画して。各おの其の国を為し。
11863:  各おの其の君臣を設け。各おの其の衣冠を製す。
11864:  意匠の営する所。其の用は則ち一にして。而して
11865:  其の巧は変化す。是の故に。其の天神奉戴の意は則ち同一なり〉
11866:                 天神奉戴の設は則ち各異なり》
11867:  泥塑木偶。人を以て体を建つるなり。
11868:  鐘鼓犠牲。人を以て之を饗するなり。
11869:  賞善罰悪。人を以て之を望むなり。
11870:  宮室几筵。人を以て之を安んずるなり。
11871:  天徳の洪蕩〉我を眷するに意無ければ〉則ち亦た我を棄つるに意無し〉
11872:  惟だ天道の揜わざる》経は一須臾を失せざれば》則ち
11873:            緯も亦た一秋毫を遺さず》
11874:  明を以て著を為さず〉
11875:  冥を以て晦を為さず》
11876:  上より臨むに厳なり〉
11877:  傍より観るに察なり》
11878:  其の微をして顕なら使む〉
11879:  其の長をして消なら使む》
11880:  惟だ誠の在る所にす。故に天徳は未だ私する所有らず〉
11881:              天道は未だ揜う所に有らず》
11882:  天地に天神たる者は。像形に寓せず。
11883:            祭祀に食せず。
11884:            善悪黜陟を用いず。
11885:            明暗幽明を揜わず。
11886:  物物は並立す〉
11887:  神神は相交す》
11888:  往来酬醋し。感応は鬼神を見す。
11889:  鬼神の態は。向かう。背く。順う。逆らう。有り。無し。存す。亡す。
11890:  意を以て之を索むれば〉能く意外に遊す〉
11891:  常を以て之を求むれば》常中に居せず》
11892:  人は。此の如く思弁を有す〉
11893:     此の如く技巧を行す》
11894:  此の思弁技巧を以て。意外に遊び。常中に居らざる者を索む。
11895:  其の不測に惑いて。而して得可からず。竟に人を提げて漸む。漸んで已まず。
11896:  私偽を執る〉
11897:  公誠を談ず》
11898:  知解は愈いよ巧む〉
11899:  蠱惑は益ます深し〉
11900: 之を通するに人を以てす》
11901:  小物の大分は。廼ち一動一植なり。是に於て。
11902:  植の無意は〉天に異なる有り〉
11903:  動の有意は》人に同じからず》
11904:  人の天地に於ける。其の有する所を有す〉
11905:           其の行する所を行す》
11906:  其の有は〉即ち有意の私なり〉
11907:  其の行は》即ち有作の偽なり》
11908:  我の有する所を以て。我の無き所を天に望む。
11909:  是に於て無意の公。不揜の誠を。天に於て観る。
11910:  是れ蓋し人を以て天に望むを以てなり。故に
11911:  公誠を天に得て。苟くも人を以て天に望まざれば。則ち
11912:  公誠を併せて失う。故に
11913:  公誠は則ち人に非ずと雖も。而も
11914:  人を以て天を食すなり。是を以て。
11915:  人を知らざれば〉則ち天を知らず〉
11916:  天を知らざれば》則ち人を知らず》
11917:  諸動は営営として。同じく意智情慾を用うと雖も。而も
11918:  我は則ち我の愛憎欲悪を以て。其の知解分弁を用う。
11919:  以て其の技巧を施す。人の性は。多く外に求む。
11920:  情慾を愛憎欲悪に於て運す〉
11921:  愛せば則ち護して其の長を望む〉
11922:  憎めば則ち厭いて其の消を願う〉
11923:  守禦を思慮知弁に於て技す》
11924:  愛憎は弁に動く》
11925:  安危は慮に運す》
11926:  是に於て群醜は連結して。勢は万里を動揺す。
11927:  彼の鳥獣と各各其の喜怒愛憎を行うと異なるなり。
11928:  且つ我れ神に長じ〉
11929:      本に薄きを以て》而して
11930:  水火土石。草木鳥獣。其の求むるや甚だ広し。
11931:  無意は禁ずる所無し〉
11932:  有意は恣に取りて有す》故に
11933:  勢の走る所は。国を君臣に於て建て〉
11934:         家を夫婦に於て成し》
11935:         尊卑を父子に於て分け〉
11936:         交際を師友に於て講ぜざるを得ず》
11937:  彼の鳥獣の如きは。乳に因りて唯だ所生を知り〉
11938:           乳を辞すれば則ち同胞を忘る》
11939:  人は則ち知りて之を弁ずる者有り〉
11940:      思いて之を慮る者有り》是に於て
11941:  親親は内に昵び〉                   (昵び=むすび)
11942:  疏疏は外に会う》是に於て。
11943:  群醜は其の思弁を忘れ。各おの其の情慾を恣にす。
11944:  相い奪い相い食み。多知多求す。
11945:  勢は然らざるを得ざれば》則ち
11946:  教方を以て之を矜式せざる能わざるなり。蓋し
11947:  人心は。思えば〉則ち自ら安んずるを以て佗を苦しむに忍びざる有り〉
11948:      感せば》則ち苟生を以て其の辱に易えざる有り》
11949:      悦べば〉則ち之を奉戴せんと欲す〉
11950:      悪めば》則ち之を消滅せんと欲す》是れ乃ち。
11951:  物の無き所にして〉而して
11952:  人の有する所なり》
11953:  人は。此の性を以て〉此の勢に由り〉
11954:     此の心を以て》此の智を用す》
11955:  假え其の国をして境域を同じくせず。舟楫を通ぜざら令むとも。
11956:  人にして人の意を具せざる有らば。則ち知らず。
11957:  若し其の意を具する有らば。何に往くとしてか此の設無からん。
11958:  此の設は則ち有りと雖も。
11959:  人は窺窬の通惑を以て〉
11960:    技巧の異を用う》
11961:  教は一同ならず。月を指す所の地に於て争う。
11962:  教は一同ならず。月を指す所の地に於て争うと雖も。而も
11963:  各おの其の情慾を恣にし。相い奪い相い食らうが為に之を設くるは。則ち一なり。
11964:  小事を挙げて之を例するに。衣服飲食の如きは。
11965:  方に従い其の製を異にし〉
11966:  地を以て其の調を異にすと雖も》
11967:  饑寒の為に之を設くるは則ち一なるのみ。
11968:  人は窺窬の通惑に由りて。
11969:  己れを推して天を観て。智解すること一ならず。
11970:  技巧の之に同じきこと察せざる能わず。
11971:  故に規規として己れに同じからざるに吠ゆ。
11972:  我も亦た猶お其の中に居すなり。是の故に。
11973:  天地に観る者は。慣れたる所に執して〉慣れざる所を疑わず〉
11974:          習いたる所に党して》習わざる所に驚かず》
11975:  諸を天地に表して。而して依る可き者は。修を以て自ら安んじ〉
11976:                     治を以て人を安んず》是の故に。
11977:  親疏尊卑の倫は〉之を天下に達す可し〉
11978:  士農工賈の利は》之を四海に通ず可し》
11979:  善悪は天より来たり〉
11980:  是非は智を以て分る》故に
11981:  人の世に処するに。
11982:  勢は此に事うること有らざるを得ず。
11983:  善を修め悪を除く〉
11984:  非を去り是に就く》
11985:  符を悦怨栄辱に於て合す。
11986:  姑く之を農に於て言うに。
11987:  苗の養を為し〉莠の害を為す〉天地は同じく之を有す〉
11988:  苗は則ち之を愛し》莠は則ち之を悪む》人は独り之を持す》
11989:  愛悪は奉棄の態を生ず。
11990:  奉養棄除。設施に当否有り。
11991:  設施は苟くも其の当を得ざれば。則ち
11992:  事と情と乖馳す。是の故に。
11993:  親は相い愛し〉疏は相い敬す〉通天下の情なり〉     (親=しん。疏=そ)
11994:  善は則ち賞し》悪は則ち懲す》通天下の義なり》是を以て
11995:  衆と安んぜんことを思う者は〉思う所を得て思う者なり〉
11996:  衆と利することを行なう者は》行う所を得て行う者なり》蓋し
11997:  地の草木を生ずる。形性千万なり。
11998:  以て柱梁と為す可し〉
11999:  以て椽桷と為す可し》
12000:  以て屋を葺く可し〉
12001:  以て席を織る可し》
12002:  以て饑寒を禦ぐ可し〉
12003:  以て痛痒を医す可し》
12004:  不斉の能なり。一の散して相い千万する。
12005:  人の才を成する亦た同じく其の中に在り。則ち
12006:  孰れか得て之を一にせん。
12007:  不一を以て。能く天下の用を済す。是の故に。
12008:  天下の道は〉愛敬に尽く〉
12009:  天下の楽は》安利に帰す》
12010:  学なる者は〉之を知る所以の者なり〉
12011:  礼なる者は》之を行う所以の者なり》
12012:  義なる者は〉其の宜なり〉
12013:  仁なる者は》其の安なり》
12014:  君なる者は〉此れを以て衆を御する者なり〉
12015:  臣なる者は》此れを以て君を輔くる者なり》
12016:  衆庶なる者は。此れを以て世に処する者なり。
12017:  善悪の天よりすると。天よりせざるとを争うに非ざるなり。
12018:  苟くも此に用いずんば。則ち衆情は適せず。天下は鼎沸す。是の故に。
12019:  天下の思行は。善悪是非にして。而して之を散ずれば。則ち其の情は千万なり。
12020:  噫。善にして情 適す〉
12021:    是にして智 感ず》
12022:  而るを奚んぞ又た或いは悪。或いは非なる。蓋し
12023:  思慮の念は〉自他 用を反す〉
12024:  是非の途は》智愚 一ならざるなり》是を以て。
12025:  悪は自ら処するに便なり〉
12026:  非は自ら弁ずるに可なり》
12027:  自ら便なりと雖も〉而も衆情に於て適せず〉
12028:  自ら可なりと雖も》而も憾を衆智に於て致す》
12029:  不適を以てして自ら適とす〉
12030:  致憾を以てして自ら是とす》
12031:  終に其の私に陥る。是の故に。
12032:  善是は則ち天下奉戴す〉
12033:  悪非は則ち四海厭棄す》
12034:  夫の各性の才を運し。各智の技を異にするが若きに至りては。是れ乃ち
12035:  天下の用を済す所にして。而して達者は好尚の一を衆に望まず。
12036:  将に保して之を持し。疏して之を通ぜんと欲するのみ。蓋し
12037:  生物の態は。美材鮮少〉而して散材衆多なり〉
12038:  聡明は得難くして。而して
12039:  聾瞽は群を成す》故に
12040:  愚は衆く哲は孤なるは〉挙世の通態なり〉
12041:  自ら利し他を遺るるは》彼我の通病なり》是の故に。
12042:  天下の為に。教を立て道を設け。其の倫を正し。其の材を生ず。
12043:  自ら安んじ人を利す。各好は同を害せず。各才は交ごも用を済す。
12044:  是の若きのみ。是の故に。               (若き=ごとき)
12045:  褒賞通達は〉惟だ其れ栄利なり〉
12046:  鞭笞刀鋸は》皆な其の鍼※なり》
12047:  若し之を置きて教を立て道を開かんと欲するも。
12048:  高明幽玄に非ざれば。則ち愚に適し惑に応ずる者は。衆を安んずる者の用に非ず。
12049:  又た彼の衆を安んぜんと欲する者は。疏通保養を知らず。
12050:  夫の人をして好尚を斉しく使めんと欲するも。人を病しむるに過ぎず。
12051:  女子の粧を為すを見ずや。
12052:  髪は膏を以て其の黒を沢す。
12053:  面は粉を以て其の白を増す。
12054:  脣は臙脂以て其の紅を添う。
12055:  小事 以て大事を説く可し。
12056:  故に人道は其の性を※賊して以て之が器を為さず。是に於て
12057:  稲を水に種え〉
12058:  禾を陸に播す》
12059:  善く其の性に熟して。以て其の物を養う。是の故に
12060:  志業 自佗の安利に於て立つる者は。之を尚しと為す。
12061:  自ら安んず 孰れか妨げん。佗を安んずるに至りては。則ち
12062:  時有り 命有り。
12063:  勢有り 才有り。此に獲ざること有り。
12064:  退きて自ら善とす。思いて位を出でず。
12065:  謹んで其の分を守る。時に可否有り。
12066:  命は如何ともす可からず。勢は争う可からず。
12067:  才は天より得る有り。然れば則ち或いは能くし或いは能くせず。
12068:  苟くも其の道を得れば。天に於て良民たることは則ち一なり。是の故に。
12069:  或いは天命を楽しんで而して其の光を韜晦せる者有り。
12070:  或いは智を天地に融して。形骸相い忘るる者有り。是よりして下は。則ち
12071:  紛若尽くす所に非ざるなり。今 紛若の各態に居りて。
12072:  己れに於て同じからざる者を尤む。狗の人を尤むると同じきこと無きを得んや。
12073:  且つ人を以て天を観れば。天なる者は公誠にして。而して人なる者は私偽なり。
12074:  有意を離れて。善悪是非無ければ。則ち其の善悪是非は。乃ち
12075:  私偽中の事なり。之を天に法れば。則ち
12076:  以て其の公を成し〉
12077:  以て其の誠を成す》然りと雖も。
12078:  天は〉則ち無意して為し〉無為して成す〉
12079:  人は》則ち有意して作し》有為して成す》是を以て。
12080:  天は自ら天境を有す〉
12081:  人は自ら人境を有す》
12082:  人は已に人境を開く。亦た自ら人の義有り。
12083:  人は已に人境を開けば。又た天地と勢を張る。
12084:  事は亦た何ぞ天と一ならん。是を以て
12085:  人は其の智巧を以て。万物に勝りて直ちに上る。是に於て
12086:  天地も亦た己れの有と為せば。則ち
12087:  人 天地を食して。天地 翻りて人中に在らん。是の故に。
12088:  天地を以て之を観れば。虎狼の人を食うと〉人の虎狼に寝処すると〉
12089:             猪鹿の稼を侵すと》人の猪鹿の居を奪うと》奚んぞ択ばん。唯だ
12090:  人は其の境を開き。天地を取りて。我の有と為す。是に於て。
12091:  虎狼猪鹿は嫉む可し〉
12092:  牛羊鶏犬は愛す可し》
12093:  若し牛羊鶏犬をして。人の意を具せば。彼の人を観ること。
12094:  豈に人の虎狼猪鹿に於けるより異なりと謂わんや。是の故に。
12095:  慣れたる所に執し。習いたる所に党す。
12096:  未だ達と謂う可からざるなり。是を以て。
12097:  人の 人の境を開く。本気に於て乏しきを以て。
12098:  用を水火土木に資す。水火土木にして。而して足らず。
12099:  之を鳥獣魚鼈に資す。
12100:  天は公を以て》而して之を悪むに意無く〉之を愛すに意無し〉
12101:  人は私を以て》而して之を愛すに意有り》之を悪むに意有り》
12102:  人は己れを私するに塞がる。故に
12103:  我が好む所を潔とす〉
12104:  我が厭う所を穢とす〉
12105:  物の惨に怒る》
12106:  人の惨に恕す》
12107:  己れの境よりして然るなり。勢なり。
12108:  故に人は人境を開き。万物を取りて。以て己れの有と為し。
12109:  物を殺して用を通ぜざること能わず。
12110:  故に殺害の中。義を建て道を論ず。
12111:  人の事なり。天に非ざるなり。蓋し
12112:  人を以て天を知る〉反せざれば則ち得ず〉
12113:  人を以て人を知る》推せざれば則ち得ず》
12114:  反比の分なり。
12115:  苟くも思い此に至らざれば。
12116:  将に天に罔くして。而して人の義に誤まらんとす。
12117: 人事に切ならざるを以て。人事の急と為す。
12118: 噫 人にして人に切なる。彝倫を外にして何ぞ。
12119: 明は進照に巧にして〉反照に拙なり〉
12120: 情は自ら恕するに便にして》人を律するに刻なり》故に
12121: 辱は背に燭し〉禍は睫に巣くう》
12122: 始に感じ本を思うは〉人の本心なり〉蓋し
12123:  人の万物を駆りて。以て之を役使するは。
12124:  智技の巧の勝れるを以てなり。蓋し智巧の物に勝るは。
12125:  思弁の運。睿明を抱く有るを以てなり。
12126:  思は鬼神を行す〉而して情は適否を抱く〉
12127:  事はINUNを運す》而して弁は当否を有す》夫れ
12128:  物は。始 有らざる靡し。
12129:     本 有らざる靡し。
12130:  已に思弁の明有りて。愛敬 酬醋に運すれば。則ち
12131:  靄然として以て其の始に感じ〉其の本を思う。是れ乃ち人心なり。
12132:  天神に祗粛す〉
12133:  君父に眷恋す》
12134:  幽明を隔てず。以て奉事して肯畔せざる所以の者なり。惟だ
12135:  利害の心。安危の慮。得るを務め失するを憂う。
12136:  順忤激縦。終に之に畔く有り。               (畔く=そむく)
12137:  明に反するを幽と曰う〉
12138:  生に反するを死と曰う》
12139:  人に非ざるに天と称す〉
12140:  生に非ざるに鬼と称す》
12141:  古よりの定言なり。
12142:  人に反して其の天を知る可ければ〉則ち
12143:  明に反して其の鬼を窺う可し》蓋し
12144:  一大地球は。舟楫の探る所。
12145:  大壌は二つにして。小壌は数を知らず。
12146:  其の国を為すや亦た衆し。
12147:  其の万国を歴視するに。智技の巧は同じからずと雖も。
12148:  神道を設けざる者無ければ。則ち始に感じ本を思う。
12149:  靄然の情。同じき者見る可きなり。
12150:  而して其の所謂神なる者は。
12151:  或いは神なり。
12152:  或いは天なり。
12153:  或いは鬼なり。
12154:  或いは妖なり。
12155:  惑者は惑に由りて之を有す。
12156:  達者は達に由りて之を有す。是の故に。
12157:  人の死生は。一気の通なり。
12158:  結すれば則ち隔す〉
12159:  解すれば則ち融す》
12160:  天地と生化すれば。痕の著す可き無し。
12161:  天は誠を成す〉
12162:  神は妙を為す》
12163:  誠妙は意を用いず。能く為し能く成す。
12164:  彼れは眷念を用いずと雖も〉     我れは則ち始に感じ本に思う〉
12165:  彼れは之を徳とすること有らずと雖も》我れは則ち恩を感じ報を思う》
12166:  君父に愛敬す〉
12167:  鬼神に祭奠す》
12168:  其の事は一なり。是の故に。
12169:  人は感じて思う有らば。則ち将に報いて謝せんとす。是に於て。
12170:  死生の間は。蘋※鐘鼓。車馬玉帛。
12171:  貧苦も材を棄つ〉
12172:  患難に身を献ず》
12173:  如し之に反すれば。則ち呪咀毒殺す。
12174:  皆な此れに外ならざるなり。是の故に。
12175:  人は苟くも始を感じ本を思う者を亡わば。則ち
12176:  何れの処としてか 父に事え君に奉ぜん〉
12177:  何れに適くとしてか天を尊び神を敬せん》
12178:  天は我を覆し〉日は我を煦す〉
12179:  地は我を載し》水は我を液す》
12180:  外にして山川雨露なり〉
12181:  内にして功業恩徳なり》
12182:  奚んぞ我れ従いて奉ぜざるを得ん。是の故に。
12183:  神道の設〉
12184:  人道の義》厚し。至れり。
12185:  人にして始に感じ本に思う者を亡わば。奚を以てか人と為さん。
12186:  明の孤にして愚の衆きは。天下の通態なり。
12187:  夫の積もる者 誠に発し。
12188:  禍福の感応に動くを観て。其の酬醋の態に駭き。       (駭き=おどろき)
12189:  財を棄て身を賊いて。媚を求め涜を致す。
12190:  衆愚は此れに痼して。殆ど医す可からず。
12191:  誠積めば 則ち冥加照然たり〉
12192:  意無ければ則ち吉凶參差なり》
12193:  瞽にして之を視る》
12194:  聾にして之を聴く》
12195:  宜なる哉。其の朦朧。是の故に。
12196:  我は則ち其の祀を過ぎて其の公誠を欽ず。
12197:  奚んぞ意技の巧拙を将て。                 (将て=もって)
12198:  衆人と闘うことを為さんや。
12199: 禍を悪み辱を羞づるは》人の良智なり》
12200: 不忍と之を敢えてすると。惟だ義之れ察す。故に
12201: 規矩を失せざれば〉則ち其の履は正し〉
12202: 栄利を慕わざれば》則ち其の操は高し》
12203: 乞より賎しくは莫く〉偸より辱なるは莫し〉
12204: 奪より暴なるは莫く》殺より惨なるは莫し》
12205: 四莫の醜は。時有りて之を敢てす。惟だ
12206: 已むことを得ざるに出づ。故に
12207: 志は操を以てして立す〉
12208: 行は勢を以てして定す》
12209: 操は剛毅に成す〉
12210: 行は時勢に権す》蓋し
12211: 衆情は。愛する所に溺る〉
12212:     好する所に淫す》
12213:     敬する所に憚る〉
12214:     逸する所に怠る》
12215:     利を見て争う〉
12216:     害を見て遯る》                   (遯る=のがる)
12217: 智は此に蒙きこと有れば。則ち
12218: 交わるに当りて人を尤め〉
12219: 御するに当りて自ら躓く》
12220: 鬼神の出没は。惟だ是れ感応なり。
12221: 之を揮けば絃誦に上る〉                   (揮けば=さしまねけば)
12222: 之を駆れば水火に趨る》鼓舞の妙なり。
12223: 火は焚け水は流る〉
12224: 鳥は飛び魚は潜む》
12225: 天地は容せざる所無し。而して其の序を乱す所莫し。故に
12226: 道を険隘に立すれば。観る可きが如くと雖も。済衆に病しむ。故に
12227: 君師は各好尚を以て衆を率いること母し。終に大同を害す。
12228: 天地は物を生して。用を此れに資す。
12229: 無益を為して〉
12230: 有益害すれば》
12231: 造化の徳に背く。故に
12232: 其の善悪は〉則ち天地の善悪なり〉
12233: 其の是非は》則ち天地の是非なり》故に
12234: 其の道を開く〉
12235: 其の党を結く》
12236: 其の徒を率ゆ〉
12237: 其の業を餬す》
12238: 大人は。保して與らず。是の故に。
12239: 君子は。天に順い誠を奉じ。仁に居り命に由る。
12240:  人と物と。同じく喜怒愛憎の情を抱きて。而して
12241:  物は戒令教訓無くして立ち。
12242:  人は戒令教訓を待ちて治まるは何ぞや。蓋し
12243:  思弁の巧。鼓舞の妙。物は之を有せず。而して
12244:  惟だ人は之を有するを以て。能く離合の勢を挟む。
12245:  已に離合の勢を挟む。合せざれば則ち壊乱至る。故に
12246:  君子は。世の為に 憂えざること能わず。
12247:      不肖の為に教えざること能わず。
12248:  人境一たび開けて。上は一を奉じて〉而して其の平を掌る〉  (掌る=つかさどる)
12249:           下は一を御して》而して其の役を執る》
12250:  勢の至る所なり。勢は則ち至る。而して
12251:  人の智解意匠は。則ち一ならず。
12252:  一ならざれば則ち世の為に憂え。不肖の為に教うるは。則ち
12253:  一なりと雖も。其の設は或いは趣きを異にす。
12254:  是れ亦た事の態なり。勢の至る所なり。蓋し人の群を為すや。
12255:  喜怒愛憎を抱きて。離合の勢を挟めば。則ち勢は。
12256:  上は一を奉じて〉而して其の平を掌り〉
12257:  下は一を御して》而して其の役を執ら使めざるを得ず》
12258:  若し剖して散するや。千万尽きず。故に其の憂えて人を教うるは。
12259:  一君一臣。以て教え以て賞で〉
12260:       以て戒め以て殺す》
12261:  若し其の事を悉せば。孰れか能く其の終を極めん。是の故に。 (悉せば=つくせば)
12262:  其の上なる者は〉赤子に父母たり〉
12263:  其の下なる者は》身首に手足たり》
12264:  已に身首の為に〉手足と為る〉
12265:  口の食う所〉目の視る所〉痛癢饑寒〉百役執らざる所莫し〉而して
12266:  亦た其の命を祗まざる所莫し》             (祗まざる=つつしまざる)
12267:  已に衆人の為に》父母と為る》
12268:  児の生養す可き所の者》防禦す可き所の者》
12269:  吉凶驩虞》百事慮らざる所莫し》而して
12270:  亦た其の事を敬せざる所莫し》故に。
12271:  下なる者は上を養う〉而して我が平を此に掌る〉
12272:  上なる者は下を御す》而して其の養を此に恃む》是に於て。
12273:  其の君なる者は〉位 上に尊し〉
12274:    臣なる者は》位 下に卑し》而して
12275:  尊卑の道は。人人 之れを知る。人人 已に之れを知ると雖も。
12276:  其の天人の分に於て。世に称せられて識者と称する者も。猶お其の分に罔し。
12277:  其の分は如何。蓋し
12278:  人境は〉自ら尊卑に用有り〉上は尊く下は卑し〉
12279:  天境は》本と尊卑に意無し》交も其の役に執る》       (交=こもごも)
12280:  苟くも愚にして思 天境に及ばざれば〉
12281:  自ら君位に傲り〉凌虐暴掠〉終に其の尊を失す〉
12282:  罔くして義 人境に明ならざれば》
12283:  下職を供せず》怨望悖逆》禍 子孫に延ぶ》是の故に。
12284:  君は民を安んずるを以て職と為す〉
12285:  臣は君を奉ずるを以て 義と為す》而して
12286:  四民は君の職を相けて。而して其の蔭に息する者なり。故に  (相けて=たすけて)
12287:  君は能く其の柄を執る〉
12288:  師は能く其の義を用う》
12289:  苟くも君は其の柄を舎て〉
12290:     師は其の義を乱せば》
12291:  毒 無窮に流る。此の故に。
12292:  智 未だ天に通ぜず〉
12293:  行 未だ人に適せず》
12294:  規規として法度を執りて相い鬩ぐ。              (鬩ぐ=せめぐ)
12295:  達者と称するに足らざるなり。蓋し
12296:  生れて或いは上と為り〉或いは下と為るは〉各おの分有るなり〉
12297:     或いは事に任じ》或いは閑に処すは》各おの地有るなり》
12298:  何ぞ擾擾として其の守を廃せんや。
12299:  敢えて其の守を廃するに非ず。惟だ人を善に誘う者は。已む可からず。
12300:  彼の世の為に憂え。不肖の為に教える者は。将に他と此の楽を楽しまんとす。
12301:  食有れば之を推す〉
12302:  衣有れば之を解く》
12303:  豈に此の楽有りて。而して人と偕にせざる可けんや。
12304:  古より仁者の心は同じく然り。然りと雖も。誘善の意は。已む可からずして。
12305:  而も事の態。勢の至る所。軌を同じくして騁すること能わず。
12306:  道は口舌に上りて。聚訟騒然。終に敵讎と為る。蓋し
12307:  人の将に真を証せんとするや。必ず天を引きて証と為す。然り而して
12308:  天人の道反す。反を以て類を証す。
12309:  其の一中に居する者異ならずと雖も。而も類を反する者。
12310:  豈に誤らざるを得んや。蓋し
12311:  人の人を知る〉其の術は推拡を貴ぶ〉而して其の反を舍てず〉
12312:  人の天を知る》其の術は反観を貴ぶ》而して其の比を舍てず》
12313:  而るを若く為さず。惟だ推拡のみ之れ務め。
12314:  終に自ら以て天を極め地を悉し。幽に入り玄を鉤す。
12315:  然れども天地は洪蕩たり。其の向う者は向うに任す〉
12316:              其の背く者は背くに従う》
12317:  我れ此れを容るるに憚らずと雖も。
12318:  若し之を天に順じ人に応ずと言わば。則ち未だなり。
12319:  今の学を習う者は。其の主に従いて。其の門を守る。
12320:  彼の主に従いて。彼の門を守る者と。
12321:  各おの其の徒を率い。相い共に巷に争う。
12322:  傍観する者をして。終に帰する所を知らざらしむ。
12323:  噫 人。七尺の身〉
12324:      百年の生》眇として斯の世に立つ。
12325:  其の日月の逾邁を傷い〉江山の依稀を感ず〉生を惜しむの情なり〉 (逾邁=ゆまい)
12326:  往り其の化の窮する所を思う》                 (往り=おりおり)
12327:  終に其の神の託する所を索む》
12328:  生を持するの疑なり》 
12329:  之を経に推す者は此の如し〉
12330:  之を緯に推すも亦た又た此の如し》
12331:  其の情疑を執して。自ら智解を生ず。
12332:  其の心の安んずる所を獲て。之を天地に拡ぐ。
12333:  其の師とする所の者は心。人を持して天を索む。         (索む=もとむ)
12334:  天は逾いよ遠し。因循薫蒸。往きて復らず。
12335:  苟くも膠固執泥に非ざれば。則ち口を此に餬するなり。
12336: 道を人に尽す〉
12337: 命を天に待つ》
12338: 
12339:  人道天命
12340:  親疏尊卑図
12341: 
12342:   天命
12343: 天より之を言えば〉則ち為す者は気なり〉成す者は天なり〉
12344: 人より之を言えば》則ち致す者は我なり》至る者は彼なり》
12345: 我なる者は〉善悪機す〉
12346: 彼なる者は》吉凶事す》
12347: 我なる者は》之を如何ともす可きなり》
12348: 彼なる者は》之を如何ともす可からざるなり》
12349: 之を如何ともす可きは則ち人〉
12350: 之を如何ともす可からざるは則ち天》人中の天人なり。
12351: 死生通塞なる者は〉天よりす〉
12352: 殺活与奪なる者は》人よりす》
12353: 天よりする者は〉気は為し天は成す〉
12354: 人よりする者は》我は致し彼は至る》
12355: 為成致至。来して当する者は時なり〉
12356:      処して遇する者は地なり》
12357: 来当するよりして之を観れば》則ち天に非ざる者無し〉
12358: 処遇するよりして之を観れば》則ち命に非ざる者無し》故に
12359: 天は其の時に当すれば〉夏す〉冬す〉古す〉今す〉
12360: 物は其の時に遇すれば》栄す》枯す》生す》化す》故に
12361: 時は来して当す〉
12362: 人は往して遇す》
12363: 彼は来して当す〉
12364: 我は往して遇す》
12365: 当するよりして天と曰う〉
12366: 遇するよりして命と曰う》
12367:  統して之を言えば〉則ち人も亦た天なり〉天も亦た気なり〉
12368:  分して之を言えば》則ち天は天神を分し》人は彼我を分す》故に。
12369:  之を天と謂うは〉有意を以て〉無意に任ずればなり〉
12370:  之を命と謂うは》有作を以て》有為を受くればなり》
12371:  惟だ能く其の無意を知る〉是を以て之を天に委す〉
12372:  惟だ能く其の成を知る》 是を以て其の地に安んず》
12373:  有意よりして遇と謂う〉
12374:  受よりして 命と謂う》
12375:  惟だ能く其の有意を知る〉故に其の同を己れに求めず〉
12376:  惟だ能く其の受を知る》 是を以て其の外に詭遇せず》
12377:  已往は諌す可からず〉                  (諌す=ただす)
12378:  来者は猶お追う可し》
12379:  当者に安んず〉
12380:  遇者に慎しむ》故に
12381: 天人は。気を同すれば〉則ち為 同なり〉
12382:     意を反すれば》則ち態 異なり》是に於て
12383: 為作は分す。是を以て。来者は当す〉
12384:            往者は遇す》則ち
12385: 為成致至は。参差として錯綜す。市人の相い面するが如き然り。
12386: 来するや〉機に発す〉
12387: 往するや》跡に成す》
12388: 機なる者は〉侌なる可し〉
12389:       昜なる可し〉
12390:       天なる可し〉
12391:       地なる可し〉
12392:       修む可し〉
12393:       荒む可し〉
12394:       活す可し〉
12395:       殺す可し〉
12396: 由りて来する所を知らず〉
12397: 触れて変する所を測らず〉
12398: 跡なる者は》侌なり》
12399:       昜なり》
12400:       天なり》
12401:       地なり》
12402:       修なり》
12403:       荒なり》
12404:       殺なり》
12405:       活なり》
12406: 変する所に成す》
12407: 触るる所に揜わず》
12408:  機は其れ射か。意は未だ触れざれば。則ち殺活相い忘る。
12409:  触るれば則ち殺活跡を成す。是の故に。
12410:  機 触るれば則ち跡有り。跡有れば。則ち窺う可し。是を以て
12411:  機触れ跡成りて。対待 分す。
12412:  対待既に分すれば。柔は剛に非ず。剛は柔に非ず。惟だ其の一なり。
12413:  天を転して已まず〉
12414:  地を持して息まず》
12415:  目の明を蔽わず〉
12416:  耳の聡を隔せず》
12417:  寒暑は相い通す〉
12418:  升降は碍げず》
12419:  剛ならず柔ならず。剛柔ならざるに非ず。
12420:  或ひと曰く。火は無より生して有り。
12421:  有よりして無に帰す。斯の若きは如何。
12422:  曰く。無なれば則ち火に非ず〉有なれば則ち無に非ず〉
12423:     燃ゆれば則ち暗に非ず》滅すれば則ち明に非ず》
12424:  跡は則ち二なり〉
12425:  跡を為す者は二に非ず》是の故に。
12426: 来すれば則ち当せざる靡し〉
12427: 往すれば則ち遇せざる靡し》
12428: 吉に遇うを福と曰う〉
12429: 凶に遇うを禍と曰う》
12430: 吉に遇わざれば則ち凶に遇う〉
12431: 凶に遇わざれば則ち吉に遇う》
12432: 勢は平を持し難く。力は両全たること難し。
12433: 勢力は同じからず。而して時機の変は預し難し。
12434:  弧矢を以て之を喩えるに。
12435:  弧矢は。物なり。
12436:  弛張は。事なり。
12437:  弛張をせざることを得ざる者は。勢なり。
12438:  弛張に勝る者は。力なり。
12439:  以て弛張す可く。以て弛張す可からざる者は。時なり。
12440:  以て弛張す可く。以て弛張せざる可き者は。機なり。是の故に。
12441:  機の触るるに由りて時なる者は。哲者も之を預すること能わず。是れ
12442:  時変の無窮なる所以なり。事の勢に随いて赴く者は。庸人も必ず察す。
12443:  是れ事理の無二なる所以なり。
12444:  時機は知る可からず。事勢は如何ともす可からず。故に
12445:  時を権りて動き。機を見て作す者は。其の身を辱しめず。
12446:  勢に随いて上下し。事に臨みて揣摩する者は。将に其の身を辱しめんとす。
12447:  故に哲者は。機を慎しみ。有力者は機を回らす。是の故に。      (回らす=めぐらす)
12448: 姦邪暴虐は〉衆を挙げて目を反すれども〉而も之をして窮せ使むること能わず〉
12449: 温厚慈愛は》世を挙げて目を注すれども》而も之をして達せ使むること能わず》
12450: 苦節は人以て之を愛し〉衛生は自ら以て之を護すれども〉而も之をして寿なら使むること能わず〉
12451: 悖徳は世以て之を厭い》縦慾は自ら以て之を棄つれども》而も之をして夭なら使むること能わず》
12452: 故に。其の事に意無くして〉而して能く其の事を為する者は〉気なり〉
12453:    其の事に意無くして》而して  其の事の成する者は》天なり》
12454: 愛せば則ち之を奉ず〉
12455: 悪めば則ち之を棄つ》
12456: 思惟謀慮して。以て殺活与奪を為す者は。乃ち人なり。然り而して殺活与奪。
12457: 我よりする者は〉養う可きなり〉慎しむ可きなり〉故に之を修す〉
12458: 彼よりする者は》養い難し》慎しみ難し》故に之を俟つ》是を以て。
12459: 修荒は天に在らず〉志行を以て之を言う〉
12460: 禍福は己に在らず》天命を以て之を言う》
12461: 機は触れ勢は走る〉
12462: 力は持し跡は成す》故に。
12463: 触るる者は測る可からず〉
12464: 走る者は回らす可からず》      
12465: 持する者は争う可からず。
12466: 定する者は変る可からず。
12467:  譬えば暗に棊子を取りて以て之を擲つが如し。
12468:  奇偶參差し。我の欲する所に或いは会し或いは否す。
12469:  奇偶ならざるを得ざる者は〉勢なり〉
12470:  之を奇偶にする者は》   力なり》
12471:  奇を発し偶を発する者は。機なり。奇偶は成りて揜わず。
12472:  跡 已に定まる。然り而して奇を欲し偶を欲する者は。人の私なり。
12473:  奇偶は己の欲するが為にして来るに非ず〉
12474:     己の欲する所に違いて来らざるに非ず〉
12475:  其の然る者は。己の求むる所の者と。会する有り。違する有り。是れ
12476:  時の避く可からず。命の遁るる可からざる所以なり。惟だ
12477:  天を以て徒然と為す〉故に
12478:  無意を侮り〉誠を信ぜず〉其の蔽や放なり〉
12479:  惟だ神を観て有意と為す》故に
12480:  鬼神に於て役せられ》因果に陥る》
12481:  之を数に問い》之を前定に委ぬ》其の蔽や愚なり》
12482: 善悪の帰する有る者は〉誠なり〉
12483: 治乱の定まらざる者は》勢なり》
12484: 我は有意の為を以て〉
12485:   無意の成を観る》
12486: 成は意の期する所に会すれば〉則ち順を為す〉
12487:   意の期する所に会せざれば》則ち逆を為す》此の故に。
12488: 遇の順逆は。無意に成す〉
12489:       有意に分す》
12490:  世 或いは意う。命なる者は。天の賦する所にして。     (意う=おもう)
12491:  人人生前預め定まり。人は各おの之を負荷して行き。
12492:  天なる者は。穆然として上に居り。以て命を物に於て賦し。
12493:  又た能く臧否を察して。賞罰を降すと。           (臧否=そうひ)
12494:  是に於て。水火兵歳の人に災いするに。
12495:  千万人を兼ねて一時に竭する者を見て。之に惑う。
12496:  譬えば茲に二臣有らんに。
12497:  同じく君命を危難の際に奉じ。将に東西に使いせんとす。而して
12498:  舟を港口に繋ぎて。風を待たんに。
12499:  時 方に西風起り。東舟乃ち発せん。            (方に=まさに)
12500:  二臣 各斉しく忠を懐い。各斉しく急を憂う。然り而して
12501:  東使は忠懐以て伸び。功名以て遂ぐ。
12502:  西使は忠懐伸びず。 功名遂げず。
12503:  風は豈に意有らんや。風に遇う者に意有るのみ。
12504:  縦使東使以て天 己れを獲すと為し。            (縦使=たとい)
12505:    西使以て天 己れを棄つと為すも。 亦た有意の窺窬のみ。
12506:  其の成る者〉己の欲する所に会えば〉則ち我に順がうなり〉
12507:        己の所する欲に違えば〉則ち我に逆らうなり〉
12508:  天は果して預め命を定むるか〉
12509:  何ぞ西使を悪み〉何ぞ東使を愛するか〉
12510:  至る者は〉命の正なり〉豈に多寡の事ならんや〉
12511:  水の漲ぎるを視て渉る》
12512:  火の熾なるを視て踏む》
12513:  寇を招きて致す》
12514:  耕さずして餒す》
12515:  致す者は》命の非なり》豈に多寡の事ならんや》
12516:  下なる者は。命を上に受く。
12517:  士は顛沛の厄に死す〉
12518:  民は饑荒の歳に餓す》
12519:  我れ之を如何ともす可からず。
12520:  上なる者は。命を下に制す。
12521:  其の将牧たる者は。失策を悔いず。倉を発くことを知らず。  (発く=ひらく)
12522:  手を之を如何ともす可きに拱す。故に
12523:  天なる者は〉下を観監して〉賞罰を降す者に非ず〉惟だ誠の揜う可からざる有り〉
12524:  命なる者は》生前預め之を各各に賦するに非ず》惟だ当遇の事を定む》
12525:  天人を以て之を分すれば〉則ち為成なる者は〉天なり〉
12526:                致至なる者は〉人なり〉
12527:  我より之を言えば》至る者も亦た成する者なり》惟だ
12528:  致す者にして我の為す者なり》
12529: 孝悌の父兄に親しまれ〉忠信の君上に信ぜられ〉
12530: 身を修むれば人は従い〉徳を施せば福の随うは〉
12531: 是れ遇の順〉事の当然にして〉有意の愉とする所の者なり〉
12532: 孝悌の父兄に親しまれず》忠信の君上に信ぜられず》
12533: 身を修めて人に悖られ》徳を施して禍を結ぶは》        (悖る=はばかる)
12534: 是れ遇の逆》事の不当然にして》有意の不平とする者なり》是の故に。
12535: 意を以て之を分かてば〉則ち順逆有り〉
12536: 道を以て之を修むれば》則ち正非有り》
12537: 為す者は己れよりす〉
12538: 成る者は我に在らず》故に。
12539: 為す者を尽して〉遇う者の順逆を問わず〉惟だ命有りと曰う〉
12540: 己れを修して遇う所に於て安んず》惟だ命を俟つと曰う》蓋し。
12541: 君子の命に於ける〉俟ちて謀らず〉正しく之に当る〉
12542: 小人の命に於ける》謀りて俟たず》詭りて之に遇う》故に惟だ
12543: 君子にして〉以て天と曰い命と曰う可し〉
12544: 小人にして》未だ以て天と曰い命と曰う可からず》正非の分なり。
12545:  君子は〉正履の外に於て冀遇せず〉
12546:  小人は》幸を詭遇の中に於て謀る》蓋し
12547:  農の田に於ける。種植すること時に後れず〉
12548:          耕耘すること力を省かず〉
12549:          当に稼の多きに遇うべし〉
12550:  然れども其の多寡は猶お自ら必とす可からず〉
12551:  若し獲の寡きを悪んで》而して種植を時にせず》耕耘に力せずんば》
12552:  縦い之を獲る有りとも》幸なり》故に
12553:  穡の寡きを以て〉   稼の務めを改めず〉之を良農と為す〉    (穡=しょく)
12554:  稼の事に倦んで》而して穡の多きを望む》 之を惰農と為す》是を以て。
12555:  命なる者は俟つ可し〉
12556:  謀る可からざるなり》
12557:  俟つ者は〉従容として之に当たるの謂にして〉而して期するの謂に非ず〉
12558:  忠信孝悌なる者は〉天の則なり〉我れ従いて之を履む〉
12559:  親疏信否なる者は〉人の機なり〉我れ正しく之に当る〉
12560:  謀なる者は》冀遇して之を求めるの謂にして》而して慮の謂に非ず》
12561:  親信を阿順に迎え》忌諱を足恭に避く》
12562:  履む可きを履まず》而して幸を外よりする者に於て冀う》
12563:  足恭阿順の時に遇うや。必ず忠信孝悌の世に容れられざるを笑わん。
12564:  世に容れられざるは〉命なり〉
12565:  時に遇する者は》  幸なり》
12566:  詭遇の遇〉君子は迎えず〉
12567:  正履の厄》丈夫は寧ぞ之を避けんや》是れ             (寧ぞ=なんぞ)
12568:  其の俟ちて謀らざる所以なり。謀れば則ち俟たず。
12569:  俟たざれば則ち詭遇す。詭遇すれば則ち至らざる所莫し。故に
12570:  為する者は己れに在りて〉而して之を如何ともす可き者なり〉故に
12571:  遇を正非に於て分つ〉
12572:  成る者は我に在らずして》而して之を如何ともす可からざる者なり》故に
12573:  遇の順逆に従う》
12574:  譬えば此に二人有らんに。其の一人は〉飯を餐して死す〉
12575:              其の一人は》酖を飲んで死なず》     (酖=ちん)
12576:  人は親しく之を見ると雖も。何ぞ飯之を舎てん〉酖之を飲まん》故に
12577:  之を 之を如何ともす可からざる者に於て問わず。故に
12578:  寧ろ正を得て斃るとも。而も不正を以てして存するを希わず。
12579:  貧賎は常に憤憤たり〉
12580:  富貴は猶お怏怏たり》
12581:  纔に払戻する所有れば。則ち色を起して曰く。善に利無し。命は言うに足らず。
12582:  天は報無し。悪を縦にす可きと。是れ乃ち          (縦=ほしいまま)
12583:  正に天と市とを為すを欲するなり。
12584:  出処 操守を忘る〉
12585:  取捨 争奪を致す》
12586:  禍の伏す所を知らず〉
12587:  辱の従う所を顧みず》
12588:  頑然として動く〉
12589:  敖然として畏るること無し》是れ乃ち天を以て既に休すと為すなり。
12590:  君子は豈に富貴を悪み〉而して貧賎に就く〉
12591:  安佚を厭いて》而して艱難に従う者ならんや》
12592:  則を履みて正しく立てば。来たる者は之れに当る〉
12593:              去る者は追わず》
12594: 身を失う者は〉好んで危の地に立つ〉
12595: 義を失う者は》好んで利の所在に就く》
12596: 好んで危の地に立つ者は〉之を如何ともす可き者に於て〉
12597: 而も之を如何ともせず〉
12598: 好んで利の在る所に就く者は》之を如何ともす可からざる者に於て》
12599: 将に之を如何ともせんとす》
12600: 慾を縦にして養を忘る〉
12601: 情を蕩にして身を忘る》
12602: 難を見て散ず〉
12603: 利を逐いて聚る》
12604: 得喪存亡は。則ち同じからずと雖も。而も正を失するは則ち同じ。
12605: 有する者は〉徳なり〉
12606: 発する者は》道なり》
12607: 車を推す者は之を竪にす〉
12608: 布を織る者は之を横にす》
12609: 物の則を有する所以なり。
12610: 無意なる者は〉自ら道に随う〉
12611: 有意なる者は》則に由ら使む》
12612: 則に由るは〉之を修と謂う〉
12613: 則を棄るは》之を荒と謂う》
12614: 君子は未だ其の荒を以て。道徳と為さず。是の故に。
12615: 道と随う者は〉天福を得る〉
12616:  高を極むる者は〉足を立つるに難し〉
12617:  満を持する者は》手に失するに易し》
12618:  美味は毒を含む〉
12619:  美器は禍を載す》
12620:  其の禍機を熟察すれば。則ち
12621:  奚んぞ鴆を玉饌に和し〉
12622:     火を錦嚢に裏むに異ならん》
12623:  貧富は相い従う〉
12624:  貴賎は相い伴う》
12625:  富貴は何ぞ必ずしも之を天福と謂わん。是の故に。
12626:  痒を掻きて痛快と呼ぶ〉惟だ同病の人のみ之に和す〉
12627:  ※を羹にするも亦た聊か足れり》独り爽口の人のみ之を愍む》 (※=かく、羹=こう、
12628:  苟くも地の為に遷され〉                        聊か=いささか)
12629:     物の為に転ぜらるれば》則ち烏んぞ          (烏んぞ=いずくんぞ)
12630:  其の憂楽する所を。憂楽することを得ん。
12631:  掻痒の快を楽しみ〉
12632:  羹※の味を憂うるは》此れ世人の憂楽なり。
12633:  其の天福を福とせず〉
12634:  其の人禍を禍とせず》
12635:  富貴に朶頤す〉                      (朶頤=だい)
12636:  歓楽に引涎す》
12637:  蔬食藍縷〉疾苦の地と為す〉
12638:  快意縦慾》得意の地と為す》夫れ
12639:  名誉は人を動かせば〉則ち人は必ず垢を洗いて瘢を求む〉
12640:  功業は世を蓋えば》 則ち世は必ず膽を墜して後を畏る》
12641:  甘と雖も毒を含む〉
12642:  美と雖も禍を載す》
12643:  未だ其の道に達せず。而して
12644:  毒は饌より出で〉火は嚢より発すれば〉則ち悟ると雖も亦た既に晩し。
12645: 勢と忤う者は》人禍に遇う》
12646:  君子は間暇を従容す。
12647:  道に離れず〉
12648:  勢に忤わず》
12649:  如し二者を全うすることを得ざれば。則ち勢を問わず。
12650:  志士は〉激励憤発〉守を遜にして勢に処すること能わず〉
12651:  身を殺して義を害する有り〉
12652:  怯者は》勢を畏れて邪正を問う無し》
12653:  利者は》勢に走りて可否を問わず》
12654: 天禍を安んじ〉人福に矜らざるは〉 君子の恬なり〉      (矜る=ほこる)
12655: 人福に喜こび》天禍に安んぜざるは》小人の操なり》
12656:  天人。機は常に触れ。勢は常に走る。故に
12657:  人と無く。物と無く。智愚と無く。強弱と無く。
12658:  紛若として此の中に遊ぶ。
12659:  道なる者は〉徳の発なり〉
12660:  徳なる者は》道の有なり》
12661:  勢なる者は〉力の走る所なり〉
12662:  力なる者は》勢の立つ所なり》
12663:  天人は各おの然り。故に
12664:  徳は至れりと雖も〉而も勢に拠らずば則ち困す〉
12665:  道は正なりと雖も》而も力 無ければ則ち窮す》惟だ
12666:  上なる者は〉宜しく之に拠るべし〉
12667:  下なる者は》宜しく之に従うべし》
12668:  宜しく之に拠るべくして〉而して之を縦にすれば〉則ち上下の情離る〉
12669:  宜しく之に従うべくして》而して之を竊めば》  則ち上下の道乱る》是を以て。
12670:  道を舎てて勢に従えば〉廉恥の心を用うる所無し〉
12671:  道を離れて勢を弄せば》縦肆の慾を逞しくせざる所無し》
12672:  道に厭飫し〉勢に従容たれば〉則ち処に随いて楽しむ〉
12673:  勢に揣摩し》道に婆娑たれば》則ち楽地有りと雖も》得て安んぜず》故に
12674:  勢力に事うる者は〉道を見ず〉               (事うる=つかうる)
12675:  道徳を修むる者は》勢を忘る》
12676:  勢は力を以て強し〉 故に理の上に於て伸び易し〉
12677:  理は道を以て明なり》故に勢の下に於て屈せず》
12678:  為に可否有り〉
12679:  遇に幸不幸有り》
12680:  為の可否は〉 素より事の前に於て定まる〉
12681:  遇の幸不幸は》更に 事の後に於て定まる》
12682:  為す者は預めす可く〉
12683:  遇う者は預めす可からず》
12684:  預め遇う者を謀れば〉
12685:  可否を択ぶに意無し》
12686:  預め為す者を択べば〉
12687:  幸不幸を問うに遑あらず》故に               (遑=いとま)
12688:  遇う所の幸不幸の跡を執り〉
12689:  為す所の可否の実を察せず》
12690:  毀誉是非する所。未だ声主の道を得ず。故に
12691: 有意に務めて〉而して無意に任す者は〉天を怨まず〉
12692: 有作に務めて》而して有為に受く者は》人を尤めず》
12693:  致す者は〉我が機なり〉
12694:  至る者は》他が機なり》故に
12695:  諸を人に在るの機に求めず〉而して
12696:  己よりするの機に慎しむ》
12697:  苟くも此の機を察せざれば。則ち
12698:  過を己に於て恕す〉
12699:  備を人に於て求む》
12700:  柔を責むるに剛を以てす〉
12701:  剛を責むるに柔を以てす》是れ乃ち人を尤むるなり。
12702:  人なる者は〉有意にして為す〉
12703:  天なる者は》無意にして成す》故に
12704:  殺活与奪の為〉
12705:  死生通塞の成》參差にして遇す。豈に天を怨まんや。
12706:  道を履めば〉則ち仰ぎて※る無し〉             (※る=はじる)
12707:  徳を修めば》則ち内省して疚しからず》
12708:  是れ乃ち天を楽しむ者なり。
12709: 履むや則に循す〉遇は焉んぞ正ならざらん〉
12710: 履むや則に失す》遇は焉んぞ非ならざらん》惟だ
12711: 目病めば則ち乱花を大虚に於て看る〉
12712: 耳病めば則ち蝉噪を空漠に於て聴く》窺窬の病いを為すなり。
12713:  福は必ず善人に於てし〉
12714:  禍は必ず不善人に於てするか〉否なり〉
12715:  福は果して善人に於て期せず〉
12716:  禍は果して不善人に於て期せざるか》否なり》
12717:  蓋し天人は各おの其の所能を有す。惟だ
12718:  能く天を転して人を為す〉其の有意を以て〉而して
12719:  喜怒愛憎〉殺活与奪は〉是れ人の所能なり〉
12720:  惟だ人を容して天を成す》其の無意を以て》而して
12721:  聚散往来》死生通塞は》是れ天の所能なり》
12722:  憎みて其の亡びんことを思う〉
12723:  愛して其の栄えんことを思う》
12724:  縦使其の事の正に出づるも。亦た有意の私なり。       (縦使=たとい)
12725:  況んや其の未だ全く正に出でざるをや。
12726:  無意を窺うに〉
12727:  有意を以てす》故に
12728:  報応に惑い。又た其の必とし難きに疑う。
12729:  無意にして為す者は〉天なり〉
12730:  無作にして成す者は》誠なり》
12731:  往して停せざる者は〉勢なり〉
12732:  来して当する者は》 時なり》
12733:  往して回らす可からず〉
12734:  当して避ける可からず》是を以て。
12735:  機を転し勢を回らす者は〉人の能なり〉
12736:  機転し勢回る者は》   人の能とする所に非ざるなり》是の故に。
12737:  死生通塞なる者は〉 天なり〉
12738:  之を死し之を生し〉之を通し之を塞す者は〉気なり〉
12739:  死生通塞を致す者は》人なり》
12740:  今将に一定の理数報応を以て。以て命を論ず。
12741:  弁懸河の如しと雖も。識者惑わざるなり。
12742: 或いは有意を天に於て望み。或いは禍福を理に帰す。
12743: 或いは諸を自使に偏にし。為成の分に罔し。而して天命の事に惑うなり。
12744: 慎みて天人を弁ず〉
12745: 能く 致至を分す》
12746: 熟しく之を古に稽う〉               (熟しく=くわしく。稽う=かんがう)
12747: 深く 之を今に量る》
12748: 可否を知りて〉
12749: 損益を審にす》                  (審=つまびらか)
12750: 衆の 好悪する所を察す〉
12751: 百家の是非する所を考う》
12752: 能く体し能く忖る〉                (忖り=はかり)
12753: 容るること広く択ぶこと審にして》
12754: 諸を事物に推して謬らず〉
12755: 諸を天地に試みて差わず》
12756: 権は経に合し。義は宜に適す。礼中し。智通し。用活し。応変し。
12757: 内に於て有する者は安んず〉
12758: 外に於て行する者は歉たり》            (歉=けん)
12759:  有する者は発す〉
12760:  発すれば則ち行す》
12761:  有する者は〉徳なり〉
12762:  行する者は》道なり》
12763:  天は無意を徳とし〉成を道とす〉
12764:  人は有意を徳とし》為を道とす》
12765:  人は〉為して成する能わず〉
12766:  天は》成して為する無し》故に
12767:  君子は為に務めて〉成に謀らず〉
12768:  小人は成に求めて》為に務めず》
12769:  成るを求めて為す者は〉悔いること多し〉
12770:  為して成るを望む者は》尤めること多し》
12771:  意は善悪を統ぶ〉
12772:  為は邪正を具す》有す宜くして有す。
12773:  行う宜くして行う。而して後 君子の道徳なり。是の故に。君子は。
12774:  人の同じく欲せざる所の者を徳とせず〉
12775:  己の独りする所の者を   道とせず》
12776:  人の同じく欲する所を得れば〉則ち其の徳や美なり〉
12777:  己の独りする所に由れば》  則ち其の道や偏なり》
12778:  嘉穀美材有りと雖も。耘※潅培せざれば。則ち成らず。故に   (耘※潅培=うんしかんばい)
12779:  道徳も修めざれば。我の所謂道徳に非ず。
12780:  修とは。耘※潅培の謂なり。耘※潅培せざれば。則ち長ぜず。
12781:  如し果して長ぜざる可くんば。則ち孰れか敢て耘※潅培せん。
12782:  内交外修して。而して偏廃せず。
12783:  安んぞ之を有し。正しくして之を行わん。
12784:  耘※潅培の功 大なり。
12785:  修を観て目して偽と為る者は有り〉是れ
12786:  将に秕※を甘んじ食いて〉而して耘※潅培に荒せんとす〉    (秕※=ひえん)
12787:  修を以て聖を誣うる者有り。
12788:  将に※樟の天に参するを禾苗に於て望まんとす》        (※樟=よしょう)
12789:  有する者は己に足れば〉則ち外に務めて物に徇わず〉
12790:  行なう者は則に循えば》則ち荊棘を披き》岸崖を冒さず》
12791:  徳や〉諸を天地に求めて〉有らぬ所無し〉
12792:     諸を毛髪に尋ねて〉得ざる所無し〉
12793:  道や》諸を宇宙に放ちて》行せざる所無し》
12794:     諸を涓埃に置きて》発せざる所無し》
12795:  天地は既に之を舍つること能わず〉
12796:  鬼神は安んぞ之を外にす可き》
12797:  物有れば必ず則有り。則なる者は理故の所在。
12798:  則を得て徳 成す〉
12799:  則に由て道 立す》
12800:  得を以て徳を為す〉猶お善悪の心に戦うなり〉故に
12801:  成徳なる者は〉之を己に於て有する在り〉
12802:  由を以て道と為す》猶お邪正の前に争うなり》
12803: [故に道に達する者は己よりして行うに在り〉]
12804:  得なる者は宜しく択ぶべし〉
12805:  由なる者は宜しく審にすべし》
12806:  有する者は宜しく養うべし〉
12807:  行する者は宜しく慎しむべし》
12808:  仁者は〉得て之に居る〉
12809:  義者は》由て之を行う》
12810:  智者は之を知る〉
12811:  能者は之を能す》
12812:  之を得んと欲して教を信ぜず〉
12813:  之に由んと欲して則を求めず》               (由んと=よらんと)
12814:  志は則ち是なり〉
12815:  為す所は則ち非なり》故に
12816:  之を得て之に由るは〉問学に在り〉
12817:  之を有し之を行うは》自達に在り》而して
12818:  徳は衆を安んずるより大なるは莫し〉
12819:  道は物を済すより  大なるは莫し》天下の成功なり。    (済す=なす)
12820:  夷険は一ならず〉
12821:  情態は各異なるなり》故に
12822:  大道は小道を廃せず〉狭斜隘巷も〉以て資する所有り〉
12823:  大徳は小徳を舍てず》※※※※も》以て用する所有り》惟だ
12824:  沾沾として小徳に甘んじ〉
12825:  規規として小道を求む》大人は為さず。
12826:  涼徳は人を害す〉故に之を懲す〉
12827:  左道は衆を惑す》故に之を塞ぐ》
12828:  左道 塞がれば〉則ち衆望正し〉故に済物の功立つ〉
12829:  涼徳 懲すれば》則ち衆害弭む》故に安衆の沢成る》故に
12830:  之を以て勢に拠る者は〉 大に制作して以て化を世に被る〉礼楽は是に於てか成る〉
12831:  勢無くして之に任す者は》能く祖述して以て教を後に垂る》法度は是に於てか伝わる》
12832:  制作する者は〉君の事なり〉
12833:  祖述する者は》師の任なり》
12834:  之に志す者は〉志士なり〉
12835:  之を為す者は》聖者なり》
12836:  損益を知らざる者は〉制作する能わず〉
12837:  小大を弁ぜざる者は》教を垂ること能わず》故に
12838:  人をして雍雍の化を被ら使めざるは〉君の不能なり〉
12839:  人をして正大の道を履ま使めざるは》師の不良なり》故に
12840: 天を知り命を知るは〉学者の務めなり〉
12841: 命に安んじ天を楽しむ者は》聖者の事なり》
12842: 事に於て聖に従わずんば。難きかな免かれんことを。
12843: 
12844: 玄語人部
12845: 
12846: 玄語
12847:  小冊 物部大小
12848:   大物  並図
12849:   小物  並図
12850:   混物  並図
12851:   粲物  並図
12852: 
12853:  玄 語
12854:   日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
12855:  小冊 物部大小
12856:   大物
12857: 天なる者は精なり〉時を経にし処を緯にす〉
12858: 物なる者は麁なり》神は経に通し》物は緯に塞す》
12859: 神は体無し〉体を物に於て露す〉
12860: 物は主有り》主を神に於て見す》是を以て。
12861: 天地は物にして立す〉
12862: 天神は気にして活す》
12863: 天地は大なり。偏立して一を全す。
12864: 一の全にして成す〉
12865: 二の偏にして立す》
12866: 偏は成具を立す。
12867: 一一はINUNす。INUNは物を化す。小は大に散す。
12868: 剖析して散す〉
12869: 対待して偶す》
12870: 統散有りと雖も。而も同じく物を為すなり。
12871: 物なる者は。天地なり。
12872: 天地は相い得て。物は能く全たり。是を以て
12873: 小なる者は大の含む所と雖も。而も
12874: 各おの天地を全す。同じく彼此の勢を張る。夫れ
12875: 天地は体にして成す。
12876: 象質は性にして成す。
12877: 成具は偏を合す〉
12878: 大物は一を立す》
12879: 神は活して用す〉
12880: 物は立して体す》
12881: 転は外を保す〉
12882: 持は内を運す》
12883: 実は止して体を持す〉
12884: 虚は動して地を化す〉
12885: 大物の核子は〉潤濁の体を以て〉寒を結して暗を散す〉蓋し。
12886: 天なる者は》一気の本幹》
12887:        乾清の気を以て》熱を聚して明を播す》
12888: 明熱は聚すれば則ち火なり〉解すれば燥にして能く煦す〉
12889: 暗寒は散すれば則ち影なり》結すれば水にして能く滋す》
12890: 燥は能く煦す〉而して能く其の中に火を発す〉
12891: 水は能く滋す》而して能く其の外に湿を解す》
12892: 日月景影は〉上に旋転す〉
12893: 水火湿燥は》下にINUNす》故に
12894: 物は一円球を露す。而して地は結し天は散す。
12895: 性体の物は〉没露隠見す〉
12896: 経緯の気は》運転呼吸す》
12897: 火は発し水は収す〉
12898: 気は升し質は降す》
12899: 其の気は則ち鬱発達斂。凝融粛舒す。
12900: 天の処を為す者は〉則ち景影なり〉星辰は象を其の間に鋪す〉
12901: 地の処を為す者は》則ち水燥なり》雲雨は質を其の中に散す》
12902: 天時は上に行す〉
12903: 歳運は下に旋す》
12904: 日は転し影は追す〉
12905: 水は滋し燥は煦す》
12906: 色を成する者は〉更るがわる昼夜を行す〉
12907: 気を為する者は》代るがわる冬夏を為す》
12908: 地は拗突して水陸を列す〉
12909: 気は動止して風恬を為す》
12910: 端を南北に奉して〉而して地の両極を定す〉
12911: 線を東西に環して》而して地之中界を分す》
12912: 然り而して物と我と。能く其の中に遊すなり。故に
12913: 天なる者は〉清浄の府なり〉
12914: 地なる者は》穢濁の蔵なり》而して
12915: 其の穢濁の中は。処を水陸に分す。
12916: 水なる者は地に居す〉
12917: 陸なる者は天に居す》
12918: 天中〉気 守すれば則ち恬なり〉雲雨は茲に路す〉       (茲=ここ)
12919:    気 旋すれば則ち風なり〉侌晴は茲に任ず〉
12920:  同じく是れ一気なり。
12921:  動なれば則ち麁も能く横旋す〉
12922:  静なれば則ち精も能く竪立す》
12923:  風恬の成する所以なり。                   (風恬=ふうてん)
12924:  静なれば則にち能く竪立す〉故に
12925:  升降は同じく容して〉而して行を物に任す〉
12926:  雲は之に従いて升す〉
12927:  雨は之に従いて降す〉
12928:  升は降を碍げず〉以て恬の精を観る〉
12929:  麁なれば則ち能く横旋す》故に
12930:  縦横は相い拒して》而して物を己に靡かす》         (靡かす=なびかす)
12931:  或いは雲雨を率いて縦す》
12932:  或いは雲雨を率いて横す》
12933:  縦は横を容れず》以て風の麁を観る》
12934:  地なる者は天に資す〉故に天の有する者は〉地能く之を有す〉
12935:  天なる者は》地と並立す》故に
12936:  一の有する者は一能く之を反す》是の故に
12937:  持の風恬に於けるは》猶お天の転持に於けるがごとし》是を以て。
12938:  其の天に大なる者は〉地に小なり〉
12939:    地に大なる者は》天に小なり》
12940:  天なる者は〉動の分なり〉故に動は天より大なり〉
12941:  地なる者は》静の分なり》故に恬は地より大なり》
12942:  大小有りと雖も。亦た各おの之を有す。故に
12943:  気は持中に動きて風を為す〉之を天の転に比すれば則ち微なり〉
12944:  質は持中に止して恬を為す》之を天の極に比すれば則ち大なり》
12945:  動静なる者は。虚実の用を為す所なり。
12946:  気体は各おの之に由る。夫れ
12947:  持中の事。風恬は猶お転持のごとし〉
12948:       雲雨は猶お日月のごとし》
12949:  天は質を容れず〉 乾燥 性を為す〉故に
12950:  象熱にして乾燥す〉
12951:  転冷にして乾燥す〉
12952:  地は象を主とせず》潤湿 物を結す》故に
12953:  質冷にして潤湿す》
12954:  持温にして潤湿す》是を以て。
12955:  月は水に似たると雖も〉而も地水の潤湿に於て異なる〉
12956:  火は日に似たると雖も》而も天日の乾燥に於て異なる》故に
12957:  竪気は温潤にして〉雲を升し雨を降す〉其の気は濁なり〉
12958:  横気は冷燥にして》侌を招き晴を致す》其の気は清なり》是の故に。
12959:  植なる者は止質〉故に其の気は冷なり〉枯るれば則ち温なり〉
12960:  動なる者は動質》故に其の気は温なり》死すれば則ち冷なり》
12961: 持中》体の止するは則ち陸なり》燥生は之に居す》
12962:    体の動するは則ち水なり》水生は之に居す》
12963:  雨水は積もりて海を為す〉
12964:  土石は積もりて山を為す》此の故に
12965:  海に在りて鹹を醸する者は〉水底の気〉
12966:  陸に在りて液を化する者は》地面の気》
12967:  液を化して気を疏する者は〉陸中の水〉
12968:  流を積みて気を鬱する者は》海中の水》
12969: 水陸の生は。之を動植と謂う。夫れ
12970: 日月星辰の其の体を常持す〉
12971: 雲雨動植の其の体を毎換す》
12972: 精麁の然ら使むるなり。
12973:  日影は明暗を布す〉
12974:  水燥は乾潤を布す》
12975:  天物は明暗を以て其の処を為して居す〉
12976:  地物は乾潤を以て其の処を為して居す》
12977:  明は〉景なり〉             (検索キー「なる者は」)
12978:  暗は》影なり》             (検索キー「なる者は」)
12979:  潤は〉水なり〉             (検索キー「なる者は」)
12980:  乾は》燥なり》而して          (検索キー「なる者は」)
12981:  乾なる者は天に之く〉
12982:  暗なる者は地に帰す》
12983:  景影は気を侌昜に於て分す〉故に星辰も亦た侌昜に分す〉
12984:  水燥は性を侌昜に於て分す》故に雲雨も亦た侌昜に分す》故に
12985:  天なる者は〉乾燥光明の処なり〉
12986:  明暗を相い分すと雖も〉而も天に懸る者は〉虚動を以て乾燥光明なり〉
12987:  地なる者は》潤湿暗澹の処なり》
12988:  乾潤を相い分すと雖も》而も地に著く者は》実重を以て潤湿暗澹なり》
12989:  天物なる者は〉一体を常持し〉循環を以て其の期と為す〉
12990:  地物なる者は》其体を毎換し》鱗比を以て其の期と為す》
12991:  辰なる者は〉侌物なり〉景中に居す〉而して順逆の行は参差す〉
12992:  星なる者は》昜物なり》影中に居す》而して順逆の行は整斉す》
12993:  陸生なる者は〉侌物なり〉天中に居す〉而して能く沈重す〉
12994:  水生なる者は》昜物なり》地中に居す》而して能く軽浮す》
12995: 同じく物を解結塞中に居す〉
12996: 同じく気を生化通中に行す》
12997: 精は其の体を常持すれば〉則ち古は猶お今のごとし〉
12998: 麁は其の体を毎換すれば》則ち今は古に非ざるなり》
12999: 天地なる者は〉大物なり〉
13000: 万物なる者は》小物なり》
13001: 大小は分有りと雖も。而も同じく是れ物なり。同じく是れ物なれば。則ち
13002: 同じく其の経の率に従す〉
13003: 同じく其の緯の容に居す》之を一に於て有せらると謂うなり。
13004: 大物は成具を以て。而して経緯の中に成す。
13005: 成具はINUNして。小物は化生す。故に
13006: 小なる者は〉大の有する所なり〉
13007: 彼なる者は》此の偶する所なり》故に
13008: 小の大に於ける〉資して成す〉
13009: 此の彼に於ける》依して立す》
13010: 小の資する所は〉廼ち大の給する所なり〉
13011: 彼の依する所は》廼ち此の通する所なり》是に於て。
13012: 成する者は我に於て足る〉
13013: 立する者は彼に於て敵す》蓋し
13014: 成する者は徒らに成さず〉其の具を得て成す〉
13015: 立する者は独り立せず》其の與に依して立す》
13016: 成する者は全たり〉二は己に足る〉
13017: 立する者は偏たり》一は佗に待つ》故に。
13018: 立すれば則ち彼此相い持す〉而して一は一に依す〉
13019: 成すれば則ち大小並び分す》而して各おの一を成す》是を以て。
13020: 万物は万天地を有す。各おの大物と勢を張る。
13021: 彼此は相い持す。而して更るがわる其の不足を贍す。是を以て。
13022: 各散天地。一有の中に在るも。亦た能く万不同を為すなり。故に。
13023: 其の大より〉剖析して其の小を観す〉
13024: 其の麁より》尋繹して其の精を察す》
13025: 之を比し之を反す。以て髣髴を観る。是を以て。
13026: 小も亦た各おの一有を発す。而して
13027: 其の徳を有す〉
13028: 其の道を発す》
13029: 其の天に居す〉
13030: 其の物を成す》
13031: 日影通具は〉彼の袞袞に従して〉而して節序を刻す〉
13032: 此れ則ち袞袞と節序とを並して〉此の時を為す〉
13033: 之に就きて始めて生じ〉及ばずして便ち化す〉
13034: 天地塞具は》彼の坱坱に依して》而して方位を鋪く》
13035: 此れ則ち坱坱と方位とを並して》此の処を為す》
13036: 立する所にして地を得る》
13037: 居する所にして天を得る》
13038: 物は。則ち神 体を没して〉而して其の気の神を見す〉
13039:      物 体を露して》而して其の気の本を隠す》是に於て。
13040: 神なれば則ち天神なり〉
13041: 物なれば則ち天地なり》
13042: 神は之を為す〉
13043: 天は之を成す》
13044: 天は之を没す〉
13045: 地は之を露す》
13046: 大なれば則ち素より之を有す〉
13047: 小なれば則ち資して之を有す》
13048: 成すれば則ち大小は気物を有して〉而して其の勢 相い張す〉
13049: 立すれば則ち彼此は一一を反して》而して其の勢 相い敵す》
13050: 資すれば則ち大に於て有する者は〉皆な小に於て有する〉
13051: 依すれば則ち彼に於て見する者は》皆な此に於て隠する》
13052:  大物は〉則ち自ら中を為して立し〉  自ら外を為して居す〉
13053:  小物は〉中を立するの地に依して立し〉外に居するの天を得て居す〉
13054:  大物は》則ち自ら理を為して形を成し》自ら気を為して物を成す》
13055:  小物は》則ち其の為に理せられて形を布し》其の為に気せられて物を成す》是れ乃ち
13056:  小は諸を大に資して自ら之を有するなり。
13057:  大の立するや〉佗に假ること無し〉
13058:  小の立するや》相い依ること有り》
13059:  大なれば則ち一中に天地侌昜を具す〉而して以てINUNす〉
13060:  小なれば則ち天地侌昜にINUNせられ〉而して以て一を成す〉
13061:  水は地に由て止す〉
13062:  火は天を以て存す〉
13063:  植は質の著無ければ則ち生せず〉
13064:  動は食の養無ければ則ち存せず〉是れ
13065:  小の佗に依して立する所以なり〉
13066:  大は能く天地侌昜を具す》
13067:  小も亦た天地侌昜を具す》
13068:  大は能く本根華実を具す》
13069:  小も亦た本根華実を具す》
13070:  大は偏を小に於て分す》而して
13071:  小は大に異ならず》是れ
13072:  物の各自に一を成する所以なり》是に於て。
13073: 乾潤土石に資して〉而して気液骨肉を有す〉
13074: 神霊感運に資して》而して心性為技を有す》
13075: 侌昜を雌雄にす〉
13076: 天地を身生にす》
13077: 保運化持。呼吸吐納は。資して成す〉
13078:            反して立す》
13079: 天は精を以て〉而して清浄にして府を為す〉
13080: 地は麁を以て》而して穢濁にして蔵を為す》然り而して
13081: 時通処塞の天地は〉清にして清なり〉
13082: 象循質隔の天地は〉清にして濁なり〉
13083: 日照影蔽》燥煦水滋の中》濁にして浄す》
13084: 熱蒸潤醸》象起質滅の中》濁にして穢す》故に
13085: 濁中。大境は〉則ち色性気性〉始めて濁す〉
13086:    小境は》則ち彩声気性》漸みて穢す》
13087:  精界は未だ彩声気性の窺う可き有らず。
13088:  気麁にして後 彩声気性有り。
13089:  麁中は浄穢を分して。而して
13090:  大界は浄を為す〉
13091:  小界は穢を為す》
13092:  浄は色声気性を為す〉
13093:  穢は彩声臭味を為す》
13094:  浄中は則ち定常の気を充す〉
13095:  穢中は則ち変化の気を充す》蓋し
13096:  天は清濁の素を有し〉以て通隔を為す〉
13097:  象は明暗の色を有し》以て照蔽を為す》是に於て。
13098:  物は隔に由て彩を呈す〉
13099:    通に由て彩を受す》
13100:  照されて其の呈彩を見す〉
13101:  蔽されて其の呈彩を隠す》
13102:  天地は動止を為す。動なる者は清虚を行す〉
13103:           止なる者は濁実に居す》未だ嘗て相い軋せず。
13104:  持中。気質は相い摶つ。
13105:  未だ軋して激せざれば則ち已む。
13106:  若し軋して激すれば 則ち発す。
13107:  寒乾は気淡なり〉
13108:  潤熱は気濃なり》
13109:  潤熱の相い醸す。
13110:  薫すれば則ち其の質を離す〉
13111:  畜すれば則ち其の質に著す》
13112:  著する者は性を為す〉
13113:  離する者は気を為す》
13114:  天に於て成するを以て〉之を気性と謂う〉
13115:  人に於て覚するを以て》之を臭味と謂う》
13116:  彩なる者は〉物を持するの気〉隔して己れを呈するなり〉
13117:  声なる者は》質を持するの気》軋して己れを発するなり》故に
13118:  物は持すれば則ち必ず彩を呈す。是を以て。
13119:  天地日影も。亦た各おの其の物を持すれば。則ち黒白清濁有り。惟だ
13120:  彼れは定常を為す〉
13121:  此れは変化を為す》濃中は精麁有り。
13122:  彩色の弁有る所以なり。
13123:  声は色に比すれば。則ち麁小を為す。故に
13124:  彩なる者は〉物の持する所〉有らざる所莫し〉
13125:  声なる者は》気の摶つ所》 質と軋し激す》故に
13126:  天地水火。金石動植。
13127:  持せざる所無ければ〉則ち彩を呈せざる所莫し〉
13128:  軋せざる所有れば》 則ち声を発せざる所有り》
13129:  潤熱は質中に相い醸す。之を気性と為す。
13130:  気は昜の為に発せらる〉
13131:  性は侌の為に畜せらる》故に。
13132:  声は物を離る〉
13133:  彩は物に依る》
13134:  気は質を離る〉
13135:  性は質を畜う》
13136:  各おの精麁の分有り。彩声気性は。物に於て各有り。
13137:  彩は黒白より散す〉
13138:  声は清濁より散す〉
13139:  気は浄穢より散す》
13140:  性は濃淡より散す》
13141:  熱は蒸し潤は醸し。象は起り質は滅するの地。
13142:  諸を清浄に比して。以て穢濁を知る。
13143:  散小は其の間に醸す。而して
13144:  彩声気性は。散して統無きなり。人の知覚は。
13145:  彩は目を以て通す〉
13146:  声は耳を以て通す》
13147:  気は鼻を以て通す〉人に於て臭と曰う〉
13148:  性は舌を以て通す》人に於て味と曰う》
13149:  何となれば。則ち耳目を假らずと雖も〉而も
13150:  彩声は則ち自ら其の名を持す〉
13151:  若し鼻舌を假らずんば》則ち
13152:  気性は臭味を為す可からず》故に
13153:  海魚は水に入る可からず〉
13154:  河魚は海に居る可からず》
13155:  酸は紅を和す〉
13156:  香は穢を逐う》蓋し
13157: 清濁なる者は。精麁の分なり。
13158: 気なる者は精〉故に清〉
13159: 質なる者は麁》故に濁》
13160: 清なれば則ち其の気に痕無し〉
13161: 濁なれば則ち其の気に跡有り》是の故に。
13162: 持中。機体没露の間〉物は実するを以て隔し〉動を以て軋す〉
13163:    水火INUNの中》気は蒸するを以て薫し》醸を以て畜す》故に
13164: 気清なれば則ち通す〉濁にして隔するや〉彩の成する所なり〉
13165: 機精なれば則ち闃す》麁にして触するや》声の成する所なり》
13166: 気は蒸せざれば則ち恬なり〉蒸すれば則ち薫す〉
13167: 性は醸せざれば則ち澹なり》醸すれば則ち畜す》
13168: 気性の成する所以なり》是の故に。
13169: 精麁INUNして。通隔闃触。恬醸澹畜を為す。
13170: 通闃恬澹は〉混焉として痕無し〉
13171: 隔触薫畜は》粲立して彩声気性を立す》
13172: 是れ境の清濁を分する所以なり。是を以て。
13173: 清なれば則ち天機気物を立す〉
13174: 濁なれば則ち彩声気性を醸す》蓋し
13175: 動の物を為るは。鼻を開きて天気を通す〉
13176:         口を開きて地質を通す》
13177:         鼻神は其の気を覚す〉
13178:         舌神は其の性を覚す》
13179: 物に在りて気の性なる者は。我の覚に就きて臭味を為す。
13180: 只だ同一物なり。主客に由りて其の名を異にす。
13181: 天機気物。彩声気性を醸出して。能く動物に給す。
13182: 動物は耳目鼻舌を開す。視聴聞味に於て運用す。是を以て
13183: 乃ち大境の瑣なる者と雖も。而も
13184: 小境に於ては。則ち最要と為す。蓋し
13185: 気体なる者は清〉物体なる者は濁〉濁隔は小に之き〉各自其の彩を呈す〉
13186: 活機なる者は動》立体なる者は静》動摶は小に之き》各自其の声を軋す》而して
13187: 乾寒は浄を為す〉
13188: 潤熱は穢を為す》
13189: 煦気に蒸有り〉
13190: 滋性に醸有り》
13191: 蒸醸は方を異にして。酒醴酢醪は同じからず。
13192: 滋液は津津として各おの其の性を畜う〉
13193: 煦熱は蒸蒸として各おの其の気を起す》
13194:  大なれば則ち充たざる無し〉
13195:  小なれば則ち充たざる所有り》故に
13196:  色は則ち有らざる所莫くして〉而して彩は則ち偏に其の物に著く〉
13197:  濁に成して〉而して清に成せざるなり〉
13198:  動は則ち有らざる所莫くして》而して声は則ち偏に其の物に依る》
13199:  軋に激して》而して動に激せざるなり》
13200:  臭は熱に起す〉
13201:  味は潤に成す》
13202:  彩は清に無し〉
13203:  声は闃に無し》
13204:  気は香臭を発するの外に恬なり〉
13205:  性は苦甘を醸するの外に淡なり》
13206:  然れども持中の物。其の本は天の天機気物に資して。
13207:  以て此の彩声気性を為すなり。蓋し
13208:  精なれば則ち生化の跡を露せず〉寿を悠久に引く〉故に清浄なり〉
13209:  麁なれば則ち生化の跡を露す》 体を旦夕に換う》故に穢濁なり》
13210:  噫 清浄の府に入らずんば。則ち烏んぞ穢濁の物を弁ぜん。
13211: 生と老とを以て。新陳を分す。
13212: 新と敗とを以て。鮮腐を分する者は。
13213: 是れ穢濁中の浄穢の分なり。而して
13214: 精清にして寿を悠遠に引く者は。則ち未だ之を知らざるなり。
13215:  生する者は必ず長ず〉
13216:  滅する者は先づ老す》
13217:  将に長ぜんとする者は〉色沢鮮膩〉之に順えば則ち其の声は朗洞なり〉
13218:  将に滅せんとする者は》色彩枯澹》之に逆えば則ち其の声は湮鬱なり》
13219:  其の臭味に於けるも亦た然り》然り而して
13220:  人なる者は万物と並立す。故に好悪は物と反する有り。故に
13221:  人を以て彩声臭味を断ずる者は。人に可なるの彩声臭味なり。故に
13222:  雀矢竜涎は〉人鼻に可し〉而して              (可し=よし)
13223:  人屎壊肉は》狗口に適す》且つ
13224: 大物の宇宙に在するは。一反一比〉偶を得て居す〉
13225:            没体露体》継を得て従す》而して
13226: 天気の運は〉日月を幹転す〉
13227: 地気の為は》事物を経営す》
13228: 偶継するは〉物なり〉経緯を分す〉
13229: 運為するは》気なり》天地を分す》而して
13230: 小物は此気物の分に依す。
13231:  反すれば則ち物を以て気に偶す〉
13232:  比すれば則ち類類相い偶す》
13233:  体を没する者は〉則ち将にするよりして来し〉既にするに向して去す〉
13234:  体を露する者は》則ち既にするよりして来し》将にするに向して去す》
13235:  気は運して日月を幹転す〉
13236:  気は為して事物を経営す》
13237:  大は則ち地を以て天に偶す〉小は則ち植 華実を偶す〉
13238:                   動 牝牡を偶す〉
13239:  大は則ち今を以て古に継す》小は則ち植 子苗を継す》
13240:                   動 子母を継す》
13241:  大は則ち気を転し質を持す〉小は則ち植 幹を以て持す〉
13242:                   動 足を以て行す〉
13243:  大は則ち天は運し神は為す》小は則ち植 営為を没跡す》
13244:                   動 意技を営為す》
13245: 常に一体を持する者は〉体に成壊無し〉日月山海は皆な 然り〉
13246: 先後に体を換する者は》体に成壊有り》雲雨動植は同じく然り》
13247: 麁より之を観れば体を常にする者は〉生化せず〉
13248:         体を換する者にして〉而して始めて生化するが如し〉
13249: 精より之を観れば同一生化》没露の跡を異にするに過ぎず》是の故に。
13250: 宇宙は袞袞たり〉
13251: 覆載は攸攸たり》
13252: 雲雨は倏忽たり〉
13253: 動植は斯須たり》
13254: 亦た途の異なるに非ざるなり。故に。
13255: 雲雷雨雪〉或いは聚し或いは散す〉未だ天に在る者の精なるに及ばず〉
13256: 艸木鳥獣》或いは結し或いは解す》未だ地を為す者の実なるに及ばず》
13257: 大物は無窮なり〉
13258: 小物は有窮なり》
13259: 経緯は同じく然り》是を以て。
13260: 物の将に結ばんとするや〉気は浡乎として興る〉
13261: 其の将に尽きんとするや》体は頽乎として壊す》故に
13262: 上にして雲雷雨雪なり〉物を水燥に資す〉
13263: 下にして艸木鳥獣なり》物を土石に資す》
13264: 明暗は天地を上に於て分す〉
13265: 水土は天地を下に於て分す》
13266: 天地は愈いよ分す〉
13267: 生物は愈いよ蕃す》
13268: 艸木鳥獣は〉燥居す〉
13269: 魚龍藻樹は》水居す》夫れ
13270: 動植の天地を有するは。気液骨肉を物にす〉
13271:            神霊感運を神にす》
13272:            偶継運為に依す〉
13273:            彩声臭味を用す》
13274: 植は有意の文を没す〉
13275: 動は有意の文を露す》
13276: 質実の地を同するを以て〉其の物を為するや同なり〉
13277: 水燥の居を隔するを以て》其の生を成するや異なり》故に。
13278: 毛羽は気中に生じて〉而して気に活す〉水を飲むと雖も〉而も水に死す〉
13279: 鱗保は水中に生じて》而して水に活す》気を※すと雖も》而も気に死す》
13280: 呼吸吐納。飛走游潜。跡は反して理は一なり。
13281: 理は一なりと雖も。物は則ち相い隔す。
13282: 資する所有りて並立するなり。
13283:  変せざれば則ち常ならず〉
13284:  常ならざれば則ち変せず》
13285:  明は往し暗は来す〉
13286:  寒は謝し暑は至す》
13287:  常なる者も能く変す〉
13288:  変なる者も能く常す》
13289:  変する者よりして之を推せば〉則ち皆な変なり〉
13290:  常なる者よりして之を推せば》則ち皆な常なり》惟だ
13291:  往者を常とすれば〉則ち来者は変なり〉
13292:  来者を常とすれば》則ち往者は変なり》
13293:  魚の水に潜む〉
13294:  鳥の天に翔く》
13295:  一常なれば則ち一変なり。故に
13296:  植は本を下にし末を上にす〉
13297:  動は本を上にし末を下にす》
13298:  跡は則ち反すと雖も。而も名は則ち資する所有り。
13299:  反すれば則ち一を分す〉
13300:  同すれば則ち異を合す》
13301: 天地を成する者は 一なり〉
13302: 天地に成せらる者は各なり》
13303: 一なる者は此れを有す〉
13304: 各なる者は此れに立す》
13305: 大の有する所は〉則ち小の資する所なり〉
13306: 各の立する所は》則ち一の成する所なり》故に
13307: 大物は万物を有す〉
13308: 万物は大物に異る》
13309:  天地を成する者は 一なり〉
13310:  天地に成せらる者は各なり》故に
13311:  機体象質〉声色気性は〉天地の成具なり〉
13312:  気液骨肉》心性為技は》人の 成具なり》
13313:  成具は。則ち一を闕けば則ち其の物に成せざる有り。
13314:  天地に成すること有る者は。
13315:  譬えば鳥と獣との如く。松と竹との如く。
13316:  彼を闕くと雖も。而も此に於て已に成す。故に
13317:  彼我は各おの其の天地を成す。此の大物中に遊す。
13318:  彼此は生を異にす〉故に其の物や立す〉
13319:  彼此は交接す》  故に其の事や活す》夫れ
13320: 人なる者は。万物中の一物なり〉
13321:       各気中の一気なり》是を以て
13322: 天地曁物は。我と並び立つ〉
13323:       我と並び行く》
13324: 此の如き天地に立す〉
13325: 此の如き天神に活す》故に
13326: 其の体は則ち岐然たり。
13327: 気を彩声気性に交す〉
13328: 質を継偶運為に接す》
13329: 其の神は則ち浡乎として本を保運化持に運す〉
13330: 神を情慾意智の気に為す〉
13331: 眇眇の体に局す》
13332: 耿耿の智に囿す》
13333: 是に於てか夫の意に病む者は。
13334: 索に巧にして〉得に拙なり》
13335: 度に精にして〉通に麁なり》是の故に。
13336: 意を以て物を索む〉索めて得ざれば 則ち疑う〉
13337: 智を以て事を度る》度りて通ぜざれば則ち惑う》
13338: 失得有亡は之を累る。                    (累る=しばる)
13339: 憂悲苦歓は之に擾る。
13340: 己を有するに於て隔たる〉
13341: 意を有するに於て塞がる》
13342: 小物を以て大物に置かず〉
13343: 有意を以て神為に任せず》
13344: 終に窺窬して以て天地に観る。
13345: 幽明は〉気なり〉
13346: 有無は》物なり》
13347: 幽明を物に尋ぬ〉
13348: 有無を気に繹ぬ》遠し。
13349: 幽明を気に求む〉
13350: 有無を物に繹ぬ》
13351: 有意を無意に於て通す〉
13352: 無意を有意に於て体す》則ち
13353: 往くとして通せざる無きなり。
13354:  已に生を此に寓す。然り而して
13355:  由りて来たる所を知らず〉
13356:  往きて変する所を測らず》
13357:  眇眇を須臾に寄す〉
13358:  耿耿を攸久に窮めんと欲す》
13359:  啻に其の死後の知る可からざるのみならず〉         (啻に=ただに)
13360:  生前も亦た之を如何ともする無し》
13361:  啻に生前死後の然るにあらず〉
13362:  此の生も亦た知る可からざるなり》蓋し
13363:  此の生為る。已に其の寓を有す〉
13364:        亦た其の知を智にす》
13365:  其の有は》則ち実に其の有なり〉
13366:  其の智は》則ち実に其の智なり》
13367:  知らず。素より有して〉而して今も亦た之を有すか〉
13368:      素より知りて》而して今も亦た之を知るか》
13369:  今 始めて其の寓を得る〉以て之を有すか〉
13370:  今 始めて其の智を得る》以て之を知るか》
13371:  既に其の有を有す〉
13372:  既に其の智を智にす》是に於て。
13373:  有の有せざる所を疑う〉
13374:  智の知らざる所に惑う》
13375:  無なる者は〉有の分外なり〉
13376:  幽なる者は》明の分外なり》而して
13377:  幽明は有無に非ず〉
13378:  有無は幽明に非ず》
13379:  外なる者は能く内と反す〉
13380:  猶お昼の夜を外にし〉
13381:    夜の昼を外にするがごとし》
13382:  今 明を執りて以て幽を窺う〉
13383:    有を執りて以て無を思う》
13384:  猶お昼の色を執りて〉以て若何が夜の物を蔽うと疑い〉      (若何が=いかんが)
13385:    夜の色を執りて》以て若何が昼の明を通ずと疑うがごとし》又た
13386:  猶お目を閉じて以て明の所在を尋ね〉
13387:    炬を秉りて以て暗の所在を探るがごとし》故に
13388:  明中に暗を尋ねんと欲すれば〉則ち須らく姑く見る所の者を屏け〉
13389:  思を冥晦の中に通じ〉以て暗を知るべし〉 
13390:  暗を知らざれば〉則ち其の明を知るも亦た審かならず〉 
13391:  暗中に明を探らんと欲すれば》則ち須らく姑く晦す所の者を忘れ》
13392:  思を明朗の中に通じ》以て明を知るべし》 
13393: [明中に暗を尋ぬれば〉姑く見る所の者を屏けるに如かず〉 
13394:  思を冥晦の中に致し〉以て暗を知るべし〉 
13395:  暗を知らざれば〉則ち其の明を知るも亦た審かならず〉 
13396:  暗中に明を探れば》 姑く晦す所の者を舎てるに如かず》 
13397:  思を明朗の中に致し》以て明を知るべし》]         ([ 〕は梅園全集)
13398:  明を知らざれば》則ち其の暗を知るも亦た審かならず》
13399:  明中 明を屏けて暗に通ず〉
13400:  暗中 暗を忘れて明に通ず》
13401:  之を融通と謂う。
13402:  明中 思を暗に致す〉其の暗を以て〉能く我の在る所の明を知る〉
13403:  暗中 思を明に致す》其の明を以て》能く我の在る所の暗を知る》
13404:  之を反観と謂う。
13405:  猶お鏡に鑑みるの我が身を身の外に体し。
13406:  身の外なる者を以て反観すれば。則ち彼に通じて我を知るがごとし。
13407:  通ぜざれば則ち鏡に体すること能わず。
13408:  鏡に体すること能わざれば。則ち以て己れを知る無きなり。
13409:  有を以て無に体し〉無を以て有を反観し〉
13410:  明を以て幽に体し》幽を以て明を反観すれば》
13411:  則ち何の通に病むことか之れ有らん》   
13412:  今 有を執りて以て無を窺う〉
13413:    明を執りて以て幽を窺う》
13414:  質を幽明に尋ぬ〉
13415:  気を有無に求む》
13416:  猶お眼を閉じて明を追い〉
13417:    炬を秉りて暗を追うがごとし》
13418:  釣竿は狐兎を捕うの具に非ず〉
13419:  瓦缶は鳳鳴を為すの器に非ず》
13420:  苦なりと雖も而も無益なり。
13421: 諸を一気に結す〉
13422: 諸を一気に解す》
13423:  物の天地を有するは〉猶お
13424:  車の輪輻を有するがごとし》
13425:  車は輪輻無ければ〉則ち行す可からず〉
13426:  物は天地無ければ》則ち立す可からず》
13427:  物の気を有するは〉猶お
13428:  車の御者を有するがごとし》
13429:  御無ければ則ち車は用を為さず〉
13430:  気無ければ則ち物は立すること有らず》
13431:  一気の応用。猶お心の喜怒哀楽に痕無く。而して
13432:  応接尽くること無きがごとし。是を以て。
13433:  膏梁を食する者は〉其の人や肥ゆ〉
13434:  糞壌を培する者は》其の苗や長ず》而して
13435:  膏梁は人の肌膚に非ず〉
13436:  糞壌は苗の枝葉に非ず》
13437:  惟だ相依の間に。彼此の給資するを見る。然りと雖も。
13438:  人は死して蘇す可からず〉
13439:  物は化して収す可からず》
13440:  生化粲立。唯だ混有の一を有す。則ち
13441:  解も亦た一気なり〉
13442:  結も亦た一気なり》
13443:  生は之を得るに非ず〉
13444:  死は之を帰するに非ず》
13445: 終を始に反すれば〉則ち洋洋乎たり〉
13446: 後を今に求すれば》則ち滾滾然たり》
13447: 粲と混と〉其の中に機す〉
13448: 幽と明と》其の間に跡す》
13449: 神明何物ぞ。一肉団の気は一結物なり。
13450: 其の智通を天の気感に還す。
13451: 忘して通し。通して化す。
13452: 生すれば則ち生す〉
13453: 化すれば則ち化す》
13454: 夫の造物と化を同じくす。惟だ其れ然り。惟だ其れ然り。
13455:  生する者は生す〉故に之を生と謂う〉
13456:  化する者は化す》故に之を化と謂う》
13457:  化する者は〉生 及ばざるして化す〉
13458:  生する者は》化 行われずして生す》
13459:  生は化を為す可からず〉
13460:  化は生を為す可からず》故に
13461:  生化は迭に行せらるるを得て。而して同じく行せらるるを得ず。
13462:  動は子を生す〉植は種を生す〉聯綿として已まず〉
13463:  動は息す》  植は斃す》  陸続として収せず》
13464:  収する可ければ則ち化に非ず〉
13465:  已む 可ければ則ち生に非ず》
13466:  生する者は必ず化す〉其の一なる所なり〉
13467:  生は必ず化に非ず》 其の二なる所なり》
13468: 
13469:   大小図
13470:   統散容居図
13471:   持中天地図
13472:   天地動植図
13473:   清濁没露図 造化の技没して。而して生を動植に於て露す。
13474:         動は則ち意を持し〉植は則ち意を舍つ》故に
13475:         動は則ち牝牡し〉植は則ち華実す》
13476:         動は則ち子母し〉植は則ち本苗す》
13477:         意技を示さずと雖も。自ら造化の運為を有す。
13478:         異曲同工。没して露を隔せず。
13479:   視聴聞味図 外用與下為一合
13480:   交字舞踏図
13481: 
13482:  小 物 (全集版)
13483: 夫れ転中の万物なる者は〉日影を以て天地と為す〉
13484:   持中の万物なる者は》水燥を以て天地と為す》
13485: 転中に居すを以て〉天物は常に動す〉
13486: 持中に居すを以て》地物は終に止す》是の故に。
13487: 日影は天地を天に於て為す〉剖して之く者は〉
13488: 上にして星漢なり〉明を発して転行に勝る〉
13489: 下にして月辰なり〉暗を含んで運行に勝る〉
13490: 水燥は天地を地に於て為す〉分して散する者は〉
13491: 上にして雲雨なり〉清を以て竪中に動す〉
13492: 下にして動植なり》濁を以て横中に動す》蓋し
13493:  天物なる者は〉箇箇円成なり〉
13494:  昜象は影に居して光を発す〉
13495:  侌象は景に居して光を受す〉
13496:  昜象なる者は星漢にして〉東運は至って微なり〉転と伴うが如し〉
13497:  侌象なる者は辰沫にして〉東運は甚だ速きなり〉遅速留退す〉
13498:  地物なる者は》箇箇異形なり》
13499:  昜質は天に在して清を為す》
13500:  侌質は地に在して濁を為す》
13501:  昜質なる者は雲雨なり》升降に著く》
13502:  侌質なる者は動植なり》横竪に見す》
13503: 蓋し天なる者は〉杳渺にして測験に闕く〉
13504:   地なる者は》撫摩にして交接に熟す》故に      (自筆により「親附」を「撫摩」とする。)
13505: 其の説や。天を略し地を悉にす。蓋し
13506: 大は転持覆載を以て成す〉是を以て
13507: 持も亦た風恬水陸を以て応す》
13508: 風恬水陸は天地を開す〉而して
13509: 雲雷雨雪は象質を為す》
13510: INUN摩盪して。物は其の間に化す。
13511: 物の其の間に化する。其の体に毎換す。
13512: 成敗を以て鮮腐を為す。夫れ〉
13513: 小なる者は居して資す〉
13514: 大なる者は容して給す》是に於て
13515: 転は理を規矩に於て成す〉
13516: 持は理を横竪に於て成す》
13517: 転持は覆載に象す〉以て能く恬は立し風は旋す〉
13518:              山は峙し海は俯す〉
13519: 資する者は大を為す。復は其のINUNする所に給す。
13520: 神為は給資の中に居して。変化は無窮なり。
13521: 動植は地を発して天に居す〉
13522: 土石は気を結して地に凝す》故に
13523: 動植は〉虚質なり〉
13524: 土石は》実質なり》
13525:  水なる者は横質なり〉気は下に鬱して〉而して水は上に和す〉
13526:  山なる者は竪質なり》燥は下に煦して》而して気は上に達す》
13527:  気は下に鬱す〉故に其の植は鮮少なり〉
13528:  水は上に和す》故に其の動は蕃滋なり》
13529:  燥は下に煦す〉故に其の植は衆多なり〉
13530:  気は上に達す》故に其の動は鮮少なり》是の故に
13531:  動は水に多し〉而して燥に少し〉
13532:  植は燥に多し》而して水に少し》
13533:  水物は吐納を以て息を為す〉
13534:  陸物は呼吸を以て息を為す》
13535:  鳥獣艸木は〉竪中に在りて其の体 立す〉
13536:  魚龍藻樹は》横中に在りて其の体 俯す》然り而して
13537:  動行は迂曲なり〉
13538:  竪立は邪長なり》
13539:  動なれば則ち其の体は横俯す〉
13540:  植なれば則ち其の体は竪立す》而して
13541:  其の中も又た各おの俯立して相偶す。
13542:  細かに其の錯綜する所を観れば。則ち
13543:  水動の伏は〉伏せ潜むと雖も〉而も寝る無し〉時有りて跳躍す〉
13544:  燥動の立は》立ち行くと雖も》而も寝る有り》時有りて坐す》
13545:  鳥は横に翔びて竪に寝る〉
13546:  獣は竪に行きて横に寝る》且つ
13547:  鳥は天気に資すること多し〉故に体軽くして飛ぶ〉飲むこと少にして尿せず〉
13548:  獣は地気に資すること多し》故に質重くして走る》飲むこと多くして尿す》
13549:  魚は虚気を受けること多し〉水に因りて息を為す〉
13550:  亀は実気を受けること多し》気を閉して潜む》
13551:  是の故に。大物はINUNに為す。       (自筆により「是故」とする。)
13552:       万物はINUNに成す。
13553:  万物は散すと雖も。而も之を泝すれば則ち一に帰す。
13554:  一は能く二を生す。動を為し植を為す。夫れ
13555:  物の反するや。対待して合す。合して一に帰す。則ち
13556:  其の跡する所の痕を失す。
13557:  之を火灼水浸の態に於て観るに。
13558:  二に合すれば則ち復た一気の既已に著わるに帰す。
13559:  之を甲勝の時に於て観れば。
13560:  即ち乙負の時なり。
13561:  故に動植の対待に分するも。
13562:  以て生をINUNの一に資するを知る。蓋し
13563:  物の成するや。必ず性体気物を供う。
13564:  動植は已に分す。動は神気に偏するを以て気物を為す。
13565:          植は本気に偏するを以て質物を為す。是に於いて。
13566:  動性は活して軽なり。
13567:  植性は立して重なり。
13568:  動体は動して浮なり。
13569:  植体は止して沈なり。
13570:  動気は通して偶なり。
13571:  植気は塞して孤なり。
13572:  動物は横して虚なり。
13573:  植物は竪して実なり。
13574:  能く其の反を知れば。則ち其の本の一なるを知るなり。
13575:  剛柔なる者は。天の体なり。
13576:  堅輭なる者は。地の体なり。
13577:  地物は体を地に資す。是に於て。
13578:  生は品を堅輭に分す。
13579:  混然たる一地球。水燥は裏虚の円を為す。
13580:  水燥は界を分す。
13581:  動植は形を変す。
13582:  動は鳥獣を分す。
13583:  植は艸木を分す。
13584:  魚龍も亦た鳥獣なり。
13585:  藻樹も亦た艸木なり。
13586: 天地の具する所は。万物 資す。
13587: 資すれば則ち之を全にすること有るが如しと雖も〉
13588: 剖すれば則ち之を偏にする所有り》
13589: 相反す。
13590: 相応す。
13591: 相潅す。
13592: 相漸す。
13593: 本生有り〉
13594: 余生有り》
13595: 天地を同にする有り〉
13596: 天地を別にする有り》
13597: 皆な神為の妙を具す。故に
13598: 動植は。其の形を塊岐にす。
13599:     其の物を横竪にす。
13600:     其の体を虚実にす。
13601:     其の気を温冷にす。
13602:     本末は彼此に異す。
13603:     神本は相い長短す。
13604: 緯偶に牝牡華実有り〉
13605: 経継に子母幹苗有り》
13606: 鳥獣〉類を横竪に分す〉
13607: 艸木》類を小大に分す》
13608: 小輭大堅〉
13609: 横重竪軽》
13610: 鳥竪獣横〉艸小木大〉大分有りと雖も〉
13611: 亦た能く錯雑 還って相い結す〉故に
13612: 獣の類は〉竪は人寓を分す〉
13613:      横は猫狗を分す〉
13614:      大は牛馬を分す〉
13615:      小は貂鼠を分す〉
13616: 鳥の類は〉竪は鶴鷺を分す〉
13617:      横は鷹※を分す〉
13618:      大は鶏雉を分す〉
13619:      小は鳩雀を分す〉
13620: 陸生は文に富む〉
13621: 水生は文に乏し〉
13622: 其の文に富むを以て〉而して鳥獣は能く陸を以て水に漸む〉
13623:  横竪の間。竪に人寓有り〉
13624:       横に虎駄有り》
13625:  人に人※の類有り〉
13626:  寓に猿※の属有り》而して
13627:  此れ重に彼れ軽なり〉
13628:  此れ智に彼れ愚なり》
13629:  虎に虎豹の別有り〉
13630:  駄に牛馬の分有り》而して一重一軽なり。
13631:  軽なる者は猛し〉
13632:  重なる者は力す》
13633:  人類なる者は〉裸体敏性にして〉而して技在智巧なり〉
13634:  寓類なる者は》被毛性黠にして》而して技在軽捷なり》
13635:  虎類なる者は〉肢指に技有り〉猛にして利牙尖爪有り〉
13636:  駄類なる者は》蹄を以て爪に代う》強にして牙を含み角を戴く》
13637:  虎豹。豺狼。熊羆。猫犬。狐狸は。虎の類なり。
13638:  牛馬。※驢。※駱。猪鹿。羊豕は。駄の類なり。
13639:  此れ之を大と為す。而も亦た小類有り。
13640:  其の大なる者を兎蹶の類と為す。
13641:  貂鼬より。※鼠に至りて。漸く小なり。
13642:  鳥の竪なる者は。鸛鶴なり。鷺鷸と偶す。
13643:  鷹鶚烏梟は。猶お獣に虎類有るがごとし。
13644:  以て利觜尖爪を具す。
13645:  鶏雉※※は。猶お獣に駄類有るがごとし。
13646:  以て大觜長距を具す。
13647:  此れ之を大と為す。而して亦た自ら小類有り。
13648:  其の大なる者は〉鳩鴿の類を為す〉
13649:    小なる者は》燕雀の属を為す》
13650:  獣の水に漸む。
13651:  海人川童。
13652:  水豹臘虎。
13653:  海驢海牛。
13654:  水鼠海鼠。皆な陸形に従う。
13655:  鳥は最も水に漸むに於て富む。
13656:  長※短尾。矮脚にして蹼。稍や異類の如しと雖も。而も
13657:  近似する所有り。故に鵝は好んで蟲豸を食し。夜鳴 更に応ず。
13658:  鶩は能く鶏と相い群して。卵 鶏伏を假れば。
13659:  則ち其の性の鶏と遠からざるなり。是を以て。
13660:  鳧雁の遠翔。亦た能く地に居す。
13661:  漫画の重身。鴛鴦の文彩。類は愈いよ鶏に近し。然り而して
13662:  其の大なる者は孔雀と為し。駝鳥と為す。而して※※の鷺に近く。海烏の烏に近く。
13663:  海雀の雀に類する。漸水の間にも。亦た自ら大小横竪の類有り。
13664:  浮を以てする者は。立を用せず。魚を食する者は。猛を用す。故に
13665:  其の類や微なり。是を以て鷺鷸魚鷹の類は。陸形を以て水に居す。
13666: 其の文に乏しきを以て〉而して水生に惟だ魚龍のみ有り〉
13667: 魚は塊にして龍は岐なり〉
13668: 之を玩べば則ち鱗裸龍鰐 分す〉
13669:  鰭鬣を以て游ぶ者は〉水の鳥と為す〉故に鱗裸を統べて〉皆な魚なり〉
13670:  手脚を具し潜む者は》水の獣と為す》故に龍鰐を統べて》皆な龍なり》
13671:  是に於てか。鳥獣は各おの鱗裸を有すなり。
13672:  鱗は〉則ち大小強弱〉微鱗巨鱗有りと雖も〉
13673:  皆な其の体は竪にして〉而して鱗を出でざるなり〉
13674:  其の手脚を生ずるや〉※と為し〉※鯉と為す〉皆な龍類なり〉
13675:  裸に於ては》則ち
13676:  海鷂の扁》河豚の円》
13677:  杜父の小〉海鰌の大〉
13678:  鰻※の長》鮫之※※》
13679:  形状は同じからずと雖も》而も其の体は横なり》而して
13680:  裸に外ならず》而して其の手脚を生ずるや》
13681:  鰐と為し》※鯊と為す》皆な鰐類なり》
13682:  鱗の 有無を以て之を分てば〉鱗一〉裸一なり〉
13683:  手足の有無を以て之を分てば》魚一》龍一なり》
13684:  凡そ鱗なる者は卵生なり〉
13685:    裸なる者は胎生なり》
13686:  鱗の鱗を没するは〉猶お微鱗の玉屑の如くなる有り〉
13687:  裸の皮を固くする》終に堅沙の※※を為す有り》
13688: 而して鱗裸龍鰐と〉螺蛤亀蟹と合して鱗甲の二種を為すなり〉
13689: 艸小木大》鳥竪獣横》大分有りと雖も》錯雑は還って相い結ぶ》故に
13690: 植の類は》竪に※竹有り》
13691:      横に藤蔓有り》
13692:      木に喬矮有り》
13693:      艸に豊細有り》
13694: 陸中は植に富む》
13695: 水中は植に乏し》
13696: 植に富むを以て》而して其の余は水に漸む》
13697:  動は能く類を隔す〉
13698:  植は能く類を雑す》
13699:  隔すれば則ち混せず〉
13700:  雑すれば則ち相い淆す》是を以て。
13701:  横竪大小。※蔓卉樹を分す。
13702:  卉樹は〉艸木の正なり〉
13703:  O蔓は》艸木の変なり》
13704:  Oなる者は〉竪なり〉
13705:  蔓なる者は〉横なり〉
13706:  卉なる者は》小なり》
13707:  樹なる者は》大なり》而して
13708:  O蔓なる者は〉艸木 各おの其の中に在り〉
13709:  卉樹なる者は》其の中 各おの艸木を有す》
13710:  類の雑する所なり。是を以て。
13711:  竪はOを為す〉
13712:  横は蔓を為す》
13713:  Oなる者は〉竪なり〉直にして曲ること能わず〉
13714:  蔓なる者は》横なり》依りて立すること能わず》
13715:  艸木の種子は〉其の芽を生ずれば皆な下に向う〉而して
13716:  O類の種子は》其の芽を生ずれば皆な上に向う》
13717:  直円の道を分資する有るに似て。
13718:  且つ柔生〉皆な皮を以て肉を覆う〉惟だ
13719:  Oは皮を以てOを為し》Oを脱して体を露す》
13720:  木を為せば〉則ち虚は竹を為す〉実は椶櫚を為す〉
13721:  艸を為せば》則ち子を結んで牟麦稲粱を為す》
13722:  華を吐して茅芒菰蒲を為す》
13723:  葱茖の葉を茎にする〉木賊燈艸の茎を葉にする》
13724:  水仙燕子の葉を重ぬる。蘭を為し。薑を為し。菖蒲を為す。万年青を為す。
13725:  皆なOの変を極むるなり。而して
13726:  水に漸めば。則ち萱を為し。荻を為す。
13727:  皆な竪理を具して横文無し。蔓なる者は横植なり。
13728:  蔓にして艸〉之を蔓と謂う〉
13729:  蔓にして木》之を藤と謂う》
13730:  同じく是れ豆と雖も〉而も※葛・藤蔓を分す〉
13731:  同じく是れ※と雖も》而も黄瓜錦茘》葡萄※※》藤蔓を分す》
13732:  同じく根を豊かにすと雖も而も※※仙糧。薯蕷※※は。藤蔓の殊なり。是に於て。
13733:  或いは相い有無し。或いは相い比類す。
13734:  弱の変化を尽くすなり。而して水に漸めば。則ち蓴を為し。菱を為す。
13735:  世は生の藤蔓を分せず〉概して之を蔓と言う〉
13736:  Oの艸木を分せず》之を艸木に疑す》
13737:  樹は枝葉根幹の條理に正し〉
13738:  卉は枝葉根幹の條理に混す》而して
13739:  木なる者は剛大なり〉氷雪を亙りて久を保す〉       (亙りて=とおりて)
13740:  艸なる者は柔小なり》春秋を逐いて相い換す》故に
13741:  華薹を以て幹を為す。
13742:  鶏冠米嚢の如き者有り。根を豊して肉を為す。
13743:  ※※蹲鴟の如き者有り。根を以て 幹を為す。
13744:  款冬芙※の如き有者り。枝を以て 幹を為す。
13745:  紫蕨鳳尾の如き者有り。野※は子を葉頭に結す。
13746:  ※荷は華を茎外に発す。皆な樹の條理に異なるなり。
13747:  其の類の雑なる者は蚕豆※豆の。竪を為し蔓を為し。
13748:  ※※接骨の。木を為し艸を為すが如き類なり。
13749:  拘杞懸鉤の属は〉樹中に卉す〉
13750:  牡丹棣棠の類は》卉中に樹す》
13751:  樹は水に在れば〉則ち質を変じて火樹海松を為す〉
13752:  卉は水に在れば》則ち形を変じて藻薀を為す》
13753:  水は動物に富む〉故に動は変を水に於て極む》
13754:  陸は植物に富む》故に植は変を陸に於て極む》故に
13755:  海動は。一胎数万なり。猶お植実のごときなり。是に於て。
13756:  手有り足無きこと。弾塗の如く。
13757:  左右を以て。腹背と為すこと。比目の如く。
13758:  身を倒にすること章魚の如し。
13759:  骨を外にすること亀の如し。
13760:  文を没すること螺蚌の如し。
13761:  物に著くこと牡蛎の如し。
13762:  毬を為すこと海膽の如し。
13763:  塊然たること水母の如し。
13764:  頑然たること海参の如し。
13765:  皆な陸変の有せざる所なり。
13766: 植に乏しきを以て》而して水生に惟だ藻樹有り》
13767: 藻は横にして樹は竪なり》
13768: 之を玩べば則ちO蔓卉樹 分す》
13769: O蔓卉樹と金石土鹵と》望んで堅輭の二種を為す》
13770:  根を水底に託すと雖も。而も華葉の水上に在る者は。
13771:  陸漸の種にして。而して水植に非ず。
13772:  全体を水に潜め。根を沙石に託する者にして。而して乃ち水植なり。
13773:  陸植は土に著して生す〉
13774:  水植は石に著して生す》
13775:  藻は則ち柔輭なり〉
13776:  樹は則ち堅剛なり》故に
13777:  藻は則ち水中の艸なり。
13778:  神馬は蔓の如し。菅藻はOの如し。昆布萵苣に類す。
13779:  黒目は蔓菁の如し。
13780:  松なる者有り。柏なる者有り。梅なる者有り。
13781:  水に居すれば生意を含む。
13782:  水を出すれば枯硬 石に類す。
13783:  珊瑚樹の如き。石闌干の如き。屈曲錚錚。華葉を閉づ。
13784:  夫の蒙茸の海蘿陟釐。鶏冠鹿尾の如きは。則ち余生は苔を為す。
13785:  苔は則ち水に専らにして〉而して能く陸に至る〉
13786:  菌は則ち陸に専らにして》而して能く水に至る》
13787:  水底石間 菌を生す〉髣髴として陸産の如し〉
13788:  石面水際〉苔を有す》依稀として水産に似る》
13789: 乏しと雖も。鱗介も亦た陸に漸む〉
13790:  鱗中の魚龍は〉陸漸すれば〉則ち蛇を為し〉蠎を為し〉蜥蜴を為し〉守宮を為す〉
13791:  裸中の魚龍は》陸漸すれば》則ち鯢を為し》※を為し》蚯蚓を為し》蚰蜒を為す》
13792:  甲は則ち亀蟹〉或いは山棲す〉
13793:  介は則ち蝸牛夜啼》或いは陸処す》
13794: 藻苔も亦た陸に漸む》然り而して
13795: 陸は植の変を極む〉
13796: 水は動の変を極む》是を以て。
13797: 水陸動植。類を分す可し。而して種は自ら無窮なり。
13798: 生気は此に於て尽きず。蓋し
13799: 苔菌蟲豸は。余生なり。余生は水陸各有り。
13800: 同じく是れ蟲なりと雖も〉一は則ち堅体なり〉一は則ち輭体なり〉
13801: 同じく是れ豸なりと雖も〉一は則ち脚を用う〉一は則ち脚を去る〉
13802: 同じく是れ苔なりと雖も》或いは枝葉を生し》或いは衣黴を為す》
13803: 同じく是れ菌なりと雖も》或いは菌茸を為し》或いは寓類を為す》
13804:  菌は〉一幹にして蓋を載す〉
13805:  茸は〉偏形にして物に依る〉
13806:  寓は》麦蕈馬勃 輭結す》  
13807:     伏霊豕※ 堅結す》
13808: 陸は愈いよ植に富む〉則ち
13809: 水は愈いよ動に富む》
13810: 苔種は水に盛ん〉
13811: 飛蟲は陸に富む》
13812: 陸植は〉文にして多し〉
13813: 水植は》素にして寡し》
13814: 陸動は〉霊にして鮮し〉
13815: 水動は》癡にして繁し》
13816: 類有り分有り〉以て其の分を観る〉
13817: 相の相い合す》以て其の合を観る》故に
13818:  水に之く者は〉牡蛎石※なり〉植の如くにして神を含す〉
13819:  陸に之く者は》石螺石蛤なり》動の如くにして神を舎す》
13820:  其の之く所を観れば〉則ち〉
13821:  鐘乳水銀は〉水石相い之く〉
13822:  ※樟不灰は〉木石相い之く〉
13823:  牡蛎塩麩は〉動植相い之く〉
13824:  其の合する所を観れば》則ち
13825:  ※鼠・蝙蝠は》被毛垂肢》宛然として獣なり》
13826:  膃肭・海獺は》共に毛を被り》
13827:  前鰭を開けば則ち手と為り》
13828:  後脚を収むれば則ち尾と為る》
13829:  鰭を開き尾を立せば》則ち手足を為して獣なり》
13830:  手脚を収めて游せば》則ち鰭尾を為して魚なり》
13831: 虚中に在る者は〉気に恬するなり〉
13832: 実中に在る者は》質に止するなり》故に
13833: 物 潜んで質に在れば〉則ち能く生生を為す〉蓋し地の類なり〉
13834: 火 発して質に出れば》則ち能く化化を為す》蓋し天の類なり》
13835: 火 之を気中に伝えて益ます熾ん〉
13836: 物 之を質中に潜めば愈いよ蕃す》
13837: 跡は反して理は一なり。是を以て。
13838: 鳥獣は〉気物なり〉
13839: 艸木は》質物なり》
13840: 水は質を結して〉燥は生を煦し〉万物は由りて以て生す〉
13841: 燥は居らず》  神は守らず》 万物は由りて以て化す》故を以て。
13842: 動は神を含み〉天中に生化す〉
13843: 植は質を持し》地中に生化す》
13844: 雲雷雨雪〉其の上に聚散す〉
13845: 時に有り時に亡し〉母も無く子も無し〉
13846: 艸木鳥獣は》其の下に解結す》
13847: 先後換体は》相い継ぎて生化す》
13848:  気気感応し。万物変化す。
13849:  大なる者は感応に跡無し〉
13850:  小なる者は感応に跡有り》蓋し
13851:  小物は彼此偏立す。而して
13852:  其の彼此は。或いは物を同にす〉
13853:        或いは物を異にす》
13854:  物を同にすれば〉則ち雌雄牝牡の類なり〉
13855:  物を異にすれば》則ち風雲動植の属なり》
13856:  体接し気交すれば。則ち同異と無く。感応を有す。
13857:  感応すれば則ち変化有り。
13858:  若し彼れを執りて以て此れを観〉
13859:  此れに反して以て彼れに同すること能わざれば〉
13860:  則ち復た通すること能わず〉
13861:  夫れ天地の間。通ぜざる者無ければ。則ち感応せざる者無し。
13862:  我れを執りて彼れを察せず。
13863:  佗に病むなり。是を以て。
13864:  気気の相い交す。感応は此に成す。是を以て。
13865:  気より質に出没すれば〉則ち変幻を幽明の際に於て為す〉
13866:  質より気に出没すれば》則ち妖怪を恍惚の中に於て為す》
13867:  質を以て気を動すれば〉瓦釜 響を生す〉
13868:  気を以て質を動すれば》雷 山嶽を震わす》
13869:  気を以て質を感すれば〉木葉は秋に萎す〉
13870:  質を以て気に応すれば》海珠は望に満つ》
13871:  其の性を変すれば〉則ち米化して※を為し〉楠変して石を為す〉
13872:  其の質を換すれば》則ち※縮して蛹を為し》蠶脱して蛾を為す》
13873: 螺蛤は交わる無し〉
13874: 金石は自ら結す》
13875: 分して其の道を異にす〉
13876: 合して其の居を同にす》
13877: 虚する者は実せず〉
13878: 動する者は静せず》是を以て。
13879: 此れに有する者は彼れに没するなり。是の故に。
13880: 角を有する者は牙無し〉
13881: 翼を有する者は手無し》
13882: 孰れか能く之に翼を予えて〉以て其の手を奪う〉
13883:      之に角を予えて》以て其の牙を奪う》
13884: 牙即角にして〉
13885: 翼即手なるは》反の常なり。
13886:  此に全しと雖も。彼に必ず虧くるなり。
13887:  一に於て有せられて。而して二に於て反す。故に
13888:  鳥は羽を以て手に換えて〉而して羽還って身を行すの用を為す〉
13889:    羽を以て身を行せば〉則ち脚は把※の用を為す〉是に於て〉
13890:  彼は我が手を脚にす〉
13891:  我は彼が脚を手にす〉
13892:  魚は鬣を以て羽に換え》而して鬣は還って身を行すの用を為す》
13893:    鬣は以て身を行すれば》則ち尾は還って守禦の用を為す》是に於いて。
13894:  魚は鳥の羽を鬣にす〉
13895:  鳥の脚は魚の尾なり》
13896:  鳥は啄を以て主と為せば〉  屎を以て尿を兼ぬ〉
13897:  魚は飲を以て主と為せば》則ち腮を以て鼻と為す》
13898:  足ると雖も而も偏せざる所莫し〉
13899:  偏すと雖も而も足らざる所莫し》故に
13900:  塊然たる金石〉
13901:  岐然たる鳥獣》
13902:  彼れの無き所〉 此れに充つ〉
13903:  此れの乏しき所》彼れに余す》
13904:  二に於て偏なりと雖も〉而も一に於て全し。
13905:  二に於て反すると雖も〉而も一に於て足る有り》
13906:  天地は大なりと雖も。動植は微なりと雖も。
13907:  此に於て違うことを獲ざるなり。
13908: 気は聚すれば物を生す。
13909: 物は生すれば気を有す。
13910: 気は以て生を為す〉之を生と謂う〉
13911: 物は以て体を有す》之を身と謂う》
13912: 金石は塊然として本気に富む。
13913: 生化は攸久として四紀を没す。
13914: 螺蛤より亀蟹に至る》
13915: 塊然より。岐然に漸む。
13916: 艸木は之を堅生に比すれば。則ち岐然として文を為す。
13917: 根幹皮肉は。内外本末を具す。
13918:  堅植は塊然として〉而して金は砿に生す〉
13919:  玉は璞に抱かるれば》則ち漸く内外を生ず》
13920:  珊瑚樹・石闌干。終に枝幹を為せば。則ち又た本末を生す。
13921:  輭植岐然として〉而して
13922:  菌は皮肉を没し〉寓は本末を没すれば〉則ち塊岐は相い之く〉
13923:  堅動塊然として〉而して亀蟹は則ち四紀を備う〉
13924:  輭動岐然として》而して海膽水母》将に其の紀を没せんとす》
13925: 鳥獣は已に神気に富めば。本末内外。又た前後左右を多す。是を以て。
13926: 文章の條理は〉輭生の岐に粲然として〉
13927:        堅生の塊に曖然たり》
13928: 本気なる者は天成にして〉物の本を為す所以の気なり〉
13929: 神気なる者は神為にして》物の神を為す所以の気なり》
13930: 堅生と我と類を為すこと疏なり〉
13931: 輭生と我と類を為すこと親なり》
13932: 親しきの故に。気の本神。質の皮肉は。
13933: 我と同じく生生を種子に於て継ぐ。
13934: 同じく先後して体を換す。
13935: 本神皮肉同じと雖も。而れども亦た有余不足の相反する有り。故に
13936: 好悪知弁。彼は無意を以てす〉
13937:      此は有意を以てす》
13938: 生生の種子は。彼れに在りては〉実を為し苗を為す〉
13939:        此れに在りては》精を為し子を為す》
13940: 
13941:  大物為于INUN図
13942:  小物成于INUN図
13943:  動植気物性体図
13944:  陸動植図一合
13945:  水動植図一合
13946:  輭動植図一合
13947:  動植分合総図
13948: 
13949:   混物
13950: 大は小と異にして。而して有は資と同じからず。然りと雖も。
13951: 成する者は応する有り〉
13952: 資する者は給する有り》故に
13953: 之を有に資して帰を一にす〉
13954: 之を各に成して物を立す》
13955: 之を一有に資す〉
13956: 之を各体に成す》
13957: 各物各天地は。終に各其の勢を張る。蓋し
13958: 持中なる者は。濁境なり。
13959: 其の天は則ち気は恬して風は動す〉
13960: 其の地は則ち山は峙して水は俯す》
13961: 其の昜は則ち燥火なり〉
13962: 其の侌は則ち水湿なり》而して
13963: 雲雨上に出没す〉
13964: 動植下に生化す》
13965: 雲雨は濁中に浄す〉
13966: 動植は濁中に穢す》
13967: 浄は則ち運為は握歩の跡を没す〉
13968: 穢は則ちINUNは交字の態を露す》蓋し
13969: 動植なる者は。天地間の小物なり。然りと雖も。
13970: 我は動中の一物を為して。神中の一気を具す。
13971: 眇たる形骸を以て。天地を人に於て開す。遂に大物と勢を張る。
13972: 植は則ち冷止無意なり〉
13973: 動は則ち温動有意なり》夫れ
13974: 物は天地を有す〉
13975: 気は神本を具す》
13976: 動は天物を成す〉
13977: 植は地物を成す》
13978: 動は神気を専らにす〉
13979: 植は本気を専らにす》
13980: 能く本気を専らにして〉而して地物を成す〉故に
13981: 植は〉其の神 則ち無意なり〉
13982:    其の体 則ち地に著くなり〉
13983: 能く神気を専らにして》而して天物を成す》故に
13984: 動は》其の神 則ち有意なり》
13985:    其の体 則ち居天なり》故に
13986: 植体は〉則ち内を実して以て止す〉冷を地の寒に資す〉
13987: 動体は》則ち内を虚して以て動す》温を燥の煦に資す》蓋し
13988: 大物の有は〉上下を以て〉而して中外に居す〉故に
13989: 小物の資は》本末を以て》而して上下に居す》然り而して
13990: 植は〉本を下にし末を上にす〉
13991: 動は》本を上にし末を下にす》
13992:  一に於て有せらる〉
13993:  二に於て反せらる》故に
13994:  本気を以て生を為すは〉則ち彼此 同なりと雖も〉而も
13995:  冷止は我れ之れを悪む〉
13996:  温動は我れ之れを好む〉
13997:  神気を以て霊を為すは》則ち彼此 同なりと雖も》
13998:  有意は我れに運す》
13999:  無意は彼れに運す》
14000:  華栄し実種するは》  則ち彼此 同なりと雖も》
14001:  彼れは質実を以て〉物を外に於て取り〉生を下体に於て養う〉
14002:                    実を上頭に於て結ぶ〉
14003:  此れは気虚を以て》物を内に於て取り》生を上竅に於て養う》
14004:                    子を下体に於て生す》
14005:  生を為し命を為すは。則ち彼此同なりと雖も。而れども
14006:  彼れは根より生じて〉而して命は根に在り〉
14007:  此れは首より生じて》而して命は首に在り》惟だ
14008:  有意を以て立する者は〉有意に事有り〉
14009:  無意を以て立する者は》有意に事無し》是に於て。
14010:  無意は〉有意の事に混然たり〉
14011:  有意は》有意の事に粲然たり》
14012:  既已に粲然たり。視聴聞味。思慮知弁は。
14013:  其の物を有す〉
14014:  其の事を有す》
14015:  偏なる者より之を観れば〉彼れに無き者は我れに有り〉
14016:  全なる者より之を観れば》彼れに混有する者は》
14017:              此れに粲立す》是の故に。
14018:  身を有する者は。本末内外を有す。
14019:  動は外を実にし〉植は内を実にす〉而して
14020:  動は上を本にし》植は下を本にす》
14021:  本末内外。動植の同じき所なり。
14022:  有意は向う所有り。向背は前後を為す。
14023:  前後有れば。必ず左右を有す。故に
14024:  前後左右は。有意に分す〉
14025:        無意に混す》
14026:  有意は。視聴聞味。知覚好悪を用う。故に
14027:  耳目鼻舌。意智情慾は。有意に分す〉
14028:             無意に混す》是れ
14029:  多少の有無の対を成す所なり。
14030:  未だ混粲の分を知らず。多少の対に於て泥む。
14031: 大物は〉 坱坱に居して〉而して袞袞に従す〉故に
14032: 小も》亦た天地に居して》而して節序に従す》然り而して
14033: 植は〉華実を配として〉而して幹苗に継ぐ〉
14034: 動は》牝牡を配として》而して子母に継ぐ》
14035: 大物は〉 気 其の物を運し〉神 其の事を為す〉故に
14036: 小も》亦た気 其の物を運し》神 其の事を為す》然り而して
14037: 植は〉止して無意に運為す〉
14038: 動は》動して有意に運為す》蓋し
14039: 大なる者は〉機体象質なり〉諸を風恬水陸に縮す〉
14040:              諸を彩声気性に醸す〉故に
14041: 動植は》則ち其の風恬水陸に居す》
14042:       其の彩声気性を用す》
14043:  虚は天を為す〉
14044:  実は地を為す〉
14045:  風は転旋す〉
14046:  恬は持立す〉
14047:  質は水を湛う〉
14048:  燥は陸に充つ〉故に
14049:  風恬水陸なる者は〉機体象質より成す〉
14050:  清は天を為す》
14051:  濁は地を為す》
14052:  静は彩を呈す》
14053:  動は声を激す》
14054:  熱は気を発す》
14055:  潤は性を収す》故に
14056:  彩声気性なる者は》色性気性より醸す》是を以て。
14057:  風恬水陸の境は。則ち
14058:  彩声気性の充つる所なり。故に
14059:  合して之を言えば〉動植は〉動静燥湿にして物を為す〉
14060:               彩声気性にして用を為す〉
14061:  分して之を言えば》動体は動にして湿なり》能く彩声気性を発す》
14062:           植体は止にして燥なり》能く彩声気性を収す》蓋し
14063:  動は。質を取りて内に養するの時〉
14064:  其の性を舌に於て覚ゆ〉之を味と謂う〉
14065:     気を吸して内に通するの時》
14066:  其の気を鼻に於て覚ゆ》之を臭と謂う》故に
14067:  物に於ては〉則ち彩声気性なり》
14068:  我に於ては》則ち彩声臭味なり》蓋し一なり。
14069: 大は〉則ち成せざる莫く〉立せざる莫し〉而して
14070: 小は》則ち大に資して成す》
14071: 物に依して立す》
14072: 資すれば則ち大に応す〉
14073: 依すれば則ち與に感す》故に
14074: 大物も〉亦た本根精英を有す〉
14075: 小物も》亦た本根精英を有す》
14076:  本は天を為す〉
14077:  根は地を為す》
14078:  精は侌を成す〉
14079:  華は昜を為す》故に
14080:  天なる者は〉本なり〉物は皆な之に資す〉
14081:  地なる者は》根なり》物は皆な之に依す》
14082:  精なる者は〉侌なり〉気を物に於て隠す〉
14083:  華なる者は》昜なり》体を気に於て発す》故に
14084:  気は本根精英を蔵す〉
14085:  物は天地侌昜を露す》
14086:  天は地中に没す〉
14087:  地は天中に露す》
14088:  根を為す者は止す〉
14089:  本を為す者は動す》故に
14090:  天は地に通し塞は本を為す〉
14091:  天虚地実は根を為す》
14092:  精は動止を隠す〉
14093:  英は発収を見す》蓋し
14094:  神物の体は。神霊は事を運す〉
14095:        本根は物を体するを用す》是に於て。
14096:  本気は物を成す〉
14097:  神気は事を為す》
14098:  事物なる者は露す〉
14099:  本神なる者は没す》
14100:  天地は則ち本気の成する所なり〉
14101:  天神は則ち神気の成する所なり》
14102:  経は通し緯は塞す〉
14103:  動は転し静は持す》
14104:  天は虚し地は実す〉
14105:  昜は発し侌は収す》
14106:  此に於てせざる者莫し。
14107:  大物は〉天地なり〉
14108:  小物は》動植なり》
14109:  大物は神本を有せば〉則ち
14110:  小物も亦た神本を有す》
14111:  本気は〉則ち彼此同名なり〉
14112:  神気は》則ち彼れを神と謂う》
14113:        此れを意と謂う》
14114:  物 異なるを以て〉而して気 異なり〉
14115:  気 異なるを以て〉而して名 別なり〉
14116:  一 剖するを以て》而して気 応す》
14117:  気 応するを以て》而して名 通す》
14118:  動為有意〉神気之物なり〉
14119:  植為無意》本気之物なり》而して
14120:  神本は相い有し。動植は全成す。
14121: 成具は。則ち天神なり〉
14122:       天地なり》
14123: 天は則ち定常なり〉
14124: 神は則ち変化なり〉
14125: 変化の地は〉神霊感運を成す〉
14126: 天は則ち乾明なり》
14127: 地は則ち潤暗なり》
14128: 潤暗の処は》水燥土石を成す》故に
14129: 物は芸芸然たり雖も。亦た惟だ一動一植のみ。
14130: 動植は。風恬の中に居す〉
14131:     水土の上に立す》
14132:     神霊の神を成す〉
14133:     感運の気を用す》故に
14134: 物は水燥土石に資す〉
14135: 以て気液之生〉骨肉の身を為す〉
14136:  潤暗結実。水燥は天に居す〉
14137:       土石は地に結す》
14138:  水燥は則ち雲雨に之く〉
14139:  土石は則ち動植に之く》
14140:  動植は。生を同じくして物を反す。故に
14141:  彼れに根幹と曰う〉
14142:  此れに身首と曰う》
14143:  動植は物を分すと雖も。而も同じく之を有す。故に
14144:  水燥土石は。我に於て得て。而して気液骨肉なり。
14145:  植は骨を欠けば〉則ち剛を肉に於て寓す〉
14146:    血を欠けば》則ち潤を気に於て寄す》
14147:  此れ温動有意なり〉
14148:  彼れ冷止無意なり》是に於て。
14149:  其の有意の器は。彼れに無くして我に有り。蓋し夫れ。
14150:  人の身を為すは。気液骨肉なり。
14151:  気は温動を分す〉
14152:  液は膏血を分す》
14153:  肉は臓腑を分す〉
14154:  骨は筋骨を分す》
14155:  膏に和して皮は外に成す〉
14156:  血に和して肉は内に成す》
14157:  皮は能く物を裏む〉                    (裏む=つつむ)
14158:  肉は能く神を畜う》是の故に。
14159:  府なる者は〉物を納むるの名にして〉皮の別名を為す〉
14160:  蔵なる者は》気を蔵するの名にして》肉の別名を為す》
14161:  臓は上体を為す〉
14162:  腑は下体を為す》
14163:  上下の体成して〉
14164:  神本の気分す》
14165: 気は神霊感運に資して》以て心性の意》為技の意を為す》
14166:  体の大分は〉天なり〉地なり〉
14167:  人なる者は〉地中の一小物なり〉故に
14168:  水燥土石は〉我に得て〉而して気液骨肉を為す〉
14169:  気の大分は》天なり》神なり》而して
14170:  意なる者は》神中の一小気なり》故に
14171:  神霊感運》我に得て》而して神霊為技を為す》
14172:  神霊は意智の心を為す〉
14173:  感運は情慾の性を為す》
14174:  相い和して運用の為〉
14175:       言動の技を為す》
14176:  意智情慾。合して之を言えば〉則ち意智と無く〉情慾と無く〉
14177:  自然にして我れに有するは〉則ち性なり〉
14178:  運為して事に用するは〉則ち心なり〉
14179:  分して之を言えば》情慾の感応》自然に於て発するは》則ち性なり》
14180:           意智の運為》然ら使むるに用するは》則ち心なり》然り而して
14181:  無意は〉則ち精霊自然にして〉 而して感応然ら使む〉
14182:  有意は》則ち感応自然に発して》而して知運然ら使む》
14183:  天人の別なり。然り而して無意無作の神は〉往来分合を為す〉
14184:              有意有作の神は》運用言動を為す》
14185:  運用なる者は〉心に於て為す〉故に為と曰う〉
14186:  言動なる者は》外に於て発す》故に技と曰う》然り而して
14187: 彩声気性は〉物に具す〉
14188: 好悪知覚は》気に具す》
14189: 大は外より保す〉
14190: 小は内より保す》
14191: 大は則ち内を質にす〉
14192: 小は則ち外を質にす》
14193: 動植なる者は。小中の偶なり。
14194: 意を用すれば〉則ち気液骨肉を分す〉
14195: 意を舎すれば》則ち気液骨肉を合す》
14196: 内を虚すれば〉則ち養を内より取る〉
14197: 内を実すれば》則ち養を外より取る》故に
14198: 植は彩声臭味を呈す〉
14199: 動は彩声臭味を用す》
14200: 成すれば則ち自ら保し自ら運す〉
14201: 依すれば則ち或いは給し或いは資す》故に
14202: 小物は。成するや則ち各自に保運す〉
14203:     立するや則ち互相に給資す》
14204: 心性の意〉
14205: 為技の為》
14206: 動は以て之を分す〉
14207: 植は以て之を合す》
14208: 分せざれば則ち之を混有す〉
14209: 合せざれば則ち之を粲立す》
14210: 人は則ち物中の一物なり〉
14211: 意は則ち神中の一気なり》
14212: 人は己れを有して以て其の境を開く。是に於て
14213: 己れに非ざる者を併せて。己れ之と勢を張る。故に
14214: 其の遇する所は皆な物にして。而して往する所は皆な天なり。
14215:  物なる者は。天地に得て。而して物を成する者なり。
14216:  物は成して而して天地と勢を張る。是に於て。
14217:  天神は並立す。
14218:  人・物は相居す。故に
14219:  彼れも能く没露す〉
14220:  此れも亦た没露す》
14221:  露中は〉則ち天地なり〉我れに得て〉乃ち身生なり〉
14222:  没中は》則ち本神なり》我れに得て》亦た神本なり》
14223: 天に於て資す〉
14224: 與に依して立す》故に
14225: 動植は天に同居し地に立す。
14226: 水燥を以て〉 能く其の物を宅す〉
14227: 日影に従いて》能く其の気を行す》
14228: 気液骨肉〉
14229: 心性為技》
14230: 精より之を観れば〉彼此同じく有す〉
14231: 麁より之を観れば》彼此相い隔す》故に
14232: 植の跡を混有に没するも〉亦た其の気は其の中に在り〉
14233: 動の跡を粲立に露するも》亦た其の気は彼の外に在らず》故に
14234: 我の立するや。同じく混粲の気体を有す。
14235: 神気は体を混用し〉本気は体を粲成す〉
14236: 生体は神を粲有し》身体は本を混成す》
14237: 混体は則ち躯なり〉
14238: 躯は身生を以て立す〉而して生は則ち気液なり〉身は則ち骨肉なり〉
14239: 気者〉一温一動なり〉而して温は営衛を有す〉動は息脈を有す〉
14240: 液者〉一血一膏なり〉而して血は津血を有す〉膏は脂髄を有す〉
14241: 肉者〉一臓一腑なり〉而して臓腑は各おの内外を分す〉
14242: 骨者〉一筋一骨なり〉而して筋骨は亦た 内外を分す〉
14243: 混気は則ち神なり》神は意為を以て成す》而して
14244: 意は則ち心性なり》
14245: 為は則ち為技なり》
14246:  地の水燥土石は〉乃ち人の気液骨肉なり》故に
14247:  水の気を為すや。気の質に之くなり。
14248:  質に之きて未だ質を定めず。是に於てか。
14249:  水は猶お気のごとくなり。是を以て。
14250:  気は則ち温なり〉
14251:  液は則ち潤なり》故に
14252:  其の生するや〉之を摸すれば則ち温なり〉之を傷つけて則ち血なり〉
14253:  其の死するや》之を摸すれば温を得ず》 之を傷つけて血を見ず》是に於て。
14254:  気の物を為すや〉死すれば則ち之を亡す〉
14255:  物の物を為すや》死すと雖も之を留むるを観る》故に
14256:  動植を合して之れを言えば〉神気は為技なり〉
14257:  動植を分して之れを言えば》植は神気為技を為す》
14258:               動は心性為技を為す》蓋し
14259:  神の物を為すは。物に主として。而して物を用する者なり。
14260:          物に主として。而して体を為せざるなり。
14261:  体を為せざると雖も而も物を没中に成す。
14262:  為技とは。惟だ其の発して事を為す者なり。
14263: 心なる者は》一意一智なり》而して
14264: 意は思慮を有す》
14265: 智は知弁を有す》
14266: 性なる者は》一情一慾なり》而して
14267: 情は愛憎を有す》
14268: 慾は欲悪を有す》
14269: 為する者は》一運一為なり》而して
14270: 運は運行を有す》
14271: 為は立持を有す》
14272: 技なる者は〉一声一技なり》而して
14273: 声は和激を有す》
14274: 技は守禦を有す》
14275:  気〉我之燥なり〉
14276:  液》我之水なり》
14277:  肉〉我之土なり〉
14278:  骨》我之石なり》
14279:  性情は〉我に於ては心性を為す〉
14280:  造化は》我に於ては為技を為す》
14281:  天地の我れと同じき所なり。而して
14282:  彼なる者は〉地質を内に結して〉天気を外に転す〉
14283:  我なる者は》骨肉を外に護して》温動を内に保す》是れ
14284:  天地の我と反する所なり。然り而して
14285:  気は温動を有す〉
14286:  液は膏血を有す》
14287:  肉は臓腑を有す〉
14288:  骨は筋骨を有す》
14289:  心は意智を有す〉
14290:  性は情慾を有す》
14291:  為は運為を有す〉
14292:  技は言動を有す》而して
14293:  愛憎欲悪なる者は〉好悪なり〉
14294:  思慮知弁なる者は》知覚なり》
14295:  物は好悪知覚を有せざる者無し。蓋し
14296:  人の大分は。意と身となり。而して
14297:  身は生と偶す〉
14298:  意は為と対す》
14299:  身生なる者は〉動の天地なり〉
14300:  意為なる者は》動の性才なり》蓋し
14301:  天地の條理は。質は必ず冷止す〉
14302:         気は必ず温動す》而して
14303:  植質は冷にして〉
14304:  動質は温なる者は》何ぞや。
14305:  質 動止の異を有すればなり。
14306:  性情為技なる者は。動植の共に有する所なり。
14307:  惟だ意に於て相い有無するのみ。
14308:  植は地に就きて竪立す〉地の類なり〉故に意の神を冷止に於て舎す〉
14309:  動は天に在りて横行す》天の類なり》故に意の神を温動に於て寓す》
14310:  温動なる者は〉生なり〉気血は之に繋す〉
14311:  形体なる者は》身なり》骨肉は之に成す》
14312:  質体なる者は》冷止の物なり。
14313:  神を有して此の中に動す。是れ
14314:  其の体の温なる所以なり。蓋し
14315:  天地なる者は。偏寒偏熱を以てして成する者なり。然り而して
14316:  動なる者は。温動の気を以て。冷止の質に和す。
14317:  和合は以て活す〉
14318:  乖離は以て化す》
14319:  化すれば則ち温は去り冷は生す〉以て質の自然なるを観る〉
14320:  活すれば則ち冷は去り温は醸す》以て気の使然なるに和す》
14321:  気は温にして動す〉
14322:  血は温にして活す》故に
14323:  血の体に充するは。存すれば則ち滾滾として充す〉
14324:           死すれば則ち倏忽として失す》
14325:  是れに由りて之れを観るに。
14326:  血なる者は。活動の気化なるや。明らかなり。故に
14327:  血なる者は。気の化なり。
14328:  気を得て骨肉の実質と対す。是に於てか。
14329:  骨肉気血は親を為す。以て能く好悪知覚す。此の故に
14330:  感応の運為する所は。性に於て有る者は〉
14331:            神に於て之れ有り》是の故に。
14332:  意の有無は動植に於て分すると雖も。而も
14333:  動中も亦た此の有無を平分す。故に
14334:  生の好悪知覚は〉無意に於てす〉
14335:  心の好悪知覚は》有意に於てす》
14336:  同じく是れ神為なり。同じく是れ神為なりと雖も。而も其の為は則ち反す。
14337:  反に由りて同を観す〉
14338:  同に由りて反を観す》其の態は識る可し。
14339:  粗ぼ其の概を挙げて以て之れを言わんに。          (粗ぼ=ほぼ)
14340:  労逸を知り〉睡覚を知り〉痛苦を知るは〉皆な無意の神為なり〉
14341:  適否を知り》蔽悟を知り》憂楽を知るは》皆な有意の神意なり》是を以て。
14342:  好悪知覚。有意無意 相い応す。是を以て。
14343:  生 痛を有せば〉則ち心も亦た悼を有す〉
14344:  生 痒を有せば》則ち心も亦た痒を有す》
14345:  痛は呻吟を為す〉
14346:  悼は哭泣を為す》
14347:  身痒は則ち爪掻す〉
14348:  心痒は則ち歯切す》
14349:  身麻は則ち左右の運動する所無し〉
14350:  心癡は則ち進退の運為する所無し》
14351:  人の侌肌を摸すれば〉則ち肌は羞らいて口は笑う〉
14352:  人の侌事を訐すれば》則ち己れ羞らいて人は笑う》
14353:  人の肌肉を割けば〉則ち肉傷つきて気痛む〉
14354:  人之親戚を割けば》則ち情傷つきて心痛む》
14355:  気は鬱して病す〉達して快す〉
14356:  心は鬱して悶す》達して安す》
14357:  気を病めば則ち身を癈す〉
14358:  知を病めば則ち徳を壊す》
14359:  是れ乃ち天人の応なり。然り而して
14360:  情慾は〉有意の感応なり〉
14361:  意智は》有意の知運なり》
14362:  体は耳目鼻舌〉手足侌乳の文を有す〉而して其の為は万変す〉
14363:  心は意智情慾》運用営施の事を有す》而して其の運は錯綜す》
14364:  為は虚実守禦を為す〉而して愛憎欲悪は〉其の間に成す〉
14365:  意は運思慮知を弁す》而して善悪是非は》其の中に出す》
14366: 粲体は則ち文なり〉体は以て臓腑を成す〉而して
14367: 臓は則ち内臓外臓〉腑は則ち内腑外腑なり〉
14368: 内臓は上下を分す〉上は則ち心肺〉下は則ち肝腎なり〉
14369: 外臓は上下を分す〉上は則ち耳目〉下は則ち鼻舌なり〉
14370: 内腑は上下を分す〉上は則ち咽胃〉下は則ち腸※なり〉
14371: 外腑は上下を分す〉上は則ち侌乳〉下は則ち手足なり〉
14372:  獣は必ず身を俯す。身を俯すれば則ち横なり。
14373:  横なれば則ち手足は下に在りて。侌乳は上に在り。
14374:  人は竪身を以て。其の体を異にするのみ。
14375: 粲気は》則ち体の文に従うの気なり》
14376: 其の気は本神を以て成す》而して
14377: 神は則ち内神外神なり》
14378: 本は則ち内本外本なり》
14379: 内神は精麁を用す》而して精は以て保運す》麁は以て化持す》
14380: 外神は精麁を用す》而して精は以て視聴す》麁は以て聞味す》
14381: 内本は精麁を用す》而して精は以て納畜す》麁は以て収送す》
14382: 外本は精麁を用す》而して精は以て交字す》麁は以て舞踏す》
14383: 混気物なる者は〉体なり〉諸を大物に資す〉以て己の有と為す〉
14384: 粲気物なる者は》文なり》諸を身生に得て》以て己の神を用す》
14385: 植も亦た多種なり〉
14386: 動も亦た多種なり》
14387: 資給は同じからずして〉
14388: 通塞は各おの異なるなり》然りと雖も。
14389: 動中。意智の巧を極め〉
14390:    造化の機を弄する者は》人 之を最と為す。故に
14391: 我が境よりして。而して有意を推す〉
14392:            無意を察す》
14393: 混資は己を成す〉
14394: 粲立は佗を用す》
14395: 混体は〉則ち本根の身生なり〉内外臓腑の文を粲立す〉
14396: 混気は》則ち精英の神為なり》内外本神の文を粲立す》
14397:  天地天神なる者は〉我を成するの気なり〉
14398:  彩声臭味なる者は》我が交す所の気なり》而して
14399:  気は豈に啻に此の四のみならんや〉             (啻に=ただに)
14400:  寒熱湿燥は〉膚に覚る〉
14401:  善悪是非は〉心に覚る〉
14402:  軽重は捧に覚る〉
14403:  強弱は持に覚る〉
14404:  堅輭は摸に覚る〉
14405:  毒薬は養に覚る〉
14406:  配嗣器地なる者は》我を立するの質なり》
14407:  水穀便溺なる者は》我を寄するの質なり》而して
14408:  質は豈に此の四のみならんや》
14409:  ※※裘帛は》寒暑に切なり》
14410:  門牆干戈は》守禦に切なり》
14411:  薬餌は》疾病に切なり》
14412:  枕席は》臥寐に切なり》惟だ
14413:  彼の気質の各おの八なる者は》動の至切なる者なるのみ。此の故に。
14414:  魚に耳無し。鳥に※無し。
14415:  艸木は配偶に假らず。
14416:  魚介は手足に假らず。
14417:  瞽者は色に假らず。
14418:  聾者は声に假らず。
14419: 精英は能く本根を発す〉
14420: 本根は能く精英を収す》故に
14421: 天は以て己れを成す〉
14422: 神は以て己れを用す〉故に
14423: 本根なる所の者は〉胚胎に兆し〉黄壌を貫す〉
14424: 精英なる所の者は》後れて栄し先んじて謝す》昼は神に夜は昏し》故に
14425: 正なれば則ち治す〉
14426: 病なれば則ち乱す〉是を以て〉
14427: 神の躯に居す〉之れ生を為す〉
14428: 躯の神を喪す〉之れ死を為す〉
14429:  気は無体を以て動す〉
14430:  質は有質を以て止す》
14431:  気は聚すれば則ち体は結す〉
14432:  体は解すれば則ち気は散す》
14433:  暴露する者は〉体は必ず早壊す〉佗無し〉気の散し易きを以てなり〉
14434:  蟄蔵する者は》体は必ず久持す》佗無し》気の洩せざるを以てなり》
14435:  心なる者は〉気の華なり〉
14436:  身なる者は》気の根なり》
14437:  気なる者は〉動し易く佚し難し〉故に心は宜しく恬澹を以て養うべし〉
14438:  体なる者は》静を好み労を悪む》故に身は宜しく動作を以て養うべし》
14439: 神は躯を役す〉之れ覚を為す〉
14440: 躯は神を役す〉之れ夢を為す〉
14441:  視聴なる者は〉耳目の気なり〉
14442:  舞踏なる者は》手足の気なり》而して
14443:  好悪思弁なる者は。神気なり。
14444:  気は本根を為す〉
14445:  心は英華を為す》
14446:  心は固に一身の主なり。
14447:  四肢百骸。皆な其の役を為す。是の故に。
14448:  心は能く使令す〉
14449:  気は能く聴命す》則ち
14450:  耳目は視聴す〉
14451:  手足は舞踏す》
14452:  心は令すと雖も。而も気 聴かざれば。則ち聾瞽※※。癲狂妄動す。
14453:  心は尊しと雖も〉而も事を執ること能わず〉
14454:  気は卑しと雖も》而も用を己に由りて作す》
14455:  老壮病健は。惟だ気の従なり。是を以て。
14456:  心は気を役すれば〉則ち視聴云為〉自ら正し〉覚の事なり〉
14457:  気は神を役すれば》則ち神は視聴を耳目に於て役せず》
14458:  反って視聴する所の気に於て役せらる》
14459:             心は手脚を舞踏に於て役せず》
14460:  反って舞踏する所の気に於て役せらる》   夢の事なり》故に
14461:  正有り。邪有り。感有り。背有り。前事を記す有り。
14462:  将来を知る有り。由りて思う所有り。得て思わざる所有り。
14463:  愛す可く。悪む可く。驚く可く。楽しむ可く。其の状は千万と雖も。
14464:  惟だ心の気に於て役せらるるに由るのみ。
14465:  本根は困しめば則ち精華は瘁く〉
14466:  精華は病めば則ち本根は苦しむ》
14467:  憂悲思慮なる者は〉心の病なり〉
14468:  痛癢饑渇なる者は》気の病なり》
14469:  心労すれば則ち気困しむ〉
14470:  気病めば則ち心苦しむ》是を以て。
14471:  魑魅は神を毒す〉
14472:  疾病は心を乱す》則ち
14473:  恍惚は夢覚を分たず。
14474:  徒らに視て徒らに聴き。徒らに舞いて徒らに踏むのみ。
14475:  神明 主を為し。号令 厳粛なれば。則ち
14476:  肢体は各おの命を待ちて。而して皆な用を一心に統するなり
14477: 生の身に充す》之れ壮を為す》
14478: 身の生を散す》之れ老を為す》
14479: 生の神に旺す》之れ寝を為す》
14480: 神の生に旺す》之れ寤を為す》
14481:  気は。来すれば則ち充す〉
14482:     往すれば則ち散す〉而して
14483:  寤寐なる者は〉神本の更るがわる政を為すなり〉
14484:  夢覚なる者は》神本の更るがわる役を為すなり》故に
14485: 神は其の権を執れば則ち正し〉
14486:   其の権を失えば則ち狂す〉
14487:  生の本根を為するは〉猶お国の衆を以て基と為すがごときなり〉
14488:  心の英華を為するは》猶お国の君を以て主と為すがごときなり》夫れ
14489:  朝廷なる者は〉礼楽文物の所在なり〉
14490:  聡明才徳の居る所〉号令控掣の由る所なり〉
14491:  郊野なる者は》礼楽文物に於て足らず》
14492:  聡明才徳に於て乏し》亦た号令控掣の権を有せず》
14493:  前後左右》仰ぎて之れを上に於て待つ者なり》故に
14494:  上 控掣の権を執りて〉以て下を馭し〉
14495:  下 号令の命を奉じて〉以て上を聴すれば〉則ち能く太平を致す〉
14496:  上 聡明の徳を失いて》而して下を監する能わず》
14497:  下 控掣の権を竊んで》以て上を犯せば》則ち終に擾乱を致す》故に
14498:  気なる者は〉心の基なり〉
14499:  心なる者は》気の主なり》
14500:  心 号令控掣し〉以て能く気を役使す〉
14501:  気 動静云為し》皆な命を待ちて為す》是の故に。
14502:  気は苟くも痛癢驚懼有らば〉則ち懊惱戦愕し〉心の制を受けず〉
14503:  心は苟くも感激憤発有らば》則ち重傷大痂し》自覚せざるなり》
14504:  是れ主客の事なり。夫れ
14505:  視聴舞踏なる者は〉気の為す所なり〉
14506:  耳目の視聴を役し》手脚の舞踏を役する者は》心の為す所なり》
14507:  心令し気聴けば〉則ち 視て 其の色を弁じ〉
14508:             聴きて其の声を弁じ〉
14509:             舞いて其の節に中り〉
14510:             踏みて其の地を得るは〉人の正なり〉
14511:  心は之を令するを知らざれば》
14512:  気は徒らに其の用を為して》
14513:  視て 其の色を弁ぜず》
14514:  聴きて其の声を弁ぜず》
14515:  云いて其の言を択ばず》
14516:  為して其の事を択ばず》
14517:  是れ之れを狂と為す》
14518:  上下は序を有し〉治安は謀る可く〉
14519:  位序は未だ分れずんば〉烏んぞ治を謂うを得ん〉
14520:  下 苟くも上に於て聴かざれば》則ち衆 各おの其の用を為す》
14521:  国に於ては〉則ち乱を為し亡を為す〉
14522:  人に於ては〉則ち癲を為し狂を為す〉
14523:  主 権柄を専らにすれば》則ち衆 役使に於て困しむ》
14524:  国に於ては》則ち弊を為し危を為す》
14525:  人に於ては》則ち病を為し死を為す》
14526: 其の精を守すれば則ち真なり》
14527: 其の主を喪すれば則ち妄なり》
14528:  神なる者は。心の精爽なり。是を以て。
14529:  目を病めば〉則ち大虚に蚊虻を見る〉
14530:  耳を病めば》則ち漠中に蝉雀を聞く》夫れ
14531:  病邪は元と内に在り。而して声色は妄を外に於て為す。
14532:  心は精爽を失せざれば〉則ち声色の真妄を弁ず〉
14533:  心は精爽を失すれば》 則ち必ず蚊虻を樸し》蝉雀を駆る》
14534:  病まざる者は〉妄状を視聴に於て認めず〉
14535:  病む者は》則ち妄状を視聴に於て認む》故に
14536:  神正しくして〉而して衆と同じく視聴す〉是れ其の真なり〉
14537:  神病めば》  而して佗と視聴を別にす》是れ其の妄なり》
14538:  物は已に象形を具す。孰れか目に於て逃れん。何となれば則ち
14539:  面前の色〉目に於て印し〉目の神〉接して物を鑑すればなり〉
14540:  左右の声》耳に於て感し》耳の神》受して声を弁ずればなり》
14541:  色 目を印せず〉
14542:  声 耳を感せず》而して色と声とを成する者は。
14543:  豈に外に在る者ならんや。故に
14544:  心は邪の為に役せられ。其の視聴挙動をして。
14545:  物に対するが如くならしむる者は。実に妄状のみ。
14546:  何ぞ眼華耳鳴と。睡語夢影と異ならん。
14547: 故に生は其の可に適せずんば則ち和す〉其の否に遇えば則ち労す〉
14548:  天地なる者は〉一寒一熱なり〉而して
14549:  我が身は〉則ち寒熱に和して温〉戻れば則ち偏寒偏熱を生ず〉
14550:  天地なる者は》一燥一湿なり》而して
14551:  我が身は》燥湿を合して中》偏なれば則ち偏燥偏湿を成す》此の故に
14552:  寒暑を衝く〉
14553:  雨雪を冒す》
14554:  饑飽に過ぐ〉
14555:  嗜好に淫す》
14556:  力の及ばざる所に役す〉
14557:  智の能わざる所に労す》
14558:  彼の労苦の事。皆な職として此れ之れに由る。
14559: 其の養を得れば則ち健なり》
14560: 其の毒に遇えば則ち病なり》
14561:  食色器貨。淫すれば則ち人を毒す。
14562:  寒熱風湿。忤えば 則ち人を毒す。
14563:  水火金石。触るれば則ち人を毒す。
14564:  諂佞便戻。親しめば則ち人を毒す。故に
14565: 意は為を具すれば則ち性なり〉
14566: 為は意を能するは則ち才なり》
14567: 思なる者は〉意の物に於て運するなり〉
14568: 業なる者は》物の意に於て運するなり》是に於て。
14569: 交接の間。意は順忤を有す〉
14570:      態は治乱を為す》是の故に。
14571: 人は天地の給する所に資す〉
14572:   万物の立する所に依す》故に
14573: 大物は神を給す〉我は資して意を為す〉
14574: 大物は為を給す》我は資して為を為す》
14575: 意は則ち心性なり。
14576: 性なる者は〉神の給する所なり〉
14577: 心なる者は》霊の給する所なり》故に
14578: 情慾なる者は〉神の物と交接する所〉感応の態なり〉
14579: 意智なる者は》霊の物と交接する所》運営の態なり》
14580: 為なる者は〉神為の自ら用する所なり〉
14581: 技なる者は》霊為の佗を用する所なり》故に
14582: 運為なる者は〉気体を運行立持するなり〉
14583: 声技なる者は》気体を和激守禦するなり》夫れ
14584: 物は天地の間に並立して。而して
14585: 彼此は交接を為す。是の故に。
14586: 情は外に感ず〉而して愛憎は動く〉
14587: 慾は内に応す〉而して欲悪を出す》
14588:  情なる者は〉心の気に感ずるなり〉
14589:  慾なる者は》気の心に感ずるなり》是を以て。
14590:  心なる者は内に在りて〉而して用を外に於て為す〉物は牽けば則ち愛憎は外に於て従う〉
14591:  体なる者は外に在り》而して事を内に於て用す》 身は動き而して色食を内に於て求む》
14592:  我の愛憎は〉佗の美醜吉凶よりす〉
14593:  酸鼻の隠〉甘心の忍〉
14594:  之を内に於て快して〉而して之を外に於て伸ばさんを思う〉
14595:  他の声色服飾は》我の耳目口体の為にして求む》
14596:  輿馬粉黛の美》絲竹羞饌の具》
14597:  之を前に於て備えて》而して之を内に於て恣するを欲す》
14598:  内に求むれば則ち外は之に従う〉
14599:  外は従えば則ち内は之を求む》
14600: 意は運して思慮は神なり》
14601: 智は営して知弁は霊なり》
14602:  愛憎の施する所〉親疏を致す〉
14603:  欲悪の接する所》悦怨を動かす》
14604:  人の美を愛すれば則ち羨む〉
14605:  己の美を愛すれば則ち矜る〉
14606:  己の悪を悪めば則ち羞づ》
14607:  人の美を悪めば則ち妬む》
14608:  思は順忤を有して〉而して喜怒は応す〉
14609:  慮は粛舒を有して》而して憂歓は成す》
14610:  智は吉凶を解す〉而して哀楽は感す〉
14611:  弁は得失を分す》而して悔咎は生す》且つ
14612:  情は。注ぎて慕う〉
14613:     背きて※う》
14614:     合を欲して求む〉
14615:     分を悪みて惜む》
14616:  意は〉鬱して慍なり〉暢して驕なり〉
14617:  智は》素して愨なり》飾りて詐なり》
14618:  思の存亡する所〉記忘有り〉
14619:  智の動止する所》信疑有り》
14620:  用弁於事物〉則ち美醜分〉
14621:  考道於進退》則ち栄辱成》此故。
14622:  神は。劫かさる有れば則ち驚く〉
14623:     危ぶむ所有れば則ち畏る》
14624:     痛む所有れば 則ち泣く〉
14625:     弄する所有れば則ち笑う》
14626:     病む所有れば 則ち苦しむ〉
14627:     役する所有れば則ち労す》
14628: 運は以て気体を運行す〉
14629: 為は以て気体を立持す》
14630: 音声を発して〉而して虚実を見す〉
14631:  為の精を用する〉一は則ち声を発す〉
14632:          一は則ち技を発す》
14633:  技を発する者は〉守禦を為す〉
14634:  声を発する者は》和激を在す》
14635:  守禦の技は〉或いは歯角に於てす〉
14636:        或いは距觜に於てす〉
14637:        或いは首尾に於てす〉而して人は則ち専ら手足に於てす〉
14638:  和激の発は》笑泣喜怒を各おの発す》
14639:  或いは音声を羽※に於て発する者有り》
14640:  或いは声音を假らざる者有り》
14641:  人なる者は。意為に長ずる者なり。故に
14642:  声音を弄して〉而して言語の文を為す〉
14643:  手足を役して》而して千百の事業を為す》故に
14644:  人は。意を適否に於て運す〉而して善悪岐す〉
14645:     智を当否に於て用す》而して是非作す》
14646:  情を口舌に於て吐して〉而して虚実成る〉
14647:  慾を手足に於て施して》而して守禦起る》是を以て。
14648:  物の已に分る。己れに切にして佗に疏す。
14649:  切なる者を守らんと欲す。故に害する者を禦ぐ。故に
14650:  学と曰う〉
14651:  礼と曰う〉
14652:  仁と曰う〉
14653:  義と曰う〉
14654:  業と曰う〉
14655:  務と曰う〉
14656:  薬餌と曰う〉
14657:  飲食と曰う〉而して
14658:  千万なる者は〉皆な守の事なり〉
14659:  衣服と曰う》
14660:  牆屋と曰う》
14661:  軍旅と曰う》
14662:  城郭と曰う》
14663:  戒と曰う》
14664:  禁と曰う》
14665:  祷と曰う》
14666:  刑と曰う》而して
14667:  千万なる者は》皆な禦の事なり》
14668:  守禦を務むるの間。物を弄するの工は。
14669:  一正一誕。
14670:  一護一訐。虚実の間なり。
14671:  正なる者は〉直なり〉質なり〉
14672:  護なる者は〉以て褒し〉以て覆す〉而して千万なり〉
14673:  誕なる者は》詐なり》誣なり》
14674:  訐なる者は》以て犯し》以て害す》而して千万なり》故に
14675:  寓する者は〉言に虚すと雖も〉而も意に実なり〉
14676:  訐する者は》事に実すと雖も》而も意に虚なり》
14677:  或いは言に正にして〉而して意に曲なり〉
14678:  或いは言に迂にして》而して事に敏なり》故に
14679:  情を以て之を言えば〉一虚一実なり〉
14680:  事を以て之を言えば》虚実は共に可否なり》
14681: 動作を発して〉而して守禦を為す〉
14682:  人と物と。同じく口舌手脚を具す〉
14683:       同じく声音営施を具す》
14684:  物の声音営施は〉自使混然たり〉
14685:  人の声音営施は》自使粲焉たり》
14686:  自使混然なる者は〉何ぞや〉
14687:  鳴けば則ち其の声は自ら発す〉
14688:  動けば則ち其の技は自ら露す〉
14689:  自使粲焉なる者は》何ぞや》
14690:  泣笑は自ら憂楽に於て発す》而して歌哭は転折を以て分す》
14691:  舞踏は自ら動作に於て成す》而して技巧は意匠に由て変す》
14692:  有意の能。意匠を転折して。神霊の妙を囀り。鼓舞の巧を弄す。是れ乃ち
14693:  人の独有する所にして。而して別に吼囀飛走の外に発す。
14694:  声音は転折して〉而して事物は状を無形に於て成す〉之を言語と謂う〉
14695:  之を咨嗟咏嘆して〉而して歌曲を作す〉之を序して律呂を為す〉
14696:  技巧経営して》而して事物は体を有形に於て成す》之を事業と謂う》
14697:  之を文章修飾して》而して礼楽を為す》
14698:  之を虚にして跡を為す》
14699:  之を実にして器を為す》
14700:  声を認めて書を為す》
14701:  型を摸して画を為す》
14702:  言語なる者は〉意智情慾を声音に於て転す者なり〉
14703:  事業なる者は》意智情慾を技巧に於て舞う者なり》
14704:  言語の道は〉心に生じて〉而して声に発す〉
14705:        耳に受けて〉而して心に弁す〉
14706:  心に生じて〉而して声に発する者は〉虚も亦た状を成す〉
14707:                   実も亦た状を成す〉
14708:  或いは素を以て之を直くす〉
14709:  或いは文を以て之を飾る〉
14710:  或いは野を以て之を出だす〉
14711:  或いは誕を以て之を欺す〉
14712:           (この行、編集による空白。)
14713:           (この行、編集による空白。)
14714:  耳に受けて〉而して心に弁ずる者は〉或いは以て之を信ず〉或いは以て之を疑う〉
14715:  信疑の間に虚実して〉而して言に成する者は〉千万なり〉
14716:  動作の事は》心に発し》而して身に動く》
14717:        我に出で》而して彼に見す》
14718:  心に発して》而して身に動く者は》以て能く守り》以て能く禦す》
14719:  守や》以て身を修し》以て産を治す》
14720:  禦や》以て微を慎み》以て備を修す》
14721:  我に出でて》而して彼に見わるる者は》
14722:  或いは以て往す》
14723:  或いは以て来す》
14724:  往来の中に守禦して》行に成する者は》千万なり》此の故に。
14725:  好を出し戎を興す〉
14726:  禍を締び福を致す》
14727:  心性に機す〉而して
14728:  言行に定す》是に於て。
14729: 文 以て其の用を具する。猶お人の府庫を設けて。
14730: 銭帛を置き。門戸を開きて。出入を為すがごとし。故に
14731: 肺は天気を保し〉肝は地気を化し〉心は其の神を運し〉 腎は其の天を持す〉
14732: 咽は水穀を納し》胃は水穀を畜し》※は其の浄を泌別し》腸は其の穢を送輸す》
14733: 耳目鼻舌は〉彩声臭味を通す〉
14734: 侌乳手足は》配嗣器地を用す》
14735:  粲気は〉則ち物に接するの気なり〉
14736:  粲体は》則ち意を用するの器なり》是を以て。
14737:  神本の気は〉上下の体に居す〉
14738:  精麁の気は》内外の体に雑す》是に於て。
14739:  肺肝心腎〉耳目鼻舌〉保運化持〉視聴聞味す〉
14740:  咽胃腸※》手足侌乳》納畜収送》舞踏交字す》
14741:  上体は臓を為す〉
14742:  下体は腑を為す》而して臓腑は各おの内外を有す。
14743:  内臓〉中は則ち心なり〉端は則ち腎肺肝なり〉
14744:  外臓〉中は則ち舌なり〉端は則ち鼻耳目なり〉
14745:  内腑》中は則ち胃なり》端は則ち咽腸※なり》
14746:  外腑》中は則ち侌なり》端は則ち乳手足なり》
14747:  神気は〉神なり〉
14748:  本気は》天なり》而して
14749:  神本は各おの内外を有す。
14750:  内神は〉精以て神本の気を運持す〉
14751:      麁以て天地の気を保化す〉
14752:  外神は》精以て声色を視聴す》
14753:      麁以て臭味を聞味す》
14754:  内本は〉精以て水穀を納畜す〉
14755:      麁以て便溺を収送す〉
14756:  外本は》精以て配嗣に交字す》
14757:      麁以て器地に舞踏す》
14758: 混然たる体用は〉以て物を合す〉
14759: 粲然たる気物は》以て神を開す》
14760: 鳥獣鱗甲。大抵は相い類す。惟だ
14761: 人は。則を天地に於て観て〉以て道を立す〉
14762:    為を設施に於て開き》以て礼を制す》
14763: 修は以て乱を防す〉
14764: 荒は以て治を擾す》是れ
14765: 物の無き所にして。而して人事の関鍵なり。夫れ
14766: 水陸なる者は。持中の両天地なり。
14767: 堅輭の動植は。擾擾として其の間に並立す。
14768: 神為変化。有無通塞。具に尽くす所を有すなり。蓋し
14769: 物の将に生するや〉其の気は混混沌沌たり〉惟だ
14770: 神は浡浡として〉天地を其の中に於て存す〉
14771: 其の既に化するや》其の物は汪汪洋洋たり》惟だ
14772: 気は袞袞として》其の物を天地に於て一にす》
14773: 生は。本生を有す〉
14774:    余生を有す》
14775: 余生は或いは気を以てして化す〉
14776: 本生は必ず 形を以てして伝う》
14777:  水陸の艸木鳥獣は〉之を本生と謂う〉
14778:  水陸の蟲豸菌苔は》之を余生と謂う》
14779:  本生は條理の正を守す〉
14780:  余生は條理の変を尽す》
14781:  本生は〉正中に変を尽す〉
14782:  余生は》変中に正を含む》是を以て。
14783:  鳥獣は正形にして〉而して鱗甲は其の変を尽す〉
14784:  O樹は正形にして》而して卉蔓は其の変を尽す》是を以て。
14785:  人は則ち竪立す〉
14786:  獣は則ち横行す》
14787:  我は則ち神霊を具す〉
14788:  物は則ち聡慧を乏す》
14789:  獣は則ち肉唇なり〉
14790:  鳥は則ち骨觜なり》
14791:  獣は鳥啄を食す。鼬は吸い魚は呑む。
14792:  獣は則ち食息す〉
14793:  魚は則ち呑吐す》
14794:  鱆は〉腹を以て安頭の処を為す〉
14795:  蛇は》腹を以て手足の用を為す》
14796:  象は〉鼻を以て指と為す〉
14797:  猿は》足を以て手と為す》
14798:  馬は吻を以て牛の舌に代う〉
14799:  牛は舌を以て馬の吻に代う》
14800:  鳥は〉寝に方りて人の坐るが如し〉             (方りて=あたりて)
14801:  人は》伏に方りて魚の行くに似る》
14802:  鳥は則ち尿無し〉
14803:  蝉は則ち屎無し》
14804:  牛馬は力に勝る〉
14805:  猫犬は捷に勝る》
14806:  鳥は手を以て翼と為す〉
14807:  魚は鬣を以て肢に代う》
14808:  諸生は 口※の処を異にす〉
14809:  鱆は則ち口※の処を一にす》
14810:  人は   清潔を好む〉
14811:  烏鳶は則ち臭穢を喜ぶ》
14812:  蝙蝠は 倒懸す〉
14813:  螺は則ち倒行す》
14814:  鰕は後に向って跳ぬ〉
14815:  蟹は旁に向って行く》
14816:  諸動は〉則ち内骨外肉なり〉
14817:  甲介は》則ち外骨内肉なり》
14818:  鳥の羽翼は。則ち魚の鱗鬣なり。
14819:  牛馬の唇舌は。則ち獣の手指なり。
14820:  鴎鷺は能く水に著く〉
14821:  人は則ち好んで火を執る》
14822:  望潮は頭を没す〉
14823:  水母は骨無し》
14824:  水魚は瞑せず〉
14825:  土蟲は息せず》
14826:  蟻は髭を以て視る〉
14827:  魚は目を以て聴く》
14828:  蟷螂は竪口なり〉
14829:  蚊虻は長舌なり》
14830:  蜂は則ち満面皆な目なり〉
14831:  蛛は則ち満身皆な腹なり》
14832:  鸚鵡と河豚とは〉瞼 獣の如し〉
14833:  鯢魚と蟾蜍とは》体 獣に似る》
14834:  ※鼠は則ち獣にして翅なり〉
14835:  ※鯉は則ち鱗にして毛なり》
14836:  亀は獣の如くして卵生す〉
14837:  鰐は鱗の類にして胎生す》
14838:  蠶類は〉則ち※にして蠶〉蠶にして蛹〉蛹にして蛾なり〉
14839:  蟾蜍は》則ち胞にして蝌蚪》蝌蚪にして手脚を生ず》
14840:  禽獣は〉則ち専ら声音を口に於て用う〉
14841:  羽蟲は》則ち専ら声音を羽に於て用う》然り而して
14842:  魚鼈は則ち少用声音なり。
14843:  人の技に於ける〉学びて後ち成る〉
14844:  物の技に於ける》習わずして得る》
14845:  牡蛎石※は〉含霊にして生を艸木に類す〉
14846:  石螺石蛤は》石体にして形を動物に類す》
14847:  苔蘇は枝葉を假らず〉
14848:  菌寓は艸木に全異す》
14849: 形の伝うる所。牝牡は感応し。胎を其の中に託す。
14850: 躯殻は開折し。其の物 始めて成る。
14851: 植の子や〉或いは肉を殻にし〉或いは皮を殻にす〉
14852: 動の子や》或いは卵を殻にし》或いは胞を殻にす》
14853: 殻を繋するの処は。植に之を蔕と謂う〉
14854:          動に之を臍と謂う》
14855: 鱗比相い継ぐの痕は。或いは亡し或いは存す。
14856: 葉布き花発し〉種殻を其の中に於て繋す〉
14857: 牡感は牝応し》子胞を其の中に於て託す》故に
14858: 男女の情なる者は〉発生の感にして〉而して
14859: 子母の愛なる者は》保生の応なり》
14860: 物の生は〉之を天に於て資す〉
14861: 物の養は》之を物に於て取す》故に
14862: 日は影を以てして養う〉
14863: 燥は水を以てして養う》
14864:  己れ天を以てして生す〉
14865:  己れ天を以てして死す》
14866:  其の已に生し未だ死せざる。能く持して此の体を存す。
14867:  持存の間〉生事を有す〉是れ之れを養と曰う〉
14868:       養事に反す》是れ之れを害と曰う》
14869:  天は之を養うに気を以てす〉
14870:  地は之を養うに質を以てす》
14871:  天は之を害するに気を以てす》
14872:  地は之を害するに物を以てす》
14873:  艸木は寒暑を得て〉而して天に養わる〉
14874:     水土を得て〉而して地に養わる〉
14875:  鳥獣は呼吸を得て》而して天に養わる》
14876:     飲食を得て》而して地に養わる》
14877:  氛※瘴癘は〉能く動植を気に於て害す〉
14878:  水火金石は》能く動植を質に於て害す》故に
14879: 動植は生を天に於て得る〉
14880:    養を物に於て取る》
14881: 内実する者は〉外より養う〉
14882: 内虚する者は》内より養う》
14883: 同じく諸を気質に取りて成す。
14884:  植は〉無意にして止して〉天地の用を無為に於て待つ〉
14885:  動は》有意にして動して》天地の養を有為に於て作る》蓋し
14886:  内実する者は〉養を外に於て取る〉
14887:  内虚する者は》養を内に於て取る》故に
14888:  彼の生を奪い〉
14889:  我の生に給す》是に於て
14890:  殺活の道有り。是の故に〉
14891:  物の天は〉動を殺して我の生を保する者有り〉
14892:       植を殺して我の生を保する者有り》故に
14893:  保生の道は。彼を殺して我を保するに非ざる者莫し。惟だ
14894:  植なる者は無意なり〉故に惨怛の憾無し〉
14895:  動なる者は有意なり》  惨怛の意多し》惟だ
14896:  豺虎鷹※より〉蟷螂蟾蜍の属に至りて〉動を殺して以て生を保す〉
14897:  馬牛羊豕より》蝶蛾の類に至りて》  植を殺して以て生を保す》
14898:  人は。則ち動植を得て。之を水火に於て調し。能く其の生を保す。然りと雖も。
14899:  其の禀性は。惨怛を愍んで。而して殺の醜事を忌む。故に
14900: 本気は内に保運す〉
14901: 神気は外に為技す》故に
14902: 混然たる気体は〉動植 同じく之を有す〉
14903: 粲然たる気体は》植  動の用を舎つ》
14904: 
14905:  天人給資図
14906:  体用性才天人合図
14907:  混気体図  與後粲気体図為一
14908:        合。以観神躯之全。
14909: 
14910:   粲物
14911: 植は則ち無意なり〉
14912: 動は則ち有意なり》故に
14913: 気は温動冷止を隔す〉
14914: 体は竪堅横輭を隔す》故に
14915: 植は骨液を身生に於て一にす〉
14916: 動は性為を意技に於て分す》
14917: 混すれば則ち其の文を没す〉
14918: 分すれば則ち其の文を露す》
14919: 文なる者は。臓腑に依して成す。
14920: 臓なる者は〉気を蔵する者なり〉故に能く気と交を為す〉
14921: 腑なる者は》物を納する者なり》故に能く物と接を為す》
14922: 神本は精麁を分す〉
14923: 臓腑は内外を分す》故に
14924: 混物は〉則ち身生神為にして〉動植は同じく之を有す〉
14925: 粲物は》則ち臓腑意作にして》動は能く之を分す》是を以て。
14926: 動は粲物を有す。以て気質に交接す。是に於て。
14927: 神本天地の気を内に於て有す〉
14928: 彩声臭味の気を外に於て交す》
14929: 水穀便溺の質を内に於て畜す〉
14930: 配嗣器地の質を外に於て接す》
14931: 神なる者は〉為の神にして〉之を心に於て運す〉
14932: 本なる者は》成の天にして》之を腎に於て持す》
14933:  神は有意を為す〉
14934:  本は無意を成す》
14935:  本神は以て一身を混成す。然りと雖も。
14936:  神は心に由りて運神の地を占す〉
14937:  本は腎に由りて持本の地を占す》故に
14938:  神本の二気は〉能く混粲の物を成す〉
14939:  心腎の二物は》能く運持の気を成す》
14940: 天気なる者は動なり〉呼吸して之を肺に於て保す〉
14941: 地気なる者は実なり》飲食して之を肝に於て化す》
14942: 彩なる者は〉体の静にして有する者にして〉之を目に於て視す〉
14943: 声なる者は》気の動にして発する者にして》之を耳に於て聴す》
14944:  既に其の竅を開けば。則ち各おの其の神を有す。各おの其の知覚を為す。
14945:  色なる者は。目の覚る所なり。而して色は気質を有す。
14946:  気は明暗に色す〉
14947:  質は黒白に彩す》蓋し
14948:  目は至明に逢えば則ち閉じ〉
14949:    至暗に値えば則ち盲す》
14950:  昼は則ち神 旺す〉
14951:  夜は則ち神 潜す》
14952:  蒼蒼の天。歴歴の曜より。物を彩に於て為せば。則ち得て之を見す。故に
14953:  目や明なれば則ち彩を其の中に於て弁ず〉
14954:    暗なれば則ち彩を其の中に於て失す〉
14955:  彩なる者は〉静にして有す〉故に常に之を有す〉
14956:  声なる者は》動にして発す》故に時に之を有す》蓋し
14957:  彩声臭味の気なる者は。則ち意為の用いざること能わざる所なり。
14958:  已に之を用いざること能わざれば。則ち其の交器無きこと能わず。
14959:  彩なる者は〉体の静にして之を有する者なり〉
14960:  声なる者は》気の激にして之を得する者なり》蓋し
14961:  色は則ち明暗と寒熱の気と偶す〉気の大なる者なり〉
14962:  彩は則ち黒白と清濁の気と対す》気の小なる者なり》故に
14963:  人は明暗に睡覚す〉
14964:    寒熱に粛舒す》
14965:    黒白に見す〉
14966:    清濁に聞す》蓋し
14967:  彩声臭味は。物は各おの之を有す。物は限る所有れば。則ち
14968:  彩声臭味は。亦た限る所有り。
14969:  彼れ暗からざれば則ち明るく。明るからざれば則ち暗く。
14970:  寒からざれば則ち熱く。熱からざれば則ち寒きに異なる。
14971:  目は〉隆然洞朗にして〉其の彩を弁ず〉
14972:  耳は》邃乎空豁にして》其の声を受く》
14973:  其の気は精を以て鼻舌の上に居す。
14974:  又た臭味と。精麁と偶を為す。
14975: 臭なる者は〉気の熱に由りて醸する者〉之を鼻に於て聞く〉
14976: 味なる者は》性の潤に由りて畜うる者》之を舌に於て味う》
14977:  声なる者は〉激にして発す〉
14978:  彩なる者は》静にして有す》
14979:  臭なる者は〉動にして発す〉
14980:  味なる者は》静にして有す》
14981:  又た各おの精麁を有す。凡そ物は各おの彩声臭味を有す。
14982:  彩は目に覚す〉
14983:  声は耳に覚す》
14984:  臭は鼻に覚す〉
14985:  味は舌に覚す》是れ
14986:  外に在る者なり。且つ其の己れに有るが如き者なり。
14987:  彩味なる者は。静者なり。
14988:  臭は〉内畜して外発せず〉
14989:  声は》内運して外発す》故に
14990:  臭なる者は〉血肉便溺の畜なり〉
14991:  声なる者は》思慮運為の発なり》
14992:  内畜の臭〉外漏する者を胡と為す〉
14993:  外発の声》内結する者を唖と為す》
14994:  且つ夫れ家狗の人を尾する。
14995:  風に向って鼻を鼓す。左右迂曲し。
14996:  必は其の跡を弁ず。是に由りて之を観るに。
14997:  人の覚は〉鼓舌に通す〉
14998:  狗の覚は》聞鼻に通す》
14999: 水なる者は〉物に液する者なり〉
15000: 穀なる者は〉物を養する者なり〉
15001: 之を咽に於て納れ〉之を胃に於て畜う〉
15002: 便なる者は》穀の滓なり》
15003: 溺なる者は》液の汚なり》
15004: 之を腸に於て送り》之を※に於て収む》
15005: 物は通気に従いて行く。神為を以てして為す。
15006: 経は則ち相い継ぐ〉
15007: 緯は則ち相い対す》
15008:  袞袞として逝く〉故に小物も亦た之に継ぎ従す〉
15009:  坱坱として塞す》故に小物も亦た偶を得て立す》
15010:  天は用を以てして運す〉故に小物も亦た用を以てして運す〉
15011:  神は物を以てして立す》故に小神も亦た物を以てして立す》故に
15012:  時は通すれば〉則ち後は前を継ぎて絶えず〉
15013:  塞を処すれば》則ち天は地に偶して離れず》故に
15014:  大物は。則ち天地を偶として。而して前後を継とす。
15015:  水火土石は〉自ら結ぶを以てす〉而して偶は反に資し〉継は気に資す〉
15016:  鳥獣艸木は》感を有するを以てす》而して
15017:  植は》華実を偶とし》種子を継とす》
15018:  動は》牝牡を偶とし》子母を継とす》
15019:  天は動し地は止す。動なる者は以て行す》
15020:           止なる者は以て事す》故に
15021:  東運西転は〉天に行す〉
15022:  冬夏昼夜は》地に事す》
15023:  雲騰雨墜は〉地に行す〉
15024:  発収動息は》物に事す》
15025:  小物の応する所。運は行を為す〉
15026:          為は事を為す》故に
15027:  動植を分すれば》則ち植は止して技せず〉
15028:            動は行して事を為す》故に
15029:  植は〉則ち升降に行し〉発収に事す〉
15030:  動は》則ち手 事に技し》足 行に運す》故に
15031:  手足無き者有り。手足有る者有り。而も
15032:  其の事を技し其の行を運するに至れば。則ち同一なり。故に
15033:  天は地に偶す〉侌は昜に偶す〉INUNは無窮なり〉
15034:  雌は雄に配し》華は実に配し》生生は尽きず》
15035:  生生は尽きず。故に
15036:  大物は〉則ち後 前に継し〉寒 暑に継す〉
15037:  小物は》則ち実 苗に嗣し》母 子に継す》故に
15038:  偶は以て対す〉
15039:  継は以て往す》
15040:  事に技す〉
15041:  行に運す》
15042:  大小と無く。同じく之を有す。惟だ
15043:  精麁は相い隔す。其の状は夐別なり。
15044: 配する者は〉己の偶なり〉之を侌に於て交す〉
15045: 嗣する者は》己の苗なり》之を乳に於て字す》
15046:  男女の受授は〉生生の気感なり〉
15047:  子母の乳哺は》生生の字育なり》故に
15048:  男は生生の器に余有り〉
15049:  女は生育の器に余有り》故に
15050:  精は〉生生の気に感すれば〉則ち有り〉
15051:  乳は》字育の日に非ざれば》則ち無し》
15052:  共に腑の物を納るる所なり。
15053: 地なる者は〉我の立つ所〉之を足に於て歩す〉
15054: 器なる者は》我の用う所》之を手に於て舞す》
15055:  腑なる者は物を納る。何ぞ手足の物を納れざる。蓋し
15056:  人の為は。手 以て技巧を執る〉
15057:       足 以て躯殻を載す》
15058:  載せて以て地を行く〉
15059:  執りて以て物を技す》
15060:  器地なる者は〉身の外なり〉
15061:  水穀も亦た》 身の外なり》
15062: 運為継偶。諸を天地に獲る〉
15063:      諸を各物に交す》故に
15064: 心肺肝腎〉咽胃腸※〉内に在るの臓腑なり〉
15065:  臓なる者は気を蔵す〉故に内を実す〉
15066:  腑なる者は物を納る》故に内を虚す》
15067:  水穀便溺。身の物に非ず。
15068:  資して継すの気は。此に假らざれば。則ち立たず。故に
15069:  物は此に得る。而る後 膩液を醸す〉
15070:             温動を輔す》
15071:  息なる者は〉天気を肺に於て引く〉而して一身を衛す〉
15072:  其の気は循環し〉又た鼻に出ず〉
15073:  食なる者は》地気を肝に於て運す》而して一身を営す》
15074:  滓汚は便溺を為し》而して之を※※に送る》
15075: 耳目鼻舌》手足侌乳は》外に在るの臓腑なり》而して
15076: 臓なる者は内肉なり〉内肉は外に在ると雖も〉亦た能く皮の為に覆わる〉
15077: 腑なる者は外皮なり》外皮は内に在ると雖も》亦た能く肉の表と為る》
15078: 内なる者は上に在り〉乃ち神気の所分なり〉
15079: 外なる者は下に在り》乃ち本気の所分なり》
15080:  本気は腑を用いて為をす〉
15081:  神気は臓に由りて意をす》
15082:  本気は本を為す〉
15083:  神気は華を為す》
15084:  始の気に資して〉坱洋然として処無し〉
15085:  此の気や〉有生の始に成す〉
15086:       体解の末に散す〉
15087:  首は上質の肉に攝す〉
15088:  身は下質の皮に攝す〉
15089:  呼吸は我を保す〉飲食は我を養す〉
15090:  資継の気は》鼻口を門戸と為す》
15091:  此の気や》有生の後に成す》
15092:       体解の前に尽す》
15093:  臓なる者は》心肺肝腎》耳目鼻舌》皆な上向す》
15094:  腑なる者は》咽胃腸※》手足侌乳》皆な下向す》而して
15095: 内なる者は意を舎すれば〉則ち本気は此に旺す〉
15096: 外なる者は意を用すれば》則ち神気は此に旺す》
15097:  目は視て耳は聴き〉鼻は聞き舌は味わうは〉意を外に於て用するなり〉
15098:  肺は保し肝は養し〉心は運し腎は持するは〉意を内に於て保するなり〉
15099:  気の用なり〉
15100:  咽は納れ胃は畜う〉腸は送り※は収むるは〉為を内に於て為すなり〉
15101:  手は技し足は行き》侌は交し乳は孳するは》為を外に於て為すなり》
15102:  質の用なり》然り而して
15103:  神なる者は内に在りて〉而して外 之を用す〉
15104:  気なる者な外を護して》而して内 之を用す》故に
15105:  神は心に華し〉而して腎に実す〉肺肝は気を以て保養す〉
15106:  咽胃納畜〉腸※収送は〉共に内に在るの者なり〉
15107:  皆な意を以て運用すること能わざる者なり〉
15108:  気は配に華し》而して嗣に実す》手足は肢を以てして技を行す》
15109:  耳目視聴》鼻舌聞味は》共に其の外に在る者なり》
15110:  皆な能く意を以て運用す可き者なり。故に
15111:  臓は神気の器を為し〉
15112:  腑は本気の器を為すと雖も》而も
15113:  内質は還って有為の器を為す〉
15114:  外質は還って用意の器を為す》且つ
15115:  神本は迭に旺す〉而して一睡一覚なり〉
15116:  気質は相い給す》而して一食一息なり》夫れ
15117:  神本なる者は〉生と偕に立す〉故に一身に充塞す〉而して門戸を假らず〉
15118:  臓腑なる者は》物を得て能く立す》故に気質を運化して》能く門戸を用す》
15119:  息食の受口は〉口を為し〉鼻を為す〉
15120:  便溺の瀉口は》※を為し》※を為す》
15121:  鼻なる者は〉喉の口なり〉
15122:  口なる者は〉咽の口なり〉
15123:  ※なる者は》※口なり》
15124:  ※なる者は》腸口なり》
15125:  此れ各一物にして〉
15126:  而して二名を具す》
15127:  合して之を咽胃腸※に於て統す。別に此の文有るに非ざるなり。是を以て。
15128:  鼻舌なる者は〉聞味を  具する所の臓なり〉而して
15129:  鼻口なる者は》息食の道路なり〉
15130:  侌乳なる者は》交字の生を具する所の腑なり》而して
15131:  ※※なる者は》便溺の瀉口なり》
15132:  臓なる者は気を蔵す〉
15133:  腑なる者は質を用す》故に
15134:  耳目は声彩を通ず〉
15135:  鼻舌は臭味を受く》
15136:  肺肝は〉天地の気を保化す〉
15137:  心腎は》神本の気を運持す》而して
15138:  視聴は〉或いは用し或いは体す〉
15139:  聞味は》或いは欲し或いは厭す》
15140:  咽胃は水穀を運す〉
15141:  腸※は便溺を通す》
15142:  侌乳は精汁を生化す〉
15143:  手足は器地を握歩す》而して
15144:  手足は〉或いは取り或いは捨つ〉
15145:  精汁は》或いは有り或いは無し》夫れ
15146:  動物なる者は。種子 相い継ぎ。先後 体を換うる者なり。故に
15147:  発生の気は〉感すれば則ち精を得る〉
15148:  生育の気は》通すれば則ち乳を生ず》
15149:  臓は〉肝に根し〉肺に葉し〉心に華し〉腎に実す〉而して
15150:  彩声臭味を受くるの孔を〉頭中の耳目鼻舌に於て開きて〉而して
15151:  其の系は上向して〉気の用を為す〉
15152:  腑は》身に幹し》肢に枝し》配に華し》嗣に苗す》而して
15153:  水穀便溺を受くるの孔を》腹中の咽胃腸※に於て開きて》而して
15154:  其の系は下向して》質の用を為す》
15155:  臓なる者は〉神気に親し〉神気なる者は〉養を肺肝の息脈に於いて資す〉
15156:  腑なる者は》本気に親し》本気なる者は》養を咽胃の水穀に於いて資す》故に
15157:  神本の養する所は皆な内に在り〉
15158:     資する所は皆な外に在り》
15159:  神なる者は〉気を耳目鼻舌に於て発す〉
15160:  本なる者は》為を手足侌乳に於て発す》故に
15161:  内なる者は〉天の用を為するの器なり〉
15162:  外なる者は》人の用を為するの器なり》
15163: 動植は本と同生。竪立横動し。意為を没露す。故に
15164: 植は地に著きて竪立し〉直に寒暑雨暘に当る〉是れ其の本気に長ずるを以てなり〉
15165: 動は地を離れて横行し》巣窟飲哺を假る》  是れ其の神気に長ずるを以てなり》
15166: 此れに長ずれば〉則ち
15167: 彼れに短なり》二の勢なり》故に。
15168: 植は〉自ら護するの本に足る〉故に
15169: 保養は之を自然に任す》
15170: 動は》自ら護するの本に乏し》故に
15171: 保養は之を営為に仰ぐ》
15172: 堅植は〉輭植の栄枯を假らず〉
15173: 堅動は》輭動の飛走を假らず》
15174: 偏に各おの其の天を保するなり。夫れ。
15175: 生の処は〉則ち水なり〉燥なり〉而して水は則ち我の処に非ず〉
15176: 生の類は》則ち動なり》植なり》而して植は則ち我の類に非ず》然り而して
15177: 本生は〉則ち水燥を天地にす〉
15178: 余生は》則ち分れて小物に依る》
15179: 陸は。日影〉寒暑晦明を為す〉
15180:    水燥》雨暘煦液を為す》故に
15181: 水動は。諸を陸動に比すれば。則ち
15182: 陸動は。INUNの和を得て。文を具し神に富み。
15183: 岐形多技にして。以て聡明の神を有す。
15184: 之を分てば。則ち鳥は軽くして獣は重く。獣は霊にして鳥は頑なり。
15185: 鳥は〉手を以て翼と為し〉翼を以て身を行す〉足を以て事を執る〉
15186: 獣は》翼を以て手に換え》足を以て身を行す》然り而して
15187: 鳥は則ち本気に富む〉
15188: 獣は則ち神気に富む》
15189: 神気に乏しければ〉則ち本気に足る》故に
15190: 羽は〉歩翔自在にして〉羽翼自ら護し〉産啄に易く〉謀慮に拙し〉
15191: 神気に富めば》  則ち本気に乏し》故に
15192: 獣は》歩して翔せず》営窟假る有り》産少く乳すること久し》思謀漸く巧む》蓋し
15193: 侌昜の態は。両つながら長ずること能わず。故に
15194: 生に余有る者は〉分に足らず〉
15195: 文に余有る者は》生に足らず》是を以て
15196: 陸植は水植より多し〉
15197: 水動は陸動より多し》故に
15198: 海動陸植は。子を生むこと数万にして。而して陸中。獣は鳥より寡し。
15199: 獣中。穎悟は人に勝るは莫し。
15200: 獣は猶お一胞数子にして。人は一胞一子に過ぎず。
15201: 故を以てすれば。則ち人は当に最も寡なかるべし。然りと雖も〉
15202: 智力に勝ることを有るを以て。以て能く蕃滋を致す。
15203: 終に其の神を運為し。天地に取りて。我が有と為し。
15204: 万物を以て。我が器と為す。神気の長ずるを以て。而して
15205: 本気は自立すること能わず。産乳は最も難し。疾病は最も多し。
15206: 外護内養は。都て不足を神気に於て補う。故に
15207: 木を架し茅を覆い。以て風雨を禦ぎ。
15208: 麻を績ぎ繭を※し。以て寒暑を防ぐ。
15209: 燧を鑽りて火を引き。井を鑿ちて水を出だす。
15210: 海を煮て塩を取り。土を墾して穀を斂む。
15211: 痛痒を医薬の営に於て攻む。
15212: 饑渇を調和の為に於て養す。
15213: 屋宇を假らざれば。則ち雨暘に当ること能わず。
15214: ※屐を假らざれば。則ち土石を践むこと能わず。
15215: 観る可し 本気の不足を神気の有余に於て補うを。故に
15216: 此に贏る者は〉彼に倹なり〉
15217: 彼に贏る者は》此に倹なり》
15218: 彼此は相い倹贏すと雖も。而も成する所に於ては則ち全なり。
15219: 一二の故なり。故に
15220: 同じく内外臓腑を具すと雖も〉
15221: 同じく営為技巧を具すと雖も》
15222: 人と能を争う者莫きなり。然り而して
15223: 通塞巧拙に於ては則ち各おの有するなり。
15224:  物は自ら気を具す〉
15225:  神は自ら物を用す》
15226:  鬼神の物に体して遺さざる所以なり。
15227:  万物は各おの鬼神を存するなり。
15228:  無意感求は性を為し〉知通は神を為す〉
15229:  有意情慾は性を為し》意智は神を為す》
15230:  同じく是れ性神と雖も。天人は同じからざるなり。蓋し
15231:  人なる者は。有意の統名なり。
15232:  禽獣蟲魚。亦た皆な意を具す。惟だ
15233:  物の殊なるを以て。而して気も殊なり。
15234:  通塞は同じからざるなり。故に
15235:  彼に我の神霊の通。鼓舞の巧無し。
15236:  此に通する者の〉
15237:  彼に塞するは》條理の道なり。是の故に。
15238:  物は気感に厚し〉
15239:  人は知通に深し》
15240:  其の気を以て感ずる者は定まる〉
15241:  磁の南を指し〉水の卑きに就き〉鷄の晨を知り〉
15242:  燕の春を知る〉期するが如く然るなり〉
15243:  其の智を以て通する者は変す》好悪思弁は別ならずと雖も》
15244:  感応運為は同じからず》故に
15245:  意通気感は。跡は則ち反す〉
15246:        理は則ち同す》
15247:  人なる者は〉之を思いて覚す〉
15248:        之を慮りて通す〉
15249:        之を学びて能す〉
15250:        之を謀りて為す〉
15251:  物なる者は》知る可き者は自ら知る》
15252:        能くす可き者は自ら能くす》
15253:  鳥の卵に伏す。殻を隔てて其の化を知る。※啄相い得て。
15254:  之を誤まる者無し。若し之を智慮に於て索めば。
15255:  能く之を知ると雖も。寧んぞ忘失せざるを保せんや。若し夫れ。
15256:  食色 心を動かし〉
15257:  睡覚 智を転ずるも》亦た
15258:  人の気感にして。而して意智の随なり。
15259:  人は則ち有意なりと雖も。亦た無意を平分す。故に
15260:  思慮智弁〉経営動作に於ては〉則ち之を知ると雖も〉
15261:  運持保化》老壮病健に於ては》則ち識らず》
15262:  分する者は〉物なり〉
15263:  有する者は》気なり》
15264:  物は天地を有す〉鬼神は之に由る〉
15265:  事は感応を有す》気質は之を用う》故に
15266:  日月に行有り〉寒暑に序有り〉南北に方有り〉天地に位有るは〉
15267:  物の体なり〉常なり〉
15268:  日月旋転し》寒暑往来し》南北迭節し》天地相い通ずる者は》
15269:  気の用なり》変なり》故に
15270:  鬼神は〉天地を以て体を為す〉
15271:  天地は》鬼神を以て用を為す》故に
15272:  神なる者は〉水を為し〉火を為し〉有意を為し〉無意を為す〉
15273:  天なる者は》水を成し》火を成し》有意を成し》無意を成す》而して
15274: 穎悟多文。天地と勢を張る者は。惟だ人のみ有す。故に
15275: 搏きて雲霄にるも〉※みして之に及び〉
15276: 潜んで幽壑に蟄するも》餌して之を鉤す》
15277: 含牙戴角も〉服して之を役す〉
15278: 利觜鉤爪も》繋して之を檻す》
15279: 日月星辰を暦象す〉
15280: 山川丘陵を経界す〉是に於て。
15281: 江海山原。金木土石。艸木鳥獣。魚鼈蟲豸。己の用に非ざる者莫し。
15282: 能く声音を転じて〉而して万の事物〉挙げて之を言語に於て認め〉
15283: 能く手脚を役して》而して万の技巧》尽く之を営為に於て運す》
15284: 已にして宇を造りて〉而して言語を指頭に記す〉
15285:     画を製して》而して物象を目中に認む》
15286: 我は天地に有せられて〉而して
15287: 我も亦た天地を有す》
15288: 勢を張れば。則ち天は無意にして成す〉
15289:         人は有意にして為す》
15290: 彼は天境を開し〉而して物は尽く其の中に居す〉
15291: 此は人境を開し》而して己れ独り此の中に立す》是を以て。
15292: 天の境を為す〉無意にして成す〉
15293: 人の境を為す》為にして成らず》
15294: 神は内に運し〉為は外に営む〉
15295: 彩を目に於て取り〉声を耳に於て取る〉
15296: 気を鼻に於て取り〉性を舌に於て取る〉
15297: 技を手に於て運し〉行を脚に於て用う〉
15298: 交を侌に於て通し〉字を乳に於て為す〉
15299: 意の外用なり〉
15300: 呼吸して天気を臓中に於て保す》
15301: 飲食して地質を腑中に於て化す》
15302: 呼吸飲食は》天の生生に給す》
15303: 意智情慾は》人の其の中に於て成す》
15304: 為の内用なり》
15305:  鳥は〉技 觜脚に在り〉
15306:  獣は》技 歯爪に在り》
15307:  惟だ指を蹄にする者は〉技 口鼻に在り〉
15308:  爪歯に利からざる者は》技 手指に在り》然り而して     (利い=するどい)
15309:  魚は。 則ち之を鰭尾に於て施し。
15310:  蟲豸は。則ち変化万状なり。且つ
15311:  諸動の声に於けるも亦た技なり》而して
15312:  鱗裸は声技を用うる者少し〉
15313:  鳥獣は声技無き者少し》
15314:  余生の若きに至りては。
15315:  羽類に声無き者有り〉有れば則ち之を羽に於て発す〉
15316:  豸類に声無き者多し》有れば則ち之を喉に於て鼓す》
15317:  鳥獣に至りて。而して後 喚呼哀楽。之を声に於て用う。
15318:  人の有意多智なるに及んで。声の技に於ける。体技と半ばす。
15319: 言語は文章を為す〉
15320: 営為は事業を成す》
15321: 意智は〉則ち思慮智弁なり〉
15322: 情慾は》則ち愛憎欲悪なり》故に
15323: 知は通塞信疑を有す〉
15324: 弁は善悪是非を生す》
15325: 思は与奪殺活を致す〉
15326: 慮は正詐安危を成す》
15327: 思弁好悪は。融して分せず。神は変化を此に於て運す。
15328: 粲物なる者は。門室に由りて。而して行居を為し。
15329: 混物の為に。能く其の役を執る。故に
15330: 彩声気性なる者は〉気の我に交する者なり〉
15331: 配嗣器地なる者は》質の我に接する者なり》
15332: 物は気感に厚し〉
15333: 人は意念に深し》
15334: 意念の運する所は。思 注いで〉而して嗜好淫念を僻す〉
15335:          情 厭いて》而して※悪棄捐を出す》
15336: 本気の弱を以て。意念を役すること之れ深し。故に。
15337: 憂楽は節を失い。疾病を内に醸す。
15338: 其の天寿を保するに於けるや。則ち物に逮ばず。
15339: 我を利すれば則ち彼を損す〉
15340: 我を快すれば則ち人を困す》
15341: 彼我は用を反して。労逸は塗を殊にす。是の故に。
15342: 聖人は。則を天地に於て観て〉以て道を立す〉
15343:     為を施設に於て開し》以て礼を制す》是に於て。
15344: 其の位は立す可し。其の分は守る可し。其の道は行う可し。其の宅は居す可し。
15345: 物に制度有り。事に法則有り。
15346: 適否に由りて〉而して悦怨の心を生じ〉而して以て善悪を択ぶ〉
15347: 当否に由りて》而して栄辱の智を分し》而して以て是非を択ぶ》
15348: 之を知るに学を以てし》之を修するに礼を以てす》
15349: 
15350:  混粲気体図
15351:  粲気体図
15352:  天人交接図
15353: 
15354:  玄語
15355:     日本 鎮西 三浦晋 安貞 著
15356:    例旨
15357: ○蔽は必ず明に由る。塞は必ず通に由る。一一の態。然らざるを得ず。
15358:  蓋し人の生為る。必ず習する所に染む。
15359:  習する所に染めば。則ち其の素なる所を失す。是を以て。
15360:  俗習の蔽は。学 之が※鍼を為す。
15361:  学習の蔽は。殆ど薬石を擲つ。
15362:  之を染むるや易し。之を素にするや難し。
15363:  之を蔽うや易し。之を復するや難し。夫れ
15364:  因循薫蒸の久しき。猶お臭人の其の臭を臭とせず。
15365:             屠人の其の羶を羶とせざるがごとし。
15366:  髪を数え毛を簡う。説の精微ならざるに非ず。
15367:  天を超え地を越ゆ。教の広大ならざるに非ず。惟だ
15368:  各おの其の得て有する所を徳とし。
15369:     其の由て行する所を道とす。
15370:  珠を拾いて玉を遺し※※を悪んで瓊瑶を棄つ。
15371:  異同紛縕。一護一訐。各おの其の門に拠り。各おの其の戸を守る。
15372:  区域を相い画し。是非互いに殊なり。是に於てか。
15373:  或いは相い睨視し。或いは相い仇讐す。
15374:  学習の人の聡明を蔽い。人の才力を病ましむる所以なり。
15375:  善悪之を択び。是非之を折る。
15376:  聖人に非ざるよりは。則ち得失無きこと能わず。
15377:  択びて精ならず。将に紫を以て朱を乱さんとす。
15378:  悪みて学ばず。将に瞽を以て相を忌まんとす。
15379:  学びて党せず。思うて偏ならず。則を獲て履む。斯れ道なり。
15380:  我れ其の及ぶ可からざるを知る。而も射の拙なるを以て鵠を廃せんや。
15381:  晋は垂髫より。触るる所総て疑わし。
15382:  解く者耳を※し。夢寐の語徴し難し。
15383:  思念は胸を塞ぎ無権の衡は偏を作す。
15384:  人の言に曰く。火は昜なり。故に熱す。水は侌なり。故に寒すと。
15385:  晋は則ち以為く昜なる者 奚為れぞ熱す。侌なる者 奚為れぞ寒すと。
15386:  人の言に曰く。昜は軽くして升る。侌は重くして降る。
15387:  人の思うや。此に至って止む。晋の疑うや。是に於て已甚し。
15388:  隆然として烏き者。何為れぞ視る。
15389:  邃乎として谷なる者。何為れぞ聴く。
15390:  目は何為れぞ聴かざる。耳は何為れぞ視ざると。
15391:  人は則ち是に至って釈く。晋は則ち釈く能わず。
15392:  己の得て有する所を得て而して之を有せざる者をば。之を非とす。
15393:  己の由りて行う所に由りて之を行わざる者をば。之を外にす。
15394:  人は則ち是に於て能く断ず。晋は則ち惑う。
15395:  人は諸を古に聞きて。諸を書に得て便ち言う。
15396:  晋は則ち未だ全信すること能わず。
15397:  天地に於けるや。荒唐散漫として説く。
15398:  生死に於けるや。恍惚曖昧として言う。
15399:  験を僻に取り。舌を空に懸く。
15400:  人は則ち意に介せず。晋は則ち懌然たること能わず。
15401:  反復して之を思い。沈潜して之を繹ぬ。
15402:  俯仰の間に小窺有るに似る。竟に自量せず。
15403:  此に斯の述有り。蓋し斯の述。
15404:  一一の條理に由り。以て則を天地に取る。則ち
15405:  敢えて古と計校せず。造語は己に由ること有り。
15406:  一気は。侌昜なり。大物は。天地なり。
15407:  世に方円と曰う。此に直円と曰う。
15408:  世に日月と曰う。此に日影と曰う。
15409:  或いは其の名を命ずるや新たに。
15410:  或いは其の義を取るや殊なり。惟だ
15411:  天地と合するを求めて。而して定説を顧るに暇あらず。
15412:  惟だ冀う 人の習する所に病まず。以て向う所に活し。而して
15413:  之を是非するに天地を以てし。之を取捨するに天地を以てす。
15414:  門戸を護り。区域を画し。他の賢哲を禦ぎ。而して
15415:  此の赤子を外にせざらんことを。故に儻し此の語を読む者。 (儻し=もし)
15416:  専ら旧の見聞に証し。専ら古の訓古に拠らば。則ち
15417:  晋の罪を獲ること。亦た多からんとす。
15418: ○其の書 四冊。曰く本宗。曰く天冊。曰く地冊。曰く小冊なり。
15419:  本宗は惟だ一冊。而して他の三冊は。各おの両両を分つ。
15420:  本宗は則ち鬱浡之神。混淪の物を語る。
15421:  然り而して物の若く立する所は。則ち神の若く活するを以てなり。
15422:  神の若く活する所は。則ち物の若く立するを以てなり。
15423:  立する者は物を露す。活する者は物を没す。
15424:  没は天を為す。露は地を為す。
15425:  天冊は則ち其れ鬱浡。故に鬱浡として活する者。挙げて此に繋がる。
15426:  地冊は則ち其れ混淪。故に混淪として立する者。挙げて此に繋がる。
15427:  條理は粲然として相い判ると雖も。而れども
15428:  没を説いて露に入り。露を説いて没に入る者は。
15429:  混成して罅縫を没すればなり。含めば則ち開く。開けば則ち含む。故に
15430:  鬱浡の神。混淪の物。已に一に開く。
15431:  神は天地を開きて。侌昜INUNす。故に
15432:  大は廼ち能く小を容れ。小は廼ち能く大に居る。
15433:  大は廼ち能く給し。小は廼ち能く資す。
15434:  小より大を観れば。則ち容るる者居る者。各自に勢を張る。
15435:  小より佗を観れば。則ち佗は則ち大なり。
15436:  大は能く小を統べ。小は能く大を散す。
15437:  大なる者は窮む可からず。小なる者は尽くす可からず。夫れ
15438:  人なる者は。万物中の一物なり。
15439:  心なる者は。衆神中の一神なり。
15440:  我れ遂に其の境を開けば。則ち鬱浡混淪。皆な我が境に給す。故に
15441:  人を以て小を統べ。我を挙げて佗を措く。
15442:  是れ之れを我が小冊と為す。是に於てか。
15443:  本宗は天地の両冊を包む。我が為に大冊と為す。
15444:  大は給せざる所無く。小は資せざる所無し。故に
15445:  小冊は。活する者を以て。人部と為す。
15446:      立する者を以て。物部と為す。
15447:  物部。大小を分別する者は。便ち我が地冊なり。
15448:  人部。天人を分別する者は。便ち我が天冊なり。
15449:  天地は則ち一宇宙なり。宙の経通を語れば〉則ち序に先後有り〉
15450:              宇の緯塞を語れば》則ち言に先後無し》故に
15451:  天冊は〉部を活立に分つ〉
15452:  地冊は》部を没露に分つ》
15453:  天冊は〉其の一は廼ち活部〉天と神となり〉
15454:      其の一は廼ち立部》神と本となり》
15455:  地冊は〉其の一は廼ち没部〉通塞を説く〉
15456:      其の一は廼ち露部》覆載を説く》
15457:  小冊。露を物にし没を人にするは。大を分ち天を分つを以てなり。故に
15458:  将に斯の語を読まんと欲する者は。
15459:  流れに泝ると。流れに沿うと。
15460:  左よりすると。右よりすると。
15461:  中より提ると。端より起ると。
15462:  猶お環の手の触るる所に従って起きて転ずるが如し。
15463:  之を次序するが若きは。則ち本宗に統有り。
15464:  鬱浡は能く活す。
15465:  混淪は能く物す。
15466:  人は小境を開きて。亦た天と勢を張る。蓋し
15467:  人は如し天地に達観せんと欲せば。但だ
15468:  天に観て。而して之を天に獲。
15469:  人に観て。而して之を人に獲んことを要す。
15470:  書と図とは皆な贅疣なり。姑く魚兎の為に筌蹄を設くるのみ。故に
15471:  此の書を読む者は。天に観て。而して合う有れば
15472:  則ち宜しく之を取れ。天に観て。而して誤有れば。
15473:  則ち宜しく之を舍け。晋は何ぞ與らん。
15474: ○物は経緯を有す〉諸を文辞に寓するに〉経は先後に由て序す可し〉
15475:                   緯は両辞斉発す可からず〉
15476:  気は混粲を有す》諸を図書に託するに》
15477:  粲は條理に由て分つ可し》
15478:  混は罅縫綻開す可からず》故に
15479:  文は変化に錯綜す〉
15480:  図は條理に整斉す》夫れ物は統散の分を有す。
15481:  一天地を具するに於ては。則ち小猶お大なり。故に
15482:  大物は。一は二を有す。二は一を成す。
15483:  性物剖対し。往くさき限り無し。
15484:  諸を一塵埃に置き。諸を一秋毫に求むるも。亦た猶お同じきなり。
15485:  爰に図書を為して以て彷彿を求む。蓋し
15486:  大物は。天に於てすれば。則ち天 統べざる無し。
15487:      地に於てすれば。則ち地 統べざる無し。
15488:  往く所 皆な然り。斯の語を読む者は。
15489:  天を言えば則ち之を徒らに天にし。
15490:  地を言えば則ち之を徒らに地にし。
15491:  指すに従いて之を徒にす。能く玄を読む者に非ざるなり。
15492:  円を玩んで直を遺し。表を観て裏を忘るるは。
15493:  能く円を玩ぶ者に非ざるなり。読みて一声を得れば。
15494:  須く性物を剖対して。一天地の此に成るを観ずべし。
15495:  重ねて一声を得るに及んでも。亦た須く性物を剖対し。
15496:  一天地を此に成し。以て其の粲を得。以て其の混を得。
15497:  一事一際。一物一境。己に其の境に入りて。而して
15498:  天地を其の境に尽くす。
15499:  甲を挙げれば。乙丙丁。皆な来りて甲に繋る。
15500:  乙を挙げれば。甲丙丁。皆な来りて乙に繋る。
15501:  而丙丁。戊巳壬癸。往く所皆な然り。是の故に。
15502:  機に居すや。則ち天地は皆な機なり。
15503:  体に居すや。則ち天地は皆な体なり。
15504:  此の如くにして而して後 精麁相い得て。統散偏全 相い融す。
15505:  一事一際。万物万境。
15506:  言語を以て之を尽くさんと欲せば。則ち
15507:  啻に蠡を以て海を測るのみならず。且つ
15508:  言は統散有り。反比有り。
15509:  先後の序す可き有り。次序を用いざる有り。
15510:  専ら其の主を指す有り。一を挙げて万を例する有り。
15511:  専ら其の主を指すとは何ぞ〉体を以て物を露すれば〉則ち
15512:  截然として其の物を殊にす〉故に
15513:  其の天を説き地を説き水を説き火を説くが如きは〉専ら其の主を執る〉
15514:  一を挙げて万を例するとは何ぞ》性を以て気を見す者は》
15515:  混然として万物を融す》故に其の徳と曰い道と曰い》
15516:  性と曰い才と曰うが如きは》混として万物に融す》
15517:  言語の道。譬諭有り。譬諭とは。彼を假りて此を曉すの術なり。
15518:  今 一を挙げて万を例するとは。其の端を示すなり。
15519:  譬諭に非ざるなり。故に其の言に曰く。
15520:  之を某に言うにと。又た曰く。之を某に移すにと。
15521:  露を説く者は。多くは専ら其の主を指す。
15522:  没を説く者は。多くは一を挙げて佗を例す。蓋し
15523:  混成粲立。天地の態然り。是に於て。
15524:  其の言は。上統べて下剖く者有り。
15525:       偶を待たずして直ちに下なる者有り。
15526:  句中自ら対する者有り。
15527:  章を隔てて相い対する者有り。
15528:  辞対して意汎なる者有り。
15529:  主対して辞汎なる者有り。
15530:  実対して句長短有る者有り。
15531:  一隻は則ち主孤にして。一隻は則ち主多なる者有り。且つ
15532:  対に反有り。比有り。互有り。汎有り。
15533:  彼此相い証する者有り。審かにせざれば則ち将に失せんと。是れ
15534:  斯の語の文法なり。図に。直円有り。大小有り。
15535:  大円は混成に擬す〉
15536:  小直は粲立に擬す》
15537:  大直は剖析を為す〉
15538:  小円は対待を列す》
15539:  文に反合有り〉図に表裏有り〉
15540:  文に剖対有り》図に雙岐有り》
15541:  是れ図の大意。書に合する有る者なり。
15542:  噫夫れ。華を画いて妙麗を極むるも。而も復た子を含まず。
15543:  鳥を刻んで彷彿を致すも。豈に其の※※を為さんや。是に於て。
15544:  天巧は人に假さず〉
15545:  人巧は天に肖ず》
15546:  獲る所は則ち魚兎〉設くる所は則ち筌蹄なり。
15547: ○坱坱たり。洋洋たり。往くとして気に匪ざる靡く。
15548:           往くとして物に匪ざる靡きなり。
15549:  物は見る可し。而して気は則ち漠然たり。漠然として見難し。故に
15550:  其の粲然も亦た之を知り易からず。気に精麁有り。
15551:  麁を察し以て精に漸む。猶お高遠の卑近よりするがごとし。蓋し
15552:  人は坱洋INUNの間に坐して。
15553:  之を視て見えず。之を聴いて聞こえず。
15554:  之に触れて礙げざる者を観て。
15555:  或いは以て空と為し。或いは以て無と為す。
15556:  其の未だ條理を知らざる。認めて空無と為す。
15557:  亦た宜ならずや。蓋し
15558:  侌昜の態。物を反して居を同す。故に
15559:  充と空と成り。無と有と偶す。
15560:  其の所謂空なる者は〉体に空にして〉而して気に空ならず〉
15561:  其の所謂無なる者は》質に無にして》而して気に無ならず》
15562:  試みに水注を製するを観よ。必ず二孔を穿つ。
15563:  一孔は気を通じて〉一孔は水を通ず》
15564:  一勺の水出づれば〉一勺の気を納る》
15565:  水尽きれば則ち気充つ〉気出でざれば則ち水入らず》故に
15566:  地ならざる者は。皆な天なり。
15567:  質ならざる者は。皆な気なり。
15568:  已に質と相い拒みて。而して相い居せず。
15569:  水は門戸を以て出入すれば。則ち気も亦た門戸を以て出入す。
15570:  既已に空無ならば。豈に門戸を以てするを為さんや。
15571:  已に門戸に由ること有り。已に物と居を争う。
15572:  厳然として充ちて且つ有る者に非ずや。
15573:  充ちて有ると雖も。而も闃として声臭無し。是れ廼ち気の謂いなり。
15574:  而して物と我と。亦た斯の中に遊ぶ。而して
15575:  鳥獣の居る所は。魚鼈居らず。
15576:  彼れ此れに来れば輒ち死す。此れ彼れに之けば輒ち死す。
15577:  此れを以て彼れを観。彼れを以て此れを観る。反して能く同す。
15578:  我は此の中に在り。試みに縄一條を執りて之を垂るるに。
15579:  圧することも無く援かるることも無くして。而して直下正立す。
15580:  此の気の直を観る。試みに革嚢の鞠を以て。
15581:  気を内に充たして。外出の罅縫を塞げば。則ち
15582:  千鈞以て之を圧すと雖も。而も※らず。
15583:  此の気の持するを観る。嚢破るれば。則ち爆然として風を為す。
15584:  以て風なる者は此の気の動なるを知る。
15585:  風を隔つれば。則ち煦煦たるを覚ゆ。
15586:  以て温なる者の此の気の静なるを知る。
15587:  物は水に入らば則ち湿す。此に在らば則ち燥なり。故に
15588:  名を命じて燥と曰う。其の水と相い拒むを観る。則ち
15589:  気と雖も体有り。体有る者は。処を得て居す。
15590:  今此れ質に空なりと雖も。而も空を以て体を成すなり。夫れ
15591:  已に其の処を得て居す。已に物と其の処を争えば。則ち
15592:  気も亦た物なるのみ。物は気に非ざる莫し。気は物に非ざる莫し。
15593:  気は散を以て体を虚す。体無きに非ざるなり。
15594:  物は気を以て実を結す。気ならざるに非ざるなり。
15595:  前の見る可きの体なる者は。麁体なり。
15596:  漠然たる者は。精体なり。
15597:  麁を知りて精を知らず。※んぞ物を知るに在らん。
15598:  其の未だ物を知らざる。※んぞ気を知るに在らん。
15599:  気麁なれば則ち体露す〉
15600:  気精なれば則ち体没す》
15601:  没して鬱浡の神を為す者は〉徳性なり〉
15602:  成して混淪の体を露す者は》天地なり》
15603:  露する者は〉侌なり〉
15604:  没する者は》昜なり》侌昜先後無し。
15605:  没を挙ぐれば則ち露従う〉
15606:  露を挙ぐれば則ち没従う》
15607:  読む者。拈するに従いて必ず先後を序せざれ。且つ
15608:  没を説けば則ち露に入る〉
15609:  露を説けば則ち没に入る》
15610:  諸を粲立混成の間に求めよ。
15611: ○夫れ人は蜉蝣の年を以て。眇として天地に処して。
15612:  視聴の広からざるに病み。応接のNからざるに苦しむ。
15613:  苟くも之を審察熟体するに弗ずんば。
15614:  則ち猶お破鏡の物の全形を照すこと能わず。
15615:  撃火の物の全体を察すること能わざるがごとし。蓋し
15616:  世は穎悟に乏しからざると雖も。而も
15617:  未だ能く天地の然る所以を審かにすること能わず。
15618:  天地の偏半を見て。以て全体と為す。
15619:  坱洋のINUNを見て。以て空無と為す。蓋し
15620:  天地は。混円たる其の形。虚実其の中に物す。
15621:  今の世。実測と推歩と漸く精しければ。則ち
15622:  其のを形を知るに於ける頗る熟す。其の形に頗る熟すと雖も。而も
15623:  未だ能く天地の然る所以を審かにせざる者は。何ぞや。
15624:  侌昜の故に罔きを以てなり。
15625:  夫れ侌昜なる者は。対待の一一なり。
15626:  人其れ孰れか其の一斑を窺わざらん。未だ其の全体を見ざるなり。
15627:  已に其の一斑を窺いて。而も未だ其の全体を見ざる者は。何ぞや。
15628:  未だ條理の帰する所を得ざればなり。
15629:  已に條理の帰する所を得る。四肢百骸。其の統ぶる所を得る。而して
15630:  其の分るる所を知る。刀を奏むること※然として。肯綮自ら分る。
15631:  族の為し難きに至ると雖も。而も視ること止み行くこと遅く。然として解く。
15632: ○一一なる者は。侌昜なり。之を條理と為す。気物分す〉性体合す》故に
15633:  合なる者は。分中に合す。而して
15634:  気は則ち侌昜なり〉物は則ち天地なり》
15635:  往くとして侌昜天地に匪ざる靡し。
15636:  人は口を開けば。則ち皆な侌昜天地と曰う。
15637:  未だ條理を知らず。何を以てか侌昜天地を知らん。於戯尚しいかな。
15638:  庖犠氏の後。我れ未だ能く侌昜を述ぶる者を見ず。蓋し
15639:  之を知るの道有り。未だ其の道を得ずして。強いて之を知らんと欲す。
15640:  猶お瞽者の文采を思想し。聾者の律呂を思想するがごとし。
15641:  終に思想する所を以て。之が言と為す。
15642:  之を窺窬と謂う。瞽聾は人を欺く。窺窬の説は。政を天下に為す。
15643:  窺窬は。五家を魁と為す。五行。洪範より以来。数千百年なり。
15644:  牛に汗し棟に充つるの書。皆な之が羽翼を為せば。則ち
15645:  因循薫蒸。何ぞ臭人の臭。屠人の羶と異ならん。然りと雖も。
15646:  彼れ徴を天地に失すれば。則ち
15647:  仰観俯察の久しきも。疑を生ぜざること能わず。是に於て。
15648:  世に稍や五家の妄を議する者有り。
15649:  妄を知りて未だ真に遇せず。焉んぞ燭を夜行に秉るに在らんや。
15650:  條理なる者は。一一なり。分して反す。合して一なり。是を以て。
15651:  反観合一なり。徴に正に依り。私を以て調停す可きに非ざるなり。夫れ
15652:  人なる者は〉有意を以て〉能く知り能く思う〉
15653:  天なる者は》無意を以て》能く為し能く成す》是れ亦た其の反なり。
15654:  先達は心を推して物を観。終に心の為に私せらる。
15655:  美なりと雖も善なりと雖も。天地の本然に非ず。
15656:  況んや美と善とに非ざるをや。夫れ
15657:  反観合一。試みに剪刀を執りて。紙を裁して之を観よ。
15658:  一拗一突。一傾一欹。之を合すれば則ち混一無間なり。
15659:  天虚地実。気動物静。火熱氷寒。雲升雨降。
15660:  往くとして然らざる者無し。反観して合一すれば。則ち
15661:  窺窬の罅漏。自ら揜うこと能わず。
15662:  人は博洽なりと雖も。聡明なりと雖も。
15663:  反観の門より来たらざる者は。則り之を堂に上ぜず。
15664:  噫 窺窬の※る所。己を推して己に同じからざる者を窺うことに剏る。
15665:  夫れ天なる者は。人に反する者なり。人を推して天を窺えば。
15666:  天人混ず。其れ天地を譚する者は。
15667:  二と言うも亦た合す。三と言うも亦た合す。四と言うも亦た合す。
15668:  五と言うも亦た合す。有無真妄。惟だ弁の雄なる者勝つ。
15669:  天人の弁は。学者の急務なり。
15670:  未だ天人を弁ぜずして。安んぞ瞽聾と聡明とを分たん。
15671:  人は苟くも事物を弁ずるに志し有らば。須く先づ此より始むべきなり。
15672: ○物なる者は。体 成りて立す。故に條理井然たり。
15673:  事なる者は。動して相い交す。故に運為紛若たり。
15674:  條理井然たりと雖も。而も運為紛若の中に在れば。
15675:  古人終に條理の原を探窮すること能わず。
15676:  運為変錯。目 之が為に眩するなり。此の故に斯の書の文。
15677:  物に於ては。條理整斉に務め。事に於ては。運為変錯に出づ。
15678:  苟くも事に斯に従わんと欲せば。読中須く先づ弁ずべし。
15679:  此れや天。此れや人。此れや事。此れや物なりと。
15680:  而して後に以て始めて斯の語を読む可し。
15681:  声は〉名なり〉
15682:  主は》実なり》
15683:  主は〉天なり〉
15684:  声は》人なり》
15685:  人を以て天を呼ぶ。
15686:  或いは相い称う〉                     (称う=かなう)
15687:  或いは相い乖く》                     (乖く=そむく)
15688:  或いは声異にして主同なり〉
15689:  或いは声同にして主異なり》故に
15690:  一一の各も。亦た侌昜なり。
15691:  天地の性も。亦た侌昜なり。
15692:  経緯も。亦た天地なり。
15693:  没露も。亦た天地なり。
15694:  日影を分するも。亦た気象なり。
15695:  日影を合して。而して虚動に対するも。亦た気象なり。
15696:  水燥を分するも。亦た気質なり。
15697:  水燥を合して。而して実静に対するも。亦たた気質なり。
15698:  水火も亦た象質なり。
15699:  天地も亦た象質なり。
15700:  生化の化も。亦た化と曰う。
15701:  化生の化も。亦た化と曰う。
15702:  精霊の精も。亦た精と曰う。
15703:  精力の精も。亦た精と曰う。
15704:  精麁の精も。亦た精と曰う。
15705:  精乳の精も。亦た精と曰う。
15706:  歳運の運も。亦た運と曰う。
15707:  運転の運も。亦た運と曰う。
15708:  知運の運も。亦た運と曰う。
15709:  運輸の運も。亦た運と曰う。
15710:  呼吸の吸も。亦た吸と曰う。
15711:  吸噴の吸も。亦た吸と曰う。
15712:  吸吐の吸も。亦た吸と曰う。
15713:  外転内持も。亦た転持と曰う。
15714:  横転竪持も。亦た転持と曰う。
15715:  呼吸よりする者も。亦た発収と曰う。
15716:  鬱粛よりする者も。亦た発収と曰う。
15717:  出納する者も。亦た食吐と曰う。
15718:  含開する者も。亦た食吐と曰う。
15719:  露中。持に対して転と謂えば。則ち東西を合して。之を転と謂う。
15720:     運に対して転と謂えば。則ち象に属する者運す。
15721:                  気に属する者転す。
15722:  没中。昼夜冬夏を以てする者を。転と為せば。則ち
15723:     古今終始を以てする者を。運と為す。
15724:  意為の意は。則ち心性を兼ね。
15725:  意知の意は。則ち心を分す。是れ声同じくして主異なるなり。
15726:  一一と曰い。侌昜と曰い。気物と曰い。天地と曰い。
15727:  睡覚と曰い。寤寐と曰い。営為と曰い。営施と曰う。
15728:  是れ差別無きに非ざると雖も。而も畢竟一なり。
15729:  一に酬醋黜陟と曰い。一に取捨与奪と曰い。一に握歩と曰い。
15730:  一に舞踏と曰い。一に言行と曰い。一に言動と曰い。一に云為と曰うは。
15731:  則ち声主同じからずして其の帰するや一なり。
15732:  儻し声主の義を審かにせんと欲せば。
15733:  須く偶する所を以て之を推すべし。條理を繹ぬるの法なり。故に
15734:  気を言えば。則ち気物。気体。気形。気質。気象。天気。心気。気色の類有り。
15735:  神を言えば。則ち天神。本神。神物。神霊。鬼神。神人。聖神の類有り。
15736:  天を言えば。則ち天地。天神。天物。天人。天命の類有り。
15737:  全天地の規矩も。亦た東西南北を有す。
15738:  半天地の衡従も。亦た東西南北を有す。
15739:  偶する所に由らざれば。則ち将に其の主を誤らんとす。且つ
15740:  一気も亦た気物を有す。
15741:  大物も亦た気物を有す。而して
15742:  万物も各おの気物を有す。是を以て。
15743:  没して天を為し。露して地を為すと雖も。而も
15744:  没も亦た天地。
15745:  露も亦た天地。
15746:  天も亦た天地。
15747:  地も亦た天地。
15748:  往く所皆な然り。故に声主の間は。
15749:  偶する所を推して。以て混ずる所を弁ずるに在り。
15750:  條理 明らかなれば。則ち其の主に惑わず。
15751:  其の主に惑わざれば。則ち杼を曾参の人を殺すに投ぜず。是を以て。
15752:  ※燿を暗に比すれば。則ち明と曰う。
15753:  之を焔焔に比すれば。則ち暗と曰う。
15754:  火を冥冥に比すれば。則ち明と曰う。
15755:  之を昭昭に比すれば。則ち暗と曰う。
15756:  転持を分して之を言えば。転に気と曰い。持に質と曰う。
15757:  持中之を分すれば。無質に気と曰い。有質に質と曰う。
15758:  運転を分して之を言えば。転に気と曰い。運に象と曰う。
15759:  象中之を分すれば。曜に象と曰い。影に気と曰う。
15760:  月は象なり。或いは質と曰う。水は質なり。或いは気と曰う。
15761:  猶お狗の牛より小にして。而して鼠に比して大と曰うがごとし。
15762:  ※の蛇より短にして。而して蛭に比して長と曰うがごとし。
15763:  東家の西を呼んで。西家の東と為すに惑うこと勿れ。
15764: ○人の物に遇うや。必ず其の名を命ず。此れ之を命ずれば。則ち彼も亦た之を命ず。
15765:  名の毎に物より多き所以なり。然りと雖も。
15766:  物なる者は。其の体厳然たり。人の共に覩て言う所なり。
15767:  気なる者は。   漠然たり。得て覩る可からず。
15768:  視ざれば則ち識らず。識らざれば則ち安んぞ得て之を命ぜん。
15769:  是れ気の毎に名に乏しき所以なり。蓋し條理の剖析は。
15770:  覩る可からざるが若しと雖も。而も粲然として前に立す。
15771:  已に其の粲立する者を獲て。未だ其の名を得ず。竟に我より之を命ず。
15772:  気物に没露と曰い。天地に通塞と曰うがごとき是れなり。
15773:  日に反して影を観る。水に反して燥を観る。
15774:  是れ古人の未だ名を命ぜざる所なり雖も。條理は自ら其主を有す。
15775:  言わずを欲すと雖も。而も得ず。新名の以て已む可からざるなり。故に
15776:  定説古訓に拘らず。條理に由りて言う者は。之を條理の言と謂う。
15777:  先達は未だ條理を詳かにせず。似を以て真を乱す。
15778:  方を以て正しく円に対し。月を以て正しく日に対する者の如きは。
15779:  是れ未だ対に反比有るを識らざるなり。故に
15780:  正しく直を掲げて方に換え。影を掲げて月に換う。
15781:  木なる者は。草と植を相い為し。鳥獣の動に対す。
15782:  白なる者は。日の色。以て黒に対す。
15783:  赤なる者は。白の黒を帯びて。暗の明に接するの青に対す。而して
15784:  今 木を以て金に対し。赤を以て黒に対するは。是れ
15785:  條理を錯乱する者なり。侌昜の位は。則ち右昜左侌なり。
15786:  赤白の色は。則ち白昜赤侌なり。
15787:  臓腑の分は。則ち腑昜臓侌なり。而して
15788:  世を挙げて之を倒置す。已に天地條理の有るあり。
15789:  罪を先達に獲ると雖も。而も敢えて従わず。
15790: ○伯楽 弟子をして良馬を求め使む。弟子散じて四方に之き。
15791:  纔に其の高踏善鳴する者を見て。便ち以て駿と為し。相い共に其の良を争い。
15792:  久しくして決せず。一人直ちに走って龍種を得て。其の高踏善鳴を見て顧みず。
15793:  是れ其の真を得て。而して不良自ら揜う能わざるなり。
15794:  世の天地を譚し。造化を論じ。是非を弁ずる者は。      (全集になし。自筆見せ消ち。)
15795:  未だ其の真に逢わずして。自ら得る者を以て是と為す。
15796:  窺窬して準を立て。人をして之に拠ら使む。準を天地に取るに非ざるなり。
15797:  世の真龍を見ざる者。意を以て※※緑耳を認む。
15798:  宜なるかな。駿駑人を眩す。夫の五家の如きは亦た配当のみ。而して
15799:  侌昜は則ち対待なり。
15800:  対待なる者は。天地の條理なり。
15801:  配当なる者は。人為の処置なり。
15802:  天地は安んぞ彼の配を知らん。是を以て。
15803:  男女は。偶なり。
15804:  夫婦は。配なり。
15805:  男女を以て夫婦を配す。配の善なる者なり。
15806:  善と雖も亦た人なり。故に
15807:  夫婦は転ぶこと有り。男女は変ずること無し。天人の別なり。
15808:  其の善なる者も猶お転ぶ。況んや其の不善なる者をや。
15809:  万品を彙めて。之を五行に配す。其の言に曰く。
15810:  東は木なり。西は金なり。東は青なり。西は白なりと。
15811:  是れ之を声主を混ずると謂うなり。
15812:  東を東にし。木を木にし。西を西にし。白を白にす。
15813:  主当りて名称いて。而して眩する所無し。偶の真なり。
15814:  配に由りて妄を病むは。学を以て蔽を得るなり。是の故に。
15815:  事物の然る所を知らんと欲すれば。則ち須く
15816:  水を観て水と為し。火を観て火と為し。
15817:  幽を観て幽と為し。明を観て明と為すべし。
15818:  宜しく対待を以て反観すべし。宜しく一一に就きて剖析すべし。
15819:  晋は無似なりと雖も。竊に茲に見ること有り。
15820:  其の確乎として固執する者は。徴 天地に在ればなり。
15821:  徴 天地に在るとは者。何ぞや。今 嘗みに日を挙げて人に問うて〉
15822:  是れ乃ち昜にして体を聚め〉能く地上をして灼然として昼なら使む〉
15823:  之に反するの状を索めよと曰わば。則ち彼れ必ず其の状を得て曰わん。
15824:  侌にして体を散じ》能く天下をして瞑焉として夜なら使むと》
15825:  既に探って其の主を得たり。影の体。其の人に具す。
15826:  又た雪を挙げて人に問うて。是れ乃ち冬にして水の凝りて〉而して
15827:  天より地に降りたる者〉之に反するの状を索めよと曰わば。則ち
15828:  彼れ必ず其の状を得て曰わん。
15829:  夏にして火の発し》而して地より天に升る者と》既に探って其の主を得たり。
15830:  雷の体 其の人に具す。是に於て我れ其の半を言いて。而して人其の半を知る。
15831:  徴 果して天地に在ればなり。
15832: ○徴 果して天地に在ると雖も。而も條理の道は微なり。豈に言い易からんや。
15833:  我は造物者に非ず。※んぞ能く條理を尽くさん。※んぞ能く條理を尽くさんなれば。
15834:  則ち斯の編 豈に恃む可けんや。然りと雖も。條理は則ち天地の準なり。
15835:  若し得ざる所の者有らば。則ち晋の未だ良馬に遇わざるなり。
15836:  若し此に人有りて。條理の正を執らば。以て晋の得ざる所を質さば。則ち
15837:  天地安んぞ晋の不能を護せん。是非なる者は。條理の在る所なり。
15838:  聖人復た起るとも。豈に之に易うるを得んや。是を以て。
15839:  是非の道。取捨の行。幽明の途。善悪の性は。
15840:  門を設け戸を張り。千古了せず。條理之を講ぜざればなり。
15841:  條理一たび立ちて。宇宙一匹の文錦と為る。
15842:  若く文采燦爛。雲飛び霞涌き。鸞鳳華卉。鬱乎として目に盈つも。
15843:  一経一緯。由りて来たる所有り。
15844:  巧婦の意匠。奚んぞ得て逃れん。而して後 火焼の水漬に一に。
15845:  鱗潜の翼飛に妨げず。川流敦化して。左右原に逢うを知る。
15846:  是れ図の剖析反合を示す所以なり。惟だ其の習する所。
15847:  目濡れ心染み。窺窬を執りて。而して條理を駁す。
15848:  所謂是も亦た一無窮。非も亦た一無窮にして。而して亦た
15849:  物の偶有る所以なり。
15850: ○玄語已に草す。直ちに其の見る所を説く。重ねて著贅語十数万言。
15851:  衆説を会して。之を條理に断ず。贅とは。玄に贅するなり。
15852:  善く玄を読む者は。贅を用うる莫し。天地已に在り。
15853:  而して又た役を筆硯に属すれば。則ち玄も亦た已に贅す。
15854:  善く観察する者は。又た玄を用うる莫し。然りと雖も。
15855:  観察の徴。條理灼然たり。而して人今に至りて之を講ぜず。
15856:  晋を竢って之を言わしむれば。則ち此の語も亦た廃す可からず。
15857:  此の語 廃す可からざるは。果して是か。
15858:  贅も亦た用う可し。是を以て。贅は玄に贅すと雖も。事は則ち相い出入す。
15859:  彝倫の教〉司徒の職は已に設けられしより〉其の道に遺漏無し〉
15860:  形骸の議は》素霊の学行われしより》世を挙げて表準と為す》
15861:  然りと雖も。彝倫の教は則ち備わり〉
15862:        其の條理は則ち遺う》
15863:        形体の説は則ち有り》
15864:        其の條理は則ち罔し》是に於て。
15865:  彝倫の次序。形体の分属の如きに至りては。則ち玄に略す。而して
15866:  贅に詳にす。蓋し夫れ人学びて天人を窮め。目 天地を空すと雖も。
15867:  然れども亦た斯の躬還って此に在り。此の故に。
15868:  斯の人を舍てて。目を彝倫の外に瞠す。曠しいかな。
15869:  申ねて彝倫を明らかにして。敢語一巻あり。以て畢る。
15870:  玄語の如きは。則ち言論古人に假ること無し。
15871:  贅敢は世と酬醋の態を為す。便ち玄の無き所にして。而して贅敢の設くる所なり。
15872:  則ち亦た併せ読まずんばある可からず。蓋し引く所の語は。
15873:  全き者有り。略する者有り。意を取りて文を換うる者有り。
15874:  所出を記する者有り。所出を記せざる者有り。
15875:  我が文中に箝する者有り。其の本志を失する無きが若きは。
15876:  君子幸いに恕せよ。而して其の古典を引き。衆説を考うるは。猶お眇視躄行。
15877:  将に大いに博洽の笑を招かんとす。
15878: ○天地洪蕩たり。実に筆硯の尽くす所に非ざるなり。故に此の書を読むの人。
15879:  須く先ず條理の分。統属の所在を知るべし。
15880:  譬えば火を挙げて之を言えば。則ち雷霆隕流。皆な此の属なるを知り。
15881:  馬を挙げて之を言えば。則ち羊鹿駝※。皆な此の属なるを知るが如し。
15882:  亦た須く必ず知る可し。軽重浮沈は。虚実の間。
15883:             奇偶多寡は。数中の事。
15884:             没露有無は。体中の事。
15885:             長短大小は。形中の事なるを。
15886:  而して能く統と散とを弁ず。解結聚散。栄枯死生。
15887:  名は各おの当る所有り。
15888:  事は各おの統ぶる所有り。
15889:  其の零砕に至っては。尽く紀する能わず。
15890:  事物の散する者に於て。要は條理を以て統べ。零砕以て之に属するあり。且つ
15891:  天地なる者は。天地なるのみ。
15892:  観て之を論ずる者は。人なり。我を挙げて以て天地に対すれば。
15893:  挙ぐる所の我なる者は。 有意なり。
15894:  対する所の天地なる者は。無意なり。
15895:  天人の間。意の有無のみ。
15896:  意の有無を混ずれば。則ち識は皆な窺窬に墜つ。故に
15897:  言を知るの要は。弁 天人に在り。其の
15898:  死生通塞は〉天なり〉
15899:  殺活与奪は》人なり》
15900:  人の私よりして〉而して天の公を観る〉
15901:  天の為よりして》而して人の偽を分す》
15902:  天成は為に偶す〉
15903:  人成は敗に偶す》而して
15904:  人中。死生睡覚するは則ち天なり〉
15905:     運用営為するは則ち人なり》是れ天人の弁なり。是を以て。
15906:  悦怨は。天に得るの徳なり。
15907:  仁義は。人に在るの道なり。
15908:  学礼は。之を修するの物なり。
15909:  栄辱は。之を成するの事なり。
15910:  苟くも類に触れて之を推し。引きて之を伸べずんば。
15911:  紛若たる事物は。言の尽くす可きに非ざるなり。
15912: ○人有れば必ず言有り。言有れば必ず名有り。是を以て。
15913:  我が方の物に名するは。固に西土に假ること無し。蓋し漢字の我に入るは。
15914:  国史以て 応神の朝に創らると為す。然れども山海経より下。
15915:  論衡 鬱を出だすの事有れば。
15916:  魏史 書を通ずるの文有り。則ち其の来たること旧し。
15917:  和漢の言の異なる。彼は則ち一音に一義を具す。上下主客。以て之を運用す。
15918:  我の如きは則ち音に義を具せず。数音を合して。而して一義を成す。
15919:  転声変化。以て運用を致す。故に我の已に彼の字を獲り。
15920:  以て之を用す。其の用は廼ち二なり。
15921:  一は以て其の字を用う。一は以て其の音を假る。
15922:  我が言を以て彼の字に合す。則ちあめ 天に合し。つち 地に合す。
15923:  猶お彼の間。大は摩訶に合し。知慧は般若に合するがごとし。
15924:  洪蕩たる霄壌。事物紛若。其の訳。
15925:  或いは当り或いは擬す。或いは得て或いは失う。
15926:  今の博物を務むる者。将に漢名の正を得て之に従わんとす。
15927:  業已に漢字を用う。                    (業已に=すでに)
15928:  名を漢称に正さんとする者は。其の志や善し。
15929:  然りと雖も我に於て漢字を用うること。殆ど二千年なり。
15930:  方称已に定まりて而して改む可からざる者有り。
15931:  方称已に定まると雖も猶お改む可き者有り。
15932:  我が称俗にして彼れ雅なる者有り。
15933:  彼の称俗にして我れ雅なる者有り。
15934:  誤りて従う可からざる者有り。誤ると雖も通ず可き者有り。亦た
15935:  彼此共に用う可き者有り。是に於て。
15936:  或いは彼此能く合す。或いは考合紛紛す。
15937:  是れ 本邦の漢字を用うるの難きなり。蓋し
15938:  人の博物。実は須く其の真を認むべし。名は須く主人に従うべし。
15939:  況んや諸方の物を出だすこと一ならざれば。則ち彼此何ぞ吻合せん。
15940:  粗しに一二を挙げて之を例せんに。世に川童と称する者有り。
15941:  形は※猴の如く。水艸の際に出没す。正名を命ずる者は。
15942:  水虎・魚虎を掲げて標し。又た水※を掲げて標す。而して川童を以て標せず。
15943:  異名を以て。本称を変ず。正名を欲して。而して反って其の実を失す。
15944:  此の間に猿無し。※猴を呼びて猿と為す。又た疾風を以て嵐と為し。
15945:  烟を以て霞と為す。洋を以て灘と為す。海口を以て江と為す。
15946:  之を用いざれば。則ち俗に通ずること能わずと。而れども
15947:  文に臨みては則ち取捨せざる可からず。
15948:  彼に※※と称し。我に長脚蛛と称する類のごときは。則ち彼れ雅なり。
15949:  彼に棘鬣魚と称し。我に鯛と称し。[源順の和名抄に崔禹錫の食鏡に出づとなす。
15950:                   禹の食鏡は伝わらず。今 和名となす。]
15951:  平魚と称する類の如きは。則ち我れ雅なり。亦た何ぞ彼に譲ることあらん。
15952:  冑を以て甲と為し。鋤を以て鍬と為すが如きは。則ち
15953:  誤の甚だしき者。豈に従うことを得んや。
15954:  我の鴬・桜・楓の如きは。久しく其の称を専らにす。
15955:  我の所謂鴬なる者は。彼の倉庚に非ず。是に於て
15956:  正名は〉剖葦と曰い。婆餅焦と曰い。報春鳥と曰う。
15957:  鴬を以て標すれば則ち定る。人の見る所を以てすれば。甲乙丙丁。名 常に転ず。
15958:  桜・楓皆な然り。夫れ龍なる者は。鱗類なり。而して馬も亦た龍と曰う。
15959:  斗なる者は。量器なり。而して星も亦た斗と曰う。則ち同名何ぞ嫌せん。
15960:  今 我の椿と称する者。国史は海石榴と称す。
15961:  海石榴は酉陽雑爼に出づれば。則ち蓋し李唐の伝うる所の名なり。
15962:  或いは曰く。今 我の椿は。即ち彼の山茶にして。而して
15963:  我が邦の山茶は即ち彼の海紅なり。然りと雖も。
15964:  彼の邦の人。我が邦の事を称すれば。桜と曰い。椿と曰う。
15965:  亦た我の称に従う。此の間の杜若は。彼の燕子花を誤れるなり。
15966:  誤ると雖も。而も本称を以て古籍を改め難ければ。則ち
15967:  我の杜若は。廼ち彼の燕子花なり。猶お今の蘭。古の蘭に非ずと雖も。
15968:  其の名を奪う可からざるがごとし。
15969:  苟くも其の真を知らば則ち何ぞ夫の仙陀娑に惑わん。
15970:  神木〉鰹魚〉海鼠の類の如きは。我れ自ら正称有り。
15971:  海雀・稲郎等の如きは。我れ自ら雅呼有り。又た
15972:  彼に※と曰うは。我に野老と曰い。
15973:  彼に鰕と曰うは。我に海老と曰うの類は。
15974:  諸を漢語和名等の書に収むれば。則ち共に通称す可し。又た
15975:  葦鹿の訓に従いて書し。於胡の音を假りて書す。
15976:  亦た同じく通ず可し。是を以て操觚の間は。
15977:  消息せざること能わず。 朝廷。考文の治久しく廃し。
15978:  爾雅の挙未だ有らざれば。則ち
15979:  消息して之を分暁にせんと欲すると雖も。業又た晋の私に出づれば。則ち
15980:  復た見者をして鼠璞を混淆にせしめんとす。故に方名を用いる者は。
15981:  雙黒系を以て之を分す。且つ條理の道未だ講ぜず。
15982:  見に従って名を命じ。意に随って類を分かつ。是に於て
15983:  庶物の品類は。未だ條理に合せず。
15984:  此の書の業は條理に在り。杜撰なりと雖も。旧称無き者は新たに名を命ず。
15985:  分類は。専ら條理に由る。
15986:  日の分は。星を以て之に属し。
15987:  月の分は。辰を以て名を立す。歳年の別は。周の官注に曰く。
15988:  朔数に年と曰う〉
15989:  中数に歳と曰う》
15990:  其の説は分暁なり。故に
15991:  日の一周天なる者を以て〉歳と曰う〉
15992:  月の十二会なる者を以て》年と曰う》
15993:  艸木なる者は。植の分なり。
15994:  輭小にして歳を以て 栄枯する者を〉艸と曰う〉
15995:  堅大にして歳を度して生化する者を》木と曰う》然りと雖も。
15996:  艸木なる者は〉枝幹の体に正なる者なり〉
15997:  O蔓なる者は》枝幹の体に変なる者なり》
15998:  枝幹の体に正なる者は〉名して卉樹と曰う〉
15999:  枝幹の体に変なる者は》名してO蔓と曰う〉
16000:  卉樹は艸木を分す〉
16001:  O蔓は艸木を具す》
16002:  類の分せざるを得ざる所以なり。
16003:  虫は飛走の二を有す〉飛に虫と曰い〉走に豸と曰う〉
16004:  菌は堅輭の二を有す》輭に菌と曰い》堅に寓と曰う》
16005:  陸は鳥獣艸木を有す〉而して
16006:  水は鱗※藻樹を得る》
16007:  堅中。植は金石土鹵を有す〉而して
16008:     動は螺蛤亀蟹の類を有す》
16009:  造名は〉則ち晋の私に出づ〉而して
16010:  分類は》則ち條理の天に由る》
16011:  質なる者は〉雨水土石艸木の類にして》実体有るの称なり〉
16012:  象なる者は》日月雲煙の類にして》  実体無きの称なり》
16013:  形なる者は〉直円塊※の類なり〉
16014:  体なる者は》虚実剛柔の類なり》
16015:  気に対して物を挙げ。理に対して故を説く。
16016:  宇宙覆載と。天神本神と。私意に出づるが如しと雖も。実は之を條理に正す。故に
16017:  声の同じき有りて〉而も主の同じからざる者は。
16018:  是れ其の専ら古訓詁に拠らざる所以なり。
16019:  世の儒家。或いは斥けて体用を言う者曰く。是れ先王の法言に非ずと。
16020:  斥けて心思を説く者曰く。是れ浮屠氏の事業なりと。
16021:  今夫れ西学入れば。則ち天下の天を譚する者。己を舍ててこれに従う。
16022:  真に護る所有ればなり。火器入れば。則ち天下の武を用うる者は。甘んじて之に習う。
16023:  利此れより善きは莫ければなり。苟くも諸を天地に徴して有らば〉
16024:  則ち蒭蕘狂夫の言も奚んぞ廃せんや。[況んや百家をや。仮に
16025:  水穀塩蔬の用無くんば。之を牛溲馬浡敗皷皮に若かずと謂う可きや。
16026:  是を以て晋は則ち忌わざるなり。贅敢に至って先達を称う。官号名字。
16027:  筆を信じて之を書す。意に軽重を含むに非ず。]
16028: ○書有って通じ難きは。伝注の起こる所以なり。周易の十翼。
16029:  魯史の三伝よりして。而して爾雅訓古を為り。夏小正 解通を為る。
16030:  後世の注は。皆な訓古解通なり。独り裴松之の三国志に於ける。
16031:  劉孝標の世説に於ける。輯補を以て注を為す。亦た一体なり。
16032:  晋の斯の書に於ける。大なる者は提げ。小なる者は従えば。
16033:  則ち後世綱目の設と相い似て亦た同じからず。目は。専ら綱を守る。
16034:  此の書の如きは。本書未だ尽くさず。引いて其の義を演ぶ。故に
16035:  或いは本文の未だ嘗て言わざる所に出だし。
16036:  或いは本文の既に言う所に収む。
16037:  出入先後は。復た本書に規規たらず。故に之を演義と謂う。
16038:  贅語も亦た例を同じくす。読者は須く融して之に通ずべし。
16039: ○伏して天地の化育を観れば。水火は性を異にすと雖も。而も
16040:  並育して相い害せず。
16041:  聖人の天下を治む。能く衆情を容れて。而して模範の中に陶冶す。
16042:  惟だ周礼を読みて。而して後 聖人の心の天地の若くなるを知る。蓋し
16043:  聖人の心。愚を愍れみ異を容れ。賢愚利鈍。各おの其の情を伸ばし。
16044:  各おの其の力を竭し。各おの其の所を得るに在るなり。
16045:  先王の道 衰え。諸士口舌を以て。天下の治を説き。
16046:  己の見る所を以て。己の非とする所を排す。
16047:  門戸を互いに設け。是非各おの張る。之に加うるに仏老を以てす。
16048:  道は政と離る。其の相い是非する者を以て天下を治めんとす。是に於て。
16049:  政に従う者も。亦た此れを以て心と為す。水を以て火を悪み。
16050:  裘を以て葛を忌み。赤子を分ちて。而して諸を愛外に置く。
16051:  大いに周公の天下を治むるの設に非ず。而して
16052:  天地化育の道と異なり。周礼の六官は。
16053:  治有り。教有り。礼有り。政有り。刑有り。職有り。
16054:  将に備えて之を用い。人情を其の中に疏せんとす。
16055:  然らずんば〉則ち占して夢を贈り。
16056:  儺して疫を殴ち。人死すれば則ち復し。年旱すれば則ち※し。
16057:  大※には則ち方相氏。壙に入りて方良を殴ち。
16058:  日食には則ち鼓を撃ちて日を救うが如し。何為れぞ児戯なる。
16059:  此を以て之を治め。聡明を以て天下に先んぜず。
16060:  後世の撰と異なるなり。後世 先王の道を以て。儒と曰う。然れども。
16061:  儒者は。周礼九両の一流れて学者の称と為り。
16062:  老墨申韓。互いに興り。相い杭し相い攻め。議論を以て諸家に勝たんと欲す。
16063:  勢い先王の道と異ならざるを得ず。孔子は乱世に栖栖として。
16064:  其の志 将に東周を成さんとす。轍 天下を環りて。
16065:  之を敢えて宗とする者莫し。
16066:  終に先王の法を取り。修して之を伝う。是れ乃ち孔子なり。
16067:  孟子は戦国縦横の間に起きて。覇を抑え王を揚ぐ。亦た其の新意なり。
16068:  君臣の義を論ずるに至りては。則ち孔子と合せず。
16069:  荘子は放浪と雖も。而も殷湯周武を論ずるに至りては。則ち
16070:  孟子の下に出でざれば。則ち諸家と雖も。而も廃す可からざるなり。夫れ
16071:  天下の善悪利鈍に擾擾たるは。猶お
16072:  天地の間に雲霧烟霞。山沢江湖。竹樹鳥獣の雑然たるもの有るがごとし。
16073:  是の天 能く此の雑然たる者を容る。
16074:  是の君 能く此の擾擾たる者を保す。周礼より之を観れば。則ち
16075:  老墨申韓も。亦た儒なり。道を分かつよりして之を観れば。則ち
16076:  儒者は。先王の法服を服し。先王の法言を唱える者なり。
16077:  其の道は善なりと雖も而も九両の一出でず。
16078:  各おの其の徳とする所を徳とし。各おの其の道とする所を道とし。
16079:  以て分界を為す。分界一たび立ちて。其の地狭し。
16080:  狭ければ争う。争えば闘う。
16081:  闘えば則ち其の非を相い見て。其の是を相い知らず。是非中らざれば。
16082:  以て相い服するに足らず。愈いよ攻めて愈いよ叛き。愈いよ広めて愈いよ狭し。
16083:  擾擾たる生民。我と同胞。奚んぞ区域を為して相い争わん。夫れ
16084:  善なる者は。人の悦ぶ所なり。
16085:  悪なる者は。人の怨む所なり。
16086:  是は。人の栄とする所なり。
16087:  非は。人の辱とする所なり。
16088:  諸を四方に推し。諸を古今に建てて。公然たる者なり。
16089:  今夫れ善を為す者は。将に人の不善を治めんとす。
16090:  将に人の不善を治めんとして。而して行を不善を絶つことに危うくす。
16091:  不善は。路を善に入るに失して。竟に激して害す。
16092:  其の名は則ち美〉
16093:  其の実は則ち損》
16094:  孰れか其の咎を執らん。
16095:  晋は寒郷の一農なり。幸に日月の休明に遇い。竊に 聖沢の洪蕩を仰ぐ。
16096:  徳は天地と並び行われ。物は各おの其の所を得る。
16097:  衆の悦怨する所にして。而して善悪を知り。
16098:  衆の栄辱する所にして。而して是非を考う。
16099:  賢と無く愚と無く。同と無く異と無く。四海兄弟にして。而して
16100:  大父膝上に教育せらる。伏して惟んみるに。晋は則ち王者の民。
16101:  竊に天地に窺うこと有り。
16102:  亦た相い与に楽しんで。優遊して歳を卒う。
16103:  其の門戸を開く者にして入り。其の門戸を閉づ者にして入らず。
16104:  各おの好尚を大同の中に置く。故に
16105:  各家の学を守って。専ら一門に拠ること能わず。
16106:  我れ棄てて而して彼れ之を拾い。
16107:  我れ非として而して彼れ之を是とす。大同に非ざるなり。
16108:  故に之を是非するに。天地を以てし。之を取捨するに。天地を以てす。
16109:  言いて失する有らば〉晋の天地に肖ざるなり。
16110:  言いて得る有らば〉 晋の天地と肖るなり。
16111: ○玄語の次目は一に條理に従う。贅語の如きは。
16112:  曰く天地。曰く侌昜。曰く身生。曰く死生。曰く善悪。曰く天人。
16113:  其の要なる者を挙げて之を言う。條理を以て之を次ぐ者に非ず。
16114:  訓を綱にし諸篇之に従う。
16115:  是れ亦た要に因りて之に次ぐ。條理を以てする者に非ず。
16116:  是れ玄贅の異なるなり。敢語は贅語に同じ。
16117: ○宝暦癸酉の歳。晋 年三十一にして肇めて此の編を艸す。
16118:  継いで贅・敢の二語有り。
16119:  贅は宝暦丙子より。癸未に至って。八たび年を踰え。
16120:  十たび稿を換えて今の本に至る。凡そ七冊なり。
16121:  敢は宝暦庚辰より癸未に至って。四たび年を踰え。
16122:  四たび稿を換ゆ。今の本に至って。一冊と為す。
16123:  今 茲に門人之を梓に上す。
16124:  此の語は癸酉より。明和乙酉に至って。換稿十五たび。
16125:  竟に大いに※※たるを覚え。尽く旧稿を棄て。新たに艸を起こす。
16126:  四年を越えて戊子に至り。三たび艸を換え。稍や安きが若し。
16127:  休すること一年。再び之を思うに。天地に於て。大いに合せず。
16128:  庚寅の冬。又た旧稿を棄てて。此の稿を起こす。又た六年を経て〉今 茲に乙未。
16129:  五たび換えて纔に此の稿を得たり。四冊七本。例旨を併せて凡そ八本。
16130:  十余万言。一百六十有余図。
16131:  歴年二十三。換稿も亦た二十三。
16132:  物大にして事衆し。犬馬の歯。既に半百を過ぐ。
16133:  鬢髪※※。之に継ぐに心胸の病を以てす。知らず天之れに年を假し。
16134:  将に其の業を卒えしめんとするか。将に其の志を奪わんとするか。
16135:  是に於てか感無きこと能わず。書して以て佗日を竢つ。
16136:  安永四年端午識す。
16137: 
16138: 玄語例旨
16139: 
16140: (附言)
16141: ○天冊の天なる者は〉性なり〉鬱浡の活なり〉
16142:  地冊の地なる者は》体なり》混淪の立なり》
16143:  地冊二部は。没と為し露と為す。
16144:  二部四界。天界の目を〉宇宙と曰い〉方位と曰う〉
16145:       機界の目を〉転持と曰い〉形理と曰う〉之を没部と為す〉
16146:       体界の目を》天地と曰い》華液と曰う》
16147:       性界の目を》日影と曰い》水燥と曰う》之を露部と為す》而して
16148:  方位なる者は〉宇宙の痕なり〉
16149:  形理なる者は〉転持の静なり〉是に於て
16150:  宇宙転持は綱を為す〉
16151:  天地華液なる者は》性体の物なり》
16152:  日影水燥なる者は》性体の気なり》是に於て
16153:  天地華液を綱と為す〉一二分合の別より之を剖せば〉宜しく先づ
16154:  天地の動〉
16155:  形理の静を以て》没中の動静天地を探り。而して
16156:  天地の体〉
16157:  華液の性を以て》露中の体性天地を偶して。
16158:  以て其の條理を繹ぬべし。宇宙なる者は精なり。
16159:  自ら方位を以て天地を為す。而して
16160:  宙なる者は則ち袞袞の通〉能く宇内に潜む。
16161:  一宇は没露の一球を為す者を容す。而して天地立す。
16162:  天地は体を以て物を成す〉
16163:  華液は性を以て物を成す〉
16164:  日影は色気を以て播す》
16165:  水燥は性才を以て布す》
16166:  華は則ち日影なり〉
16167:  液は則ち水燥なり》
16168:  水火なる者は。本と持中の物なり。
16169:  或いは以て華液と為す。蓋し水火の称。地に於ては専主有り。
16170:  拡げて華液を称す。天に在っては日月を言う。皆な其の性に因りて言う。
16171:  体界に於て既に華液を言い。性界に於ても亦た華液を言う。
16172:  唯だ言に詳略有りて然り。
16173:  一なる者は体して合す〉以て其の條貫を成す〉
16174:  二なる者は分して反す》以て其の理析を観る》
16175:  火の虚の象〉
16176:  水の実の質》皆な物なり。
16177:  天地華液は。体性を隔すと雖も。而も同じく体を有す。而して
16178:  華液は反を以て反に対し。具を以て闕に向う。
16179:  彼に合せざれば。則ち此を成すこと能わず。故に体界の華液なる者は。
16180:  虚象の物を以て実質の物に偶す。而して
16181:  其の成する所は。此に合し彼に成し。彼に合し此に成す。
16182:  華液は既に体界に於て物を為す。物は自ら己の気を有す。故に
16183:  性界は〉則ち日影明暗の色〉寒熱の気を播す〉
16184:        水燥乾潤の性》滋煦の才を布す》故に
16185:  條貫は脈の通を観る〉
16186:  理析は用の別を観る》是を以て
16187:  天地華液は。相い得て一球を成す。而して
16188:  日影水燥は。各おの不占心の圏を領し。政を上下に布す。是に於いて
16189:  宇一は没露の一球を容す。一球は連環を分す。是に於て
16190:  宇なる者は〉   含して一なり〉
16191:  日影水燥なる者は》吐して二なり》
16192:  以て大物を成す。
16193:  宇は則ち一中に方位を具し。転持天地を合して之を容す。而して
16194:  其の華液は既に其の体を立す。体 立して其の性気は其の才用を施す。
16195:  地冊を読む者は。宜しく先づ此の意を識りて。
16196:  而して後 天地を探れ。
16197: ○一なる者は数えずして足る。故に
16198:  之を剖して破す可からざるに至るも〉猶お一を尽さず〉
16199:  之を加えて載す可からざるに至るも》猶お一に至らず》
16200:  一元気は玄なり。
16201:  二なる者は一を挙げて一を闕く。具を言いて闕を見す。亦た玄なり。
16202:  或ひと曰く玄にして玄ならば。則ち何ぞ子の言に待たん。
16203:  玄にして玄ならずんば。則ち何ぞ玄を言うを用いん。
16204:  玄を言うを待ちて而して後玄ならば。玄は玄と為すに足らず。
16205:  玄 玄を言うを待たずんば。何ぞ子の言に益せん。曰く故に玄なり。
16206: ○天地を以て侌昜を剖せば〉天地は各おの侌昜を具す〉
16207:  侌昜を以て天地を観れば》侌昜は各おの天地を具す》
16208:  分合の道。適として然らざる無きなり。
16209: ○條理を講ずる。須く剖析対待の経緯を審かにすべし。
16210:  剖析は混粲食吐の観を有す〉
16211:  対待は反比分合の態を有す》
16212:  剖析すれば則ち一にして二〉
16213:  対待すれば則ち一は一に偶す》
16214: ○侌成昜成の圏は。侌成昜成の天地と。同じからず
16215:  天圏と曰い〉日影の圏と曰うは〉便ち昜成の圏なり〉
16216:  地圏と曰い》水燥の圏と曰うは》便ち侌成の圏なり》
16217:  共に不占心の環にして。分して二を成す。
16218:  転持形理の没〉
16219:  天地華液の露》
16220:  共に心を中に占め。  合して一を成す。
16221:  圏は外円に就きて言い。環は中虚に依して言う。
16222:  天地の形は其の円きこと毬の如し。故に
16223:  地球は即ち地毬なり。水火の地は其の上に襲す。
16224:  或いは併せて実毬と謂う〉或いは地毬実毬を分す〉
16225:  日月の毬は》水燥の上に襲す》
16226:  或いは天を併せて》虚毬と謂う》或いは天毬虚毬を分す》
16227:  圏と曰うと環と曰うと。意 稍や異なるなり。
16228: ○直円は其の正に就きて言う。規矩は持平に由りて言う。
16229:  西中東中。西線東線は。即ち赤道黄道なり。
16230:  守軸環軸は。即ち赤軸黄軸なり。処に従って其の声を異にす。
16231:  主の異に非ざるなり。
16232:  輪軸と曰い。弦弧と曰う。假りて譬うる所同じからず。
16233: ○体界に言う所は。則ち天地華液の体なり。
16234:  性界に言う所は。則ち色気性才の用なり。
16235:  然り而して性中は色を明暗に属す。
16236:  性を乾潤に属すれば。則ち亦た色界に対するの性界有り。
16237: ○明暗に色と曰い。黒白に彩と曰い。気に交と曰い。物に接と曰う。條理の言なり。
16238:  然れども散言は。通称に従う。
16239: ○人身の液に。数義有り。曰く
16240:  気液の液なる者は。気に対するの名にして。身中の滑沢なり。
16241:  血液  なる者は。血に対するの名にして。表に在る者なり。
16242:  裏に在れば則ち濁りて赤し。血の謂いなり。
16243:  表に出れば則ち清みて淡し。液の謂いなり。故に
16244:  液の分たるる者は。皮表なり。而して
16245:  経中の気。脈中の液も。又た気液の対名なり(亦た気液と称す)。
16246:  骨肉の気液と別なり。
16247:  一なる者は数えずして足る。故に之を剖して破る可からざるに至るも。
16248:  猶お一を尽くさず。之を加えて載す可からざるに至るも。一に至らず。
16249:  故に強いて命じて一元気と曰う。
16250:  一を挙げて一を闕う。具を言いて闕を見す。故に玄と曰う。
16251:  或ひと曰く既に玄なり。何ぞ玄を言うを為して。言を以て示さんや。
16252:  何を以て玄とするやと。
16253:  玄にして玄ならば。何ぞ子に待たん。玄にして玄ならずんば。
16254:  徒らに子の労を観んと。
16255:  予答えて曰く。故に玄なり。
16256: ○天地を以て侌昜を観れば。天中も亦た侌昜を具し。
16257:              地中も亦た侌昜を具す。
16258:  侌昜を以て天地を観れば。侌中も亦た天地を具し。
16259:  昜中も亦た天地を具す。分合の道。適として然らざる無きなり。
16260:  露中は色体の二界を分す。色なる者は性の見なり。
16261:  体なる者は天地なり。
16262:  性なる者は華液なり。之を体性の分と為す。
16263:  液は則ち水燥にして地球を合す。
16264:  華は則ち日影にして天球を合す。之を天地の分と為す。
16265:  露部を読む者は。之を弁ぜざれば。則ち将に其の弁に迷わん。故に
16266:  水火は。地上に在りて言う者は。字の正詁なり。
16267:      天地を通じて言えば。華液を指す。
16268:  読者は宜しく声主を尋繹して之を分つべし。
16269:  死声を以て活主と認むること勿れ。
16270: ○比なる者は反の偶なり。反と謂えば則ち此れに有る者。彼に無きなり。
16271:  比と謂えば則ち此れに有る者。彼に有るなり。而して
16272:  比方の比は反比の比と別なり。
16273: ○交接の義は。気に於て交と言う。質に於て接と曰う。
16274:  東西の行は。西するを転と曰う。東するを運と曰う。
16275:  歳時の行は。日月に成する者を。歳と曰う。
16276:       水燥に成する者を。運と曰う。
16277:  心の営。意作に出づる者を。為と曰い。
16278:      感応に出づる者を。運と曰う。 
16279: ○象なる者は。天に在りて見る可き者の称なり。
16280:  質なる者は。地に在りて取る可き者の称なり。
16281:  気象は或いは日影を分して称す。大言すれば則ち日影は共に象なり。
16282:  虚動なる者は気と曰う。
16283:  気質は或いは水燥を分して称す。大言すれば則ち水地は共に質なり。
16284:  麁濁なる者は気と曰う。
16285:  火なる者は地に在りて水に対する者なり。而して
16286:  大言すれば則ち日は天に在るの火なり。
16287:  然れども日火は自ら専主有り。故に天日地水の偶は。古より専称無し。
16288:  故に今 華液と称し。以て偶名と為す。



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